AppAnnieのCEOが語る、世界のアプリ市場トレンド-ネイティブアプリxグローバルセミナー

2013年05月28日 |
182
Pocket

5/27に東京(新橋)で開催された、D2CRとAppAnnieさん主催の「ネイティブアプリxグローバルセミナー」に参加してきました。

本記事では世界でもっともアプリ市場のデータを保有しているといっても過言ではない「AppAnnie」のCEO、Bertrand Schimittさんの、講演内容をまとめています。

appseminor-logo

AppAnnieについて

AppAnnie」はマーケットデータのリーディングカンパニー、アプリのマーケットに特化して行っている。

社員は90名、オフィスはロンドン、サンフランシスコ、北京、日本。日本はインフィニティパートナーズに出資してもらっている。トップ90%以上のパブリッシャーが使用していて、120,000以上のビジネスユーザーがいる。

「APPANIEindex」という、アプリとパブリッシャーのランキングをまとめたレポートや、IDCと一緒にゲームレポートを四半期に一回だしていて、たくさんのメディアに掲載してもらっている。

●AppAnnieの3つの製品
アナリティクス(無料):自社アプリの売上やダウンロードデータを整理して見られる、24万ユーザーが使用。
ストアスタッツ(無料):過去のランキングをさかのぼってみれる、160万以上のアプリのデータがある。
インテリジェンス(有料):世界の全アプリのダウンロード数や売上(推計)データを見ることが出来る。

アプリのトレンド

ジャンルとしては、ゲームがほとんどの売上をつくっているiOSとAndroidがダウンロード数では近づきつつあるが、androidよりもiOSのほうが売上はやっぱり多い。アプリ内課金が大きく収益をつくってる状況。

Googleplayの売上は非常に伸びているが、iOSのほうがまだ2倍くらい大きい。

アプリストアローンチの戦略について

日本・アメリカ・韓国以外はiOSを中心に展開していくと良い。

日本・アメリカ
⇒iOSとGoogleplayどちらも伸びているので両方で展開するべき。

韓国
⇒Googleplayが圧倒的に強い。

中国
⇒iOS、ローカルAndroidマーケット。

他国
⇒iOSに注力すべき。Googleplayはまだまだ。

急成長市場

・中国のマーケットは非常に伸びている
・ロシア、ブラジル、メキシコがダウンロードベースでとても伸びている。

売上 ios vs android

・アメリカと中国では、全ダウンロード数の40%はiOS。
・ダウンロード数ではGoogleplay>iosという国も多い。
・アメリカ・日本・韓国の3国の合計で、Googleplayの全売上の80%。(Androidはこの3国に注力すべき)
・アメリカ・日本・韓国以外はGoogleplayのマネタイズが難しい。(ダウンロード数では伸びている国も多い)

ゲームの1ダウンロードあたりの売上(世界)

・ほとんどの国ではiOSのほうが、1ダウンロードあたりの収益が大きい(二倍くらい違う)
・日本だけは例外的に、Googleplayも1ダウンあたりの収益は大きい。

【iOSアプリの収益性が高い国】
一位:日本(1.83ドル)
二位:オーストラリア(1.12ドル)
?位:アメリカ(0.74ドル)

【Androidアプリの収益性が高い国】
一位:日本(1.89ドル)
二位:韓国(?ドル)
?位:アメリカ(0.24ドル)

iPadの市場について

・アメリカと中国はiPadのマーケットが一番大きい。
・ロシアもiPadのマーケットが大きい。
・先進国の中でがiPadアプリのダウンロード数は、日本が異常に少ない。(これからiPadminiやAndroidタブレットの普及で伸びてくるとは思うが)

iPhone vs iPad売上

・アメリカではiPhoneよりわずかにiPadが多い(iPadの人のほうがお金つかう)
・日本では他の国とは比較にならないくらいに、iPadよりiPhoneの売上が多い。

iOSゲームジャンル(世界)

・ダウンロード数ではカジュアル系が伸ばしやすい。(アーケード、パズル)
・売上ベースではコアなゲームが強い(ロールプレイング、シミュレーション、アクション)

Googleplayゲームジャンル(世界)

・ダウンロード数・売上ともに「アーケード&アクション」「カジノ」「ブレイン&パズル」の3カテゴリが強い。

世界のアプリ売上

・パズドラがiOS/Googleplayの両方で世界売上NO.1アプリ(ただし、売上はほとんどが日本市場)
・トップパブリッシャーとしては「EA」「KING」がランクイン。

世界のパブリッシャーランキング

ダウンロード数ランキング(iOS)
・10位以内はほとんど欧米会社でNHNだけがアジアの会社。

ダウンロード数ランキング(Googleplay)
・これも欧米の会社がほとんどで、NHNだけがアジアの会社

売上ランキング
・ガンホー(ほぼパズドラ)、グリー、DNA(日本以外でも収益あげている)もランクイン

日本のアプリパブリッシャー(アプリ提供会社)の日本売上ランキング

1位:ガンホー
2位:LINE
3位:GREE
4位:コロプラ
5位:バンダイナムコゲームス
6位:サイバーエージェント
7位:スクウェア・エニックス
8位:D2C
9位:Donuts(ドーナツ)
10位:KLab(クラブ)

日本アプリパブリッシャー(アプリ提供会社)の海外(日本以外)売上ランキング

1位:DeNA
2位:GREE
3位:カプコン
4位:LINE
5位:SEGA(セガ)
6位:サイバーエージェント
7位:スクウェア・エニックス
8位:ガンホー
9位:エイチーム
10位:KLab(クラブ)

海外パブリッシャー(アプリ提供会社)の日本売上ランキング

1位:NEXON(韓国)
2位:Gameloft(フランス)
3位:Electronic Arts(アメリカ)
4位:storm8(アメリカ)
5位:zynga(アメリカ)
6位:supercell(フィンランド)
7位:Apple(アメリカ)
8位:KING(イギリス)
9位:com.digitalcloud(中国)
10位:GAMEEVIL(韓国)

海外パブリッシャーの(アプリ提供会社)の海外(日本以外)売上ランキング

1位:supercell(フィンランド)
2位:Electronic Arts(アメリカ)
3位:KING(イギリス)
4位:Kabam(アメリカ)
5位:Gameloft(フランス)
6位:storm8(アメリカ)
7位:zynga(アメリカ)
8位:Wemade(韓国)
9位:CJ E&M(韓国)
10位:Disney(アメリカ)

質問コーナー

2014〜15以降のアプリ市場のトレンドはどう予測しているか?

Bertrand:
Googleplayが伸びていて、ダウンロード数ベースではほとんど同じになっている。売上ベースでも今年終わりくらいにはiOSに追いつくだろう。

iPhoneはインドなどの国では高くてかえない、iPhoneの廉価版がでれば状況が変わるかもしれないが、基本的にはGoogleplay(Android)のシェアが世界で伸びていくであろう。

アプリ市場のほとんどはゲームである。ダウンロード数でみても40%はゲームだし、売上の80%はゲーム。韓国はゲームの売上が95%をも占める、日本でも90%。

日本に関しては、フィーチャーフォン⇒スマホという形で進化をしているので、まだまだiPad向けのコンテンツが少ない傾向にある。逆に言うと日本のiPad市場は伸びシロがあるので、先行者利益を狙うのは良い戦略だ。

パズドラの大ヒットのおかげで、日本でもネイティブアプリの市場の成長が加速するだろう、もちろんwebアプリの可能性がないということではない。

今後は、海外のアプリ企業が日本市場を狙ってくる?

Bertrand:
既にkingやスーパーセルでは日本人スタッフを募集していたり、Kabam(USA)では日本の会社への投資をしている。各社の戦略はそれぞれだが、日本が魅力的な市場ではあるのは間違いない。

Zyngaが日本市場の撤退をしたが、これは日本のマーケットサイズが小さいということではなく、海外のコンテンツが日本の市場に適用できるか出来ないかという問題である。

日本や韓国では、フィーチャーフォンが10年かけて普及してきた国。かなり独特の文化もあって海外のデベロッパーは苦戦している。

海外(欧米)で大きく成功しているアプリパブリッシャーも、日本ではまだ収益を確保できていないケースも多い。

アジアのアプリ市場はとても伸びている。日本のスマホ普及率は、世界水準から見ると低いのでポテンシャルも高い。

アジア各国の市場規模も昨年対比で成長していて、韓国は10倍、日本は7倍、中国はそれ以上。

中国人の「支払い能力」が高まってきているので中国市場も今後伸びてくるはず。

まとめ

・世界レベルで見てもアプリはやはりゲームジャンル。
・日本は世界レベルで見ても高収益市場である。(1ユーザーあたりの収益はiOSでもAndroidでも世界一)
・日本のiPad(タブレット)市場のポテンシャルが非常に高い
・世界レベルで見るとGoogleplay(Android)が伸びている

編集後記

AppAnnieのレポートといえば、四半期ごとのレポートが日本のメディアでも必ずといってもいいほど取り上げられていますね。今回はCEOのお話ということもあり、かなり濃密な内容でした。

■アプリ広告について学びたいならこの本

182
Pocket

アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
スポンサーリンク
広告掲載
btn_fb btn_tw btn_rss

Latest stories

Related stories