※本記事はnoteにて公開した記事を転載したものです(公開日:2024年11月28日)数値などは取材当時のものです。
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テキスト通話アプリの「Jiffcy」さんを取材しました。
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Jiffcy(ジフシー)について教えてください。
西村:
2023年4月に正式リリースした、通話感覚でテキストコミュニケーションができるテキスト通話アプリです。ユーザー数などは非公開ですが、アクティブユーザー数は過去4ヶ月で8倍に成長しています。
電話のように呼び出して、相手が応じると「入力した文字」が1文字ずつ表示される、リアルタイムトーク(テキスト)を行うことができます。
現段階では「Z世代やα世代の学生」が中心で、18歳までのユーザーが80%、全体の約70%が女性です。
主なユースケースとしては、寝る前に友達と「恋バナや愚痴」を話したり、電車の中で恋人と話したり、「声を出さないで通話のように話したいとき」に使われることが多いですね。
22時の利用が最も多く、朝と夕方の通勤通学の時間帯にも使われています。「カップル」「家族」「仲良しの友達グループ」での利用が多いです。
※学生時代を含めてこれまでに約20サービスを開発。多くの失敗を経て「Jiffcy」が生まれたそう。
どのように「Jiffcy」は生まれたのでしょうか?
西村:
自分が落ち込んでいたときに、仲の良い友達と「他愛もない会話をしたい」と思ったのが、Jiffcyを開発したキッカケでした。
友達と通話するほど元気ではない。でもLINEで「今ひま?」と送って3時間後に返信が来ても、そのときは別のことをやっていたりする…。
アプリを開いたときに、友達に通知が飛んで、暇な人が出てくれる「他愛もない話ができるアプリ」があったら良いなと。
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それで、プロトタイプを開発してみました。テキストでリアルタイムに「他愛もない会話」ができるアプリを作ってみたら、友達と1時間会話が続くこともホントに多くて「これは価値があるかもしれないぞ」と。
最初に突き当たったのは、「友達が通知に気づいてくれない。」という課題でした。初期のバージョンでは応答率は10%程度でした。
これを解決したのが「電話的な呼び出し」でした。電話のように着信で呼び出す設計にしたところ、応答率が約8倍になったんですね。
このときに、βユーザーから「これってテキストで通話してる感じだよね。」と言われて、そこで「テキスト通話アプリ」という概念が生まれました。
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TikTokからの集客と「招待制」で成長した。
Jiffcyのユーザーはどのように増えていったのでしょうか?
西村:
2023年4月に「Jiffcy」を正式リリースして、TikTokに「Jiffcyの面白い会話」を投稿していくと、動画がバズってユーザーが増えていきました。
また成功したのは「招待制」にして、友達や恋人など「リアルな人間関係」で使ってもらうことで、アプリの治安を良くするという設計です。
具体的には、LINEの公式アカウントで「ウェイティングリスト」に登録してもらって、「友達と2人1組」になった人からアプリに招待しました。
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一緒に使う「LINEの友達の名前」を、合言葉のように入れてもらうことで、リアルで人間関係のある2人組に入ってもらえるようにしたんですね。
そのSNSが「知らない人と使われるか、リアルな人と使われるか」は初動が大事なんです。それで、最初は「リアルで知ってる人」を集めました。
また、僕らがTikTokに「Jiffcyの動画」を投稿して話題になると、ユーザーも真似して投稿してくれて、さらにアプリが広がりました。
現在では、動画プラットフォーム上の「Jiffcy」関連のショート動画は、累計1.5億回以上視聴されています。
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成功施策:アプリのUIを「コアな機能」に絞ったら継続率が1.3倍に。
西村:
成功した施策としては、2024年に実施したアプリのリニューアルです。ポイントになったのは「コアな機能に絞ったこと」でした。
もともと、Jiffcyには「3つの機能」がホームに表示されていました。1つ目はメッセージを送る、2つ目はテキスト通話、3つ目は通知を送るです。
しかし、ヘビーユーザーに話を聞くと「テキスト通話」しか使っていないことに気づきました。
そこで、思いきって「テキスト通話」に絞って、残り2つは削除したところ、リテンション(継続率)が1.3倍に伸びたんですね。
長期の継続率も大幅に伸びました。最初にいかに「テキスト通話」を体験してもらうかが重要だったんです。
他には、初期からあったキャラクター(アバター)を廃止したり、デザインを黒ベースにして全年齢が使いやすい色合いにも変更しました。
海外展開も進めていて、世界100ヵ国以上のユーザーに使われています。アメリカなどでもTikTokを活用して伸びはじめています。
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【取材協力】
株式会社穴熊:https://anaguma.co.jp/
Jiffcy:App Store
株式会社穴熊 西村 成城さん
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