今回はアプリ「消しゴム落とし」がヒットしている、名古屋のSAT-BOXさんにお話を伺いました。割とコンパクトな内容ではありますが、カジュアルゲーム開発者さんはデータなど参考になるかと思います。
※SAT-BOX(株式会社アートテクニカル)名知達哉さん(左)、インターンの中根さん(右)。
「SAT-BOX」について教えていただきますか?
名知:
元々、会社としてはソフト開発などをやっていたのですが、「自社開発にもチャレンジしよう」ということで、2011年からスマホアプリ事業「SAT-BOX」をはじめました。
累計でいうと100アプリほどだしていて、現在は15人ほどで、月1〜2本ペースでアプリをつくっています。
元々Androidがメインだったので、Androidユーザーが多く、収益についてはカジュアルゲームが中心ということで、ほぼ広告収入で成り立っています。
※「SAT-BOX」さんのアプリ全体のデータ。
「SAT-BOX」さんで一番ヒットしたアプリってどれでしょうか?
名知:
一番ヒットしたのは、今年だした「消しゴム落とし」です。リリースから大体3ヶ月弱で、ちょうど100万ダウンロードを突破したところです。
ユーザーはほぼ日本国内で、OS比率としてはiOSが75%で、Androidが25%くらい。
二番目のヒット作は「チョークダッシュ」という、棒人間系のカジュアルゲームアプリが60万ダウンロードという感じです。
「消しゴム落とし」の企画は、どのように出来たのでしょうか?
名知:
「引っぱって弾く動作って、スマホのコンテンツとしておもしろいね」というところから、ゲーム案として出てきたのが「消しゴム落とし」です。
テーマとしては「誰もがやった遊び」にしたほうが、興味をもってもらえやすいだろうと。ちなみにこのアプリは、インターンの中根(4月からは正社員として働いている)が中心になり、開発を進めました。
リリース後に、Twitterでユーザーの感想も見てみたのですが、割と懐かしんでくれている人は多かったですね。「学校でずっとやってた」とか「懐かしいね」みたいな感じで。
中根:
僕が学生の時も「消しゴム落とし」は教室でやっていました。今も昔も変わりない定番の遊びなのかなと思います。
100万ダウンロードまでは、どのようにユーザーが伸びたんでしょうか?
名知:
基本的には、クチコミがメインだと思います。
プロモーションは、1回iOSでブーストを打ったくらいです。すると、それにつられてAndroidも勢いがでて、クチコミでじわじわと伸びていった感じです。
あと「学校の教室」でわいわい遊ばれることを想定して、「これやろうよ」と集まって遊べるように、1つのスマホで4人までの対戦が出来るようにしていたんですね。
その対戦機能が軸になって、クチコミが連鎖していったのかなと感じます。
なにか「数字の向上」などに貢献した施策などはありますか?
名知:
アップデートでミッションクリア型の「チャレンジモード」を追加したところ、アクティブ率が向上しました。
意図としては「一人用モード」だけですと、「同じようなループが続いてしまい飽きやすい」ということもあり、このモードを追加した形です。
ちなみに「消しゴム落とし」のアクティブ率は、うちのアプリの中では一番高いですね。他にも「消しゴムのコレクション機能」を充実させたりと、いろいろ工夫はしていますが。
マネタイズ(広告収益)についてはどうでしょうか?
名知:
約90%がバナーとインタースティシャル広告で、動画広告が10%という感じです。インタースティシャルは「タイトルに戻る時」と「ゲームオーバー時」に入れています。
数年前のアプリ市場と今で「変わったな」と思うことはありますか。
名知:
やっぱりストアのランキングが、上がりにくくなりましたよね。
昔はリリースさえすれば、簡単に何千〜何万とダウンロードされることもありましたが、今は何もしないと「100ダウンロードしかされない」ということも、あり得ますからね。
競争が激しくなってきて、デベロッパーも淘汰されてきていますし、新規参入にも覚悟がいる、厳しい市場になりつつあるのかなと。
最後に告知などがあればお願いします。
名知:
もし「SAT-BOX」と組んでアプリをだしたい会社さんがいらっしゃれば、ぜひご連絡ください。
Androidアプリでいうと、今まで100本ぐらいは出しているので、例えばIPを持っている会社さんとのレベニューシェアなど、スピーディーに対応できると思います。
「消しゴム落とし」のほうも、まだまだアップデートしていきますので、ぜひ遊んでみてください!
取材協力:SAT-BOX