謎アプリ「暴れ松尾芭蕉」がネットでバズった結果「+4万ダウンロードで、収益10〜20万円くらい」作者が見た「アプリで食っていける」一瞬の幻。

2015年10月29日 |
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ネットで話題になったアプリ「暴れ松尾芭蕉」をつくった、大阪の「FUTON NINJA」さんにお話を聞きました。アプリがネットでバズると、どのくらい稼げるの?

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※「FUTON NINJA」のチョチョリーナ宮澤さん

「暴れ松尾芭蕉」について教えてください。

俳句が思いつかないことに、イライラした松尾芭蕉が、農民をしばきにいくゲームです。ゲーム中に俳句がでてくるのは、俳句をよんで農民からお金をもらうためです。

うん、松尾芭蕉がこれ見たら怒るでしょうね。死んでるのをいいことにね、こんなゲームにされちゃったら、さすがに怒るとおもいますよ。まず我々がしばかれると思います。

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※暴れ松尾芭蕉(iOS/Android

すごいゲームですね。

そして、これなぜか「18禁」のゲームなんです。Google Playでいつのまにか「過激な暴力」というラベルがついていました。なんでしょうね。たぶん棒を振り回してるからですかね。

実はいまつくっているLINEスタンプでも、「暴力」がひっかかって、リジェクトされてしまいました。スタンプでは、松尾芭蕉から棒をとりあげて、暴れないようにします。

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「暴れ松尾芭蕉」の企画はどのようにできたのでしょう。

最初に「暴れ松尾芭蕉」というネーミングだけ決まったんですよ。ネーミングのインパクトの強さとバカバカしさがとても気に入って。

ほかにも「暴れガンジー」や「暴れ杉田玄白」などの案もありましたが、響きのよさで「暴れ松尾芭蕉」にしました。「よぼよぼの偉人が殴ってくる感じ」がおもしろいなと。

そこから、1~2日でイラスト(背景とキャラ)を描いて、ゲームシステムを決めて、それで出来たのがアレです。開発期間は1ヶ月くらいだったと思います。

開発元の「FUTON NINJA」について、おしえていただけますか?

僕(デザイン)と大西(プログラミング)の二人でアプリをつくっています。正確にいうと「つくっていました」ですね。いまはアプリをつくっていないんです。

え、どういうことですか?

実は「FUTON NINJA」は2014年に活動を休止していました。「暴れ松尾芭蕉」をだしたのも、1年半くらい前(2014年の3月)で、アップデートもせず「ほぼ放置」という状態だったんです。

「活動休止」になったのは、どうしてだったんですか?

単純に「アプリがヒットしなかったから」ですね。10本くらいアプリをだしましたが、ずっと「1万ダウンロードいけば良いね」というレベルが続いていて。正直かなり苦戦していました。

ただ、今回「暴れ松尾芭蕉」が少し話題になったので、「これを機に、もう一度アプリをつくってみようか」という話にはなっています。

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「暴れ松尾芭蕉」が話題になったのは、どこから火がついたんでしょうか。

最初はツイッターから火がつきました。1年半前にだしたアプリがいきなりですね。笑

そこから先は、よくわからないんですけど、ネットで話題になって、ランキングが上がっていったのだと思います。ほんとに、いつ何が起きるか、わからないですよね。

↓「暴れ松尾芭蕉」AppStoreのランキング推移(データAppAnnieより)
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↓発端になったツイート、1万RT以上されてる

そうだったんですか。「話題になっている」というのは、どのように知ったのでしょうか?

久々に相方からメールがきまして。なんだろうとおもったら「松尾芭蕉がプチヒットしている」というメールでした。もちろん、最初は二人してすごい喜びましたよ。

すごく現実的ですが「ようやくこれで、アプリで食っていけるかもしれない!」「収益の分け前はどうしようか?」「古いパソコンが買い替えられる!」みたいに話したりして。

でもね、そこまでは収益にならなかった。

話題になったことで、ダウンロード数などは、どのくらい伸びたんでしょうか?

ダウンロード数でいうと、1,000ダウンロード未満から、約4万ダウンロードまで伸びました(iOS+Android)。だから、一気に話題になって一気に下がっていった感じでした。

もう少し勢いが続けば「キター!」という感じですけどね。今は「あれ、本当は何も起こらなかったんじゃないか」と幻をみていたような感覚です。話題になったのが、あまりにも短かった。

今回の件で「広告収益がいくら出たか」でいっても、大体10〜20万円くらいだと思います。

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最後にメッセージがあればお願いします。

「アプリ開発は簡単じゃないな」と改めて知りました。あとは、ぜひうちのアプリを遊んでみてもらえると嬉しいです。とくに「USB刺しマッチョ」というゲームがオススメです。

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※USB刺しマッチョ。やってみましたが、一瞬で飽きました。

取材協力:FUTON NINJA

編集後記

「暴れ松尾芭蕉」はすごく話題にはなったが、打ち上げ花火のように、4万ダウンロードで勢いがなくなってしまったと。出落ち系のアプリだと、このくらいが限界なのかもしれない。

一方、一度火がつくとグッと伸びるケースも。220万DLの「リア充爆発しろ!」(過去記事)や250万DLの「みつけて!おじぽっくる」(過去記事)など。違いを考えてみるとおもしろいかも。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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