まさかのMAU75%超え。アイドル応援アプリ「CHEERZ」ファン心をつかむ工夫と、 課金で「応援ボタン」回復、アイドルに売上分配する仕組み。

2015年09月30日 |
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アイドルを応援できるアプリ「CHEERZ」を運営する、フォッグさんにお話を伺いました。アイドルへ収益配分の仕組み、フランスの激アツなアイドルオタクの話など。

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※フォッグ株式会社 広報 石田雄彦さん(左)、プロジェクトマネージャー 伊藤崇行さん(右)

CHEERZについて

「CHEERZ」について教えてください。

石田:
CHEERZは「アイドル応援アプリ」です。アイドルが投稿する、自撮り写真やスナップ写真をみて、気に入ったら「CHEER」ボタンを押すことで、応援することが出来ます。

2014年12月にリリースして以来、現在「CHEER」ボタン(アイドルを応援するボタン)が2億1500万回押されている、という状況です。

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どんなユーザーが使っているのでしょうか?

石田:
基本的には「男性ユーザー」が多いですね。年齢層でいうと「20〜30代の男性」がメインです。

特徴としては、ユーザーの熱量が高いことです。「アイドルが好き」というコアなユーザーさんに、多く使っていただいていることもあって、「CHEERZ」のMAUは75%を超えています

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※参加アイドルは400名以上

応援ボタン「CHEER」について

「CHEER」ボタンを押すと、何が起こるんでしょうか?

石田:
ユーザーとしては「CHEER」を押していくことで、アイドルごとの「ファンランキング」にのったり、ユーザーの「レベル」が上がっていきます。

課金でポイントを買って「CHEER」を回復することもできますが、課金ユーザーは数パーセントですね。基本的には「課金しなくても楽しめる」というシステムになっています。

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アイドル側は「CHEER」が増えると、どんなメリットがありますか?

石田:
アイドルとしては「CHEER」が集まると、アプリ内ランキングの順位が上がったり、アプリ外の企画でも露出が増えていきます。

ちなみに「課金売上」については、一定の割合をアイドル側(事務所)にも分配していて、CHEERZで頑張れば頑張るほど、収益にも還元されるシステムになっています。

とくに「地方在住のアイドル」の方って、東京のイベントにくるとき、自分たちで車を運転して、車で寝泊まりしている子たちもいるんですよ。仕方ないとはいえ、なかなか深刻な問題ですよね。

そういうアイドルたちの「活動資金」を、少しでもサポートできたら嬉しいです。

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「CHEER」が盛り上がるタイミングはいつですか?

伊藤:
「ユーザーランキング」が夜0時に更新されるので、ランキングがリセットされた直後(0時~1時頃)は「CHEER」が伸びますね。「スタートダッシュで1位をとろう」と思う人が多いのだと思います。

あとは「ランキングイベント」のときは、「同じアイドルを応援するファン」が手を取り合って、なんとかその子を上位にあげるべく、盛り上がっていますね。

LINEグループやツイッター、またはカフェに集まって、緻密に戦略を立てるファンもいるようです。

cheerz_manga_strategy

「CHEERZ」の認知度をあげるために、やっていることはありますか?

伊藤:
いろいろなところとコラボ展開をしています。例えば、アイドルを題材としたWEBマンガ「ミリオンドール」とコラボして、マンガ内で「CHEERZ」参加アイドルが紹介される、という取り組みも行いました。

こうした「コラボ企画」は、もちろんこちらから提案することもありますし、コラボを希望される企業様から「何かコラボできませんか?」とお話をいただくこともあります。

MAUを高めるための工夫3つ

1、CHEERZのエンジニアは全員「アイドルのライブ」を見に行く。

伊藤:
CHEERZをつくる上で「アイドルファンの気持ちを理解すること」を大切にしています。やっぱり「ユーザーの気持ち」が理解できないと、良いアプリはつくれません。

そこで、社内のエンジニア陣には全員、実際に「アイドルのライブ」を見にいってもらっています

やっぱり、自分で体験しないとわからないことがあるんですよ。例えば「ライブって、こんなに盛り上がるんだな」とか「握手会でアイドルに見つめられると、こんなに緊張するんだな」とか。

そうすると、エンジニアから「ファンはこれを求めている」「これはこういう理由でよくない」という意見も自発的にでてくるようになる。実際アイドルにハマってしまうエンジニアもいますね。

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2、「ソーシャルゲームの仕組み」を取り入れている。

伊藤:
CHEERZでは「ソーシャルゲームの仕組み」を取り入れています。アプリ開発中に、代表の関根が「ソーシャルゲームの仕組みを、応用したら面白いんじゃない?」と発案したのがきっかけです。

例えば、CHEERZでは「ログインボーナス」でポイントがもらえます。「連続ログイン」の日数が増えると、獲得ポイントも増えていくので、毎日アプリを起動するきっかけになれば良いなと。

あとは「CHEER」を押した回数で、ユーザーの「レベル」も上がります。1レベルアップするごとに「CHEER」が全回復して、上限値もすこしずつ増えていく

押せる「CHEER」の数については、「1日に○回まで」と決まっているわけではなくて、ソーシャルゲームの「スタミナ」のように、一定時間で回復するシステムになっています。

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3、アイドルがアクティブに投稿してくれることも重要

伊藤:
アイドルが「CHEERZ」を好きになって、たくさん写真を投稿してくれることが、「質の高いユーザー」の獲得にもつながると考えています。

そこで、写真を投稿してくれるアイドルの数を、「DAI(デイリー・アクティブ・アイドル数)」という指標で、追いかけるようにしているんです。

例えば「DAI」を上げるために「皆勤賞」をつくっています。「皆勤賞」(1ヶ月間、毎日写真を投稿)をとったアイドルは、アプリのトップや、フォトブック「CHEERZ BOOK」でピックアップしています。

もちろん「人気がある子が目立つ」という仕組みも重要ですが、「努力している子」や「意外な魅力をもった子」が、なんらかのチャンスを得ることが、出来るようにもしたいと考えています。

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海外展開と世界のアイドルファン

海外展開についてはどうですか?

石田:
アプリ自体は、英語・フランス語・中国語(繁体字)に対応しています。ただ、アイドルの投稿テキストは「日本語のまま」にしています。例えば「元気だにゃん」みたいな言葉は、どうしても訳せないので。

実際、いまのところは「日本のユーザー」がほとんどなのですが、日本のアイドルを「海外の人にも知ってもらいたい」と考えていて、各国のイベントに出展したりはしています。

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※シンガポールのイベントで、アイドルとファンがピザを食べている写真。みんないい顔。

海外ではどの国が熱量が高いんでしょう?

石田:
とくに、フランスは熱量が高かった印象です。フランスで「ジャパンエキスポ」というフェスに出展したのですが、最終日には「アイドルと別れたくない!次はいつ来るの?」と号泣するファンもいたくらい。

それで、個人的に感じたのが「日本とフランスのアイドルファンは似ている」ということ。日本人って色々深く考えがちというか、ちょっと暗いところがあるじゃないですか。そこがフランス人と似ています。

例えば、いまフランスで流行ってるマンガって、「東京喰種」や「進撃の巨人」なんです。こういう、どちらかというと、暗くて重たい話が受けるのは、日本人と趣味が似ているからなのかなと思います。

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その辺の「オタクっぽさ」はフランス人特有なんですね。

石田:
そうですね。アメリカ人は少し違っていて、あっさりしてるんですよ。アイドルのライブを見終わったら「よーし、次いくぞ!」みたいに、解散しちゃうような感じなんです。

フランス人は、アイドルをちゃんと「出待ち」したりと、熱量が高くて一途なんです。もともとフランスでは「ジャパンエキスポ」があったので、「日本的な文化」が根付いているのもあるでしょうね。

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※フランスのイベントでの写真。みんないい人そう。

ほかに「海外のオタク」の人たちを見て、気づいたことはありますか?

石田:
「ジャパンフェス」来場者の格好は「世界共通」ということも感じました。「シャツイン」のスタイルはどの国にいっても見ますし、メガネをかけている率も高いですよね。そして、性格はすごく優しい。

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そういえば、AKB48の指原さんが、いいともで「アイドルは完璧すぎてはいけない。おじさんから見るとダンスができない子のほうが愛おしく感じる」という話をしていました。これってどう思いますか?

伊藤:
一理あるかもしれないですね。「エンタメ」に対するスタンスが、日本と海外で違うんですよ。海外の場合は、エンタメというと「完成されたショー」を見せるじゃないですか。少女時代とかKARAとか。

日本の場合は「物語」なんですね。「だんだん成長していく過程」も含めてエンタメ。それで最終的には「最初は劣等生だったのに、立派になったね」と言って涙する。高校野球もそうですよね。

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最近「アイドル」を取り巻く環境で、変わってきたことはありますか?

石田:
「スマホとSNSの普及」は、アイドルにとって追い風になったと思います。ファンとアイドルの距離が、すごく近くなりましたし、「多くの人に知ってもらう」という意味でも欠かせないものです。

あとは、世の中的に「このアイドルが好き」と発言することが、「恥ずかしくないこと」というか、すごくオープンになってきたように思います。裾野が広がってきた、ということでしょうね。

例えば、一昔前は「おれアニメが好きなんだ」というとオタク扱いされましたが、いまは当たり前になってきているし、女性のファンも増えている感じがします。

アイドルの数も増えていますよね。ご当地アイドルもそうですし、脱出ゲームアイドル「ラストクエスチョン」みたいな、ちょっと変わったことにトライしているアイドルも増えています。

最後にメッセージなどあればお願いします。

石田:
引き続き「アイドル業界」を盛り上げていきたいと思います。まだまだアイドルは、可能性を秘めていると思いますので。アイドルと異業種の協力者も、どんどんつないでいきたいです。

また今後はCHEERZの仕組みをつかって「応援プラットフォーム」を横展開する予定です。最近「メンズ版」を出しましたが、将来的には「オリンピック選手」等、色々なところに広げていきたいです。

CHEERZ
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取材協力:フォッグ株式会社

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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