海外のバーチャル試着アプリ「Pictofit」のショートインタビューです。
※「REACTIVE REALITY」現在11人のメンバーが働いている。今回インタビューに回答してくれたのは、ステファン・アデルマンさん(写真中央)
「REACTIVE REALITY」について、簡単に教えていただけますか?
2014年に設立したオーストリアの会社です。僕たちのやりたいことは、実際に「AR」を人々にまで届けていくことなんです。研究所の中だけではなくてね。
具体的には、ユーザーがスマホ(モバイル端末)をつかって、それぞれ固有の「AR」を、創り出せるようにしていきたいんですよ。
ちなみに、創業者のステファン・ハウズワイズナーは、「モバイルAR」を専門にしていて、グラーツ工科大学での博士号も取得しています。
「Pictofit」はユニークなアプリですよね。このアプリについて説明いただけますか?
「Pictofit」はバーチャル試着アプリです。僕らが初めてつくったアプリで、2015年の後半にリリースしました。開発期間は1年半ほどです。
うちの代表の頭の中には、このアプリの構想が在学中からあったみたいで、大学を出るとすぐに開発に取り掛かっていました。
※写真をアップすると「着せ替え」ができるアプリ。
いまダウンロード数はどのくらいありますか。
これまでに、世界で12万ダウンロードされています。ユーザーが多いのは、イタリア・オーストリア・バルカンの諸国、アメリカですね。
僕たちはヨーロッパの会社なので、やっぱりヨーロッパの市場に、アクセスしやすいんです。コラボレーション先も開拓しやすいですし。
アメリカのユーザーが多いのは、投資家がアメリカにいて、ビジネス展開しやすいからという感じです。
「Pictofit」を開発しているときに、大変だったことを教えてもらえますか?
写真(画像)に映っている人間の、「体型やポーズ」を検出するシステムを、開発しなくてはならなかったこと。これがなかなか大変でした。
あとは「使いやすいアプリにすること」にも時間をかけました。本当に直感的なUIで、簡単に服が着られるようになっているのかどうか。
アプリ内での「ユーザー行動」を正しく理解するために、ユーザーに集まってもらって、アプリを試してもらうワークショップも、何回も開催しましたね。
見た感じだと「Pictofit」は、まだマネタイズはしていないようですけど、どういうビジネスモデルを考えているのでしょうか?
そうですね。マネタイズについては、ちょうどスタートしたところなんですけど、2つ考えていることがあります。
ひとつめは「アフィリエイト」です。ユーザーが「Pictofit」を経由してモノを買ったら、その一部をフィーとしてもらうモデルです。
なるほど。
もうひとつは「没入型広告」という、コンセプトの広告を考えています。
これは企業側から「広告商品」を提供してもらって、それにユーザーが着替えられるような、相互的につながっていくイメージの広告です。
これなら、ユーザーは「企業側がつくったコーディネート」を、ワンタップで着替えられるし、広告を見てもらうより、直感的だと思うんです。
この「没入型広告」は、バナー広告の代わりでもありますね。バナー広告ってうっとうしいし、もう見てもらえないじゃないですか。
日本のツイッターで「Pictofit」が話題になったのが、今回のインタビューのキッカケでしたけど、日本でのダウンロード数は増えましたか?
そうですね、間違いなく増えました。今回ツイッターで話題になったことで、日本でのダウンロード数が、1日で5,000ダウンロード以上は増えましたから。
おかげさまで、「Pictofit」のユーザーが多い国トップ10に、日本がランクインするまでになりました。
写真アップすると、AIが着せ替えしてくれるアプリ「Pictofit」
適当な落書きでも、ちゃんと認識して、コーディネートしてくれた。
イラストレーターの人は、自分の絵でやってみると、おもしろいかも。 pic.twitter.com/ZEqHWt8qtQ
— アプリマーケティング研究所 (@appmarkelabo) August 17, 2016
※1.2万リツイートくらい拡散されたツイート。
日本のユーザーは、「Pictofit」で好きなキャラを「着せ替え」するのが、気に入ったようなんです。こういう”想定外のつかい方”を見てどう感じますか。笑
いやあ、まさかそんなつかい方があるなんて。想像したことなかったよ。笑
実際、それをツイッター上で見たときは「な、なんてクリエイティブなんだ!」って興奮しました。すごくイケてるつかい方だと思いますよ。
今回、日本で話題になっているのを見て、日本のユーザーはすごくクリエイティブで、イノベーションやテクノロジーに対して、すごくオープンなんだなあと感じました。
https://twitter.com/Cast_A/status/766438378954895360
https://twitter.com/gmailco04114458/status/769341223500783616
https://twitter.com/tama4ent/status/766470609148649472
取材協力:REACTIVE REALITY