iOSユーザーは「家賃が高い部屋」を探す。住まい探しアプリ「LIFULL HOMES」データが語った部屋探しの傾向と、検索よりAR経由の資料請求率が高い話

2018年11月20日 |
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累計500万ダウンロードの、住まい探しアプリ「LIFULL HOMES」さんにお話を伺いました。


※株式会社LIFULL 、菊地 慧さん(左)、横山 朋子さん(右)

LIFULL HOMES(ライフルホームズ)について教えてください。

横山:
LIFULL HOMESは、住まい探しの総合アプリです。アプリは累計500万ダウンロードを突破しています。

運営チームとしては、エンジニアが10名、デザイナーが2〜3名、企画が4名という感じです。現在アプリはすべて内製しています。

アプリのユーザーはどこから増えているんですか?

横山:
Google Playでいうと、意外なことに「関連アプリ」から入ってくる人が多くて、キーワード検索の2倍以上は「関連系」からダウンロードされています

イメージとしては、Google Playで「賃貸」と検索してから、SUUMOさんのアプリを見たあとに、関連アプリをたどっているという感じでしょうか。

なので、間接的には「カテゴリランキングからの流入」等も含んでいると思いますが、関連アプリから想像以上に流入があるという状況ですね。※

わたしも最初は、ストアのキーワード検索から増えていると思っていたので、これを見たときはすごく意外でした。

※Google Playの分析画面のデータ(App Storeは数値が取れない)

ユーザーの動き方で「スマホ時代になって変わった」と思うことはありますか。

横山:
ユーザーテストをしていると、ユーザーの「目で判断する速度」がはやくなっていると感じます。とにかく画像を見ていて、画像が少ないとほかの物件に行ってしまうんです。

写真をみて「ここは良さそうだな」「コンロは2口だ」と一瞬で判断している感じですね。そういう理由もあって、アプリの画面は「1/3以上は画像」になるように意識しています。

アプリのデータを見ていて「特徴的だと感じるもの」は何かありますか?

横山:
ひとつ興味深いデータとしては、iOSユーザーのほうが「家賃の高い部屋を探す」というデータが出ていることです。

具体的には、賃貸だとiOSユーザーのほうが、問い合わせる「物件の家賃」が平均13%高くなっていて、すこし高めの部屋を探している傾向があります。

ちなみに、売買のほうのデータを見てみても、iOSユーザーのほうが問い合わせる「物件価格」が平均12%高い、という結果になっていました。

つまり、Androidユーザーと比較すると、iOSユーザーのほうがすこし高めの部屋を探し、高額な物件に問い合わせる傾向があるということです。

それはおもしろいですね。ほかにはありますか?

横山:
あとは、アクティブユーザー数が、正月明けにグッと伸びるのも特徴でしょうか。通常時と比べると3〜4倍くらい跳ね上がります。とくに賃貸はすごいですね。

傾向としては、三が日の終わり(1月3日の夜)から動き出すので、お正月が終わると「さあ物件を探そう」という気持ちになるのかもしれません。

それから、アプリとWEBで違うのは、ユーザーの利用時間の長さです。WEBよりもアプリのほうが、3倍くらい利用時間が長くなっていますね。

これまでアプリの運営をしてきて「うまくいった施策」があれば知りたいです。

横山:
お問い合わせボタンの「文言のABテスト」を実施したところ、数値を改善することができました。

賃貸のお問い合わせボタンでは、「メールお問い合わせ」から「空室状況を問合せ」に文言を変更したところ、問い合わせ率(CVR)を1.27倍にすることができました

売買のお問い合わせボタンでは、「メールお問い合わせ」から「不動産会社に問合せ」に文言を変更したところ、問い合わせ(CVR)が1.06倍に上昇しました。

どちらも、ユーザーが次にとる「具体的な行動」に即した文言にすることで、数値を改善できたのだと思います。

なるほど、参考になります。

横山:
あと、LIFULL HOMESには、「カップルと間取り図」という広告クリエイティブがあって、デザイナーがどう頑張っても、これにはなぜか勝てないんですよ。笑

Facebookやツイッターに、広告を出したときのクリック率も、この「カップルと間取り図」のクリエイティブが最高という結果になりました。

全体的になぜか「間取り図」は強いんです。GooglePlayのストア画像にも「間取り図」をつけるとパフォーマンスが上がりやすかったりもします。


※図の事例は数パーセントしか差がないが、もっとわかりやすく変化するケースもあるそう。

ほかに「最近の取り組み」が何かあれば教えてください。

横山:
今年の5月に、スマホをかざすとARで部屋が探せる「かざして検索」という機能を出しました。

建物にスマホをかざすと、物件情報が表示されるのですが、そこからの資料請求率についても、通常のアプリ内検索経由よりも、良い数値が出ていたりもします

菊地:
仕組みとしては、カメラで建物を特定しているわけではなくて、位置と向いている方向から、ユーザーが見ている建物を推定して出していますね。

横山:
この機能は、開発中にテストしてみたら、スマホをかざして歩く感じが、ちょっと不審っぽくて不安だったのですが、つかってもらえて安心しました。

これが受け入れられたのは「ポケモンGO」のおかげなのかなとも感じます。今後は「地面にかざすと相場情報が出る」なども出来たらいいなと考えています。

取材協力:株式会社LIFULL

LIFULL HOMES(iOS/Android

編集後記

余談ですが似たような事例として、米国の宿泊予約サイト「オービッツ」では、Macユーザーの宿泊費が、Windowsユーザーより一泊30%高い、というデータが出たそうです。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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