# コンパスが語る「個の力×好き」でつくったゲームの長期運営術と、バトルシーンより「キャラ推し」の広告効果が高い話、アドフラウド事例と対策2019

2019年11月20日 |
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約3年で900万ダウンロード「#コンパス」のゲーム運営術と、広告不正「アドフラウド」近況や対策など、各社さんにお話を伺いました。

※本記事はナイル株式会社より、依頼を受けて執筆したPR記事です。


※AppsFlyer 大坪 直哉さん、Smartly.io 坂本 達夫さん、ナイル 坂井 直人さん、NHN PlayArt 林 智之さん、佐橋 みなみさん

#コンパスのつくりかた

#コンパスについて教えてください。

林:
3対3の陣取りバトルゲームです。ニコニコ動画のドワンゴさんと共同運営していて、公開から約3年で900万ダウンロードという状況です。

NHN PlayArtの開発チームは30名ほど、加えてドワンゴさんのスタッフや、プロモーションチーム、カスタマーサポートのメンバーで運営しています。

ユーザー層としては、20歳前後や高校生のユーザーが多いです、男女比としては55:45くらいですね。

#コンパスはなぜ長期的に盛り上がり続けているのでしょう?

林:
まず、対戦ゲームというのが軸にありつつも、おそらく「ゲームをあそぶ以外」の楽しみ方を、ユーザーに提供できたからだと思います。

ふつうのゲームは、ゲームという円の中に「キャラが好き」「音楽が好き」という層が入ると思いますが、#コンパスではちょっと違っていて。

#コンパスでは、ゲームという円の外に「キャラが好き」「音楽が好き」という層がいて、ガチな対戦ゲームとは違う楽しまれ方をしている

たとえば、ゲームは苦手だけどキャラは好き、大会だけみて楽しんでいる、音楽イベントだけ参加する、といった人も多いんですね。

リアルイベントにも力を入れていて、超会議やフェスをはじめ、シークレットパーティというライブハウスで音楽を楽しむイベントもやっています。

なぜそういう「特殊な構図」になったのですかね?

林:
最初にゲームのルールをつくったあとに、あえて「世界観の統一」をしなかったからだと考えています。

ゲームの世界観を伝える方法として、有名な絵師や作曲家をドーンと連れてきて、つくり上げられた世界観を提供するのが、オーソドックスじゃないですか。

でも、#コンパスでは何か違うことがしたくて、「個の力を集める」という方向で、世界観を伝えられないかということを考えました。

そこで、舞台を電脳世界という「何でもアリの世界」にして、毎回違った絵師さんのキャラが登場したり、毎回違った作曲家さんの音楽がつくようにしました

その結果、ひとつでも「好きな要素」があれば入りやすいゲームになって、対戦ゲームに関心なかった層の人にも楽しんでもらえたのかなと。

面白いコンテンツの作り方ですね。

林:
僕としては「好きでやるほうがパワーが出る」とも考えていて。

ビジネスライクな有名クリエイターより、#コンパスに愛着を持って参加してくれるクリエイターさんにお願いしたほうが、パワーが出ることも多いと考えています。

なので、他社さんと協業するときも、#コンパスを好きで動いてくれる方と組むようにしています。そのほうがパフォーマンスが高くなるからです

コラボに関しては、IPや原作のファンの人たちに「これは」と思ってもらえるように、原作再現をキーワードに丁寧に実装しています。

※コラボは1キャラあたり「実装まで4〜5ヶ月」かけて進めているそう。

#コンパスの「コミュニティづくり」

ほかに#コンパスで特徴的なデータはありますか?

林:
他社の調査によると、#コンパスは翌日継続率はそこまで高くないものの、30日や100日後の継続率は高いゲームなのだそうです。

僕らとしては「コミュニティづくり」は大切にしていて、コミュニティの中心にいる人のほうが、長くあそんでくれるとも感じています。

たとえば、友達同士であそんでいる、オフ会によく参加する等、コミュニティが強くなることで、長期継続率が上がっている肌感がありますね。

#コンパスには「コミュニティが生まれる仕掛け」があるのでしょうか?

林:
そもそも「3対3」というシステム上、友達とあそぶほうが連携がとれる、友達を誘ってやった方が面白いというベースがあります。

なので「通話をしながらあそぶ人」も多いですね。Discordで通話しながらだったり、ミラティブで配信しながらあそんでいたり。

意図的にやっていることとしては、アプリ内のギルドは「4つまで」入れるようにしています。

なぜかというと、ギルドを競わせるための仕組みではなく、コミュニケーションを取ってもらうための仕組み、として捉えているからです。

バトルシーンより「キャラ推し」の広告効果が高かった

広告プロモーションはやっているのでしょうか?

佐橋:
プロモーションはずっと続けています。予算感としては月数万件獲得くらいの規模という感じで、最近は静止画よりも動画広告の調子がいいですね。

印象的な事例としては、動画広告のクリエイティブに「バトルシーン」を入れるよりも、「キャラ」を推したほうが効果が高いとわかったこと。

つまり、ゲームのシーンを見てもらうよりも、キャラが動いたり喋っているのを、見てもらうほうが興味を持ってもらいやすかったんです。

私たちも、本当はバトルシーンを見てほしいです。ユーザーさんからも「この広告じゃコンパスの魅力が伝わらない」とよく言われます。笑

でも、データをみてみると「キャラ推しの広告」の効果が一番高いんです。

それは興味深い結果ですね。

林:
僕もゲームを20年つくってきて思うのは、家庭用ゲーム時代からそうなのですが、やっぱりゲームの入口はグラフィックや絵なんですよ。

僕もゲームデザイナーとして、ゲームのルールを考える人だから、悔しい気持ちもあるんですけど。現実的にはそうなっていて。

ゲームのルールって「するめ役」なんですね。入ってきた後にずっと噛み続けて味が出るもの。なので、あんまり入口としての商品力はないのかなと。

というのもあり、個人的には広告の素材については、開発者が口出しすべきではないというか、自由にやってもらう方がいいと考えています。

ほかに実施しているプロモーションはありますか。

佐橋:
App Storeの検索広告(Search Ads)は、守りの意味で自社アプリのワードに出稿しているのですが、意外と獲得ボリュームは多かったりします。

基本は、GoogleのUACで「6秒の動画広告」に出稿していて。配信面としては漫画アプリの広告面との相性が良いというデータも出ています。

坂本:
App Storeの検索広告については、ユーザーに刺さる「訴求ワード」を調べるためにつかう会社も、最近は増えてきていると感じます。

検索広告をつかって、どのキーワードからのインストール率が高いか調べて、スクリーンショットや説明文に反映していくという感じです。

たとえば「対戦ゲーム」というワードで流入しているなら、スクショで「ガチャ無料」よりも「対戦ゲーム NO.1」と訴求したほうがいいかもしれません。

そこで得られた仮説を、Google PlayのABテストで検証して、効果があったらApp Storeにも反映する、ということもできますよね。

アドフラウドの被害事例とチェック方法

▽アプリジャンル別のアドフラウド(広告不正)の被害状況

坂井:
#コンパスさんでは、アドフラウド(広告不正)については、なにか対策はされていますか?

佐橋:
基本は広告代理店さんにお任せしているのですが、大丈夫かなという不安はあるので、専用のツールを入れる検討などはしています。

大坪:
最近のトレンドでいうと、ゲーム(ハードコア)のジャンルは、全体の15%くらいがアドフラウドだったりします。

なので、100インストールを獲得しているとしたら、そのうち15件は不正にインストールされたものということになります。

金額でみるとゲーム(ハードコア)だけでも、世界で2019年の上半期だけで、100億円単位でアドフラウドの被害が出ていますね。

とくに大きな会社のアプリは狙われやすいです。

▽アドフラウドで「国内月5,000万円以上の被害事例も」

大坪:
今トレンドとして起こっているのは、アプリ内不正です。botがアプリで課金するんです。なので普通に人間が見ていると不正を見抜けない

統計的に有為なボリュームが集まると、きちんと見抜けるのですが、そこに気づかないまま広告費を払い続けている会社がとても多い。

不正タイプは2つあって、本当のインストールを奪う「ハイジャック型」と、本当はないものをつくり出す「フェイクインストール型」があります。

国内でも、月5,000万円以上の被害が出ていた、アドフラウドの事例もあったりします。

▽アドフラウドを見抜くためには「CTIT」を見るとよい

大坪:
こうした不正を見破るためには、CTIT(広告クリックからインストールまでの時間)という指標を、チェックするのをオススメしています

ふつうは広告をクリックして、アプリストアに飛んでダウンロードボタンを押して、ダウンロードされるのを待ってアプリを起動しますよね。

つまり、広告クリックからダウンロードまで「時間がかかる」のが正常。でも、不正が起きている場合「CTITが0秒」というケースがあるんです。

※CTITは「Click to Install Time」の略。広告クリックからインストールまでの時間。

坂本:
本当は、ほかの広告経由のインストールなのに、悪い広告会社によって裏で成果を書き換えられている。だから0秒になるわけです。

チラシAをみて入店した人が、精算しようとした瞬間に「あ、チラシBどうぞ!これはうちの成果だ!」と横取りしているようなものですよね。


※横軸が広告クリックからインストールまでの時間。正常な状態だとなだらかな山ができる。


※横軸が広告クリックからインストールまでの時間。左端の「0秒」のところに山が出来ていたり、いびつな偏りが発生している場合は、アドフラウドが起きている可能性が高い。

▽ナイル運営の「ピタッとROAS」について

坂井:
ナイルでは、こうした背景も踏まえてアドフラウドを排除して、広告出稿の費用対効果を合わせる「ピタッとROAS」というサービスをはじめました。

これは、ユーザー獲得の広告運用における、アドフラウド(広告不正)に独自の対策を行い、広告の運用効果を最大化させるサービスです。

専門のスタッフが「CTIT」をデイリーでチェックしたり、ツールで解決する仕組みも作っていて、ゲームアプリ企業さんなどからも好評です。

やり始めてわかったのですが、弊社で運用しているゲームアプリだと、全体獲得インストール数の60%が、アドフラウドだったケースもあります

インストールベースで、月に数百〜数千万円の被害額が出ていることもあるので、興味がある方は「無料の診断」も可能ですのでぜひご相談ください。

ナイルからのお知らせ

「広告成果ピタッとROAS」は、スマホアプリ紹介メディア「Appliv」を運用しているナイルだからこそできる、アプリ事業者様に寄り添った広告代理運用サービスです。

海外アドネットワークではアドフラウドが多く、手を出せない事業者様は多数いらっしゃると思います。「ピタッとROAS」ではCPA配信とアドフラウドの徹底調査を行い、安全なユーザー獲得を志しています。

アドフラウドが気になる方は、相談レベルからでもお問い合わせを歓迎しております。

ピタッとROAS https://pitat-roas.jp/
お問い合わせ sales@app-liv.jp

取材協力:NHN PlayArt 株式会社、AppsFlyer、Smartly.io、ナイル株式会社
広告企画:アプリマーケティング研究所
「#コンパス」 開発・企画・運営:NHN PlayArt株式会社、株式会社ドワンゴ

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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