ユーザーの励ましに涙!ブレイブフロンティア誕生の裏側-D2CRアプリセミナー

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8/28に東京(汐留)で開催された、
D2CRさん主催のセミナーに参加してきました。

本記事では第二部の「ブレイブフロンティア成功までの軌跡とこれから」について、
参考になったポイントをまとめたいと思います。

(第一部の「最新アプリビジネス動向 by AppAnnie」についてはこちら)

d2cr_seminor201308

第2部「ブレイブフロンティア成功までの軌跡とこれから」株式会社エイリム代表 高橋英士さん

Alimについて

Alimは、B Dash Ventures・gumi ventures・フジ・スタートアップ・ベンチャーズの、
3社により出資されて設立された会社。
gumiの西新宿オフィスで居候する形で27名で活動している。

Alim:http://www.a-lim.co.jp/

ブレイブフロンティアプロジェクト

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早貸久敏(総監督)、高橋英士(プロデューサー/ディレクター)、杉山浩(チーフエンジニア)
の3名にて立ち上げられたプロジェクト。

開発体制

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2012年の秋くらいまで(1年弱くらい)は5人体制。
そこから半年くらいが13名体制。
リリース以降は24名体制。

メモ:ざっくり計算しても開発で1億円は超えちゃう感じですね。

ブレイブフロンティアについて

bravefrontier_buttless

特徴
・オーソドックスな横画面のRPGバトル。
・昔懐かしいドットグラフィックス。
・厨二病的なストーリー。

メモ:スーパーファミコン的なドットグラフィックス。

企画立ち上げ時の構想

2011年末からどんなものをつくるか話し始めた。

即決決定していたこと
・ファンタジーRPGにしよう
・ドットキャラクターをしよう
・フルネイティブでつくろう

2012年1月〜2月に企画の骨組みを話し合った。

その時には、
・ダンジョンを歩かせたい。
・装備箇所は4箇所くらい。
・バトルは横画面でコマンド形式がいいかな。

など普通のRPGをつくろうとしていた。

パズドラショックとの戦い!

2012年2月に「パズドラショック」が起きた。
パズドラは面白いし、よく出来ていると誰もが思った。

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パズドラに影響されて、

スロットありかなと考えたり、
ソリティアいけると思って缶詰会議したり、
当初の仕様まで疑いはじめてしまった。

その後、本来自分たちがやりたかったことを思い出して、
立ち直ることが出来た。

パズドラの素晴らしいところは、
うまく自分たちのゲームに取り入れようとした。

気持ち良い操作感はやってみないとわからない。

スマホで遊ぶRPGってなんだろうと、
この辺りから考え始めた。

bf_rpg

・HPをキャラクターごとに持たせる。(パズドラは総合HP制)
・RPGだからバトル中にアイテムを使えて戦略性を持たせる。(パズドラはない)
・アイテムを生産する楽しみ。設備・採集できる冒険者の村を設置。

パズドラとブレイブフロンティアが、
一番違うのはバトル部分。

いろいろ悩んだ。
基本操作はタッチパネルで遊べるというのが前提。
タップしたキャラが攻撃するというのは早めに考えていたが、

毎ターン6体のキャラをタップするのは、
めんどくさいのではと思った。

しかし、試作版をつくってみたところ大丈夫だった。
作りながら考えていった。

「スパーク」(キャラ同士の攻撃がかちあう瞬間にダメージ1.5倍というシステム)
も試したところ良かったので採用。

気持ちの良い操作は、机上の設計で考えてはダメ。
ひとつずつ手に取って進めるしか無く、
ダメならつくりなおすしかないという覚悟が必要。

総監督はこだわりまくり
kodawari

結果的に「こだわり」がユーザーに刺さった感触を、
得ることがたくさんあった。

メモ:名言「チュートリアルでもう泣かせたい」

プロモーションについて

配信前〜リリース

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・事前登録
・ファミ通アップ記事広告

だけ。

事前登録は1ヶ月と1週間くらいの期間で8500のシリアルコードを発行、
実際のユニークは半分以下くらい。(※実数は約4000人程という意味)

リリース〜1か月

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・ファミ通Appの記事広告
・D2CRに依頼しアドネットワークに出稿

予算は、ここまででトータル4ケタ万円(≒1000万円)使っていないくらいで、
30万インストール獲得できた。

今後のプロモーション

信念をもったモノづくりが、
メディアを動かしていく。

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前2社(ファミ通アップ、Appbank)は前々から話していたが、
後2社(アプリゲット・アプリソムリエ)リリース後に自主的にプレイ日記を書いてくれた。

こだわってつくった結果が、
メディアにも刺さっていた。

こうしたこだわりが口コミを産んで、
少しの仕掛けでも数十万DLのユーザーを集められるのではと感じた。

メモ:セミナーに参加して実感したけど周りの注目度は想像以上に高い。
アプリレビューサイトは連載記事を書いておくとPV集まりそう。

ブレイブフロンティアの内部データ

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USER数:40万超
MAU  :30万超
DAU  :12万超
課金率 :10%前後
ARPPU :4000円以上
※リリースから1ヶ月半(8/28)時点での数字。

DAUは安定的に12万超え。
ARPPUは4000円だいぶ超えていて、4000円後半ぐらい。

メモ:その時、セミナー会場では、スライドを撮影するシャッター音が鳴り響いていた。

「無料トップ」のランキング推移

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おおよそ100位以内
8月に入ってからリワード2回くらいやっている。

「トップセールス」のランキング推移

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10〜20位前後をキープ。
20位以内のコンテンツはだいたい月商1億超えている。

ガチャを追加したタイミングでトップセールス3位まで上がったことがあるが、
上位5位は本当に強いなという金額感。

まさかのサービス中断、ユーザーの励ましに涙

7/3にリリースし
7/8にサービス中断(1週間メンテナンス)

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中断理由は、
リリース後すぐ無料トップに入ってしまって、
2〜3日で数万DLいってしまった。

想定以上のインストールとアクティブ率で、
アクセスが想像を超えていた。

負荷がかかったときに、
システム上の不都合もあったため、

思い切って長期メンテナンスをして、
一気に直そうとおもった。

このときユーザーから、
「ブレイブフロンティア終わった」と言われて、
この1週間は寿命が縮む思いで辛かった。

メンテナンス中は、
毎日ツイッターでメンテナンスの状況報告をした。

ツイートすると数秒で、
「待ってますよ頑張ってください」
「1週間後にまた遊びます」
ユーザーから励ましの言葉をたくさんもらった。

開発陣は帰り際に、
実際(嬉しくて)泣いていたりもして。
なんとか頑張ることができた。

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メモ:
本記事にては良いツイートを引用しましたが、けっこう厳しいツイートも多かった。
これはなかなか辛かったはず。

サービス再開とともにユーザーも戻ってきた!

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7/16にサービス再開した。

再開24時間以内には、
売上的にもメンテナンス前の数値に戻った。

このとき7〜8万ユーザーがいたが、
ほとんどのユーザーが離脱せず待っていてくれた。

スマホゲーマーの求めるレベルが上がっている。

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この1ヶ月半運営してきて感じたことは、
スマホゲーマーのレベルが上がっていること。

「詫び石」「新エリア」など要求が高いし多い。

生半可なゲームを出しても上位に入れないし、
入ったとしても維持するのは相当困難。

「パズドラの時はこのくらいの期間かけてやっていたよね」
みたいなことも今では通用しない。
2倍・3倍速でやっていかないと、もはや遅いと言われる。

ブレイブフロンティアの今後の展開について

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全体構想のうちの完成度は30%程度。
これから本領発揮していく。

・9月アップデート
-新マップ追加
-新イベント(チャレンジ型イベント)

・10月アップデート
-メインクエスト追加
-レイドバトル

・android版
-2013年夏予定、いまテスト中の段階なのでもうすぐの予定。

・海外展開
北米・ヨーロッパ・中国・韓国を予定。

※翻訳など準備中

まとめ

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信念をもってつくるのが一番大事。
webかネイティブかは、ユーザーにとってはどうでもいい。
ユーザーに伝わるのは、コンテンツづくりへの想いと愛。

自分が好きなもの、
遊びたいものをつくるしかない。

そうでないとユーザーの心には刺さらない。
自分の好きでないものをつくって売れることができるなら天才。

今後のスマホゲームは、
本格的なゲームがどんどん出てくる。

タッチパネルの最適化は重要で、
受け入れられる文化も多様化・高度化する。

質疑応答

※会場ではかなり面白い質問・回答が飛び交っていました、
たくさんあったので一部をご紹介。

デイリーの売上は最高どれくらいいきましたか?

⇒4ケタ万円は当然いく感じです。(具体的には秘密)

課金率とARPPUの数字はデイリーの数値?

⇒マンスリーです。

一番見ているKPIは?

⇒DAU。毎日遊んでいる人がいれば、
その先の施策でやれることが多くなる。

KPIはDAUとのことだが。継続率はどうか?

⇒継続率はざっくりいうと
1日後:60〜70%
1,2週間後:40〜50%
1ヶ月:30〜40%

海外展開の際に海外パブリッシャーと手を組むか、自社でやるか?

⇒中国は外からいくと厳しいので外部と組んで、
それ以外は直接やろうかと、検討中。

広報の「かおりんご」さんは今後盛り上げていきますか?

⇒「かおりんご」と「ゆきレモン」というキャラクターがいます。

7〜8割のユーザーは男性かなと思っていたが、
操作自体は簡単なゲームのため、割と女性ユーザーも多い。
今後も女性ユーザーを盛り上げていきたい。

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(ブレイブフロンティアFacebookページより)

メタルパレードはどのくらいの頻度で実施?アクセスはどの程度増える?

⇒週に2日、1日1時間を2回の頻度。
アクセスに関しては1時間あたりのアクセスは2〜3倍にはなっている。

「ダイヤ」の消費の内訳はどんな感じ?

⇒基本的に召還(ガチャ)が多い。
続いて体力回復、コンティニュー。

聞いてみて感想:

「うまくいった話」だけじゃないというのがとても良かった。
カンブリア宮殿とかもそうだと思うけど、開発の裏話を聞くとなぜか興味を持ってしまう。
マーケティングにはストーリーが大事とはよく言うけど、このことだと思った。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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