マメにリプ返する人は「コアファン率が高い」コスメアプリ「LIPS」100万ダウンロード突破までの成功施策と「最後の賭け」だったYouTuberプロモの裏側

2018年07月19日 |
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約1年半で100万ダウンロードを突破したコスメアプリ「LIPS」さんにお話を伺いました。


※株式会社AppBrew 代表取締役 深澤雄太さん(右)、取締役 松井友里さん(左)

「LIPS」ができるまで

「LIPS」について教えてください。

松井:
LIPSはコスメを「人ベース」で探せるアプリです。商品ベースで探せるというよりも、人ベースで探せるということを大事にしています

人を中心にするという意味では、わかりやすく「インスタのコスメ版」と説明することもありますね。

2017年の1月にリリースして、100万ダウンロードを突破しています。運営は約20名(インターン・外部メンバー含む)で行っています。

会社としては「LIPSがはじめてのサービス」ではないのでしたっけ。

松井:
はい。会社をつくってから、LIPSをつくる前に「5つほどのプロダクト」をつくったのですが、ほとんど誰にもつかわれずに終わりました

例えば、ウェブメディアさん向けに「記事を紹介するチャットボット」がつくれる、チャットボットツールを提供しようとしたことがあって。

事前に、メディアの人にヒアリングしたら「興味あります」と言っていたので、よしと思ってプロトタイプをつくって持っていったんですよね。

そしたら「やっぱり要らない」みたいな感じになってしまって…笑

なるほど。

松井:
アイディアを話すと、最初は「あったらいいね」と言ってくれるけど、いざつくってみると「実際はつかわないよ」ということがあったり

そういう感じで、プロダクトをつくってみては「なんか違うね。なんか違うね」ということを、ずっと5回くらい繰り返していたんです。

そのあと、ようやく生まれたのが「LIPS」でした。リリースしたばかりの頃は、わたしとかがコスメを地道に投稿していましたね。

そうしていくうちに、だんだんアプリ内で交流が生まれてきて。ユーザーさんが楽しそうにしてるのを見たときは、ほんとにほんとに嬉しくて。

それがモチベーションになって、ここまで続けられてきたなという感じはありますね。

大きくユーザー数が伸びたのは「なにがキッカケ」だったのですか?

松井:
タイミングとしては、リリースから3ヶ月後くらいに、YouTuberさんにプロモーションをしてもらったときに、ユーザー数が一気に増えました

ただ、そのときはお金が尽きそうだったんです。資金調達したお金がなくなってきていて。ある意味「最後の賭け」みたいな感じでしたね。

あと数ヶ月分しか資金がない。これを外したら相当つらい。そういう状況だったので。プロモーション実施のときも緊張感がありました。

最終的には、2名のYouTuberさんにお願いしたのですが、そのときに「人ベースでコスメを探す」というのが、きちんとワークしたんですね。

YouTuberさんが、「LIPS」におすすめコスメを投稿して、それをファンの人たちが見にきてくれて、ファン同士での交流も生まれていました。

YouTuberプロモで「見るべきポイント」

そこから「YouTuberプロモ」は、結構やっているようにみえますが、結果を出すために「重要な要素」ってなんだと思いますか?

深澤:
基本は再生回数に比例すると思います。あとは「どれだけコアなファンがいるか」という、コアファンの比率も大事かなという気がします。

コアファンの支持が強い人に紹介してもらうと大きな効果がある。そういう意味では、かわにしみきさん(みきぽん)は圧倒的でしたね。

でも「コアファンがいるかどうか」って、どう判断したらいいんでしょうか。

松井:
ひとつ思ったのは、ツイッターでマメに「リプ返」している方って、ファンとの距離感が近くなって、コアファン率が高まっているのかなと。

コアなファンが多いインフルエンサーだと、動画の再生数はそこまで多くなくても、LIPSでコメントが100以上つくこともあって。

すると、ユーザーさんも喜んでくれるし、コメントの多い投稿があると「自分もやってみよう」となるし、コミュニティにも良い影響があります。

深澤:
ちなみに、プロモーションで「一定のユーザー数がアプリにいる状態」になってからは、新規ユーザーの継続率が約2倍になったんですよ。

やっぱり、コミュニティって「最低限の人数」がいないと維持されなくて、そこが一定のラインを超えると全然違ってくるんだなと。

ちなみに、どうしてYouTubeに絞っているんですか? ツイッターとかも良さそうかなと思うのですが。

松井:
実は、インフルエンサーさんに「ツイッターでアプリを紹介してもらう」というのも試してみたのですが、すぐに流れてしまいやすくて。

瞬間的にはダウンロードされるけど、次の日にはガーンと下がってしまいやすかったんです。ツイッターも悪くないと思うんですけどね…。

それに比べて、YouTubeは動画がずっと残りますし、新規のファンが入ってくるたびに、過去の動画を遡ってくれやすいかなと。

深澤:
いまでも、動画から1日に500〜1,000ダウンロード流入があったりもしますし、YouTube動画って「残り続けるものだな」と思いますね。

投稿ハードルを下げるコツ

若いユーザーにつかってもらうために「こだわっているところ」はありますか?

松井:
意識しているのは「投稿ハードル」を下げることです。とにかく軽い気持ちで「投稿してみよう!」と思ってもらいたいなと考えていて。

例えば、テキストボックスはあえて小さめにしています。大きくすると「長く書かなきゃ」という気がして、ハードルが上がってしまうから

あとは、写真がなくても投稿できるようにしたり。写真を必須にすると「電車のヒマな時間」などに投稿してもらいにくいからです。

いまの子って「ツイッターに慣れた世代」だと思うので、面倒くささを感じると「もういいや」となってしまうと思うんですね。

なので、LIPSではツイッターくらいカジュアルに、投稿できるようにしたいなと考えています。

なるほど。あとLIPSはアイコンが「今っぽいアプリだな」という感じがします。

松井:
もともと、LIPSのアイコンは「スナップチャット」を参考にしました。

スナップチャットのアイコンって、スマホのホーム画面で目立つことと、アイコンがキャラクターなのも、いまっぽくていいなと思って

LIPSのアイコンって、最初は赤いアイコンだったのですが、それを青みのあるピンクに変えてみたら、レビューで「可愛くなった」と言ってもらえて。

やっぱり、若い子ほど「自分の持ち物」にはこだわりがあるんだなと。わたしも昔は「シャーペンは絶対にピンク」とかありましたからね。笑

LIPSはどうやってマネタイズしているのでしょうか。

松井:
大きく2つあります。LIPSに「企業アカウント」をつくれるようにしているのと、コスメの「プレゼントキャンペーン」ができるようにしています。

とくに、プレゼントキャンペーンは、1回あたり数千人の応募がくることもあり、当選した人がLIPSに自然とクチコミも投稿してくれていて。

とても良いサイクルができているなと感じていますね。

LIPS全体での「コスメのレビュー投稿」ってどのくらいあるんですか? トップ層のフォロワー規模も知りたいです。

松井:
累計だと44万レビューが投稿されています。

1日のレビュー投稿数でいうと、平日だと1,200〜1,500レビューくらいですね。週末で多いときは、2,000レビューを超える日もあります。

フォロワー数で上位だと15万人くらいでしょうか。1投稿あたり平均800いいねつくような、人気のユーザーさんも出てきています。

数値が改善された施策

LIPSを運営してきて「数値が改善された施策」があれば知りたいです。

松井:
ひとつおもしろかったのは、コスメを検索したページに「評価の星」を出すようにしたら、アプリの継続率が+1〜2%あがったこと。

理由としては、ほしいコスメを検索して「評価の低いクチコミ」を重点的にみることで、最後のリスクヘッジをしている人が多かったようで。

例えば、悪いところとして「容器がつかいにくい」という意見があったとしても、気にしない人にとっては問題がなかったり。

コスメのクチコミって様々なんですね。なので、あえて「悪いクチコミをみたい」というニーズも、意外とあるのかなと思いました。

なるほど、ほかにはどうですか?

松井:
あとは、アプリのレビューのお願いを、以前は「いいねを20件してくれたら出す」という条件にしていたのですが、それだとあまり集まらなくて。

それを、思い切って「いいねを1件でもしてくれたら出す」という条件に変えてみたら、すごくレビューの数が増えました

アプリの評価も「★3台→★4台」に上がりましたね。意外とひとつでも「いいね」してくれたら、気に入ってくれているサインになるんだなと。

おもしろいですね。

松井:
それから、プッシュ通知で反応がいいのは「フォローしている◯◯さんが投稿しました」というもので、開封率が30%を超えています。

やっぱり、コミュニティアプリだと人をベースにした通知のほうが反応が良いんだなと感じました。

深澤さんは「施策が正しいかどうか」をどう判断していますか。男性としてはコスメユーザーの気持ちを感覚的に掴みにくいと思うのですが。

深澤:
かなり定量的に判断していますね。最後は「数字がこうだからこうしよう」という感じです。

なにかを決めるときは、まずユーザーかユーザーに近い社員に話を聞きます。すると定性的な「こうなんです」という情報が上がってきますよね。

それを検証して「数字としても正しい」と思えるものを採用しています。

例えば、以前に「ランキングってよくみるよね」という意見が出たので、タブからメインメニューにランキングを移動してみたんですね。

結果としては、ランキングのユニークユーザーが2倍になりました。じゃあこの仮説は正しかったんだな、ということで正式に採用しました。

定性的な情報をもとに、定量的に判断しているので、ユーザーに近い女性メンバーが社内にいることで、うまく回っているのかなと思います。

取材協力:株式会社AppBrew

LIPS

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。有料マガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。【配信提携】LINEニュース【過去連載】週アスPLUS、マックピープル。アプリの取材申請はコチラのページから。
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