クチコミの効果は広告の10倍!クチコミを生みだす6つの原則とは?-なぜ「あれ」は流行るのか?より

2013年10月09日 |
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口コミはなぜ起こるのかというのを人間の心理や行動を分析してまとめた本、
『なぜ「あれ」は流行るのか?』が面白かったので紹介したいと思います。

・なぜ特定の記事がバズるのか?
・なぜ特定の商品が話題になるのか?
・なぜ特定の政治メッセージが広まるのか?
・悪い評判が、逆に売上増加になるのはどんな時か?

を数1000件の新聞記事や、
ブランド情報・youtube動画、都市伝説、商品レビュー、対面会話まで、
何千時間も費やして分析した結果をまとめた本です。

とても参考になる内容だったので、
印象的だったところを中心にまとめました。

アプリはデジタルでパーソナルなものですが、
案外「友達にすすめられてアプリDLした」って言う人も多いです。

予算を多く持っていない中小アプリデベロッパーとしては、
ソーシャル・リアル含めて口コミについての理解を深めることもとても重要です。

クチコミが広告より効果的な理由

クチコミはあらゆる購買判断の20〜50%に影響する。
従来型の広告はなお有効だが、日常生活の中のクチコミのほうが少なくとも10倍効果が高い。

-クチコミは信頼される。友人は本当に良いものをすすめてくれる。
-クチコミは自然にターゲットが絞られる。子どものいない友人に”オムツ替え”のコツは話さない。
-amazonで星5つ評価を受けている本は週に約20冊売れる。
-レストランでは初来店客のクチコミが200ドル近い売上につながる。

クチコミはネットだけじゃない。

ネット上で発生するクチコミは全体の何%か?
答えはたったの7%。

人々はネット上で長い時間過ごしているが、
ネットをしている8倍以上の時間、オフラインで生活していることを忘れてはいけない。

アプリでもクチコミは重要

“ピアノマン””斉藤さん”などのアプリで有名なユードーの南雲さんの話、
アプリでもクチコミがとても重要であることがわかります。

「リアルな口コミ、それも高校生〜大学生の若い世代の拡散力が特に強い。
高校生が『このアプリ、超面白いんだよ』と言って、友達がアプリをその場でDLしているところを何度も見た」

参考:南雲氏が語る、iOSアプリの作り方と次の一手

「ネットで話題!」は実は限定的な話。

AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」という曲では、
いろいろな会社・団体が踊っている様子をyoutubeに投稿しています。

ネット上で圧倒的に一番話題になっていたのはサイバーエージェントとGMO。
しかし実際の動画再生回数を見ると、実はサマンサタバサや佐賀県庁の再生回数も多い。

サイバーエージェント:148万回(動画URL)
GMO         :69万回(動画URL)
サマンサタバサ   :323万回(動画URL)
佐賀県庁      :114万回(動画URL)

これを見て「ネットでの話題というのは全体のクチコミに対してのほんの一部なんだ」と感じました。
ネット上で発生するクチコミは全体の7%でしかない、という話も納得いきます。

どうやってクチコミをおこすのか?

ブレンドテック社のミキサー、
マーケティング予算50ドルで売上を7倍にした話。

ブレンドテックのミキサーは性能は良いが知名度がなかった。
マーケティング予算はたったの50ドル。さあどうするか?

ビー玉とゴルフボールを買ってきてミキサーに放り込むと、
ミキサーから白い煙が上がりながらも粉々になってしまった。

この様子を動画をとってyoutubeにアップしたところ、
動画の再生回数は1週間で600万回に達した。

人々は「常軌を逸したすごさ」「究極のミキサー」と評し、
熱い支持を集めることに成功。売上は7倍になった。

メモ:商品力の実力があるということが前提。
そもそも「タワモン」のようにクソな商品を広めるのは難しい。


クチコミを生む6つの原則

1、ソーシャルカレンシー

取り上げる話題は他者の目に映り、その人の印象を左右する。
iPhoneを粉々にするミキサーを知っている人は”情報通のキレモノ”に見える。
これをソーシャルカレンシー(ソーシャル通貨みたいな意味ですね)という。

自分をよく見せたい

日常会話の4割以上は自分の経験談か個人的な人間関係に関する話。
ツイートの5割は「今、何をしているか」「こんな出来事があった」という自分語り。

そして、人間は自分語りが心地よいと感じる。
ハーバード大学の科学者は「食事やカネで満足感を得たとき」と、
「自分語り」で反応、活性化する脳の領域は同じであると実験で発見した。

人からよく見られたい。

話す内容というのは人物の印象を左右する。

一番人気のレストランの予約をどうやってとったかは話しても、
宿泊したホテルから見える景色が殺風景な駐車場だった話はしない。

商品やアイディアの宣伝をしながら、
話し手自身の印象が良くなる術を授けることが重要。

賞の授与。受賞者は賞をもらったことを自慢したがる。
人気投票コンテスト。参加者は自分に投票してくれるよう必死に宣伝する。

例:
フォースクエアのユーザーは自分が獲得したバッジをFacebookにのせる。
だがそれは同時にフォースクエアというブランドを広める行為でもある。

バーバリーの、ユーザーがトレンチコートを着た写真投稿できるサイト。
自分の投稿した写真がウェブサイトで採用されたら「誰かに知らせたい!」と思う。
このサイトが追い風となり、バーバリーの売上は50%アップした。

希少価値と限定価値

数量限定のクッキーはおいしく感じる。
入手困難なストッキングが高級品に思える。

ディズニーは「白雪姫」「ピノキオ」など古典的作品のDVD販売は期間限定で展開する。
販売期間を限定されると「今買わなければ」と感じる。

話題に取り上げてもらうためには、
話し手が聞き手に対して”好ましい印象”を与えられるメッセージを打ちださなくてはいけない。

コーヒーミーティングというサービスでは、
ヘビーユーザーを「エバンジェリスト認定」しているそうです。
logo_cofee
つまり「きみはうちのサービスの伝道師だ!」と公式認定することで、
はりきってサービスをつかってくれたり、人にオススメしてくれるということですね。

「おれこのサービスのエヴァンジェリストになったんだぜ!」って話す確率も高いと思いますし、
これは結構おもしろい仕組みだなあと感じました。

ポイント:人がしゃべってドヤ顔できるような話題にすること。

2、トリガー

人々が関連するものを思い浮かべるきっかけとなる要素。
頭の中に思い浮かぶことは話題になることへとつながる。

思い起こすきっかけが頻繁にある商品は、
ほかの商品より15%も多くクチコミされる。

-ピーナツバターと聞けばジャムを思い浮かべる。
-犬という単語は猫という単語を連想させる。

思い出すきっかけ

商品やアイディアは日常の中で、
思い出すきっかけが多く得られるように工夫しなければならない。

1997年製菓会社チョコレートバー「マーズ」の売上が予想外に伸びていた。
それはなぜか?

NASAが火星(MARS)探索をしていた年で、
メディアが火星の報道をたくさんしていたため、
人々がチョコレートバー「マーズ」の商品について想起したから。

音楽心理学の実験。
スーパーマーケットである日はフランス音楽を、ある日はドイツ音楽を流した。
すると、フランス音楽の日はフランスワイン、ドイツ音楽の日はドイツワインが売れた。

レベッカブラックの曲「フライデー」はyoutube動画の再生回数が金曜日に偏っている。
人々が金曜日になると「フライデー」の曲を思い出すから。

キットカットは「コーヒータイムにキットカット」というメッセージを発信し、
1年で30%の売上拡大に成功した。

原始人のキャラクターを広告でつかうのは良くない。
なぜなら日常生活の中で、原始人を目にすることは少ないから。

否定的なクチコミがプラスに働くケースもある

否定的な書評が売上に影響するのか?
新人・無名の作家が書いた本は、否定的な書評がでたあとに売上が45%拡大。

有名なワイン評価サイトで、
「靴下のような悪臭がする」と酷評された60ドルのワインは売上を5%伸ばした。

これは例えば、
「元気ですかー!」っていうのを見ると猪木を思い出し、
「ラスボス」と聞くと小林幸子を思い出し、
「カンボジア」と聞くと猫ひろしを思い出します。

魚の歌がヒットすれば、魚が売れ、
団子三兄弟がヒットすれば団子が売れる。

思い出すきっかけが多いほうが、
口コミされやすいよねという話ですね。

そういう話ではアプリ業界でいうと、
今年「アルパカにいさん」が500万DLくらいの大ヒットになりました。
alpaka_niisan_sc

「アルパカ」という動物に世の中の関心が集まった結果、
そのおかげで、間接的に「那須アルパカ牧場」が繁盛しているかもしれません。たぶん多少は影響してるはず。

ポイント:人が思い出しやすい話題にすること。

3、感情

伝染するコンテンツは何らかの感情を呼び起こす。
感情をかき立てる話はよく共有される。

-iPhoneを粉々にするミキサーに驚愕する
-増税があるかもしれないと腹を立てる。
-ゴリラも愛するものの死を悲しむという記事に畏敬の念を抱く。

能書きをくどくど語るよりも、感情に焦点を当てる必要がある。

共有される感情は以下。

正の感情:畏敬・興奮・楽しさ・ユーモア
負の感情:怒り・不安

書籍の中では鳥肌のたつような「畏敬の念」事例として、
スーザンボイルの動画が挙げられていました。実際に見た方も多いと思います。

オーディションに変なオバハン出てきたワロス。と思ってたら、
めっちゃ歌うまい!やばい!ってなる動画ですね。
これはたしかに人に話したくなります。

ポイント:情報は感情とともにシェアされる。

4、人の目に触れる

商品やアイディアを広めたければ、
人の目にふれやすくする必要がある。

スティーブジョブズはmacのノートパソコンの背面のアップルマークを、
当初はパソコンを閉じたときに、持ち主の方向を向くのが正しいと信じていた。

しかし、これだとmacを使っている時、他人から見ると逆さまになってしまう。
第三者の目に触れる度合いを考えて、長年の信念を覆しロゴをひっくり返した。

人は人のまねをする。

他の人が何を選び、どう行動しているのかが見えなければ、
まねをすることは出来ない。

同じような料理の店でも行列が出来ているお店が選ばれる。
行列の出来るお店はおいしいはずだと思い込むから。

周りに最近新車を買った人がいると、自分も新車を買う傾向が強い。

商品自身が宣伝になるように工夫すること。
iPhoneのメールの文末に「iPhoneから送信」というメッセージが入る。

アップルが初代のipodを発売するとき、この分野の競争は激しかった。
そこで、他の商品は黒いイヤホンばかりだったので、ipodは白いイヤフォンを採用。
白いイヤフォンをつけている人を多くみると「ipodは良い製品らしい」と思い込む。

薬物乱用防止広告の話、調査の結果広告効果が認められないばかりか、
広告を見た人が薬物を使用する傾向を強くしてしまった。
なぜなら、薬物使用はいけないと伝える一方で、薬物を使っている人が多いということも知らせてしまったから。

アプリアイコン着せ替えサービス”ココッパ”とか、
カメラ加工サービスは自然に話題になりやすくなりますよね。
これみたいなことが自分のアプリで起こせるか?というのを考えると。

「アプリのアイコンかわいいね。それどうやったら出来るの!?」

「その写真、なんていうアプリで加工したの?」

ポイント:どうやったら人の目にふれることができるか?を考えること。

5、実用的な価値

人は他人の役に立つニュースを伝えることが好き。
ほかの人に伝えたくなるような情報・専門的なノウハウ・知識を発信すること。

実用的といえばお買い得情報

同じカタログ・同じ商品・同じ価格でも、
「セール品」と一言の記載をしただけで売上が50%上がった。

「1世帯1点のみ」「お一人様3点まで」という制限を設けると、
消費者は「一人一つしか買えないのは、お買い得商品で在庫がなくなる心配があるからに違いない」と思い込む。
数量を制限したセールの売上はしない場合よりも50%以上多くなる。

100の法則:
商品価格が100ドル未満なら%表示(30%引き)したほうが値下げ率が大きく見える。
100ドル以上なら金額表示(-3000円引き)したほうが値下げ幅は大きく見える。

AppStoreに侵入成功したスパムっぽいアプリは、
「期間限定450円⇒無料」ってかなりの高確率でやっていますね。

あやしいネットの情報商材販売では、
「申し込み終了まで残り○時間○分○秒」とタイムメーター表示するのは常套手段です。

アプリでも、
アプリ内課金のアイテムを期間限定で割引する。
あえて10,000DL限定公開のアプリをつくる。
とか何か応用ができると思います。

ポイント:役に立つ情報は好まれるし、シェアされる。

6、物語

人々は物語を伝える。
商品やアイディアを物語の中に組み込むこと。
「トロイの木馬」の物語は数千年語り継がれている。

クレームを入れたことに対して、
想像をはるかに超える親切な対応をされたユーザーは、プラスのクチコミをする。

サブウェイのサンドイッチを食べ続けて45キロのダイエットに成功したストーリーは、
「サブウェイはヘルシー」「実際にやせた人がいる」「食べ続けても飽きない=おいしい」
という良いクチコミと一緒に語られることになる。

例えば、アプリ開発のきっかけにストーリーがある場合は、
プレスリリース時に、「実はこんな経験があってそれでその不満を解消したアプリなんです」
という話を入れると、興味を持ちやすいですし、記事も書きやすいです。

あとは例えば、
英単語アプリだったら、

学生に紙の単語帳で勉強するグループと、
アプリで勉強するグループに分けて、英単語テストを実施してみて、
「勉強時間も短く、成績も良かった」
という結論が導けたらアプリのPRパワーは上がりそうです。

さらに「このアプリのおかげで受験に受かった」
みたいな感動ストーリーが生まれたら最高ですね。

正直こういうのってめんどくさいし不確定要素強いですけど、
誰もやらない分目立つので、広告費を下手にかけるよりは良かったりしますよ。

ポイント:人が伝えるのは単純な情報よりもストーリー。

まとめ

ソーシャルカレンシー(Social Currency)・・・人がドヤ顔できる話。
トリガー(Trigger)・・・人が思い出しやすい話。
感情(Emotion)・・・感情とともにシェアされる。
人の目に触れる(Public)・・・目に見えないものは認識できない。
実用的な価値(Practical Value)・・・人は価値ある情報をシェアする。
物語(Stories)・・・人は物語を伝えたがる。

この6つの頭文字をとって、
STEPPSと呼んでいるそうです。

この本はアメリカで話題になった本の翻訳版で、
ウォールストリートジャーナルやニューヨークタイムズ誌のベストセラーにもなっています。

翻訳者が優秀な方なのか、日本語がとても読みやすく、
また小難しい理論ではなくて、わかりやすく事例と一緒に紹介されているのが好印象でした。

マーケターの人にはオススメの本です。
興味がありましたらぜひ読んでみてください。

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