ゲーム企業「WHRP(ワープ)」さんに、クリッカーゲームのつくり方、マネタイズの裏側を聞きました。
※本記事はユニティ・テクノロジーズ・ジャパンより、依頼を受けて執筆したPR記事です。
※(左から)株式会社ADFULLY 小室喬志さん、伊藤輝彦さん、株式会社WHRP 森明日香さん、角田晃一さん、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン 金田一 確さん
1、「さすゆう2」について
「さすゆう2」について教えてください。
森:「さすゆう2」はクリッカー系のRPGアプリです。前作である「さすがは勇者様です」というゲームの、シリーズ続編になります。
開発期間としては4ヶ月ほど、イラストも含めて3名でつくって、昨年の10月にリリースしました。
角田:いま「ダウンロード数」としては、23万ダウンロードくらいですね。
台湾をはじめとした、アジアのユーザーも多くて、ダウンロード数の66%は海外が占めています。
※アプリの正式名称は「うちの魔王さま -さすゆう2-」
金田一:なにか「海外ユーザー」を増やすために、工夫していることってありますか?
森:基本はローカライズをして、アプリストアに出しておくだけですね。なので、わりと自然にダウンロードが増えている感じ、というか。
もともと「さすゆう1」を日本語でだしたら、台湾でのリアクションがあったので、「さすゆう2」では最初から、英語と中国語に対応していたんです。
角田:あと、海外では「SNSのシェア機能」は、絶対に入れたほうがいいです。海外のユーザーさんって、捨てアカをつかわずに、わりと素直にシェアをしてくれるので。
日本では「LINE」も有効みたいですね。「さすゆう2」でのシェアボタンは、LINE・Twitter・Facebookの順に押されています。
2、長くあそばれる「クリッカーゲーム」をつくるコツ
クリッカーゲームをつくる上で「こだわっているところ」はありますか?
森:どのアプリにも「ストーリー性」を入れるようにしています。「続きが気になる」という気持ちが、ゲームをあそぶ理由になると思うためです。
それもあってか、「さすゆう2」の継続率は、ダウンロード翌日で40%〜50%、プレイ時間も1起動あたり平均15〜20分、と長めにでています。
森:あとは、デザインが「既存アプリ」にあまり似ないように、意識してつくっていますね。
なぜなら、ユーザーがパッと見たときに「ああ、またコレ系のゲームか」と、既視感のようなものを感じてしまうと、あそんでもらえないから。
デザインに時間をかけて、キレイにつくるだけでも、「ほかのゲームとの差別化になるはずだ」と考えています。
金田一:僕はあそんでみて「ランキング」が見えるのも、いいモチベーションになりました。「いま自分がどういう順位にいるのか」というのがわかるので。
森:そうですね。その話でいうと、「ランキング」って常に見えていないと、意識してもらえなくて。だから「メイン画面」に表示するようにしています。
そうしておくと「自分の現在地」がわかりやすいですよね。少しでも順位が上がると「あ、上がった!」みたいな楽しさもありますし。
金田一:「コレクション要素」もたくさんついていますよね。
森:そうですね。「コレクション」ってやっぱり楽しいので。主人公の服装・武器、仲間、実績などいろいろとつけるようにしています。
どんどん「コレクション」を埋めていくと、戦力としても強くなるので、ゲームを先に進めたい人にも、メリットがあるシステムになっています。
3、意外にうまくいった、課金マネタイズ。
マネタイズのほうはどうでしょう、良ければ「アプリの収益額」も知りたいです。
角田:アプリの収益としては、リリースから約3ヶ月で、売上1,000万円を超えたくらいです。
売上の構成でみると「課金27%:広告73%」となっていて、国別の比率でみると、おおよそ「日本 70%:海外 30%」という感じになっています。
※海外での売上は台湾がメインだそう。
金田一:けっこう「課金の比率」が高いんですね。
角田:そうですね。意外にすごく課金されるんだなと思いました。ずーっと「課金」については、会社として入れるかどうか迷っていたんです。
課金をいれると「ユーザー対応」の手間のほうが、大きくなっちゃうかもしれないし、そこまで課金の売上もあがらないかもしれない。
もともと、ブラウザゲームを運用していて、課金の大変さも知っていたので。「ほんとに課金してもらえるの?」という感覚は正直ありました。
でも、結果的に「課金」は入れてよかったですね。売上のメインはやっぱり「ダイヤ」です。1日に4〜5万円分を買ってくださる方もいて。
あとは、課金額でいうと日本が一番です、海外の2〜3倍くらいは売上が大きいです。
4、マネタイズの主力「動画リワード」の活用法
広告マネタイズのほうはどうでしょうか?
森:広告のほうは「動画リワード」が主力ですね。売上比率としては、動画リワード 63%、バナー 20%、インタースティシャル 17%、という内訳になっています。
うちは、SSP(アドフリくん)を入れて、自動最適化におまかせしています。海外対応のアドネットワークも一括で入れられるのが、SSPの良いところですね。
金田一:なるほど。
森:あと「動画リワード」の収益性でいうと、「Unity Ads」がいちばん高くでていて。
とくに台湾などでも、ちゃんと収益があがっているのが、すごく助かっています。
小室:「さすゆう2」のデータをSSPでみると、たしかに「Unity Ads」のeCPMは高くて、ほかのアドネットワークとくらべて、2倍ほど良い日もあります。
伊藤:動画の再生数としては、「Unity Ads」が6割ほどでていて、それがでなくなったときに、残り4割を他のアドネットワークが補っている感じです。
金田一:ひとつ補足すると「Unity Ads」では、1時間以内に同じ広告を、同じユーザーに対して見せないので、そこも回数を多く見せる「さすゆう2」と、マッチしたのだと思います。
金田一:「動画リワード」の入れ方について、詳しくおしえていただけますか。
森:ゲームへの設置箇所は4つあって。一番みられているのは、ゲーム中にふわふわと「プレゼントボックス」として飛んでくるタイプです。
また「どのくらい視聴されているか」でいうと、アクティブユーザー(DAU)の約5割がみてくれていて、回数は1日に平均8回再生してくれています。
たぶん、ヘビーユーザーの方とかは、さっきの「プレゼントボックス」が飛んでくるたびに、見てくれてる感じなのかなあと。
※「動画リワード」4つの設置箇所。
小室:「1ユーザーあたり、平均1日8回再生」って、ずいぶん多くないですか?
金田一:これ、ものすごく多いです。ちなみに「Unity Ads」全体の話でいうと、広告を見たユニークユーザーを母数とした平均視聴数って、「1ユーザーあたり1日2回」なんですよ。
だから「さすゆう2」では、平均の4倍くらい、見られていることになります。
森:そうなんですか。
金田一:はい。それで、僕は「さすゆう2」の動画リワードの入れ方をみて、「上手なポイント」が3つあるんじゃないかと思いました。
ひとつめは「複数カ所に実装している」です。たとえば、実装が「プレゼントボックスのみ」だったら、表示頻度を上げるにも限界がありますよね。
ふたつめは「報酬にバリエーションがある」。ゲームの進行度によって「いま必要なもの」が変わるので、報酬の種類を増やすことで、視聴ユーザーの幅を広げている。
みっつめは「ゲームバランスと絶妙にかみ合っている」です。ゲームが行き詰まったときの「助け舟」になるような報酬の渡し方が、視聴回数を伸ばしているのだと感じます。
ほかにも上手なポイントがたくさんあります。これから「クリッカーゲーム」をつくるなら、ぜひお手本にしてもらいたいゲームです。
金田一:あと気になったのが、コインが増やせる「ハイアンドロー」はどうして入れたんですか?
森:わたし、コンシュマーのRPGとかの、カジノとか闘技場が好きで。本編のストーリーなんて放っておいて、そっちばかりやっちゃうくらい。
それで、クリッカーゲームにも、そういう「一攫千金!」みたいなのがあったらいいなと思って。それで「ハイアンドロー」を入れてみました。
結果、かなり好評ではあったのですが、たまに「確率いじってるよね?」「イカサマだ!」とは言われています。もちろん確率は「完全ランダム」です。笑
金田一:最後に「WHRP」さんから、なにかあればお願いします。
森:新作アプリが、はやければ3月頃にでますので、ぜひあそんでいただけると嬉しいです。
今度は、すこしアクション性の強い、わちゃわちゃ動けるような、クリッカーゲームを予定しています。
「Unity Ads」からのお知らせ。
「Unity Ads」では、動画リワードをどこに置くと効果的か、どんな報酬を設定すると収益を伸ばせるのか、アイディア+データでサポートしています。
「動画リワード」というのは、eCPMを気にするよりも、実装箇所の追加・見直しをしたほうが、収益額を大きく伸ばせる広告のため、実装のサポートにも力を入れています。
もし何か聞いてみたいことがありましたら、アプリの企画段階から実装した後まで、いつでもお気軽にご相談ください。
Unity Ads
http://unityads.jp/
お問い合わせ
sales@unityads.jp
取材協力:株式会社ADFULLY、株式会社WHRP、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社
広告企画:アプリマーケティング研究所