なにをどう書くか以上に「誰が書くか」が重要。コンテンツマーケティングのプロに聞く、Googleで「検索上位」目指す3つのコツ。ウェブライダー流のコンテンツ作成術

2022年11月28日 |
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※本記事はnoteにて公開した記事を転載したものです(公開日:2021年12月28日)数値などは取材当時のものです。
https://markelabo.com/n/nabfae6123085

コンテンツマーケティングの「ウェブライダー」さんを取材しました。


※株式会社ウェブライダー 代表取締役 松尾 茂起さん

ウェブライダーさんについて教えてください。

松尾:
ウェブライダーは、企業のマーケティング組織の「言語化」をアシストする、ウェブマーケティング支援を行なっている京都にある会社です。

自社でもWEBメディアを運営していたり、マーケティングのセミナーを開催したり、自社サービスを開発して運営していたりします。

もともとは、記事を上位表示するための、編集のアドバイスの仕事が多かったのですけど、今はマーケティングコンサルの仕事も増えています。

SEOって、検索ユーザーの「市場やニーズの分解」をする必要があるので、それをやっていたらコンサルの領域が広がっていきました。

検索上位を目指すコツ①「社会的信用の醸成」

検索エンジンで「コンテンツ上位表示」を目指す上で、重要になっているポイントを教えてください。

松尾:
コンテンツの評価を高めるためには、「社会的信用の醸成」も重要になってきていると思いますね。

これは、サイト運営者がどれだけ信頼できるのか、どれだけ社会に貢献しているか、ということなんですよね。

背景としては、世のコンテンツ品質が一定以上になっていて、なにをどう書くか以上に、「誰が」書くかも、重要になっている。

例えば、ワイン系の検索結果なら、ワインのECをやっている会社さんとか、バーを経営している会社さんが、上位表示している傾向があります。

そうなると、一体なにをしていけばいいんですか?

松尾:
Googleが出している、検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)を読み解くと、たくさんおもしろい気づきがあります。

※ 検索品質評価者とは、検索結果を人力で評価する外部の人たちのことで、そのフィードバックを参考に、Googleは検索結果を改善している。

例えば、Googleは評判(レピュテーション)を見るときは、外部の独立した評判をちゃんと重視してください、ということを言っています。

つまり、特定の狭いコミュニティの中で、褒め合っているだけではダメで、独立した複数のコミュニティで評価される必要があるんですね。

なるほど。例えば、どういうことなんでしょう?

松尾:
スラムダンクで例えると、全国のどの強豪も知っている山王の沢北は、上位表示するんですよ。いろんな県の強豪校に評価されているから。

逆に、陵南の魚住は神奈川では有名ですが、全国ではあまり知られていないと思うので、上位表示しにくいと思うんですね。

つまり、沢北の発言のほうが、評価されやすくて上位表示しやすい。

魚住が上位表示を狙うなら、全国トーナメントに参加したり、遠征して存在を知ってもらって、独立した評判を獲得したほうがいいんです。

実際の事例としては、どのようなものがありますか?

松尾:
ウェブライダーの「素敵なギフト」というサイトは、普段とは異なるブランディングにチャレンジしようという理由で、運営会社を隠した状態で運営していました。

はじめは「古希祝い」というワードで、上位表示を目指していたのですが、まったく上位表示されなかったんですね。

ところが、Twitterに「カミムラナナ」という中の人アカウントをつくって、周りの人との交流をしたり、コンテンツ制作の想いや裏側を発信した結果、だんだん記事の順位が上がっていったんです。

ウェブライダーと関係ない、独立したコミュニティの評価が高まった結果、コンテンツが評価されていったということかなと。

検索上位を目指すコツ②「体験力を高める」

松尾:
高知県の県知事の方は、知事室をずっと「ライブ配信」しているんですよ。知事がお弁当を食べている姿とか、話している姿が配信されるわけです。

すると、何も隠すようなことはないんだなと、誠実感や安心感につながりますし、包み隠さない度量があるんだ、と思いやすいですよね。


※高知県のホームページ上でライブ配信されている

検索上位を目指すコツ③「ソリューション」

ほかには、どんなことを意識すると、良いでしょうか?

松尾:
お客さんって、コンテンツを求めているのではなくて、解決策を求めているので、そこにつながる「ソリューションの提供」も大切です。

例えば、「素敵なギフト」というサイトでは、チャットサポートを置いて、記事を見ているお客さんが、スタッフに相談できるようにしています。

チャットサポートなどをはじめた結果、ユーザーの方の満足度も上がったと思いますし、検索順位もいい感じに上がり続けています。

例えるなら「本屋の店員さん」と同じだと思います。店員さんがいてくれるだけでも、何かあれば本を探してもらえる。安心できますよね。

コンテンツはあくまで一部。イベントを開催してもいいですし、サービスをつくってもいい。解決策の提示や願望を叶えることがソリューションです。


※チャットの設置は「チャネルトーク」(無料プランもある)を使用

ヒートマップ分析で「コンテンツを改善する」

既存コンテンツを「改善しよう」というときに、よくやる手法があれば教えてください。

松尾:
よくやるのは、ヒートマップのデータを見ながら「どこが見られているか」観察してみることです。これは発見があっておもしろいですよ。

よくある改善ポイントは、ページの下のほうにあるのに「見られている・クリックされている商品」がある場合は、上に移動すると売上が上がりやすい。

これはスーパーの棚と同じイメージですね。下にある商品が売れていたら、より目立つ位置に持っていけば、もっと売れるはずです。

ヒートマップ分析などで見えてきた「ユーザーの行動」があれば教えてください。

松尾:
ギフトジャンルの場合って、多くのユーザーはまず「商品の写真」を見て、その商品の「活用シーン」を頭の中でイメージした後に、文章を読もうとする傾向があるんですよね。

なので、写真1枚でも、しっかりと商品情報が圧縮されていて、さらに相手に贈った後の「未来のイメージ」が、わく写真を選んだほうがいいです。

あと、記事の「目次」もすごく見られやすいので、記事の見出しを「目次」として、冒頭にまとめるのも理にかなっています。

たくさん文章を書いてきた松尾さんに、「ワンポイントの文章作成のコツ」があれば、お聞きしたいです。

松尾:
文章を書くときには、意識的に「形容詞」や「副詞」を減らして、その分「動詞」で説明していくと、情景が伝わる文章になりやすいです。

例えば、「ライティングが楽しい」よりも、「いつも笑顔でタイピングしてしまう、指が足りないほど楽しい」と言ったほうが、ドラマが生まれます。

「あそこのおにぎり美味しい」よりも、「あそこのおにぎり食べた?僕1日に2回も食べたで」のほうが、そんなに美味しいんだと思いますよね。

形容詞で内面を発信すると、読み手に「感情を探るコスト」がかかります。動詞で外面から伝えると「情景イメージ」ができて理解が捗ります。


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【取材協力】
ウェブライダー:https://web-rider.jp/
素敵なギフト:https://nice-gift.jp/
美味しいワイン:https://wine-good.jp/
松尾さん:@seokyoto

【告知】ウェブライダーさんでは「文賢」という、文章作成アドバイスツールも運営中とのこと。ご興味ある方はぜひご覧ください。
https://rider-store.jp/bun-ken/

※続きのマニアックな事例は5つほど、note購読者向けにまとめています。アンケート調査をもとにコンテンツをつくる方法、コンサルの満足度改善と単価アップにつながったツール、などご興味あればご覧ください。
https://markelabo.com/n/nabfae6123085

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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