累計GMV100億円を突破。LINEで探せる式場探しサービス「トキハナ」成長の裏側。結婚式において「主役になりたくない人」が増えているトレンドの話。

2024年09月09日 |
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※本記事はnoteにて公開した記事を転載したものです(公開日:2024年6月25日 )数値などは取材当時のものです。
https://markelabo.com/n/nbceb49639e5b

結婚式場をLINEで探せる「トキハナ」さんを取材しました。

株式会社トキハナ 代表取締役社長 安藤 正樹さん (ドリコムの創業メンバーで営業担当取締役 → ブライダル企業のエスクリの役員 → 起業)

「トキハナ」について教えてください

安藤:
LINEでできる「式場探しサービス」です。2020年からサービスを開始して、累計のGMV(流通総額)としては100億円を突破しています。

提携式場数は全国で600件あり、LINE公式アカウントの登録者数は8.2万人、月間のGMV(流通総額)は約8億円となっています。

トキハナは「結婚式の負」を解消するサービスです。LINEで相談いただくと元ウエディングプランナーが希望に合った式場を提案します。

もともと僕は、結婚式場の会社で働いていたのですが「結婚式をしない人」も増えていました。それで、やらないという選択を「やる」に変える事業がやりたかったんです。僕自身も結婚式をこれまで4回やっています。

最初は「gensen wedding」「Choole」という2サービスを作ったのですが、顧客層が同じだと気づいて、これらを統合して「トキハナ」を作りました。

いろいろ試した結果、強かったニーズは「結婚式をいい感じにしてほしい」というものだったので、相談型のパーソナルサービスにしましたね。

トキハナを公開したのは2020年5月。コロナ禍には採用支援とLINEコンサルの事業で持ち堪えながら、トキハナを育てていきました。

立ち上げフェーズの初期に「力を入れたこと」はなんですか?

安藤:
初期はとにかく毎朝、LINEの動きを観察して「お客様の関心の高い情報は何なのか?」を分析して、オペレーションに落とし込んでいきましたね。

LINEって、メルマガ配信のような「マーケティングツール」として捉えられがちだと思いますが、僕らはセールスのための「コミュニケーションツール」のように捉えていたんです。

例えば、LINEで「お客様の関心が高い情報」って、商談で言うと資料の特定ページを「めっちゃ見ている」みたいなことに近いですよね。

なので、LINEでコンテンツを配信して「関心度」を測って、その反応を元に「関心の高い訴求軸」でコミュニケーションを取ったりします。

例えば、LINEで「持ち込みできる式場」のコンテンツの反応率が高かった方には「持ち込み軸」のコミュニケーションを強めたほうが良い。

このように、ひとつひとつオペレーションやコンテンツを改善して、コミュニケーションを磨き上げていくと成果が出てきましたね。

パーソナルな相談サポートは「自動化」から入らずに、まず手動で非効率にやってみて成果が出たものを効率化する。この順序が大切だと思いました。

トキハナが「成長する手応え」を感じた瞬間はどこですか?

安藤:
1つは「エリアを拡大すると成長したとき」です。

東京からスタートして大阪にも式場が増えた。すると、大阪のお客様からも相談が増える。これはエリアが変わっても成立していることを示します。

そのため、成長率の高いエリアがあった場合には、戦略的にそこに広告を出稿して集客したり、式場を増やしたりもしましたね。

式場ラインナップは「決定率」にも影響します。エリアに30会場あるのに、5会場しか掲載されていなければトキハナ以外に流れやすくなります。

それが、30のうち15会場が掲載されていれば「この中から見つかりそう!」という期待値が上がり決定率も確実に高くなります。

式場のバリエーションも重要です。同じような15式場よりも、特徴を持った(価格・雰囲気・場所など)15式場があったほうが適切です。

2つ目は「ラインナップ」を増やすと成長したときです。

例えば、LINEでできる「式場診断」「見積もり診断」「パーソナル診断」など診断を増やしていくと、LINEの登録者が増えていきました。

診断が増えると「訴求パターン」が増えます。すると、集客の手札が増えるので「お客様のターゲット層」の拡張につながります。

この「訴求軸」と「エリア」が増えると、その組み合わせで掛け算で伸ばしていけるので、これでどんどん拡張していきました。

12月のクリスマスシーズンに「プロポーズする人」が多いため1月にGMVが伸びるそう。

トキハナを運営してみて「初めてわかったこと」を教えてください。

安藤:
想定外だった発見としては、知らない式場ではなくて「知っている式場」を提案しても信頼してくれる、というお客様が多かったことです。

顧客インタビューを行うと、「提案された式場が『知ってる式場』ばかりで信頼できた」と話してくれる方が多くて。パーソナルな相談サービスには「検討中の選択肢が間違ってないか」を確かめたいニーズもあるんだなと。

当初は「お客様が知らない式場」を提案したほうが満足度が上がると考えていたのですが、ニーズに合った式場をスパッと出すほうが良かったです。

SNSやネットで調べて、自分では「この式場かこの式場かな」と思うけど本当に合っているか悩む。トキハナが同じ式場を提案してきたら「ちゃんと合ってたんや!」と自信を持てる。すると、トキハナも信頼してもらえる

これはインタビューだからわかったことでした。LINEでお客様は「私が良いと思った式場を提案するなんてさすがですね」とは言ってくれません。

トキハナを運営するときに「最も大事にする指標」は何ですか?

安藤:
最も重要な指標になるのは「結婚式場の決定数」ですが、そこに至るための重要指標としては「相談数(LINEで相談してもらう)」を置いています。

LINEに登録するだけの方も多いため、能動的に「この式場はどうですか?」「こんな結婚式がしたい!」と相談してもらうことを指標にしています。

そして「相談数」を伸ばすために意識しているのは「返信スピード」です。これは「10分以内には返そう」という気持ちでやっています。

夜は22時まで対応しているのですが、深夜に溜まった相談も翌日の午前中に役員も含めて「全て返しきろう!」と頑張っています。

返信の速さは「満足度」にも直結します。お客様に「大事にされている」と感じていただけたり、サービス品質を体感してもらえるためです。

実際に「レスが早くて安心した!」のような口コミは多く、サービスの評価にも繋がりやすいポイントだなと感じています。

あとは「LINEの登録数」を効率よく集めるために、「検索・インスタ・広告」などチャネル別にマーケティングを行っているという感じですね。

成功した施策:「LINEで式場レビューを集める」

安藤:
トキハナに掲載している「結婚式場のレビュー」は、お客様にLINEで感想を直接ヒアリングすることで、良質なレビューを素早く集められています。

ほとんどの方からご回答いただけるので、口コミを投稿いただくよりも、LINEのチャットで聞いたほうが回答率もずっと高くなると思います。

レビューの増加は「サービスの向上」にもつながります。少ないときには「この式場さんどうですか?」と聞かれても詳しく回答できませんでした。

レビューが増えると「こんな評判が多いですよ!このページに載っています」と誰でも伝えられるようになり、サービスの品質も向上しました。

結婚式のトレンドで「変わってきていること」を教えてください。

安藤:
最も大きいのは、結婚式において「定番の演出」を望まない方が増えていることを肌感として強く感じています。

中でも強いニーズがあるのは「結婚式で主役になりたくない」なんですよ。だから「脱・主役の結婚式」というものを求める人が増えています。

結婚式はやりたい。ハッピーな時間を過ごしたい。でも「自分たちが主役だ」という雰囲気は嫌。このように考える方が増えているんです。

入場シーンも無くして友達と話したい。誓いのキスもスピーチもいらない。主役感を減らすことは「定番演出を回避すること」だとも言えます。

イメージ的には、飲み会に「主役」がいないのと同じで、結婚式にも「主役」はいなくていいと。披露宴ではなくウェディングパーティーがいいと。

求める演出も多様化しているため、トキハナでも式場が決まった方に「理想のウェディング」を行うためのノートも無料で送っているんです。

【取材協力】
株式会社トキハナ:https://tokihana.co.jp/ 
トキハナ:https://tokihana.net/ 
株式会社トキハナ 安藤 正樹さん、広報の菅井 さくらさん

【告知】トキハナさんでは「LINEのコンサルサービス」もやっているそう。不動産・自動車・ジュエリーなど「C向けの高単価商材」とは相性が良いとのこと。ご興味あれば下記サイトからご覧ください。
https://salesdx.tokihana.co.jp/

※ 続きの話は、noteマガジン購読者向けに、4つほどnote購読者向けにまとめています。効果の高かった2つの広告、見学率と成約率を高めた工夫、パーソナル相談型サービスが成立するかの判断方法、などご興味あればご覧ください。↓
https://markelabo.com/n/nbceb49639e5b

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