「長く稼ぐアプリはゲームバランスが絶妙」nendが語る「稼げるゲームの条件」と2014年のヒットアプリ3つの傾向。

2014年10月16日 |
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国内最大級のスマホアドネットワーク「nend」を運営する、株式会社ファンコミュニケーションズさんにお話を伺いました。

本記事、後編では「どんなジャンルが広告収益をあげやすい?」「稼げるゲームと稼げないゲーム」などのお話をまとめています。

【前編はこちら】⇒「1アプリの広告収入は平均40,000円」nendが語る激変のアプリ市場。

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※左からnend事業部の中野さん、マネージャーの浅見さん、執行役員の二宮さん。

最近、どんなアプリが流行っているのか?

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※nendはスマホ(アプリ&WEB)のアドネットワークですが、今回はアプリに絞ってのお話。

今年に入って、どんなアプリが流行っているか「トレンド」のようなものはありますか?

二宮:
歴史を見るとやっぱり「2ちゃんねらーに支持されるもの」って、爆発的にヒットする傾向が強いですよね。例えば最近だと「生きろ!マンボウ!」などもそうです。

今年の4月以降に流行ったアプリにはパターンがあって、「Youtuberに取り上げられやすい」「2ちゃんねらーに支持される」「放置系でうまくブーストを使った」この3つなんです。そういうおおまかなトレンドはあると感じますね。

あとは、女の子に受け入れられると息は長くなります、女性は男みたいにいろんなアプリを試さないので。

「だーぱんシリーズ」などもそうですが女性向けでヒットすれば収益が安定する可能性は高いですよね。

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※図は編集部作成。「激ムズイライラ棒」はAppBankの「マックスむらいチャンネル」で紹介されてランキング上昇。「こんな息子に~」は1,000万円以上の収益がでた(詳細はこちら参照

前回の記事で「アプリ開発者の収入が二極化した」という話もありましたが、いわゆる「コレクション(放置系)ゲーム」が稼げるようになった影響は大きいですか?

浅見:
それは大きいと思います。

ただ以前のように「コレクション(放置系)ゲームを出しただけ」では通用しなくなっていて、アプリの質やtwitterで拡散するようなソーシャルマーケティング戦略など、総合力が重要になってきています。

ユーザーの継続率が高くて、マーケティング戦略のうまくいったアプリが、広告モデルで数千万円の収益をあげるケースも出てきています。今後1億円以上稼ぎだすアプリが出てきてもおかしくはないです。

※なお、放置ゲームは「収益性が高い」という情報が出回り、プレイヤー自体もかなり増えていると思われる。

他に「増えているジャンル」はありますか?

中野:
今年に入ってからの「放置系ゲーム」の新ジャンルとしては「クッキークリッカー」タイプの、「マネーファーム」「ボクと契約してマンションを買ってよ」「ネズミだくだく」などのゲームです。

この手のゲームはゴールがないのでユーザーがあまり減らない傾向にあるようです。

あとは「激ムズ系ゲーム」も明らかに増えましたよね。「激ムズ系」がどうしてランキング上位にあがってくることが多いのかというと理由があるんです。

それはYoutuber(ユーチューバー)に取り上げられやすいから、やっぱり「激ムズ系」はYoutuberもリアクションがしやすいから取り上げやすいのでしょうね。

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「長く稼げるカジュアルゲーム」と「ツール系アプリ収益化のコツ」。

この前、海外で発表されてた「世界のデベロッパー収入」のデータでは上位10%の人たちが月100万円以上稼いでる、というような傾向だった。このピラミッド構造はnendでも一緒ですか?

二宮:
そうですね、nendに限らずA8(アフィリエイト)なども含めて、全部そうなんですよね。よく「2:8の法則」って言うじゃないですか、まさしくあの通りで一部の稼いでいる人が大きい金額を稼いでいる。

ここ2年間でアプリデベロッパーの数も、ものすごく増えているので、全体を俯瞰するとピラミッドのような構図になっているでしょうね。

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※Vision mobileの「Developer Economics」によると、月100万円(1万ドル)以上稼いでいる開発者は上位12%。

「個人アプリで月20~30万円稼いで暮らしています」ってレベルだとどのくらいなんですか、「準トップランカークラス」っていう感じですか?

中野:
月20~30万円ですと、たくさんいらっしゃると思いますね。

というのも、1個1個のアプリは小さくても、それを積み上げて月50-100万円稼いでいる人も多いためです。そういう「中間層」のデベロッパーは、すごい増えてきてると思いますね。

先日、オリディオさんの「壁蹴りジャンプ※」という2年前にだしたミニゲームが、いまだに稼いでるという話を聞いたのですが、長期で稼げるカジュアルゲームって何が違うんですか?

※「壁蹴りジャンプ」は累計115万ダウンロード、ロングセラーで2,000-3,000万円の収益が出た。(過去記事参照

浅見:
それはゲームバランス(難易度)だと思いますね。オリディオさんのゲームは正にそうで、バランスが絶妙なんです。

「ゲームバランスが絶妙なゲーム」っていうのは、ゲームオーバーになったときに「自分のせいだと思えるかどうか」だと考えています。

「ゲームバランスが悪いゲーム」は、操作感が悪かったり、「これは無理だわ」というゲーム設計だったりして、すぐ僕みたいなゲーマー気質な人間はやめちゃうんですよ。

僕自身もカジュアルゲームは熱く語っちゃうくらい好きなんですけど、オリディオさんのゲームや、capsule+さんの「とどけぇぇえ」、スパイシーソフトさんの「チャリ走」など、ゲームバランスが良いとやっぱり飽きられにくく、収益も継続して稼ぐことができていると感じます。

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「ツール系」のアプリで広告で稼いでるジャンルはありますか?

浅見:
ツール系は「メモリ解放系」「QRコード」「ミラーアプリ(鏡)」「目覚まし」「カレンダー」などは、継続的に収益を得ているケースが多いですね。

中野:
あとは「まとめサイト系アプリ」「バッテリー・通信量」あたりのトップシェアがとれると、すごく収益も安定します。

ツール系は集客は難しいですが、一度ユーザーをつかめれば離れにくいので、クオリティーの高いものがつくれればチャンスはあります。

「メモリ解放」「バッテリー」みたいなアプリって「広告を押さないんじゃないか」と思うんですけど、そんなことないんですか?

浅見:
「起動回数」が多いのでそこはカバーできるんです。例えば「メモリ解放アプリ」のいいところは、広告を見るタイミングができてることなんですよね。

「メモリ解放」ってパッと一瞬で終わらなくて、だいたい10秒くらい待たされますよね。

その間に広告が出ていると、自然に視線がいっちゃいますし、広告主側としても効果が高いんです。

二宮:
これって多分、スマホユーザーが「暇な時間」を許容できなくなってるんだと思うんですよね。

「数秒の何もしていない時間」が耐えられなくなっていて、何かしらアクションをしていないと落ち着かない。

そういう「暇な時間」を意図的につくってあげることも、ひとつの視点として重要なのかもしれないですよね。

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ブースト広告をうつときはここに注意。

「ブースト」はやっぱり今でも通用しているのでしょうか?

浅見:
今のところはそうですね、ただ「格安ブースト」をつかうときは注意が必要ですね。安いブーストを使って、失敗してしまったアプリとかもあるんです、全然ランキングが伸びなかったり。

中野:
ブーストに失敗する理由はふたつあって、ひとつが少量すぎてランキングがあがらずに失敗するパターン。そしてもうひとつがブーストの質ですね。

「ブーストの質」ってどこで変わるんでしょうか?

浅見:
一般的にはやっぱり「ユーザーの重複率」ですね。

同じユーザーによる(違うポイントアプリ経由での)ダウンロードが入ってしまうと、効果が薄くなってしまうんです。「発注したダウンロード数の半分以上が重複ユーザーだった」なんてこともあります。

実は、格安ブーストと普通のブーストをつかって、同じ日に同じ件数で検証してみたこともあるのですが、片方が10位以内に入って、もう片方が30位までしか伸びないという結果になりました。

中野:
あとは「タイミング」も大事ですね。例えば、金曜日にブーストを実施する企業は多いので、ランキング上位の競争率が激しくなる。

なので、競争率の低い木曜日にブーストをかけて「週末土日にランキング上位の状態」で突入させるというのもテクニックかなと思います。

とくにカジュアルゲームはソーシャルゲームと比べて、ブーストをしてランキング上位にあがった時に、自然流入ユーザーを多く獲得できるので、うまくいけばランキング上位をキープできます。

海外展開は今が「先行者メリット」を得るチャンス。

海外系でのトピックは何かありますか?

中野:
一部の放置系ゲームが台湾や香港でもヒットしはじめている。

「アルパカにいさん」はアメリカで人気が出ましたが、「ようとん場」「ネズミだくだく」などは、香港・台湾で人気が出ました。

台湾の収益性もかなりあがってきていますよね。台湾のユーザーが育ってきて、それに合わせて広告単価も伸びているのだと思います。

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海外、アジアのほうだとnendって使えるんでしたっけ?

中野:
はい、英語圏と中国語圏に関しては対応していますので、つかっていただけます。

二宮:
意外に知られていないのかもしれないですが、たぶん収益性に関しても、海外で展開しているアドネットワークよりも高い数字が返せると思います。

もう少し在庫が整ってきたら積極的に告知もしていこうと考えていますよ。

今後は、やはり海外も積極的に狙っていくべきでしょうか。

二宮:
そうですね、あと1-2年すると当然日本のスマホユーザーの伸びも天井を迎えるという状況で、アプリデベロッパーが狙うべきは、日本のコンテンツが受け入れられやすい市場に、ローカライズしていくというところ。

日本市場が飽和状態になることは明らかなので、今海外にチャレンジすることが、先行者メリットを得やすいタイミングであることは間違いないと思います。

2010年から色々なデベロッパーさんとお付き合いさせていただいていますが「先行者はやはり強い」という印象です。

最後に、告知などがあればどうぞ。

二宮:
nendでは2-3年後を見据えて、グローバルでチャレンジをしてくれるデベロッパーさん、特に個人デベロッパーさんを支援していきたいと考えています。

日本のデベロッパーさんが世界で活躍することで、僕らとしてもビジネスチャンスになりますし、パートナーとして一緒に頑張っていきたい気持ちは強いですね。

特に市場の成長率、コンテンツの親和性から考えて、台湾などはチャンスがあると思うので、ぜひ海外進出や海外でマネタイズする際は、ご相談いただければ嬉しく思います。

取材協力:株式会社ファンコミュニケーションズ

編集後記・まとめ

アドネットワーク側からみたアプリトレンドも面白いですね。

たしかに調べてみたら、Youtuberに取り上げられてランキングが伸びたアプリはけっこうありました。

テレビと一緒で公開されたタイミングで動画を視聴している人が多いため、短期間でアプリがダウンロードされて、ランキングが伸びるということですね。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。有料マガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。【配信提携】LINEニュース【過去連載】週アスPLUS、マックピープル。アプリの取材申請はコチラのページから。
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