「トップ5のゲームで月50億円の売上」「直近の中国でのiPhone販売台数はアメリカを超えている」メタップスが語る中国ゲームアプリ市場の真実。

2015年02月04日 |
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1月に開催されたメタップスさん主催「Native Gaming Summit 2015」より、メタップスさんの「中国本土でのスマホゲームビジネスの展開について」の講演をお届けします。

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講演者:
株式会社メタップス Lou Feiさん

中国のスマホ市場について

中国市場の概要

Fei:
metapsで中華圏戦略、とくに中国本土と台湾、香港、マカオといった地域にビジネス展開する際のサポートをしています。

今回は「台湾、香港、マカオ(繁体字エリア)」ではなく、「中国本土(簡体字エリア)」のマーケットに焦点を当てて、ギュッとまとめた情報をシェアしたいと思います。

・市場規模
中国本土のモバイルゲーム市場の売上は、2015年で5,000~6,000億円。一方で台湾の地域はその1/20くらい、中国本土のマーケットはとても大きい。

・複雑性
中国本土のとくにAndroid市場に関しては、チャネル・パートナー・プレイヤー・プロモーション手法がまちまちで、とても複雑化している。

・情報
中国の伸びはすさまじく、プレイヤーの参入も多い反面、撤退も多いです。そんな中「情報」は日本語に翻訳されているものは少ないし、中国語の情報も3ヶ月後には大きく変わっているケースもある。

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中国のインターネット利用

Fei:
こちらのグラフの「青い棒」は中国のネットユーザー数、「赤い棒」はモバイルでネットを使う人(主にスマホ)の数です。(※なお、中国の人口は13億5,000万人)

一言でいうと、現段階で5億人くらいがモバイルでネットを使うようになっています。そして2017年には7億5000万ユーザーにまで到達すると言われています。

普及率でいうと、中国の携帯台数は全体で12億のうちスマホが5億なので、まだ普及率45%という状況です。

東南アジアやシンガポールではスマホ普及率が70~80%になっていますので、低価格のAndroid機などがでてくることで、まだまだ大きく伸びていくと考えています。

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中国はAndroidの国である。

Fei:
中国のOS比率はAndroidが70%。最近のスマホの出荷台数を見ていても、7~8割はAndroidです。

つい最近iPhone6と6+が発売されて、最近はiOSのシェアがグッと伸びました。だいたい現在は、全体の20%~25%ぐらいがiOSになっています。

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端末の解像度と大きさ

Fei:
よくつかわれている端末は「ほぼ5インチ以上」です。5インチだと「縦画面で片手」で遊ぶのは難しいので、中国のスマホゲームの8~9割は「横持ちで両手」で遊ぶようなものになっています。

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モバイルゲームの市場

Fei:
中国のモバイルゲーム市場の、5~6社の予測をみてみると、大体2015年の段階で5,000~6,000億円の市場規模があると言われています。

日本のモバイルゲーム市場は約7,000億円という状況なので、つまり既に「日本に匹敵するレベル」にまで成長してきているわけですね。

2017年には1兆円(2014年の3倍)を超える予測もありますが、私もこれは現実的だと感じます。

また「中国のスマホゲームの浸透率」としては約6割で、性別でいうと7割が男性です。

先進的なスマホ市場だと、男女比率が半々くらいになっているので、これから中国でも「女性ユーザーが遊ぶゲーム」が増えて、すそ野が広がっていくと考えています。

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中国のスマホ通信環境

Fei:
中国の通信環境は、2012~2013年の時点ではあまりよくなかったんです。

当時私がDeNAにいたときに、日本のハイブリッドゲームを中国にもっていくと、1ページの画像をロードするのに10~20秒かかったりと、とても苦労しました。

ところが最近では、Wi-Fiが整備されていて、中国のお店やレストランにいったときにも「無料Wi-Fiの番号を教えてください」ということが普通になりました。

そして、4Gの普及も2014年で1.7億人、2015年には2.5億に届くと言われるほど、すごい勢いで成長しています。

あとiPhoneに関しては、去年のQ4(2014年10-12月)で7,000万台弱も売れています。つまり、シェア(比率)としては低いけれど、直近の中国でのiPhoneの販売台数は、実はアメリカを超えているんです。

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中国本土のアプリ売上(OS比率)

Fei:
中国でアプリをだした時の、iOS対Androidの売上比率はだいたい半々くらいになることが多い。カジュアルゲームはiOS20:Android80、ハードコアのゲームはiOS50:Android50というイメージ。

iOSユーザーはハードコアゲームをよく遊ぶ、なぜなら「端末の性能」がよくて、ハイスペックなゲームがちゃんと動くから。

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※あくまで傾向。

中国本土のアプリ売上(売上規模)

中国アプリマーケットの月間売上はだいたいこのくらい。※中国でゲームをだしている10社ほどへのヒアリングや、データなどを参考に試算した参考数値。

2014年のはじめは「月商3~5億円でヒットタイトル」と言われていたが、2014年末には「月商10億円を超えたらヒットタイトル」というレベルになってきた。

また、1タイトルに2~3億円投資してつくらないと、ヒットは狙えない状況になりつつあるので、やるなら思い切って勝負する必要がある。

▼中国アプリマーケットの月間売上(iOSとAndroid合算数値)
トップ5位 :20~50億円
トップ10位:10~15億円
トップ30位:3~5億円
トップ50位:1~2億円
トップ100位:2,000~5,000万円
トップ150位:1,000万円以下

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※メタップスによる月売上の推測値。

中国のAppStoreの話

Fei:
中国でも現在は、断トツでオフィシャルのAppStoreの市場が大きくなっている。

以前は「ジェールブレーク」(脱獄)と言われる非正規なマーケットからの利用も多かった。しかし、いまはiPhoneの普及や規制が進み、ジェールブレークはiOS全体売上の10~15%に縮小した。

最近では、正規のAppStoreに公開する前に、「テスト目的で、ジェールブレークストアにアプリを公開」という使い方をする会社がある。

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トップ100に入れる会社は限られている。

Fei:
過去1ヶ月(2014/12~2015/1)の売上トップ100を調べてみた。一言でいうと「誰でもトップ100を狙える」という状況ではない

会社でいうと、トップ100に一度でも入った会社が120社。トップ30でいうと23社しかない。

タイトルでいうと、トップ100に一度でも入ったアプリが198タイトル(うちテンセントが37タイトル)、トップ30でいうと54タイトル(うちテンセントが29タイトル)。

そしてやはり、テンセントが一番強い。リリースした70タイトル中、半分がトップ100位に入っている。

しかし、自力でも30~50位を狙えないわけではない。EAの「SimCity BuildIt」はAppleの推薦枠に2週間ほど掲載され、ほぼノンプロモーションで売上がドカンと上がっている。

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テンセントがリリースしたiOSタイトル

Fei:
テンセントからリリースされた37タイトルの、過去1か月のランキングの動き。トップ10に7タイトルほど入っていて、トップ20に10タイトル入っている。

ちなみに色がついているのは中国の外でつくられたゲーム。赤は「モンスト」、オレンジ「ゲットリッチ」、ピンク「キャンディクラッシュ」です。

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中国AppStoreの「おすすめ枠」に掲載されたときの効果は?

Fei:
Appleの推薦枠に掲載されると、非常に質の高いユーザーが集まる。

効果としては、1番上の「ビッグバナー」(3ページスクロール)に掲載されると、1日平均10万ダウンロード。先ほどの「SimCity」は2週間掲載されたので、140~150万ダウンロードほどされたはず。

下部の「新しいゲーム」の枠は、左から3番目ぐらいまでは1日8万ダウンロードくらいされる。4~12番目は1日3~5万ダウンロードほど。12番目以降は1日1~2万ダウンロードの効果がある。

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中国でのプロモーションコストについて。

Fei:
プロモーションコストについて、インセンティブつきのCPA※でいうと、1~1.5 USD(ドル)かかる。(※1インストールあたりのコスト)

1日10万ダウンロード、1ヶ月に100万ダウンロードほどは消化できる。ブーストもある程度は効果があって、AppStoreの無料20位くらいには入れる。

ノンインセンティブの場合は、CPA3~5 USD(ドル)のコスト。1日最少は5,000ダウンロード、1か月で10万弱ダウンロードくらいは消化できる。

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Androidアプリストアについて

Fei:
中国には数百のAndroidサードパーティマーケットがある。GooglePlayも存在しますが、課金機能をつけたアプリが出せないです。

図の中で説明している30ぐらいがメジャーなAndroidストア。ゲームをリリースするときには30のSDKをもらってつないでいかないといけない。

1回バージョンアップすると、30のアプリストアにアップしないといけないので、地味ではあるがとても苦労する作業になる。

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中国のモバイルゲーム業界の勢力図

Fei:
特徴としては「サービスPF」。例えば最近上場したばかりの「Momo」という友だち紹介サイト、「bili bili」という日本アニメを紹介するサイトなどは、独自のサードパーティマーケットをもっている。

他には「3大キャリア」も存在感があって、「キャリア決済」のパッケージに入ると、キャリアの実店舗でプロモーションしてくれるのも、1つの強いチャンネルとして機能する。

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中国本土に進出するときに決めておくべきこと。

Fei:
・どのくらいの規模観でビジネスをしたいのか?
-「3年後に100億規模を狙う」など。

・中国パブリッシャーと組むのか、自社でやるのか?
-「iOSは自社、Androidは他社と提携」など。

・チームと人材の確保
-グローバルバージョンでいくのか、中国にローカライズするのか。
-フルローカライゼ―ションすると、8~10名で半年かかる、資金は2000万円必要。
-日本のゲームを遊んでいて、中国のユーザー行動も知っている人が必要。
-サーバーサイドでは「ゲームバランスを破壊するチーティング」の対策も必要。

・良いパブリッシャーを見つけるには?
-APKと紹介資料を用意し、最低条件も決めておく。
-マネージャーレベルではなく、決定者と会ったほうが時間が短縮できる。

アプリの中国進出を検討している会社さんがいらっしゃれば、ぜひご相談ください。

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取材協力:株式会社メタップス

編集後記

「直近ではアメリカより中国のほうがiPhone売れてる」というのは知らなかった。中国とかインドは母数がでかいから、シェアと実数の両方を見とかないといけないなと思った。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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