世界2,000万DL突破のマジカントさんに、カジュアルゲームのプロモーションのコツを聞きました。
※本記事はユニティ・テクノロジーズ・ジャパンより、依頼を受けて執筆したPR記事です。
※株式会社マジカント 代表取締役 山口 龍介さん、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン 佐藤 愛さん
1、マジカントについて
マジカントさんについて教えてください。
山口:
もともとは、ツールアプリやニュースアプリをつくっていたのですが、現在は売上を伸ばしやすいカジュアルゲームに注力しているところです。
社員は12名いるのですが、基本はリモートで働いています。オフィスには週2日しか集まりません。普通にリモートでも成立していますよ。
普段は、みんな家とかで作業をしながら、チャットで連絡をとりあっています。もし必要があればビデオチャットにつなぐ程度の感覚です。
アプリを「リモートで開発する」ってむずかしくないんですか?
山口:
たしかに、画面をみながら「もっと動きをこうしたい」といったことは、対面のほうが適していますけど、それも出社日に集中的にやればいい。
あと、仕事でイヤになりやすいのって、人間関係だと思うんですよ。なので、リモートにして接触回数を減らしてしまえば、ストレスになりにくいかなと。
別に「人間関係に問題がある」ってことじゃないですよ。ずっと同じ場所で働いていると、人に気を遣ってしまうよねという話です。笑
マジカントさんでは「どんなカジュアルゲーム」をつくっているんですか。
山口:
代表的なものでいうと、1LINEとFillというカジュアルゲームです。1LINEが400万ダウンロード、Fillが275万ダウンロードを超えている状況です。
方向性としては、誰かにすごく好かれるよりは「誰にも嫌われないデザイン」で、国内も含めてグローバルを狙ってつくっています。
どちらのアプリも、売上比率でいうと「広告98%:課金2%」とほぼ広告ですね。広告フォーマット別だと「バナー3:全画面6:動画リワード1」という比率です。
※全アプリ累計だと2,000万DLを突破。1LINEは、AppStoreの「BEST OF 2017」トップゲームランキングにも入ったアプリ。
どうして海外(グローバル)を狙っているんですか?
山口:
単純に「カジュアルゲームの市場」が大きいからです。日本ではカジュアルゲームって「月間売上1,000万円いけばすごい」という感覚じゃないですか。
その一方で、グローバルに展開している、BitMangoという会社は「カジュアルなパズルゲームで年間120億円以上稼いでいる」と言われていたりします。
アプリの広告市場ってアメリカだけでも、日本の5倍くらい大きいらしいですよ。
世界にむけてゲームをつくるときに「意識していること」はありますか?
山口:
ストアの画像をみたときに「ゲームのルール」がパッとわかること。それが「アプリを落とす・落とさない」の基準になっていると思うから。
あとは、ゲームが「簡単に続けられる」というのも重視しています。手詰まりしないような難易度でステージをつくるというイメージです。
ただ、シンプルなアプリって「誰でもつくれそう」って思うじゃないですか。これ、多分つくれるんですよ。同じような品質のものをみんなつくれる。
でも、いまは売上に差がでるのって「プロモーション」だと思っていて。最後は「どう集客するのか」で差がでているなと感じています。
2、カジュアルゲームのプロモーション
カジュアルゲームの「広告プロモーション」って成立するものなんでしょうか。
山口:
ぼくらの場合は、ちゃんと広告コストを回収できています。ただ、そのままの「費用対効果」でみると、たしかに成立しにくいとは思いますね。
たとえば、1LINEの1ダウンロードあたりの収益性(LTV)って、約50円くらいなんですよね。そこまで収益性が大きくないわけです。
そうなると、1ダウンロード100円のコストで獲得したとしても、アプリの収益が50円しかでないので、赤字になってしまいます。
はい、そうですよね。
山口:
じゃあ、実際に「どうコストを回収するか?」というと、プロモーションで増える「自然流入」も含めてコストを回収しているんです。
自然流入とは何かというと、ストアのランキングだったり、Google Playの「急上昇アプリ」だったり、キーワード検索から流入するダウンロードのことです。
簡単にいうと、1ダウンロード100円で、5ダウンロードを獲得して、広告コストが500円かかりました。プロモーションした結果、自然流入が5ダウンロード増えました。
これでトントンだよね、という考え方です。この計算式は「1LINE」における実数にも近いですね。
なるほど。自然流入まで計算して回収するんですね。
山口:
そうですね。カジュアルゲームだと、むしろ「自然流入も含めて回収する」という計画じゃないと、ほぼ成立しないのではないかと思います。
カジュアルゲームの収益性って、だいたい数十円ですよね。なので、1インストールの広告コストを、収益性だけで上回るのはむずしいかなと。
佐藤:
ちなみに「自然流入を大きく増やす」ためには、大量に広告出稿してインストールを増やさないと、意味がないんでしょうか?
山口:
いえ、それが意外と関係なくて。ランキングが下のほうでも自然流入ってそんなに変わらないので、量で押し上げる必要はないんですよ。
カジュアルゲームで「1ダウンロードあたり収益50円」って高くないですか?
山口:
ぼくらの場合は、1ダウンロードあたりの収益性(LTV)を、最低90日間で計算するようにしていて、回収する期間を長めに設定しています。
あと、アプリをリリースしたら、まず数値をチェックしていて。良くないところを見つけて、収益性を改善してからプロモーションを打っています。
アプリの収益性って、継続率と収益性で決まってくるので。そこを細かく分解していって「良くない数値」を改善していくという作業でしょうか。
※リリースからプロモ開始までの流れ。収益性(LTV)を事前にチェックして数値を改善している
※アプリの「アイコンABテスト」を実施することもあるそう。
そこから「どういうプロモーション」をやるんですか? つかっている広告費も知りたいです。
山口:
基本は動画広告に出稿しています。いろいろやっていますが、いつもUnity Adsはつかっていますね。
広告費については、Unity Adsだけでも、最近は月に3,000万円くらい使っています。ひとつのアプリではなくて全体の予算ではありますけど。
ずっと、月1,000万円以上はつかっていて、今年(4月以降)は2億円以上はつかっていますね。それで、月に20万インストール程度を獲得している。
1LINEとFillでいうと、おおよそダウンロード全体の1/3くらいは、プロモーション経由で獲得したものになっているかなと思います。
どうして「Unity Ads」をメインでつかっているんですか。
山口:
Unity Adsは「獲得ボリューム」が多くとれるからです。ハマるとすごいボリュームがでるんですよ。他社の3〜4倍じゃ済まないくらいに。
あと、めちゃくちゃ楽なのが良いですね。管理画面からクリエイティブを登録すると、次の日には出稿がスタートできるという感じなので。
最低で「1インストール10円」から出稿できる、というのも安心感があります。
じゃあ、いきなりランキングが伸びているときは、広告出稿による影響なんでしょうか?
山口:
そうですね。10月のFillのランキングの伸びは、Unity Adsでプロモーションした結果です。デイリーで5,000ダウンロード、月に20万ダウンロードくらい獲得していました。
それから、1LINEがApp Storeのランキング1位に、20日くらい滞留できていたのも、広告プロモーションをかけ続けていたからです。
このときは、テレビ番組(ZIP!)で紹介されたりもしたので、運が良かったのもありますが。
実際、1インストールどれくらいの広告コスト(CPI)でとれていますか?
山口:
1インストールあたり、100円以下で獲得できています。
佐藤:
Unity Ads全体でみると、日本でカジュアルゲームの出稿をした場合、1ダウンロード80〜100円くらいで取れることも多いです。
ちなみに、ソーシャルゲームだと1ダウンロード700〜900円くらいは、かかってしまいますね。
広告の仕組みとしては、「出稿単価の高さ」と「インストール率の高さ」の掛け合わせのスコアが高いものが、最優先で表示されるようになっていて。
なので、広告視聴からの「インストール率が高いアプリ」というのは、すごくボリュームが出やすいんですよ。
※Unity Adsの国別のCPIデータ。ただ、カジュアルゲームからコアゲームまで混ざった「全体のCPIデータ」のため、あくまで国別の参考値程度。
3、動画プロモーションの獲得効率を上げるコツ
そうなると「動画広告のインストール率を上げる」には、どういうことをやったらいいんですか?
山口:
まず、簡単にできることは、「縦と横の動画」両方を用意することかなと思います。
佐藤:
正しいと思います。Unity Adsでも獲得量の多いアプリって、ほぼ100%「縦と横の動画」が両方セットで入っているんですよね。
山口:
あと、動画において重要なのは「プレイ動画をみせる」ということだと思います。
テロップとかで「新しいゲーム性!」みたいにやるよりは、生のプレイ動画をみせてしまって「こういうゲームですよ」と伝えたほうがいい。
もう、余計な情報は入れなくていい。社名さえいらない情報だと思っていて。とにかくゲームを説明することに特化したほうがいい気がします。
このとき、ひとつの問題をじっくり見せるよりも、複数の問題をテンポよく見せていくほうが、おそらく良いんじゃないかなと感じています。
なるほど。
山口:
それから、動画の最後にでるエンドカードについては、エンドカードだけみた人にも「どんなゲームか伝わる」というのを意識しています。
というのも、動画リワードって「報酬がもらえるから」という理由で、動画をみている状態じゃないですか。要するに、動画をまったくみてない人もいると思っていて。
なので、そういう人を想定して「エンドカードを見ただけでわかる」という風にしています。
たしかに、それは大事かもしれません。
佐藤:
あと、マジカントさんもやっていますが、動画を「音アリ」にすること。これだけでインストール率が3倍も違ってくるケースがあるんですよ。
とくに、イケメンキャラがでてくる恋愛ゲームは、ボイスを入れると数値が上がったりします。動画に音は絶対に入れたほうがいいですね。
プロモーションにつかう動画は、どうやってつくっているんですか?
山口:
これ、ぼくがつくってるんですよ。しかも、スマホをスマホで撮影しているだけ。
実は、はじめは「おしゃれな動画」を時間かけてつくっていました。でも、それよりも「スマホで撮った動画」のほうが数字が良かったりして。笑
動画の編集についても、Macに入ってる「iMovie」でやっています。なので、動画は特別な機材がなくてもなんとかなっていますね。
動画広告のプロモーションって「どれくらいのインストール率」がでるんですかね。
山口:
いま1アプリに対して、広告キャンペーンを20ほど設定してるのですが、インストール率って0.1%〜3.3%まで差がありますね。
つまり、インストール率に30倍も差が出るんですよね。なので、まずはダウンロードされる動画広告をつくらないと、獲得ボリュームは確保できないのかなと。
目安としては「インストール率は1%以上」でしょうか。最低1%を超えるクリエイティブを用意しないと、なかなかむずかしいと思います。
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Unity Ads
http://unityads.jp/
お問い合わせ
sales@unityads.jp
株式会社マジカント
http://magicant.co.jp/
取材協力:株式会社マジカント、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社
広告企画:アプリマーケティング研究所