6月にリリースした「My Heart Camera」というカメラアプリ(ios)が、
ノンプロモーションで60万DLを達成したそうです。
60万DLまでの経緯について、
開発者の有限会社アンジーの川野辺様より教えていただきましたので、
本記事にて紹介したいと思います。
かなり参考になる情報も多く聞くことができました。
60万DLまで、どのくらいのペースで伸びたのでしょうか?
6/23(日)にリリース後、
リリース4日目にして「写真/ビデオカテゴリ無料1位」「無料総合10位」まで行きました。
このときの1日の最高DL数は、52,700DLでした。
(【内訳】国内:約29,700DL、タイ:10,000DL、台湾:9,000DL、香港:1,700DL、ほか…)
日本のランキングが上るとほぼ同時に、
香港、台湾、タイでもランキング上位になりました。
その後、1週間で20万DL、3週間で50万DL、2ヶ月で60万DL
と順調にDLが伸びました。
現在は落ち着いてきて、
ランキングは「写真/ビデオカテゴリ」」の40〜50位の位置にいて、
DL数は1日平均1,700〜2,000DLという状況です。
「写真/ビデオカテゴリ無料1位」+「無料総合10位」で約30,000DL/日
「写真/ビデオカテゴリ40〜50位」で約2,000DL/日香港、台湾、タイでランキング入りしている点も注目、
アジア圏のユーザーは日本人と感性が似ているのかも。
ノンプロモーションでこの結果はすごいですね?何かを仕掛けたのでしょうか。
アプリのプロモーションは、何もしていません。
やったことと言えば、私と弊社代表がFacebookとTwitterで告知した程度です。
別件の作業に追われ、プレスリリースを出すのも2日遅れたにも関わらず、
その時にはすでにランキングを急上昇していたので、
ほんとにクチコミの効果は凄いなあと感じました。
My Heart Cameraのアプリ内から写真をシェアすると、
【ハッシュタグ】+【アプリ紹介WEBサイト】+【写真】という形で投稿されます。
#MyHeartCamera 白浜きたょ。。 http://t.co/EypmFsOdvH pic.twitter.com/eShSOZ67g0
— ちぃぃぃ (@rintanmam) August 30, 2013
ここから友人のシェアなどをきっかけに、
アプリを知るきっかけにもなっているのではないでしょうか。
My Heart Camera WEBサイトのソーシャルボタンを見ると、
1500以上ツイートされています。
リリース当初にDLが伸びたのは、
アプリユーザーが写真シェアすることで自然に起きる、
この小さなソーシャル口コミ効果もあったのでは?
アジア(海外)でもDLされてますが、ローカライズで工夫したところは?
カメラ(デコ系)アプリは、言葉を必要としないアプリなので、
最初から海外ユーザーが使えるよう、基本言語は英語にしました。
AppStoreも英語と日本語のみです。
英語は、翻訳サイトなどを使って原稿を作ったあと、
海外に住んでいる方に簡単にチェックしてもらいました。
今後は、最低でも中国語とスペイン語には対応したいですね。
カメラ、カレンダー、ゲーム、ツールなど直感で操作できるアプリは、
最初から英語で出してしまうというのも一つ手かもしれません。
アプリでこだわったことを教えてください!
以下のことに力を入れました。
企画について
ノンプロモでは、アプリを見つけてくれるユーザーさん自体がニッチなので、
多くの方にDLしてもらうには、マス向けアプリでないとダメだと考えました。
ハートは多くの女性が好きなエレメントだと思いますし、
ハートにフォーカスしているデコ系アプリが意外に少なかったんです。
デザインへのこだわり
アイコンとスクリーンショットにはとても力を入れました。
ココッパや海外デザインサイトをひたすら見て、今、女性にウケているモノを研究しました。
結果、「ヴィンテージ」「多色グラデーション」「手描き」の3つのキーワードを抽出しました。
また、同ジャンルのアプリアイコンとは違うテイストにしました。
アイコンひとつを決定するのに何日も時間をかけましたね。
非常にキレイに出来ています。
スクリーンショットやアイコンのクオリティが高いと、
アプリ本体のクオリティにも期待してしまいます。
同じアプリストアのランキング順位が同じであっても、
アイコンやスクリーンショット次第で、クリック率・DLに至る率も、
大きく変わってきそうです。
機能はシンプルに
デコ系アプリは、類似アプリがたくさんあるので、
機能は最小限にし、シンプルなアプリを目指しました。
ユーザビリティ考慮し、
類似アプリでスタンダードになっている操作方法は、
なるべくそのまま搭載しました。
ASOはキーワード選定が重要
アプリ名は、アプリの内容が判断できつつ、関連するキーワードで構成しました。
また、狙いたいキーワードで上位にくるアプリを参考にしました。
キーワードは、ひたすらストアとGoogleの検索サジェスションを調べて決定しました。
日本語アプリ名:
My Heart Camera 〜 ハートカメラの大人かわいいハートの無料スタンプでもっとオシャレにデコ&写真加工&コラージュ 〜英語アプリ名:
My Heart Camera – Lovely and cute photo-decoration app –
AppStoreでは「かわいい」「カワイイ」「可愛い」は、
すべて別物として扱っているのではないかと推測しています。
話題づくりの仕掛け
弊社のアプリでは、メディアさまに記事にしてもらうため、
アプリにちょっと変わった機能を入れるようにしています。
My Heart Cameraでは、iPhoneを胸に3秒間あてると勝手にデコってくれる、
「オートデコ」という機能を搭載しました。
この手品っぽい機能が、
ユーザー間のクチコミ効果を生んだのではないかと思っています。
プロモーションは何もやっていないといいつつも、
事前リサーチやアプリが認知されるための施策に力をいれていることがわかります。話題づくりの工夫がとても素晴らしいと思いました。
この逆算の考え方は本当に大切ですよ。
実際、My Heart Cameraを取り上げたアプリレビューサイトでは、
「オートデコ」の機能について触れている記事も多い。
アプリが日々たくさんリリースされている中、
頭ひとつ出るためには、何かしらの工夫が必要ですね。
メディアに掲載された結果、DL数はどうだった?
雑誌「non-no」(8月発売号)の、
アプリソムリエの石井寛子さんが
アプリを紹介するコーナーで取り上げていただいたのですが、
特にDL数に変化はありませんでした…
弊社の他のアプリで、
雑誌はこれまで約10雑誌で掲載いただいたことがあるのですが、
ほとんどどれも大きくDL数に変化はありませんでした。
(JELLY、S-Cawaii、NagoyaGirl、Popteen…)
テレビ媒体についても経験があります、
「オードリーの神アプリ」での紹介は500DL増、
「王様のブランチ」での紹介は2,000DL増という結果でした。
雑誌「non-no」については一緒に紹介されていたアプリについても調べましたが、
ランキングに変化がありませんでした。
(巻末の小さいコーナーということもありますが)雑誌掲載でDLがはね上がった事例は出てこないですね、
少なくとも予算をかけた雑誌広告の出稿は厳しい結果になると思うので、
検討されている方は、要注意かもです。
やはりテレビに関しては、
視聴率次第で効果に大きく差がでるという結果ですね。
(ゴールデン>昼番組>深夜番組)
それにしても、随分メディアに紹介されていますね、
普通、何もアクションしないとメディアは反応しませんので、
雑誌やテレビなどのメディアにも、プレスリリースをしっかり送っているのでしょう。
「話題づくりのための機能」も効いているのかも。
メディアに掲載されるというのは、
直接DL数につながらなくても、アプリやデベロッパーのブランディング・信頼につながりますので、
余力があれば、積極的にやるべきですね。
今後考えていることはありますか?
今後もより多くのユーザーにより永く楽しんでもらえるように
スタンプの追加や機能面の改善などアップデートをしていく予定です。
また、9月中にAndroid版もリリース予定です。
また、「My Heart Camera」では、
相互送客やコラボパートナーを募集しています。
もし興味のある方がいらっしゃればお声掛けください。
ユーザー属性
ハートが好きな女性向けのカメラアプリ。
10代20代の女性が中心。
日本、台湾、香港、タイなどアジア圏でDL数が多い。
コラボパートナーとして適しているのは?
オシャレでかわいいファッション、アパレル、アイテム等を扱っている
企業・団体さまやモデルさまなど。
相互送客パートナーとして適しているのは?
女性向けゲームアプリや情報サイト、コスメ・美容関係のアプリなど。
問い合わせ先
有限会社アンジー(担当:森、川野辺)
web: http://andg.net
mail: ha@andg.net
tel: 03-5259-5688
正直に言うと、60万DLは偶然の結果じゃないと感じた。
ノンプロモとはいえ、企画、デザインから、マーケティングまで、相当考えている。
見習うべきところも多く、参考になりました。
リリース〜現在までのランキング推移
(Appannie-My Heart Cameraより)