月々10万円を稼ぐ「既読回避アプリ」LINE99%のユーザーデータと、個人で80アプリを公開する「元バンドマン」開発者が語る、乱打型アプリ開発術。

2017年10月04日 |
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2名の個人開発者さんを取材しました。「個人開発者特集2017」の第五回です。

<目次>
・月々10万円を安定して稼ぐ「既読回避アプリ」開発者が語るユーザーデータ
・個人で80アプリを公開する「元バンドマン開発者」の乱打型アプリ開発術

1、月々10万円を安定して稼ぐ「既読回避アプリ」開発者が語るユーザーデータ


※個人開発者の西原さん。昼間は大手ネット企業でエンジニアとして働いている。

西原さんが「つくっているアプリ」について教えてください。

LINEのメッセージなどに「既読」をつけずに読める、「のぞきみ」というアプリをつくっています。

もともと、これは「勉強目的」でつくりはじめたアプリです。平日に1〜2時間ずつ進めていって、1〜2ヶ月かけて完成させました。

アイコンも自分でつくったんですよ。ただ、デザインのセンスも技術もなかったので、Keynoteをつかって記号を組み合わせて、それっぽくしました。笑


※他SNSのメッセージも読めるが、利用率で見るとLINEが99%。

どうして「のぞきみ」をつくろうと思ったんですか。

Androidには「通知領域から情報をとってくる」という仕組みがあるのですが、それをつかって「なにが出来るかな」と考えていました。

そのうち、「LINEのメッセージ」を取得できることに気付いて。それなら「既読」をつけずに読めるアプリをつくってみようと。

ためしに、GooglePlayで検索してみたら、似たようなアプリもいくつかあって。意外とダウンロード数も大きかったので、需要はあるんだろうと判断しました。

いまアプリの「ダウンロード数」などはどれくらいですか?

リリース7ヶ月で、10万ダウンロードされています。経路としては「ストア検索」を中心に、1日に700〜800ダウンロードずつ増えています。

ユーザーの、男女比はほぼ半々くらい(男性48:女性52)、年齢層としては「若い女性」と「年配の男性」の比率が高いですね。

アプリがつかわれているのは、夕方から夜にかけての「夜の時間帯」です。新規ダウンロードも夜になると伸びてくる傾向があります。

アプリの収益としてはどんな感じですか?

安定して「月10万円くらい」の収益にはなっています。収益モデルについては広告で、ほぼバナー広告から収益があがっています。

もともと「お小遣いになればラッキー」くらいのつもりでしたが、思っていたよりは収益的にもうまくいったのかなと感じます。

このアプリは、30日後の継続率も40%くらいあって。初期の離脱さえ乗り越えられれば、長くつかってもらいやすいジャンルなのかもしれません。

アプリの運営で「うまくいっていること」は何かありますか?

わりと「レビューを集める施策」はうまくいっています、アプリの評価も730件ついていますね。

具体的には「アプリをよく使ってくれている人」に絞って、「アプリを気に入っていますか?」という質問から、レビューをお願いするようにしています。

条件としては、「メッセージを何通受信した」とか「利用開始から何日以上」というところで、セグメント分けしています。

かなり「レビュー返信」も熱心にされていますよね。

レビュー返信については、時間があるときに返しています。レビューを返信したら「評価を上げてくれた人」の割合がすこし多くなりました。

あと、「この機能をつけてほしい」というレビューには、その機能を実装したときに「できましたよ」と返信してあげると、星5にしてもらえたこともあります。

それから、アップデートのコメントに「花粉症の治療はじめました」とか遊び心を入れておくと、それにレビューで反応してくれる人もいますよ。

開発者の西原さんのツイッター

のぞきみ(Andorid


2、個人で80アプリを公開する「元バンドマン開発者」の乱打型アプリ開発術


※個人開発者のTecco 西本誠さん(会社で働きながら、個人でアプリを開発している)

アプリ開発は「どういう経緯」ではじめたんですか?

もともと、アプリ開発は「おもしろそうだな」と趣味感覚ではじめました。それから、ずっと会社で働きながら、個人でアプリをつくっています。

4年くらい前は、大手のカメラメーカーで働いていました。2016年にSupershipに入社したことをきっかけに、エンジニアとして働きはじめました。

アプリは80本だしていて、累計50万ダウンロードされています。昔から、バンドをずっとやっていたくらいで、もともと創作活動は好きなんです。


※個人で80アプリを公開(とくに、この1年半で50本くらい出したそう)

80本のなかで「一番収益化できているアプリ」はどれですか?

Amazonで「割引検索」ができるアプリですね。このアプリは、25万ダウンロードされているのですが、すごくインド人につかわれていて。

とくに、ここ半年でみると「インド人が80%を占める」というほどになっています。

なぜか公開して1年半たってから、いきなりインドで火がついて、そこからインド人が毎日200人ほど、入ってくるようになりました。

このアプリは、Amazonのストアにも出していますが、感覚的なユーザー規模はGooglePlayの1/6くらい。思ったよりはダウンロードされています。


※ダウンロード数は「インド、アメリカ、日本」の順に多い。

このアプリの「収益モデル」はどうなっているんですか。

収益については「広告モデル」ですね、Amazonのアフィリエイトは入れられないみたいで…。

ちなみに、インド人って広告をめちゃくちゃ押してくれるんですよ、クリック率も3%ほどあって。ただ、広告単価が低いからあまり儲からない。笑

クリック単価でいうと、アメリカだと1クリックで30〜40円くらいですけど、インドだと1クリック1円にもならないくらいです。

しかも、インド人ってアプリをすぐ消しちゃうんです。そういうところは、ちょっとマネタイズしにくいところではあるかもしれませんね。

ほかに「インドユーザーの特徴」ってなにかありますか。

インドのユーザーはみんな優しいですね。インド人はレビューでも「よかったよ、最高!」って、すぐに星5をつけてくれます。笑

よく、モハメドさんとかアハマドさんとかから、褒めてもらえるようなレビューがついています。

それに比べて、日本のユーザーは厳しいですね。ある意味「贅沢」に慣れてしまっていて、少しでも気に入らないとケチをつけてしまう傾向がある。

このアプリの評価も、全体だと星3.7くらいなんですけど、日本だと星3ギリギリくらいです。

それ以外のアプリも収益化できていますか。

ほかには、「赤ちゃんの泣き止む音」を出すアプリとか、「赤ちゃんの名前」をレコメンドしてくれるアプリも、わりと収益になっていますね。

もちろん、稼げていないアプリも多いのですが、アプリ全体でみると「ほぼ寝ていても生きていけるくらい」は、月の収益があがっています

おもしろいのは、一番開発の手間がかかっていない、ボタンを押したら「ピンポーン」と鳴るだけのアプリが、月5,000円程の収益になっていて。

そういう、良くも悪くも「努力と成果が結びつかない」みたいなことが、アプリではよく起こりますね。


※「居酒屋のピンポン」は8,000ダウンロード

それくらい収益があると「アプリで独立しよう」とはならないんですか?

もちろん、考えてはいるんですけど、それよりも僕は会社って「勉強する場所」だなと思っていて。

とくにSupershipに入ってよかったのが、周りに教えてもらったり教え合ったりして、ものすごく自分の技術が磨かれたことなんです。

たとえば、以前は1日かかっていたことが、1時間でできるようになったり。そのおかげもあって、アプリもたくさん出すことができた。

会社は「お金をもらいながら勉強できる」という場所で、そこで得た知識を「個人の活動にもいかす」というサイクルが出来ているというか。

なので、会社で働くのも続けていきたいなって、思っているんですよね。

おもしろいですね。

いま、スタートアップの仕事も、個人で4〜5社のお手伝いをしているのですが、それも「リモートOK」の仕事ばかりなので、いつどこでやってもいいわけです。

そういう感じで、わりと自由に仕事をしています。

アプリ開発で「意識していること」があれば教えてください。

自分のスタイルは「思いついたら形にする」というものです。リリースしないと気が済まないタイプなので、動くならリリースしてしまう。

人からは「アイディアマン」と言われるのですが、どちらかというと自信がないんです。数を打っていかないと当たらないなと思っている。

逆にいうと、あまり期待していないんですね。期待しちゃうと疲れちゃうから。10個だして1個くらい当たればいいかなと。

なるほど。

意識しているのは「検索流入」くらいです。さっきのアプリでいうと「Amazon 割引」で検索するひとがいるだろう、と思いながらつくる。

あと、アプリの言語は基本的に「日本語と英語」に対応しています。Amazonの割引アプリだけは、13ヶ国語に対応しました。

ただ翻訳ってめんどうなので、なるべく言葉はアイコンに置き換えています。そういう「工数をかけないようにする工夫」は意外と重要かもしれません。

開発者の西本さんのツイッター

(アプリを楽しくつくっているのが伝わってきます)

Amazon割引ショッピングアプリ(iOS/Android)

個人開発者特集2017

【第一回】草野球ゲームで収益300万円。「チケットと対人戦」を入れて収益を上げるコツ
【第二回】女子高生が開発した勉強アプリと、収益120万円「zipアプリ」のチャットサポート
【第三回】1本で300万円稼げたガラケーアプリと、まりもアプリが今でも収益化できてる理由
【第四回】会社を解雇されアプリで独立したが、月収は195円のアプリ開発者の日常

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。有料マガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。【配信提携】LINEニュース【過去連載】週アスPLUS、マックピープル。アプリの取材申請はコチラのページから。
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