LINEゲームなど企画開発しているMEMORYさんと、動画アドネットワーク「maio」を運営するアイモバイルさんによる、対談記事をお送りします。
※本記事は株式会社アイモバイルより、依頼を受けて執筆したPR記事です。
※MEMORY Inc. 己越千清さん、横川祥子さん、株式会社アイモバイル 早瀬優希さん、廣瀬裕利さん
MEMORYについて
己越:もともとは、イグニスの子会社「IGNIS KOREA 」としてスタートして、そこから独立(MBO)するような形で、MEMORYという会社をつくりました。
事業としては、自社制作だけではなく、日本や韓国のゲームデベロッパーと協業して、LINEゲームをつくっていたり、オリジナルのスマホゲームを開発しています。
韓国にある本社から「IP×カジュアルゲーム×広告モデル」という戦略で、日本市場を中心にしつつも、グローバルにアプリを展開しています。
「LINE大富豪」について
早瀬:今年リリースされた「LINE大富豪」について教えてください。
横川:「LINE大富豪」は、トランプゲームの大富豪があそべるアプリです。友達とのフレンド対戦はもちろん、1人でのフリー対戦もたのしめます。
ダウンロード数は、100万ダウンロードを超えていて、アクティブユーザー(DAU)だと、毎日10万人以上があそんでくれています。
男女比率でみると、男性ユーザーのほうがすこし多く、ツイッターでの反響をみていると、中高生が多くあそんでくれているようです。
早瀬:すごく好調ですよね、ユーザーはどんな風に増えているのでしょうか。
横川:今のところ、自然流入がほとんどですね。ストアのランキングからくるユーザーが大半という感じ。
特徴的なのは、LINEでの「友達招待」がつかわれていること。ほかのゲームでは考えられないくらい、そこからユーザーが増えていますね。
※「LINE大富豪」は株式会社イグニスと共同開発したカジュアルゲーム。リリース約1か月で、100万ダウンロードを突破している。
「LINE大富豪」の広告マネタイズ
早瀬:「アプリのマネタイズ」のほうはどうですか?
横川:「LINE大富豪」は、ほとんど広告収益で成り立っているのですが、徹底しているのは「ユーザーがヒマなときに広告をだす」ということです。
早瀬:どういうことでしょうか。
横川:たとえば、一人モードのフリー対戦では、ハートが「ゼロの状態」であっても、動画広告をみてもらうことと引き換えに、1回だけ対戦ができるようにしていて。
このときに、先に「ハートをプレゼント」してしまって、ゲームが終わったときに、動画をみてもらうような流れにしています。
つまり、ゲームプレイを邪魔しないように、ユーザーがヒマなときにみてもらおう、ということですね。
早瀬:たしかに、これはすごく良い入れ方ですね。ゲームが終わって「一呼吸したタイミング」でみてもらえるので、収益性も高くなりやすい。
横川:あとは、ホーム画面に「福袋」を置いていて、そこから動画広告をみることで、「ゴールド」がもらえるようにしています。
ここもアプリを起動した直後なので「ユーザーがヒマなとき」なんですよね。ちなみに、動画リワードの中では、この「福袋」のところが一番収益が出ています。
チューニングで「動画広告の視聴回数」を2倍に改善
早瀬:MEMORYさんって、広告の入れ方が上手ですよね。何かコツはあるんですか?
横川:結局、これは改善の繰り返しなんですよ。実は「LINE大富豪」のときも、動画リワードの調子が当初はイマイチだったんです。
その影響で、1ダウンロードあたりの売上も、想定より低くなってしまっていました。そこで、大きくは2回チューニングをかけて、数値を改善した経緯があります。
早瀬:具体的には、どういうことをやったんですか?
横川:ひとつは、ゴールドがもらえる「福袋」をライトユーザーにも解放しつつ、「福袋の出現率」をアップさせたところ、視聴回数を当初の1.5倍まで伸ばすことができました。
もうひとつは、「ハート回復」の箇所です。ハートが少ない時にホームに戻ると「CMで回復しましょう」とダイアログを強制表示するようにしました。
これは、フリー対戦をした後に「ホーム画面」に戻ってくるユーザーが多いため、そこでダイアログを表示するのが有効だと考えたためです。
それから、まだ「CMでハート回復」を知らないユーザーに、この機能に気づいてもらえるように、という意図もありました。
早瀬:なるほど。
横川:あと、そのほか動画視聴で「ハート回復」をしたユーザーに、「もうひとつ、ハートを回復しましょう」みたいな感じでも、ダイアログを出すようにしました。
そうすることで、一人あたりの「動画リワードの視聴回数」を、当初の2倍まで伸ばすことができました。
※チューニングは2回に分けて実施。視聴回数が増えて、広告収益額も伸びた。
早瀬:どうして、その2箇所をチューニングしようと考えたのでしょうか。
横川:いろんなゲームを分析していても、1ユーザー(DAU)あたりの動画リワードの視聴率って、大体20%までは届くものなんですね。
そこで、動画リワードの視聴率を上げるために、「ユーザーとの接触数」を増やすような、2つのチューニングを実施しました。
表示頻度を変えてみたり、ダイアログを出してみたり、リリース後でも1ダウンロードあたりの売上を調整できるのは「動画リワードの良さ」かなと。
廣瀬:バナー広告とかだと、アプリのデザインにも関わってくるから、後からテコ入れがしづらいですよね。増枠も簡単にはできないですし。
「にゃんこレンジャー」について
早瀬:もうひとつ、今年リリースした「にゃんこレンジャー」についても、教えていただけますか?
横川:「にゃんこレンジャー」は、ポノスさんの「にゃんこ大戦争」のキャラクター(IP)を活用した、スピンオフアプリです。
4月末にリリースして、世界120万ダウンロードを超えています。国別の比率でいうと、日本36%、英語圏37%、韓国21%、台湾6%という感じです。
とくに、英語圏で伸びたのは意外でした。こういうキモカワ系のキャラって、欧米ではむずかしい印象でしたけど。
グローバルで「事前登録」がうまくいった理由
早瀬:ユーザーはどうやって増えていったのでしょうか。
横川:「にゃんこレンジャー」に関しては、事前登録がうまくいきました。グローバルで13.5万人が、リリース前に事前登録してくれて。
早瀬:すごいですね、どうしてそんなにうまくいったんですか?
横川:事前登録がうまくいったポイントは、いくつかあるかなと思っています。
ひとつは、「にゃんこ大戦争」のファンにも喜んでもらうため、事前登録で「にゃんこ大戦争の特典」ももらえるようにしました。
このとき、事前登録が「何人まで到達したらコレをあげる」という風にして、登録数によって「もらえる特典」が増えるようにもしました。
注意点としては、ストアの規約上「事前登録ユーザーだけに特典」という形がとれないため、リリース時に「全員に特典を配る」必要はありますね。
早瀬:なるほど。
横川:もうひとつは、各言語で「公式サイト」を用意しておいて、そこから「ユーザーの好きな方法」で事前登録ができるようにしました。
具体的には、メールアドレスだけではなくて、各種SNSアカウントに対応することで、事前登録の選択肢を増やしておいた。
人によって「つかっているSNS」がちがうので、ユーザーに「どれで登録したいか」を選んでもらおう、ということですね。
やってみた結果としては、LINE@の登録(日本と台湾が主)が多かったのと、海外でSMS(電話番号)が伸びたのが意外でした。
※こう見ると「メール登録だけ」だと、意外と取りこぼしが出ているのかもしれない。
「にゃんこレンジャー」のアプリマネタイズ
早瀬:マネタイズについてはどうでしょうか。
横川:アプリ全体の収益でみると「課金30%:広告70%」となっていて、広告収益でみると「動画リワード」が75%を占めています。
あと「韓国ユーザーはよく課金する」という傾向がでています。他国にくらべて「はやく進めたい」という気持ちが強くて、すぐに課金してくれやすいようです。
早瀬:そうなんですね。
横川:それから、日本のユーザーって「全体の35%」しかいないのに、広告収益を国別でみてみると、日本が8割を占めているんですよ。笑
要因としては、世界でみると「日本の広告収益性」がダントツに高いこと、そして1ユーザーあたりの「動画リワード」の視聴回数が多いこと、この2つみたいですね。
「動画リワード」設置するときのコツ
早瀬:「動画リワード」はどういう風に入れていますか?
横川:「にゃんこレンジャー」では、動画リワードを全部で5つの箇所に置いています。
コツとしては、「何十回も動画リワードがみられる」という掲載場所(枠)を作っておくと、収益の積み上げができるかなと考えています。
コアなユーザーさんたちが、ゲームをより早く進めるために、「何度も広告を見てくれる」ためです。
このとき併せて、課金にマイナス影響を及ぼしそうなところには、「上限回数」を設けておくと良いのではないかなと。
早瀬:ルーレットを回して「もらえる報酬が変化する」というのはおもしろいですね。
横川:わりと韓国で「ルーレットモデル」が流行っているんですよ。これは回すたびに「ワクワク感」を演出できて良いですよね。
早瀬:「ステージクリア後」というタイミングも良いと思います。こういう風に、ユーザーが自然に「一呼吸おいて動画視聴する」という風にすると、収益性が高く保たれやすいので。
「アイモバイル・maio」について
早瀬:これまで各社さんの「動画リワード」をつかわれてきて、その中で「maio」の印象ってどうですか?
横川:まず、maioって「配信比率に対する収益額」でみると、いつも一番か二番に入っているから、動画リワードの「一軍」として活用していて。
実際に、「LINE大富豪」の動画リワードでいうと、maioの収益額がナンバーワン(二位の収益額の1.7倍)になっていたり。
早瀬:それはうれしいです。
横川:あとは、iOS版の「にゃんこレンジャー」では、maioの収益性がトップ(二位の収益性の1.1倍)だったりもします。
だから、かなり高い収益性(eCPM)で、安定しているイメージはあるかな。
わたしは「他のデベロッパーさんにも紹介したい」と思えるくらい満足していますよ。広告の「在庫量×収益性」のバランスもいいですし。
早瀬:ありがとうございます、やっぱり収益のところは大事ですよね。
横川:あと、いまアイモバイルさんとは「1週間に数回ほど」やりとりしていますけど、こまめに連絡がとれるところも本当に助かっています。
以前、お互いに「情報共有」できていたおかげで、広告の収益性が大爆発したこともありましたよね。
廣瀬:そうでした。静止画広告のほうでも、海外の広告主さんから「ブランディング予算」がドバッと入ってきて、その予算を消化するために、ご協力いただきましたね。
横川:そうそう、連絡をとりあっていないと「未来の広告在庫」はわからないし、最適な施策もわからないので。わたしはコミュニケーションも重要かなと考えています。
お知らせ
現在、「LINE大富豪」 ではメンバー募集中です。
「LINE大富豪」マネタイズ担当募集
https://www.wantedly.com/projects/110855
「LINE大富豪」サーバエンジニア募集
https://jobs.forkwell.com/IGNIS/jobs/1861
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動画アドネットワーク「maio」
https://maio.jp/
「アイモバイル」エンジニア募集
https://paiza.jp/recruiters/614
取材協力:株式会社アイモバイル、MEMORY Inc.
広告企画:アプリマーケティング研究所