300万ユーザー突破の「パラレル」に聞く、「共通の話題」が少ないZ世代にプロダクトを広めるポイント、招待率が8倍になった学校対抗型のコミュニティ施策。

2023年12月04日 |
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※本記事はnoteにて公開した記事を転載したものです(公開日:2023年8月25日 )数値などは取材当時のものです。
https://markelabo.com/n/nacee676dd845

たまり場アプリの「パラレル」さんを取材しました。

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株式会社パラレル 代表取締役 青木穣さん、道下 江里花さん

「パラレル」について教えてください。

青木:
パラレルは「友達と遊べるたまり場アプリ」です。友達とゲームや動画などエンタメコンテンツを通じて、コミュニケーションができます。

登録ユーザー数は、300万人を突破しました。アクティブユーザーの国内比率は75%になっていて、現在は国内にフォーカスしています。

特徴は「継続率と熱量の高さ」です。1人あたりの利用時間は平均1日約200分、週5以上でアプリを立ち上げる国内ユーザーは約65%を占めます。

継続率が非常に高いため、毎月アクティブユーザー数も伸び続けています。

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ユーザーの80%がZ世代、累計の通話時間は160億分。

パラレルはどのように成長してきたのか。

青木:
初期のパラレルは、荒野行動など「FPSゲーム」をしている人に「音質の良い通話」を提供することで、バーチャルコミュニティから拡大しました。

これは簡単な理由で、彼らには「オンラインにたまる習慣」があったから。習慣のある人を「こっちのほうがいいよ」と連れてくるのは簡単です。

ただ、それだけでは市場が小さいので、次にパラレル内に「ゲーム」などのエンタメコンテンツを置いて、それを軸に「たまり場」をつくりました。

例えば、パラレルにある「とび夫」という、友達とスコアを競って遊ぶカジュアルゲームは、公開1ヶ月で2,500万回プレイされました。

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キーポイントになったのは、みんなで楽しめるコンテンツを置いて「共通の話題」が生まれるようにしたことでした。

いまの若い人は、それぞれ別のエンタメコンテンツに触れていて、みんなで「共通の話題」を話せる機会が少なくなっています。

でも、実際は「共通の話題」を求めていて。非同期でも一緒に遊べるコンテンツを置いたことが、非ゲーマー(マス層)に広がる要因になりました。

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「計画的セレンディピティ」を起点に成長。

青木:
いまの若い人たちは、オンラインで「自分の状況」を共有することで、偶発的なコミュニケーションが生まれることを期待していると思います。

例えば、ストーリーに「最近これ見てるよ」と共有したら、誰かが「わたしもそれ見てる!」と反応してコミュニケーションがはじまります。

位置情報アプリもそうです。「いま渋谷にいるよ」という情報を共有しつつ「近くにいるから遊ぼう!」と誘われることを期待しています。

これは偶発的なコミュニケーションにも見えますが、ある意味では計画的に引き起こされたもので、僕らはこの価値観を「計画的セレンディピティ」と呼んでいます。

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つまり、「今何してるの?」と聞くよりも、SNSで「今こうだよ!」と自分から表明して、会話のキッカケをつくることが増えているんですね。

これはリアルで例えるなら、誰か友達こないかなと期待しながら、放課後の教室や部室で時間を潰しているような状態に似ています。

これまでオンラインにあまりなかった「偶発性」をユーザーが持ち込むようになっているんですよ。

そこで、パラレルでも「計画的なセレンディピティ」が生まれることを意識してプロダクトを設計しています。

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例えば、パラレルの「ロビー機能」では、1人でゲームをしていたら「あいつパラレルにいる!」と可視化されて、集まれるようになっています。

逆にいうと、何もキッカケがない状態から、自分からコミュニケーションをとることのハードルが、めっちゃ上がっているとも言えるんですよ。

例えば「いきなり通話する」ってハードルが高い。相手が何してるかわからないのに連絡するって、かける側にもストレスがかかります。

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コミュニティ起点の「全国学校ゲーム対決」が成功した理由

道下:
直近で最も成果につながったのは、2023年の7月に開催した「全国学校ゲーム対決 とび夫マスターズ」という、中高生を対象にした企画でした。

実は、当初はYouTuberさんを起用したプロモーションをいくつか検証していたのですが、これがあまり上手くいかなくて…。

それで、何かヒントを得たいと思って。原宿などで学生に街頭インタビューのようなことをしてみたんですよ。

例えば「好きなインフルエンサー誰ですか?」「好きなものなんですか?」と学生に話を聞いていくと、ひとつわかったことがあったんです。

それは「好きなもの」が見事にバラバラだったこと。エンタメがパーソナライズ化していて、みんなが見ているインフルエンサーがいなかった。

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じゃあどうしよう。もっと狭くやらないといけないな。学生がリアルの友達同士で熱量高くつかうメディアってどこだ。きっとインスタだなと。

あとは海外のソーシャルアプリで、学校の狭いコミュニティから着火して、ユーザー数をグッと伸ばしている事例がいくつもあったんですね。

それをヒントに企画したのが「友達や学校別にゲームのスコアを競う」というパラレルのイベントでした。

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まず一部の学校を対象に、ブラウザ上でゲームを遊んで「校内だけでスコアが競えるサイト」をテスト的に公開すると、学校内で高い熱量が広がっていく様子がデータから伝わってきました。

例えば、公開日より翌日以降のアクセス数がどんどん伸びていたり、中にはサイトに繰り返し200回以上訪問するユーザーがいたんです。

これは検証のための企画でしたが、学校という所属意識の高いコミュニティの中で対決できるって、こんなに熱量を生むんだなとわかりました。

この結果を受けて、本番では賞金も設定して「学校対抗+校内でもスコアを競う」というルールで、アプリ内でゲームを競える企画にしました。

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どのように「学校の生徒」に企画を広めていったのでしょうか?

道下:
企画を知ってもらうために、学校ごとに「○○学校のパラレル」のような、企画用のインスタアカウント(首都圏で100校ほど)をつくりました。

そして、プロフィールに「学校名・学校名の略称」を記載している生徒さんなどをフォローしました。すると、まず1人か2人が気づいてくれます。

そこからはユーザー起点で、ストーリーで「こんなのあった!」「スコアが何点だった!」と広まったり、クラスLINEで「うちの学校を1位にしよう!」と盛り上がったり、部活から学年を超えて広がりました。

※ 参加者に企画後に「ユーザーインタビュー」をしてわかった。

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ほかには、運用型のSNS広告を出稿したり、通学路に看板広告を出したり、専門の会社さんを通じてノートを配って接触率を高めましたね。

広告系は「首都圏を中心」にすることで密度を高めて、運用型の広告については「全国」に展開していました。

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結果としては、パラレルのアクティブユーザー(MAU)は過去最高を記録。ゲームのプレイ回数は半月で2,000万回を超える結果になりました。

日本全国の中学高校の7割くらいの学校数にあたる、約9,500校からご参加いただき、中には全校生徒の70%近くの生徒さんが参加してくれた学校もありました。

イベント期間の「友達招待率」は通常の8倍。参加者が多いほど勝てるルールにもしたので、友達を巻き込んで参加してくれる人が多かったです。

新規ユーザーのボリュームとしても大きく、友達同士でパラレルで繋がっているため、その後の継続率も想定よりかなり高く推移しています。

結果として、最も手応えを持って「ちゃんと学校の友達同士で新たな層を開拓できたな」と思える施策になったなと感じます。

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【取材協力】
パラレル株式会社:https://www.parallelcorp.com/
パラレル:https://parallel.chat/
青木さん:@Joaoki

【告知】今後、外部企業と連携してパラレルを通して、友達と一緒に外部アプリを遊ぶ体験をより促進していくとのことです。詳細にご興味あれば下記よりご連絡してみてください。 support@parallelcorp.com

※続きのマニアックな事例は5つほど、note購読者向けにまとめています。指標を10%改善したオンボーディング施策、パラレルでよく見ている指標、「N1インタビュー」の精度を高めるコツ、などご興味あればご覧ください。
https://markelabo.com/n/n65e37f7f2502

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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