夢だったゲーム開発が「赤字686万円でゾンビ化」した、room6さんのその後などを伺いました。
※本記事はカイト株式会社より、依頼を受けて執筆したPR記事です。
※room6 代表 木村征史さん(写真左)
最近の「room6」さんの調子はどうですか?
自社のゲームのほうは、いまもまったく儲かっていませんね。「とっとこダンジョン」の14万円だった収益が30万円になったくらいです。
正直、つくったゲームで「お金を稼ぐこと」のむずかしさを感じました。去年くらいは「精神的にもう限界かな」という時期もありましたね。
そういう経緯があって、最近は「自社のゲーム開発」はお休みして、他社さんとの「共同開発のお仕事」をやらせていただいています。
他社さんの企画したゲームの開発などを、裏側でお手伝いするようなお仕事のことです。
※前回取材したときのroom6。ゲームをつくったら赤字686万円でゾンビ化してしまった(過去記事)
共同開発でどんなゲームをつくっているんですか?
たとえば、ポラリスエックスさんというパブリッシャーと一緒に、Switch版の「サリーの法則」や「アビスリウム」というゲームを移植で開発しています。
ほかには「少年騎士ヤスヒロ」というアプリ(韓国のデベロッパーがつくったゲーム)の、日本語版を開発させてもらったりしています。
ご縁があって、そういうお仕事のお話をいただけて、なんとか「やっていけそうな感じ」というか、上向き加減でがんばっているところです。
ここまで「生き残ること」も大変だったと思うのですが、どうして続けてこられたのでしょうか?
そうですね・・・お金の話でいうと、裏側で「受託の仕事」はずっと続けていたので、それでなんとか生き残ってこれたというのはあります。
モチベーションという意味では、イベント出展などはずっと続けていたので、そこで「人に勇気づけられた」というのはあると感じますね。
それってどういうことですか?
イベントに出展すると、ほかのゲーム開発者が「がんばっている姿」が見えますよね。すると「悔しいなあ、がんばろう」ってなるんですよ。
なんでしょう。若い人が個人ですごいゲームつくってたり。オッサンでがんばっている人もいたり。本当にいろんな人たちがいて。
そういうのを見てると、自分はなんにも成功してなくて、このまま辞めるのもカッコ悪いな、もっとやらんと死ねないなと思うんですね。
あと、見にきてくれた人が「応援してるよ」って言ってくれるのも嬉しくて。そういう一言だけで「もうすこしだけ頑張ってみよう」と本当に思えたりするんですよ。
なるほど。これまで「出展してきたイベント」をよければ教えていただけますか?
ひとつは「デジゲー博」これは個人的にはオススメです。インディーでもプレッシャーなく楽しめて、なんでも受け入れてくれる空気がある。
あと、京都の「ビットサミット」は、インディーのお祭りみたいな雰囲気があります。日本で一番大きいインディーイベントですごく熱量もある。
ただ、最近は出展者のクオリティも上がってきていて、個人的には「場違い感」を感じつつありますね。笑
でも、クオリティ高い作品をつくれたなら絶対にでるべき。実際、出てみるとむちゃくちゃたのしいし、取材メディアの数もすごく多いので。
あと、東京ゲームショウは、ぼくらのときは出展が無料だった(SONYがスポンサーだった)のですが、入場者も多くて4日間立ちっぱなしでハードでした。
ただ、イベントの大きさは圧倒的ですし、終わったときの「やったったぞ感」はすごかった。そういう達成感を味わえるイベントでした。
ちょっとずつ「room6」さんの流れが良くなってきたのは、イベント出展などを地道にやってきたおかげもあるのでしょうか。
それはあると思いますね。イベントで少しずつ人のつながりも増えて、お仕事につながって生き残ってこれたのだと感じます。
やっぱり世界も人も広がるし、たまにメディアで紹介されるし。お金も時間もかかるけど、それ以上にお金に換算できないことがあるのかなと。
ところで、今日は「itemstore」というサービスの感想を聞きたかったのですが、これについて教えていただけますか?
昨年、共同開発で「リリーさんバトる!」というアプリを出したんです。1万ダウンロードくらいで、収益も「飲み代を稼げたね」という程度なのですが。
そのときに、課金の実装ができる「itemstore」というサービスをつかいました。「itemstoreだとラクに課金が入れられるよ」という話を聞いて。
やっぱり、課金周りってバグや不具合が起こりやすいので、あんまり自分で実装したくなかった、っていうのが本音のところですね。
実際に「簡単に課金アイテムの実装」はできたのでしょうか。
できました。あと、品揃えは増やしとこうか的なノリで、簡単に「課金アイテムの種類」も増やせるんですよ。それも良かったです。
課金アイテムの画像だけアップして、アイテムの値段と名前を設定するくらいで、課金アイテムがいくつも増やせました。
実際、3,000円の「真ん中の価格」のアイテムが一番売れたりして。あと、高額なアイテムも「ご祝儀課金」として知人が買ってくれたり。笑
ただ、課金画面の「デザインのテンプレート」は、もっと増えるといいなとは思いましたけどね。オリジナルのデザインを設定できたりとか。
※事前にGoogle Play / iTunes Connect でのアイテム登録が必要、とのこと。
なるほど。どういう人に「itemstore」はオススメできますか?
やっぱり実装が簡単なので、バタバタしながらあと数日でリリースしないといけないときに、ラクに課金を実装したいという人ですかね。
なんか、差し迫っているときに限って「課金エラーです」みたいになることって、なぜかアプリ開発でよくあるじゃないですか。笑
そうなると、どちらかというと開発リソースの少ない、個人や小規模チームに向いてるのかなと思います。
カジュアルゲームでも「アプリ内課金」って入れておいた方が良いんでしょうか。
もちろん、入れたほうがいいとは思います。実際に「とっとこダンジョン」なんかも、収益の3割くらいを課金が占めていたりしますから。
とくに最近は昔みたいに「すぐ数十万ダウンロード!」って時代じゃないので、1ユーザーの客単価に力を入れるのがいいのかなと。
共同開発した「少年騎士ヤスヒロ」も、まだ数千ダウンロードなのですが、継続率がめちゃくちゃ良くて、1ダウンロードの収益が100円を超えているんですよ。
そういうのを見ると、最近は「客単価と継続率とおもてなし」を重視したほうがいいんだろうなと、すごく実感したりもしますね。
1万ダウンロードしかされなくても、十分食っていける可能性があるなと。そういうゲームを自分たちでつくれるようになりたいですね。
1,000アプリのデータで考える「課金の売上」を上げるコツ
itemstore運営のカイトさんに、課金アイテムで「アプリの売上」を伸ばすコツを聞きました。
※カイト株式会社 地田慎さん、高田雄太郎さん、倉持貴明さん
「itemstore」について教えていただけますか?
アプリ内課金をサーバーレスで実装/管理できるツールです。現在1,000アプリ以上に導入されています。
料金プランは、月額980円(個人向け)と月額9800円(法人向け)2つのプランがあります。無料のトライアル版も用意しています。
中には、個人デベロッパーで月に1,000万円ほど、課金売上がある利用者もいらっしゃいますが、その際もかかるのは月額利用料のみです。
課金収益については通常と同じく、AppStore/GooglePlayの手数料が30%、デベロッパーさんに70%が入る形になります。
ちなみに、SSPの「アドフリくん」をつかっているデベロッパーさんは、「itemstore」を無料でつかうことができたりもします。
「itemstore」を運営するカイトさんからみて、課金で収益を上げるコツはありますか?
現在「itemstore」を導入している、1,000アプリのデータを分析したところ、いくつかアプリ内課金でわかったことがあります。
ひとつ、興味深いのは「課金アイテムの販売額」でみたときに、9,800円の高額アイテムが全体額の50%を占めていることです。
個数でいうと、300円のアイテムが一番売れているのですが、金額でいうと9,800円のアイテムが圧倒的な割合になっているんですね。
なので、高額の課金アイテムというのは、選択肢としてアプリに入れておいた方が良いと感じます。
※あくまで「itemstore」導入アプリのデータではあるためひとつの参考まで(以降のデータも同様)
高額アイテムが「全体の50%」を占めているんですね。
そうですね。あと、初めて課金するときには「少額のアイテム」から課金する人が多く、最初は「500円以下を課金する」という人が60%を占めています。
という背景もあって、課金アイテムは「アプリ内通貨」を、高いものから低いものまで用意して、それを課金してから消費してもらう形が良いと考えています。
※ざっくり「課金アイテムの価格帯」で分けて集計したデータ
※初めて課金するまでの期間は「1週間〜1ヶ月程度」が一番多いそう。
なるほど。
それから、同じように「ジャンル別の課金額/課金率」を調べたところ、ジャンルとして課金と相性が良いのは「RPG」だということがわかりました。
他のアプリやゲームのジャンルと比べてみても、一人当たりの月の課金額と課金率が、一番高いアプリジャンルになっています。
アプリデベロッパーが「itemstore」を利用するときに、オススメの使い方はありますか?
課金データを管理する「アナリティクス」の機能があるので、どんな価格帯のアイテムが売れやすいか、を簡単に分析することができます。
また「プッシュ通知」もセグメント別に打てるため、課金ユーザーだけに「キャンペーン情報を配信する」といった使い方もオススメです。
ほかには、ユーザーごとにサポートIDを発行して、端末の引き継ぎなども対応できるので、ユーザーサポートにもご活用いただけます。
管理画面から、ユーザーごとの所持アイテム数や、最後に購入した課金アイテムなども、サポートIDから照会することができます。
そうした機能もあるため、月額980円で「プッシュ通知を送れるサービス」「課金データを管理するツール」として、つかっている方もいらっしゃいますね。
「itemstore」からのお知らせ
2018年2月12日にUnity入門編として、初心者でも課金ゲームアプリが作れる“メイドさんと学ぶハンズオン“を開催します。
ご興味のある方は、以下よりお申込み可能ですので、ぜひお気軽にご参加ください!
https://peatix.com/event/338163/view
itemstore(アイテムストア)
https://item-store.net/
お問い合わせ
support@item-store.net
room6
https://www.room6.net/
取材協力:room6、カイト株式会社
広告企画:アプリマーケティング研究所