休み時間に「スマホでお金稼ぎ」ユーザーの3割。アンケートアプリ「テスティー」が語る、若年層のユーザー行動と、アプリ評価が上がる「レビュー返信術」

2017年08月23日 |
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アンケートリサーチアプリ「テスティー」さんにお話を伺いました。休み時間にお小遣いを稼ぐ学生も?


※株式会社テスティー、ディレクターの井上貴裕さん、広報の小林芽久未さん

テスティーについて

「テスティー」について教えてください。

テスティーは「アンケートリサーチアプリ」です。アンケートに回答することで、ユーザーは「ポイント」を獲得することができます。

そして「貯めたポイント」については、AmazonやLINEのギフト券などに、交換することができるようになっています。

2015年にリリースして、登録者数は55万人を超えている状況です。


※スマホに特化しているアンケートアプリ。アンケートは「2択型」と「チャット型」の2種類。

どんなユーザーがつかっていますか?

若いユーザーがとても多くて、10代〜20代が76%を占めています。ユーザー属性でいうと、学生が53%となっています。

おもしろい「男女差」としては、男性より女性のほうが、アプリの継続日数が2倍も長いこと。女性のほうが「ポイントをコツコツ貯める」傾向があります。

あとは、アプリが「頻繁に起動される」というのも特徴です。アクティブユーザーの62%が、週に3日以上アプリを起動しています。

みんなどれくらい「ポイント」を稼いでいるんですか?

ポイント交換ユーザーの「ポイント交換額」の月平均は350円※です。ヘビーユーザーの中には、月に2万円ほど稼いでいる方もいます。

なお、アンケートでとった「ポイントの利用用途」でみると、女性にはLINEスタンプ(LINEギフト)、男性にはゲーム課金(iTunesカード)が人気です。

Amazonギフトは男女ともに安定して人気がありますね。


※年齢別「ポイント交換額」の月平均:10代 248円、20代 376円、30代 403円

テスティーは「どんなとき」につかわれているのでしょう。

こちらも、16〜22歳のユーザー(高校生〜大学生世代)に、アンケートをとってみました。

利用シーンとしては、「寝る前」「通勤/通学」「朝起きて」がメイン。ユーザーの約3割が「休み時間」にもつかっているそうです。

おそらく、休み時間の「LINEを返す合間」などに、スマホでお小遣い稼ぎしている感じでしょうか。

テスティーをダウンロードした理由として、「暇つぶしになる」というものも多いので(約30%)、暇つぶしも兼ねているのかもしれない。

GooglePlayでの「レビュー返信」の効果

アプリの運営で「力を入れていること」があれば教えてください。

GooglePlayの「レビュー返信」に力を入れています。単純に「返信する」というだけでも、星の数は大きく変わってくるんです。

というのも、開発者からの「レビュー返信」を受けて、レビューを「良い方向に変更」してくれる、ユーザーさんが一定数いるからです。

実際に、「返信した」レビューと「返信していない」レビューを比べると、ユーザーが星を1つでもプラスしてくれる確率は、1.7倍も高くなりました

また、レビューの「上がった星の総数」で比較してみたところ、4倍もの差につながっていました。

なるほど。

やっぱり、レビューって重要ですよ。レビュー最上部に「星1〜3」がきているときと、「星4〜5」がきているときで、ダウンロード率にも大きく違いがでますから。

ちなみに、星1の「ダメ出しレビュー」よりも、星2〜3の「評価してないわけじゃない」という人のほうが、評価を上げてくれやすいと感じます。

どういうユーザーに絞って「レビュー返信」をしていますか?

「返信する意味があるもの」に絞っていますね。たとえば「ここが困っている」「ここに不満がある」といったレビューを優先しています。

とくに「星1〜2のレビュー」がつくと、社内チャットにアラートが来るようにして、なるべく早く反応しています。

なぜなら「完全な解決策」を提示できなくても、すぐに「ごめんなさい」「確認します」というだけでも、ユーザーの印象は変わってくると思うからです。

あとは、GooglePlayでは「現在のバージョン」のレビューが上にくるので、バージョンが新しいものに優先して返答したりもします。

アプリのダウンロードは、どうやって増えているんですか?

いちばん多いのは「アプリストアの検索経由」です。1日に500〜1,000ダウンロードずつ、検索からユーザーが増えています。

ひとつわかったのは、ビッグキーワードよりも「複合キーワード」からきたユーザーのほうが、アクティブにつかってくれやすいこと。

もうひとつ、ストア検索のテクニックとしては、狙いたいキーワードに対して、「揺らぎワード」を散りばめるのも有効だと考えています。

たとえば、「稼ぐ」というキーワードでランキングを上げたい場合は、「稼ぎ」「稼げる」などを説明文に入れておくというイメージです。

上手くいった5つのアプリ施策

1、プッシュ通知の「許諾率」が2倍になった改善施策

2つの施策をやったことで、プッシュ通知の「許諾率」が2倍くらいに伸びました。

まずひとつは、プッシュ通知の「許諾」をとるまえに、通知オンにすると「こんな良いことがあるよ」と説明を入れるようにしたこと。

もうひとつは、当初は「許諾しなかったユーザー」にも、タイミングを改めて「通知を許諾」してもらえないか、聞いてみるようにしたこと。

この2つをやったことで、当初は30〜40%だった「許諾率」が、75%を超えるまでに改善されました。

2、レビューのお願いは「気持ち良くなっているとき」に

ユーザーに「レビューのお願い」を出すタイミングは、一番ユーザーが「気持ち良くなっているとき」にするのが良いと考えています。

もともと、テスティーでは「レビューのお願い」を、起動何回目に表示という感じで、よくアプリをつかう人に絞って出していました。

それを、ユーザーが気持ち良くなってくれる「ポイント交換完了時」に変更したところ、レビューを書いてくれる人がすごく増えたんですよ。

当初は「日に数件」だったレビュー数が、タイミングの変更だけで「日に数十件レベル」になりました。

3、動画リワード「1日の上限数」を決めて収益性向上

テスティーでは、動画広告をみると「ポイント」がもらえる、動画リワードを設置しています。

この動画リワード、もともと「1日の上限数」は決めていなかったのですが、途中から「上限設定」をしたところ、広告収益性が上がりました

たしかに、上限数を決めないと「1日に200再生する人」も出てくるのですが、その分「広告の収益性」が落ちてしまうんですね。

おそらく、無限に動画をみられるようにすると、ポイントをもらう「単純作業」になってしまい、広告効果につながらないのだと思います。

ちなみに、「1日の上限数」は4回がベストでした。少なすぎても不満がでてしまい、4回を超えると収益性が落ちてしまいました。

4、チャットサポートにしたら「問い合わせ件数」が30%アップ

ユーザーサポートを、メールからチャットに変えたことで、お問い合わせ件数が30%アップしました。

メールでのお問い合わせって、アドレスの入力を間違ってしまうと、こちらから返信できないこともあるし、不便じゃないかと思ったんです。

チャットを導入した結果としては、雑談のような問い合わせが増えました。「肩こりがひどくて」「好きな人がいます」みたいな。笑

でも、そういう「雑談」にも真面目に回答しています。意外とユーザーさんは喜んでくれるし、コミュニケーションになるからです。

もちろん、お問い合わせの8割は「アプリに関すること」なのですが、残り2割はそうした「雑談」が送られてくるようになりました。

5、アンケートの「メッセージ速度」をゆっくりにしたら反応率アップ

テスティーには「チャット型」のアンケートがあるのですが、その表示スピードを変えてみたところ、ユーザーの反応率が変化しました。

もともと、メッセージを表示するまでの間隔を、0.8秒に設定していたのですが、これを1.2秒にしたところ反応率が高くなりました

メッセージの表示速度については、ちょっと遅めにしておいたほうが、「ユーザーの理解度」が上がりやすいのかなと解釈しています。

取材協力:株式会社テスティー

テスティー

注:テスティーのiOSアプリについて

なお、取材の数日前くらいに「テスティー」のiOSアプリがリジェクトされてしまい、そこから未だ復旧していない状況とのこと。

理由は、テスティーの「お仕事」のところに入れていた、ネイティブ枠の広告が「リワード広告」だと判断された可能性があると。

(とくに、ポイントと引き換えに「アプリをダウンロード」させていた等ではない)

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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