デザイン時は「モノ」ではなく「感情」について話し合うべき。 アップルデザイナー「ジョナサン・アイブ」半生とデザイン哲学を9コマ漫画で振り返る。

2015年12月21日 |
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本記事では、数々のアップル製品をデザインしてきた「ジョナサン・アイブ(ジョニー・アイブ)」(現在、アップルの最高デザイン責任者)についてまとめました。

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※ジョナサン・アイブさん。画像はアップルより。

9コマでわかるジョナサン・アイブ。

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ジョナサン・アイブ、3つのエピソード

1. 大学の卒業展示のために「数百もの模型」をつくった。

ジョニーが大学生のとき、ソニーがスポンサーのコンテストに「未来の電話機」を応募して優勝した。このときには携帯電話なんてものは、まだなかった。

その後、大学の卒業展示のために「未来の電話機」をさらに改良。その様子をジョニーがインターンとして働いていた、デザイン会社の上司が見に行った。

すると、数百もの「模型」が部屋にあふれていた。ほとんどの学生はここまではしない(せいぜい5〜6個の模型をつくるくらい)。だがジョニーは完璧を追求するため、そうしていた。

無数につくられた模型たち。「模型A」と「模型B」の違いは、ほんのわずか。それを目にしたデザイナーは「まるで生物の進化の過程を見ているようだった」と話した。

最終的に、この作品は大学で「最優等」の成績をとり、業界のプロデザイナーからも注目されるキッカケともなった。

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2. スティーブ・ジョブズとの関係性

1997年にジョブズがアップルのCEOに復帰(ジョニーは92年にアップル入社)した当時、アップルの業績はものすごく不調だった。

ジョブズはいきなり会議でこういった。「アップルのどこが悪いか教えてくれないか?」みんな黙っていた。するとジョブズは大声で怒鳴り始めた。

「プロダクトだ!プロダクトが最悪じゃないか!セクシーさがどこにもない」

ジョニーは当時、デザインを大事にしていないアップルを、やめようと思っていたが、ジョブズのその言葉で踏みとどまった。「偉大な製品をつくるんだ」という宣言に聞こえたから。

その後、ジョブズとジョニーは意気投合し、様々なアップル製品をつくる。社内ではいつも一緒だった。ジョブズがすい臓がんの手術後(2004年)に、会いたがった人物は妻とジョニーの二人だけ。

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3. ジョニーのデザイン哲学

デザインすべきことは「ユーザーが対象をどう受け止めるかだ」とジョニーは語る。ありがちな「デザインはただの差別化の手段にすぎない」という考え方を嫌った。

「デザインのはじめの段階では、製品のストーリーについて語り合う。その製品になにを感じるか、モノではなく感情について話し合う」

iMacの開発のときには、処理速度や市場シェアではなく、「ユーザーがそれをつかってどう感じるか」「それは心のどの部分を占めるべきか」を優先して話し合った。

iPhoneをつくっているときも「湖の中からディスプレイが魔法のように浮かぶ」「プールの端が海につながっている」というイメージから「ディスプレイを尊重するデザイン」になった。

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参考資料:
ジョナサン・アイブ(リンク
Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学 (リンク
10 Things You Didn’t Know About Apple Design Chief Jony Ive(リンク
Sir Jonathan Ive’s career in pictures(リンク

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