「どうしてもやりたいんです」フードデリバリーアプリ「dely」資料もプロダクトもなしで情熱でお店と提携できた。

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フードデリバリーアプリ「dely(デリー)」を運営しているdely株式会社さんにお話を伺いました。

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※dely CEOの堀江 裕介さん(真ん中)とスタッフの方々。「写るのが恥ずかしいから」と後ろに隠れた結果、不思議な構図の写真になりました。

delyについて

delyについて教えてください、なぜこのサービスをつくったのでしょうか?

堀江:
delyは、アプリで注文すると、美味しい料理がすぐに届くフードデリバリーサービスです(現在は渋谷限定)。7/2にリリースして2ヶ月ちょっと経ちました。

delyをつくった動機としては、長く生き残れるサービスをつくりたかったんです。インターネットで完結するサービスは、やはり流行り廃りが激しいです。mixiでさえあっという間にFacebookにひっくり返されてしまいましたし、同様のことが今後も起きると思う。

なので長く続くサービス、つまり「人々の生活に密着していて、オフラインでも繋がってるサービス」という中で、興味を持ったのがフードデリバリーでした。

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※普段、出前サービスをやっていない飲食店と提携して、料理をデリバリーする。

どうして「デリバリー事業」にしたのですか?

堀江:
フードデリバリーは、スタートアップとしてはとっつきやすいんです。理由は単純に自社のコンテンツを売るわけではないので、魅力的な店舗と提携できればユーザーにとっても魅力的なサービスになるからです。

他にも洗濯・衣服など選択肢はありますが、フードは注文頻度が高いし、課金もしてもらいやすいと思った。

今delyはどのぐらいのユーザーが使っているのでしょうか?

堀江:
公表はしていないのですが、ユーザー数は右肩上がりで伸びています。普通の出前サービスよりは20代など若いユーザーが多いと思います。

一人で頼んでくれる人もいますが、法人でまとめて何十個と頼んでくれる方、イベントの時にケータリング代わりに使ってくれる方も多いです。配達はスマホのGPSでやっているので「代々木公園のココに届けてください」など室外の配達も可能です。

プロダクトを作る前にテストなどはされたのでしょうか?そもそも30分で届けられるのか、お店側が受け入れてくれるのかなど。

堀江:
テストはやっていないのですが、アプリの開発をしている間に「delyと提携してくれませんか?」という店舗側への営業をはじめていましたね。

僕自身が渋谷を歩き回って、飲食店に飛び込みで営業にいきました。当然、営業にいくと「プロダクトを見せてくれ」って言われるんですけど、プロダクトもWEBサイトも資料も出来ていなくて・・・。

え・・?資料もなしで営業していたんですか。

堀江:
はい、当然「実物を見ないとわからない」「いま忙しいから帰ってくれ!」と最初は怒られたりするのですが、そこは「これがどうしてもやりたいんです」と情熱を伝え続けたら、最終的には「そこまで言うなら、わかった」とOKしてくれる店舗さんも多かったです。

あと、外国人の方が運営しているカレーやエスニックの店はノリが良くて「ソレ、イイネ!」で決まってしまうことも多かったです。

※こう書くと「話術が上手なんだな」という印象を受けるかもしれないが、堀江さんは口が達者なタイプではない(と感じた)。泥臭くて暑苦しい情熱で「店舗の人たちも折れた」というほうがたぶん近い。

delyを運営する上で、数字上で大事にしていることはなんですか?

堀江:
やっぱりリピート率ですね。新規ユーザー数については、リピート率が高ければ後々ついてくるはずなので、焦る必要はないかなと考えています。

今の段階で一番大切なのは、ユーザー1人1人の満足度を上げることです。ユーザーがdelyを使ってくれて満足して、もう1回頼んでくれるか?というところを大事にしています。

ユーザーがリピートするのには何が大事ですか、料理の質や種類?

堀江:
うーん、全部大事ですかね。単純に料理の味もそうですし、配達時の対応が悪かったらダメですし、紙袋がキレイかというようなブランドイメージも大事です。

デザインについては「クールな出前サービスだよね」と思われるよう、特に気を使っています。変な話、WEBサイトや紙袋などのデザインひとつで、プロダクトのイメージ、ご飯のおいしさにまで影響してしまうと思うんです。

ドンキホーテのビニール袋で美味しい料理が届いたとしても、味が変わってしまうと思うから。

dely_package

中長期ではフード以外に展開していくこともあるんでしょうか?

堀江:
もちろんそれもあります。それともうひとつ考えていることは、既存の物流をシステムで改善できるんじゃないかということ。

例えば、佐川やヤマトにしても、再配達が多すぎて効率が悪かったりしますよね。GPSを使って最適な配達ルートを表示したり、古くて高い専用端末を使うのではなくてiPhoneでコスト削減するサービスを、delyが手がけてもいいんじゃないかと。

ヤフーの小澤さんも言っていたのですが、今後ECの送料が2倍3倍と上がる中で、物流の事業者って年間1万人くらいずつ減っていく。物流をテクノロジーで改善していく領域は、今後大きなチャンスがあると感じています。

「お店側」はどこに満足しているのか?

お店側は、料理を作って自分で入れ物に入れているんですか?

堀江:
はい、お店側で料理を容器に入れてもらって、それをdelyのスタッフが受け取りにいって、配達しています。delyのアルバイトスタッフが自転車やバイクで届けています。

いま値段がけっこう安いじゃないですか、800円とかでご飯を届けてくれるわけですよね。お店とdelyでの収益の配分はどんな感じなんですか?

堀江:
収益の配分については非公開なのですが、dely1:お店9のような極端なバランスではありません。もう少しdely側にも収益がでるレベルに設定しています。

dely_businessmodel
※現在は料理代+配達料という料金設定になっている。収益配分は非公開とのことだが、配達料350円はdely100%、料理代は店60-70%:dely30-40%で配分という感じでしょうか・・・?

delyと提携している店舗さんは、どんなところに満足してる方が多いですか?

堀江:
自分のお店の存在を、法人に知ってもらえるチャンスになる点は、喜んでもらえています。料理がおいしければ、夜の飲み会で使ってくれる可能性もありますしね。

あとは、大量注文ですね。20~30個のまとまった注文はなかなか取れないと思うので、そこはお店側にとってもメリットです。

実際2ヶ月やってみて、渋谷以外もいけそうですか?

堀江:
住宅街などでも通用するかは、やってみないとわからないですね。やはり一番難しいのはいかに「IT系のユーザー層」の外に広めていくかだと思っています。

まずは「渋谷で最強のサービス」という状態を目指そうと思うので、しばらくは外に出ない予定です。Uberもサンフランシスコで1年かけてサービスを育てていましたし、まずはじっくり育ててから展開していきます。

他の記事で「堀江さんは頭おかしい(良い意味で)」って書いてあるのを見たんですけど、どのへんが頭おかしいって言われるんですか?

堀江:
自分は普通にしてるつもりなんですが・・・笑 一番よく言われるのは「こんな難しいプロダクトに、最初の起業で挑むのかよ」というところですかね。

フードデリバリーって運営の舵の取り方や、資金繰りも難しいですし、店舗への営業力も必要です。もちろんアプリを洗練させる技術力もいりますし、ヤフーやDeNAのような大企業が参入してくる可能性も高い分野だから。

最後に告知などがあればどうぞ。

堀江:
delyではエンジニア・デザイナーを募集してます、もし興味が有ればぜひ連絡ください。すごく熱いチームなので、心の底から頑張りたい人には良い環境だとおもいます!

取材協力:dely

dely(現在渋谷のみ)
dely_icon

編集後記

パンケーキとかサラダも頼めるのはなかなか個人的には良いなと思いました。はじまったばかりとのことなので、データなどについては非公開が多かったですが、これからのサービスがどうなっていくか楽しみです。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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