今回は「女子高生とLINE」について研究すべく、「原宿の女子高生110人」にアンケートを行いました。※女子高生全体を正確に調査したものではないため、あくまで参考までにご覧ください。
調査内容:
1.「スマホで通話」何をつかってる?
2.「あとでLINEを送るとき」何て言う?
3.「LINEスタンプ」に課金したことある?
4.「LINEスタンプ」累計いくらつかいましたか?
結果1.75%の女子高生は「電話番号を基本つかわない」
まず「スマホで通話するとき、基本的には何をつかう?」という質問の結果は、「ほぼLINE 75%、ほぼ電話 4%、両方つかう(LINEと電話)18%、その他3%」となりました。
75%もの人が「ほぼLINE」と回答しましたが、「ほぼ電話」という人は4%しかいませんでした。
※「その他」については「Skipe(通信量がタダだから)」「カカオトーク」「comm」「ooVoo(ウーブ)※海外のビデオ通話アプリ)」などの回答がありました。
電話をつかう理由は「親が電話しかつかえないから」
中には「両方をつかう(LINEと電話)」と答えた人も18%いました。これはどういうことかというと、「友だちとはLINE」「親とは電話」と使い分けているそうです。
なぜ「親は電話なのか?」というと、「親がガラケーだから」「親はLINEだと気づかないから」「そもそも親がLINEやっていない」などの理由が挙がりました。(自分ではなく「相手の事情」で電話をつかう)
女子高生にとって「電話番号」は、実質「親と連絡をとるためのもの」なのかもしれません。
結果2.LINEを送るのに「あとでメールするね」は変だ。
次に聞いてみた質問は「あとでLINEを送るとき、何て言う?」です。結果は明白で「あとでLINEするね」が98%、「あとでメールするね」が2%でした。
ガラケーで「キャリアメール」を使っていた人たちにとって、LINEを送ることを「メールする」と表現するのは、わりと自然なことではないかと思います。
しかし、いまの女子高生は「キャリアメールをつかわない世代」なので、LINEを「メール」と呼ぶことに違和感を感じるようです。
私が子どものころ、ゲーム機をすべて「ファミコン」と呼ぶ大人がいたのですが、それと似たような現象だろうなと思いました。
ちなみに「あとでメールするね、と言われたらどう思うか?」も聞いてみたところ、「一応、意味は通じるけど、すごく違和感がある」といった感想がほとんどでした。
結果3.55%の女子高生が「LINEスタンプへの課金経験アリ」
次の質問は「LINEスタンプ に課金したことがあるか?」です。結果は「課金したことがある55%」「課金したことがない45%」と、おおよそ半々くらいに割れました。
決済方法については、プリペイドカード(LINEカード、iTunesカード)をコンビニで買って、課金をしているそうです。(高校生はクレカを持っていないため)
非課金だけど「有料スタンプを持っている」
おもしろかったのが、「課金したことがない45%」の中に、「課金はしてないけど、有料スタンプは持っている」という人が多くいたことです。「どういうことか?」というと、2種類のパターンがあります。
ひとつは「親にスタンプを買って送ってもらう」です。LINEスタンプには「プレゼント機能」があるので、親に決済をしてもらって、プレゼントしてもらうと。
もうひとつは「LINEフリーコインでポイントを貯める」です。LINEフリーコインというのは「広告動画」などを見ると、LINEのコインがもらえる仕組みです。
これをせっせと集めて、有料スタンプと交換している人が多く、「フリーコインやってます!」という声が多数。フリーコインは「非課金ユーザーを、収益に変える仕組み」として、うまく機能しているよう。
「おねだり消費」も検討の余地あり?
LINEスタンプの「プレゼント機能」のように、「おサイフ(決済)」と「つかう人(消費)」を分けた設計にするのも、アプリ※やサービスのジャンルによっては、おもしろいのかもしれません。
「親が決済して、子どもが消費」「祖父母が決済して、孫が消費」「男が決済して、女が消費」など、いくつか「おねだり消費」にはパターンがありそうです。
※「iOSアプリ」の場合は、リジェクトの可能性に注意。(「LINEスタンプのプレゼント機能」も、iOSアプリからは使えず、WEBストアから行う仕様に変更されている。公式ブログより参照)
結果4.LINEスタンプ課金者の76%「累計1,000円以下しか課金してない」
最後の質問は「LINEスタンプ に累計いくらつかったか?」を聞いてみました。(前質問にて「LINEスタンプに課金したことある」と回答した人のみ)
すると「500円未満 38%」「500~1,000円 38%」「1,000~5,000円 22%」「5,000円~ 2%」という結果に。(最高額は「2~3万円」でした)
言い換えるとLINEスタンプ課金者の76%が「累計1,000円以下しか課金していない」(スタンプ5~10セット分)とも言え、「10代ユーザーに課金してもらうこと」の難しさがよくわかります。
なお、コンビニに置いてある「プリペイドカードの最低金額」が、LINEだけ「1,000円〜」なのは、「10代ユーザー向け」という意味なのかもしれません。(iTunesは1,500円〜、Amazonは3000円〜)
※「課金経験アリ」のユーザーに絞ったグラフ。
全体の87%が「LINEスタンプの課金額が累計1,000円以下」
非課金ユーザーも含め、「LINEスタンプへの累計課金額」をまとめてみると、「0円(非課金)」45%、「〜1,000円」42%、「1,000円以上」13%となりました。
ざっくりですが「スタンプに(累計)1,000円以上つかっている女子高生は13%」、もしくは「87%の女子高生はスタンプに(累計)1,000円以下しか課金していない」という結果に。
実際、アンケート中に「わたしめっちゃ使うよ!(自称)」という人がいても、聞いてみると「累計1,000円くらい」というパターンも多かったです。この「金銭感覚の違い」は改めて認識しておきたいところ。
番外編1.女子高生は「通話するときに、スマホを耳に当てない」?
ここからは余談です。女子高生の方々に「通話するときのスマホの持ち方」をヒアリングしてみました。
これは、「奇妙な質問」に見えるかもしれませんが、なぜ聞いたかというと「スマホを耳に当てずに通話する人たち」を、街でときどき見かけるからです。
例えば、東南アジア系の人が、身振り手振りのジャスチャーをしながら、イヤフォン通話をしつつ歩いていたり、小学生が両手でスマホを持って、スピーカー通話をしていたり。
つまり「電話(ガラケー・固定電話・公衆電話)をつかわずに育った人」は、「受話器を耳に当てる」という習慣がないので、スマホも耳に当てないで通話する人が多いのでは、という仮説を立てていました。
結果はどうだったかというと、普通に「耳に当てて通話する」という回答ばかりでした。「女子高生はスマホを耳に当ずに通話する」という仮説は間違っていたようです。
番外編2.セブンティーンにのっていた「女子高生アンケート」
最後に雑誌「セブンティーン(9月号)」にのっていた、「T-1ぐらんぷり2015」という女子高生アンケートがおもしろかったので、一部抜粋してイラストでまとめました。
なお「平均お小遣い額」は3,000円だそうです。そう考えると「(無料でもつかえる)アプリに課金してもらうのは、相当ハードルが高いこと」だと改めて感じます。
まとめ
■過去の調査
・女子高生の80%がiPhone(理由はケースがカワイイ)、SNSはLINEとTwitterの2強。
https://appmarketinglabo.net/harajuku-app/
・女子高生の40%がパソコンをつかう理由と、「授業中スマホいじり」の実態。
https://appmarketinglabo.net/jk-deathofpc/