今回は「アメリカの若者のソーシャルメディア事情」を調べるために、アメリカの女子大生(4名)にインタビューを実施した結果をまとめました。
※「全体を正確に調査したもの」ではないため、あくまで参考までにご覧ください。
スマホケースは「かわいい」よりも「機能性」を重視する。
「スマホケース」は何を基準に決めていますか?
シュナイヤ:わたしは機能性(スマホの保護)を重視しています。とくにiPhoneは画面が割れやすいので、ケースは絶対に必要です。
もちろん、かわいいほうが良いですけど、機能性のほうが大事。
ミッシェル:「スマホを守ってくれるかどうか」が重要です。
この前、ポーク(豚肉)を食べてたら、手がベタベタになって、スマホを落として割っちゃったの、アッハ!(笑) だから、ケースは大事。
※4人とも「機能性が大事(かわいいほうが良いけど)」という回答でした。日本の女子高生は圧倒的に「かわいさ」が基準だった(過去記事)が、それとは明らかに違う印象を受けました。
前提となる「かわいい」の基準も、日本は「かわいい(ロリっぽくキュートな感じ)」で、アメリカは「かわいい(ポップでシンプルな感じ)」という違いを感じます。
iPhoneとAndroidは半々くらい
「iPhone」と「Android」はどちらをつかっていますか、その理由は?
ジャネット:Androidをずっとつかっています。「アップル製品は高い」というイメージがあるので。
というか、もう最近はiPhoneもAndroidも、クオリティが大して変わらないですよね?
シュナイヤ:iPhoneです。両親がApple信者なので、その流れで。
わたしの周りの友だちは「韓国人はサムスン、中国人はiPhone」をつかっているイメージがあります。
ミッシェル:Androidのほうが優れていると感じます。バックボタンもあって操作性が良いからです。
※かなり意見が割れるようでした。周りの友だちも含めると「iPhoneとAndroidの比率は50%:50%くらい」という意見で、みなさん一致していました。
アプリ/ゲームへの課金には抵抗がある。
スマホのアプリ/ゲームに課金することはありますか?
ジャネット:しないですね。とくにゲーム課金の「バーチャルマネーに、現実のお金を払う」というのが、なんだか気に入らないです。
シュナイヤ:課金しませんね。そもそも、月々のスマホ代として、お金がかかっているんだから。
そんなにお金ないですよ。私も、スマホ内のバーチャル世界に、課金するのは理解できない。
※4人とも「アプリには課金しない」という回答でした(日本より厳しそうな反応)。「日本はモバイルに世界一課金する国」というのが、すこしわかった気がしました。
あと、アメリカでは「バイトは学費を払うためにやるもの(自分で学費を払う学生が多い)」という認識が強いようで、そもそもの「金銭感覚」も違うように思いました。
実際、日本とアメリカでの、モバイルゲームへの課金額をみると「日本が約2,900円、アメリカが約800円」と3.5倍ほどの差があるようです。※課金ユーザー1人あたりの平均月額(EEDAR調べ)
よくつかっているSNSについて
「よくつかっているSNS」をおしえてください。
ミッシェル:Facebook、インスタ、スナップチャットがメインです。Facebookとスナップチャットは毎日つかっています。
「Facebookはつかわれていない」はウソのように感じます。私はニュースを読んだり、メッセンジャーをつかって、家族と連絡をとります。
ほら、見てください。わたしのFacebookの通知欄。これぜんぶ家族からの通知です(笑)
※「つかっているSNSアプリ」についてまとめた図。全員が「Facebook、インスタ、スナップチャットがメイン」と回答しました。ここからは、それぞれの「SNSの使い分け」について聞いていきます。
「Facebook」について。
「Facebook」はどのようにつかっていますか?
ジャネット:Facebookには「誰に見られても良い情報」だけを投稿しています。
プライベートな情報はあんまりアップしません。みんなが見ているし、ずっと残ってしまうから。
シュナイヤ:Facebookは3年くらい前は、よくつかっていました。今は「安心して投稿できる場所」ではないですね。
だってもう、400〜500人も友だちがいるから。あと、親も見ているし、昔の先生とかもいるし。笑
一応、Facebookには「プライベート設定(公開を”友だちまで”などに限定する機能)」もありますけど、これは微妙なんです。
だって、友だちの悪口を書いたら、それを見た誰かが「告げ口」するかもしれないし。そうでしょう?
ミッシェル:アメリカでは、Facebookアカウントは「誰もがもっているもの」です。
パパとママとも普通につながっている。だから、みんな「それを前提につかっている」という感じだと思います。
あと「これからのこと」も考えます。これから働く会社の「上司や同僚」が、わたしのFacebookを見るかもしれない。
だから、ちょっとでも「躊躇するような写真」はアップしません。
※Facebookは「当たり障りのないこと」を投稿する場所になっていると。投稿時に「すごく慎重になってしまう(けど、つかっていないわけではない)」というのが共通の意見でした。
なお、アメリカでは「おじい/おばあちゃん世代」でも、わりと当たり前に「Facebookに登録している」とのこと。
「スナップチャット」について
「スナップチャット」はどんな使い方をしていますか?
ジャネット:気を許している友だちに、「変顔」や「バカなこと」をしているスナップを送ります。
スナップチャットは、ほんとに楽しいですね。頻繁にやり取りするのは4〜5人くらいです。
シュナイヤ:わたしも「おもしろい写真」をおくりますね。友だちは50人くらいかな。
さすがに、Facebookには「ふざけた写真」をアップする気にはなりません。
センセン:わたしもスナップチャットは、限られた人としか使いません。友だちは60人いますけど、よく話すのは10人くらいです。
ミッシェル:親しい友だちとたくさんチャットしています。すぐ消えて、メッセンジャーよりも、手軽なところが好きです。
日常の写真を送ったり、「ストーリー」で写真も共有します。あと「ディスカバー」でニュースも見ますよ。たとえば、コスメやファッションの情報です。
※スナップチャットは「仲のよい友だちとだけ、気兼ねなくコミュニケーションがとれて、すごく居心地のよい場所」というのが共通の感覚のようでした。
学校の教室でみんながいるところで話す内容=Facebook、友だちの家で親友にだけ話す内容=スナップチャット、というイメージが近いのかなと思います。
なお、アメリカでスナップチャットは、18〜34歳の41%に浸透していて、1日に25〜30分つかわれているそうです。(参考リンク1、参考リンク2)
「インスタ」はゆるく写真を見る
「インスタ」はどのようにつかっていますか?
ミッシェル:インスタは基本「見るだけ」ですね。有名人、フィットネス、フード、メイクなどのアカウントをフォローしています。
シュナイヤ:おもしろいジョークのアカウント、K-POPグループのアカウント、かわいい動物のアカウントをフォローしています。
※インスタは「ゆるーく写真を見るSNS」という感じ。今回の4名については、インスタへの「写真のポスト(投稿)」には、あまり積極的にしていないようでした。
はじめに交換する連絡先は「電話番号(SMS)」
大学の友だちとの「はじめての連絡先交換」は何でしていますか?
ジャネット:電話番号(SMS)です。それで、仲良くなったらFacebookで友だちになることが多いですね。
大学のクラスでグループワークをするときには、「グループミー」というアプリをよくつかいます。
※全員「SMS」をあげていました。通訳してくれた日本人の大学生の子いわく「日本のLINEの感覚が、アメリカではSMS。WhatsAppはつかわない」とのこと。
あと「グループミー」も人気でした。最初が「SMS(1to1)」なので、「グループチャットアプリ」のニーズがあるのだと思います。日本では「LINE」のグループが、この役割も担っていると。
若者の「Facebook疲れ」は本当なのか?
Facebookの「ここがいやだな」と思うところはありますか?
シュナイヤ:わたしFacbookのアレが嫌いです。「何年前の今日、あなたは何々してましたね」という振り返り機能。気持ち悪くないですか?笑
「こんな過去は忘れさせてよ!」みたいな、黒歴史を掘り起こされるとドン引きします。思い出して「オーマイガー!」ってなる。
なるほど。
ミッシェル:Facebookは文字(情報量)が多くてつかれちゃうんです。政治や時事ニュースの長文ポストとか読みたくない。
それに比べて、インスタは写真メインでシンプル、それが良いんです。
いまのスマホ世代って、「アテンションスパン(コンテンツに集中できる時間)」が短くなってると思うの。
それなのに、Facebookのポストって「情報量」が多いから、そこはミスマッチだと感じます。
どういうことですか?
ミッシェル:わたしたちの親というか、もうすこし大人の世代は、長文でも気にしないじゃないですか。
新聞とかで「文面でニュースを読むこと」に慣れているからだと思うんですけど。
でも、わたしたちにとっては「短くてわかりやすいもの」がスタンダードです、ずっとSNSで育ったので。文字ばっかりだと、読む気がなくなります。
日本は「ハイテクで文化的な国」というイメージ。
「日本」のイメージをおしえてください、日本のアプリ/サービスで知っているものはありますか?
センセン:「LINE」は知っていますよ。日本から交換留学生がきて、その子と連絡をとるためにダウンロードしました。
ミッシェル:日本はすごく自由でハッピーな国よね。自分が「おしゃれだ」と思う格好を自由にできるのが、すごくステキだと思うの。
たとえば、日本の男性って「ぴっちりした服」を着てもOKでしょう。
そういう、アメリカでは完全に「ゲイ」だと思われるような、女性っぽい格好が、日本の感性では「かっこいい」というのも興味深いですね。
※日本のアプリやサービスとして、名前が出てきたのは「LINE」だけでした。(4人中3人知っていた)
ほかに日本のイメージとしては、「ハイテクと伝統が両立している国」「交通が発達している」「テクノロジーの先進国である」「京都など伝統的な街がある」「桜、花見、着物」などが挙がりました。
4名の女子大生の、スマホのホーム画面まとめ
最後にホーム画面のスクショをのせておきます。
【お知らせ】noteで「月刊アプリマーケティング」という有料マガジンをスタートしました。こちらでも米国のスマホネイティブのインタビューなど掲載していく予定です。