再生数よりも「視聴者との距離感」が大事。FinTechアプリ「バンドルカード」の獲得単価でみる「コスメYouTuber」想定外の影響力と広告効果を高めるコツ

2018年03月09日 |
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プリペードカードアプリの「バンドルカード」さんを取材しました


※株式会社カンム COO 竹谷直彦さん(右から二番目)、PR担当の岩楯廸子さん(一番左)

バンドルカードについて教えてください。

バンドルカードは、アプリから中⾼⽣でもつくれる「Visaプリベイド」です、現在は約37万インストールされています。

これは、アプリにお金をチャージすると、通販等でクレジットカード代わりにつかうことができる、バーチャルなプリペイドカードです。

実物のプラスチックカードにも対応していて、これを発行するとコンビニ等で買い物することも、できるようにもなっています。

もともとは、スマホで完結する若い世代に向けて、アプリで1分で発行できるプリペイドカードをつくろう、と考えたのがはじまりでした。

どんなユーザーにつかわれていますか?

やはり、クレジットカードを持たない若い層がメインですね。年代でいうと、10代が60%を占めていて、25歳以下だけでも約80%を占めています。

バンドルカードのデータから「わかったこと」があれば教えてください。

バンドルカードの決済データで、10代の利用先を「利用金額ベース」で出してみたところ、トップ10はこのような結果になりました。

メルカリやFRILなどのフリマアプリや、AmazonやZOZOTOWNなどのECが、10代にも浸透していることがよくわかります。

なるほど。

ほかに、興味深かったのは10代の「ECサイトの利用状況」を調べてみたら、サービスによって買い物金額に差が出ていたことです。

例えば、1回あたりの買物金額をみると、メルカリよりフリルのほうが1.5倍も高く、amazonよりもZOZOのほうが2.5倍も高いんですね。

これはなにかというと「買われているモノ」の差によるもので、衣服メインで買われているサービスの、単価が高くなっているのだと思われます。


※各サービスにおける「買い物1回あたり」の支払い金額

バンドルカードを運営していて「意外だったニーズ」ってありますか?

仮想通貨の取引所で、円に換えたビットコインを「バンドルカードにチャージして決済する」という使い方が意外に多かったことです。

バンドルカードへの「チャージ手段」を金額ベースで出してみると、30代以降は「ビットコインでの円建てチャージ」が30〜50%を占めています

ビットコインが値上がりして利益がでたときなどに、銀行口座を経由せずにそのままつかいたい、というニーズに合致したのだと考えています。

広告出稿も仕掛けているそうですが「どんなプロモーション」が一番効果がありましたか?

10代向けのプロモーションはいろいろ試してみたのですが、もっとも良い結果になったのは「YouTuberプロモーション」でした。

カードを発行して「チャージしてもらうまで」の獲得コストでみると、SNS系のネットワーク広告と比べて、2倍くらい効率が良かったですね。

数値でみると、ツイッターやFacebook広告だと、獲得コストが平均2,500円くらいだったのが、YouTuberの提供動画だと、平均1,200円くらいになっています。


※YouTuberプロモはSNS広告の「1/2くらいのコスト」で獲得できた

どんなジャンルのYouTuberと相性が良かったですか?

圧倒的に効果が良かったのは「コスメ系YouTuber」だったんですよ。これはちょっと意外でしたけど動画をみると納得できました。

というのは、おすすめコスメを紹介しつつも、それを買うときに「バンドルカードが便利だよ」という流れになるので、利用シーンが明確だったんですよね。

スマホの通販で買うなら「アプリのカード」で、マツキヨ等で買うなら「プラスチックカード」で、というつかい方まで伝えられていた。

コスメ系のYouTuberって、視聴者と配信者のつながりが強力なので、話をきいてくれやすかったというのもあったのかもしれません。

最高で、カード発行ベースでの獲得コストが約50円、という驚異的な数値がでたケースさえありました。

なるほど。逆に「相性が良くなかった」というジャンルはありますか?

相性がイマイチだったのは「ゲーム実況系」ですかね。やっぱり、みんな「ゲーム実況」をみにきているから、興味を持ってもらいにくい。

あと、たまに炎上しちゃうような、エンタメ系YouTuberの動画は、カードはつくってもらえても「そのまま放置してしまう人」が多かったりもしました。

ちなみに、同じ動画でも「テレビCM」はもっとダメでした。テスト的に一番安い沖縄でCMを流してみたところ、あまり効果がなかったようでした。

やっぱり「ただ商品を紹介する」だけじゃダメなんだな、そのあとの「つかい方」までちゃんと伝えないといけないんだな、と実感しました。


※【3月14日14:00 追記】カンム様の事情により一部具体的な数値を非開示にいたしました。

YouTuberプロモーションで「失敗してしまったこと」があれば知りたいです。

失敗したことは、当初は「再生回数」で判断してしまったことです。動画の再生数さえ多ければきっと広告効果も高いはずだと考えていました。

これが完全に間違いだったんですね。動画が何十万回も再生されていても、フタを開けてみると全然申し込みが増えていないこともありました。

見るべきだったのは、再生数よりも「視聴者との距離感」だったんですね。そこに関係性が出来ていないと視聴者は動いてくれないからです。

そうなると「視聴者との距離感」をみるには、どこで判断したらいいですかね?

個人的にオススメなのは「動画のコメント欄」をみることです。とくに公開から1時間でつくのって「コアファンのコメント」なんですよね。

なので、それをチェックすることで「視聴者との距離感」を、なんとなく知ることができます。

あとは、コメント欄が「適度に荒れているか」も重要です。全員に好かれているよりも、すこし嫌われているくらいのほうが、効果が良かったりもするんです。笑

恐らく、アンチが攻撃してくることで、それを擁護したいコアファンの気持ちも高まり、全体の熱量が上がるからではないかと考えています。

ほかに、もし「ここら辺は気をつけたほうがいいよ」という点などあれば知りたいです。

やっぱり、YouTuberって個人だから、事務所が完全にコントロールすることはできなくて、そこは出稿側にとってはリスクだなとは感じました。

極端な例でいうと、申し込みしてから急にYouTuberが行方不明になったり、なにかの動画が炎上して受付中止になってしまったり。笑

10代向けプロモーションとして、一番効果があったのは事実なのですが、そういうリスクについては知っておいた方が良いかもしれません。

取材協力:株式会社カンム

バンドルカード(公式サイト

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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