アプリ評価が★2→★4に改善されると、ダウンロード率が5.4倍に。アプリのレビューが与える影響と、レビュー改善2つの成功事例。

2015年11月25日 |
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アプリストア(AppStore/GooglePlay)のレビュー関連のデータ、レビュー改善事例をまとめました。アプリのレビュー評価が上がると、どんなメリットがあるの?

1、どのくらいの人がアプリストアのレビューを読むのか?

アプリをダウンロードする前に「ひとつでもレビューを読んでいる人」は70%もいる。アプリストアのレビューは、ユーザーが「アプリをダウンロードするか」を決める要素のひとつである。

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2、中にはたくさんレビューを読む人もいる。

割合としては少ないけれど、「たくさんレビューを読んで検討する人」もいる。

具体的には「有料アプリ」は33%、「無料アプリ」は13%のユーザーが、アプリをダウンロードする前に、7つ以上のレビューを読んでいる。

言うまでもないが、有料アプリはお金を払わないとアプリが試せないので、「失敗したくない」という心理が強く働くから。

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3、アプリストアのレビューが、ユーザーに与える影響。

「レビューの平均評価」は、ユーザーにどのくらいの影響を与えるのか。レビュー平均値ごとの「ユーザーがアプリのダウンロードを考える割合」は以下の通り。

評価★(星1)だと約12%、評価★★(星2)だと約15%、評価★★★(星3)だと約50%、評価★★★★(星4)だと約96%、評価★★★★★(星5)だと約100%。

つまり、評価が「★1」のアプリを見つけた場合、90%くらいの人はダウンロードの候補から外してしまう。(食べログで「★1」のお店を候補から外すのと、同じようなことだと思われる)

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4、「レビューの改善」がダウンロード数に与える影響。

アプリのレビューを改善すると、ダウンロード率が上がる。ということは、レビューの平均値が「アプリのダウンロード数」にもインパクトを与える。

例えば、「★2」が「★4」に改善されると、ダウンロード率が5.4倍に上がる。(例えば、年20万ダウンロードされてるアプリが5.4倍になると、年108万ダウンロードに跳ね上がる)

目に見えにくいところではあるが、数値を見てしまうとバカにできない。

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※あくまでユーザー調査を元にした「予測値」なので、アプリや状況により変化する。

5、ユーザーはどんなときに、アプリのレビューを書くのか?

ユーザーはどのようなときにレビューを投稿するのか。すごく多いのが「ポジティブな体験をしたあと」と「ネガティブな体験をしたあと」なのだとか。

「ネガティブな体験をしたあと」には、65%の人が(低評価の)レビューを書くことを考え、「ポジティブな体験をしたあと」には、49%の人が(高評価の)レビューを書くことを考える。

つまり、アプリにムカついた人は、レビューにそのストレスをぶつけ、アプリでうれしい体験をした人は、レビュー上で、褒めたりお礼をしたりする。

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6、AppStoreのレビュー改善事例1「Circa」(ニュースアプリ)

ニュースアプリ「Circa」では、「ユーザーに話しかける(アプリ楽しんでるかい?)」という質問からはじまる、レビューへの誘導の仕組みで、レビューの改善に成功した。

良いレビューを書いてもらうには「良いレビューを書いてくれそうな人」に頼むべき。ということで「ヘビーユーザー」(アプリを3日で10回起動している人)に限定してレビューをお願いした。

結果は、約90%のユーザーが「★5」をつけてくれたとのこと。前提として「元々クオリティの高いアプリで、アプリのファンがたくさんいた」という条件ありきだとは思われる。

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※なお「Circa」は今年にサービス終了している。

7、AppStoreのレビュー改善事例2「MUSI」(音楽アプリ)

音楽アプリ「MUSI」でも、ほぼ「Circa」と同じ手法でレビューの改善に成功した。

こちらは、ユーザーがハッピーなタイミング(音楽を聴いている画面)で、ヘビーユーザー限定(ライブラリに8曲以上を登録している人)に、レビューをお願いしてみたと。

すると結果としては、12%のユーザーが「レビューをしても良いよ」というボタンを押してくれた。(このボタンを押すと、AppStoreへ飛ぶ)

また、1%のユーザーからは「アプリの不満」を書いたフィードバックのメールも回収できた。(その「不満」を元に、アプリの修正や機能追加をした)

ちなみに「MUSI」では、全ユーザーにポップアップで「レビューを書いてくれない?」と表示していたときは、たった1%しか回収できなかった。(レビュー回収の効率が10倍以上になった、ということ)

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8、まとめ

さきほどの、レビュー改善システムの何が優秀かというと、「不満を感じているユーザー」はメールに誘導した上で、「本当にアプリを気に入っている人」だけからレビューを回収している、というところ。

ツールだけではなく、ゲームでも機能すると思います。1,000万DLのカジュアルゲー「Mr Jump」でも、同じ仕組みが実装されていた。(たぶんリトライ回数やプレイ時間で、ユーザーを絞っている)

固定ファンが多くいるアプリは、試してみるとおもしろいかもしれません。

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参考記事:
“The Mobile Marketer’s Guide.” by Apptensive (リンク)
“How I hacked App Store ratings.” by Musi (リンク)
“The right way to ask users to review your app.” by Circa (リンク)

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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