10代は「愛している」や「ありがとう」も動画で自己表現する。月400万人がつかう「MixChannel」が語る、女子中高生に今ウケているスマホ動画。

2016年06月13日 |
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メタップス主催「ビデオマーケティングラボ」より、メタップスさんとDonutsさんの、「MixChannel」についての講演をまとめました。

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※メタップス 恒田有希子さん(左)、Donuts 勝原直樹さん(右)

MixChannelについて

10代の女子中高生に支持される、ショートムービー投稿アプリ。特徴は「つくって、みて、参加できる」というところ。

アプリは約500万ダウンロード、月間の訪問者数 約400万人(アプリ+WEB)、動画再生数 約5億5千万回/月 ※、ほとんどの中高生はアプリから見ている。

(※スマホで見るとYouTubeに次ぐ、国内2位の動画再生数)

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特徴は「つくって、参加できる」

MixChannelが10代にウケたのは「動画をつくって、参加できる」というところ。ここがほかの「動画サービス」との大きなちがい。

大人にとって、動画は「見るモノ」だったが(テレビ、映画、YouTubeなど)、10代には「つくって、参加する」という概念がある。

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ユーザーについて

10代のユーザーが8割を占めている(男性19%:女性81%)。学校のクラスの位置付けでいうと、割と上のほうにいる「賑やかな子・華やかな子」が多い印象。

いまだにユーザー数も伸びていて、土日になると、1日に「数千〜1万ダウンロード」くらい、自然にユーザーが増えていっている。

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人気の「動画ジャンル」について

「カップル動画」が注目されることが多いが、「ツインズ(双子ダンス)」なども人気。誰でも真似しやすいところがウケた。

MixChannelで「双子ダンス」が人気になって、デビューしたユーザーもいる。

動画は主にLINEとツイッターで拡散される。SNSの「シェアボタン」が押される割合は、LINE3:ツイッター3:Facebook1

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動画投稿者の変化

ユーザーが「顔出し動画」を投稿するまでにはステップがある。

サービス開始当初は「見ているだけ」だったり、「周りのペット/人」を投稿している動画から、はじめるユーザーが多かった。

そこから「マスク付」で投稿した動画に、周りから「かわいいんじゃない?」とコメントがつき、最終的に「顔出し投稿者」に成長していく…といった過程を踏む。

ところが、このスパンはどんどん短くなっていて、今ではもはや「顔出し」で動画を投稿するのが、当たり前の文化になりつつある。

初期の頃は、ほとんど動画を投稿してもらえなかったが、だいぶ状況が変わってきた。全ユーザーの1割も投稿してくれない時期もあった。

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投稿されるコンテンツの変化

以前は「一発撮り」でアップされた動画が多かったが、最近は「加工アプリ」で編集やフィルターをかけるのが、当たり前になってきている

それに伴って、MixChannelにアップされる「動画のクオリティ」もすごく上がっている。ユーザーが1動画をつくるのにかける時間も増えた。

昔は「アイス食べるだけ」「シーソーから落ちた瞬間」という単純な動画も多かったが、最近は「制作期間1ヶ月」という動画まで出現。

制作期間1ヶ月の「女子高戦争」という動画を、CMをつくるプロの人に見せたら、「これは頼まれてもつくれません(センスもないですし)」と言われた。

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ファン機能とリテンション

人気ユーザー(インフルエンサー)のリテンションは、「ファン機能」によって高められている。

これは、投稿者からすると「ファンが増えたら嬉しい」、ユーザーからすると「特別な動画が見られる」というメリットがある。

また「ファン」が増えていくと、自己承認欲が満たされるため、投稿者の競争意識や、良い動画をつくるモチベーションにもつながっている。

ちなみに、1万人以上ファンがいるユーザーを「人気ユーザー」と仮定すると、MixChannelの「人気ユーザー」は約200人。

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投稿動画からわかる「ユーザーの気持ち」

1、動画は「参加するもの」である

誰かがおもしろい動画をつくり、それをみんなが真似することでバズっていく。「まこみな」の動画がきっかけで、8,000もの「双子ダンス動画」が、投稿されたことも。

2、周りからの「称賛」に貪欲

ユーザーの自己承認欲は高く、「自分と友達どっちがかわいい?(もしくは今日の私と昨日の私)」といったコメントを求める動画も多い。

3、「愛情・感謝」の気持ちは公表する

いまの若い人は「愛している」「ありがとう」という気持ちを動画にして表現する。そして、それが拡散されることを望んでいる。

それも、最後まで見ていると泣いちゃうくらい、気持ちがこもった動画も多い。アナログ的な作業を積み重ねて、スマホ内で編集しながら地道に動画をつくっている。

この動画を見たら「若者は冷めている」なんて、絶対に言えない。いや言わせない。

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「MixChannel」と「PicsArt」のランキングが同時に動く理由

主要な動画アプリのランキング推移。「PicsArt」と「MixChannel」のランキングは、とてもよく似た動きをしている

これはなぜかというと、MixChannelに投稿する「コマ撮り動画」を加工するアプリとして、「PicsArt」が定番化しているから。

アプリが「セットでダウンロード」されることで起こっている、おもしろい現象。

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企業タイアップの「動画投稿キャンペーン」事例

MixChannelでは、テーマを決めて「動画投稿キャンペーン」を実施している(企業と一緒に企画から考えている)

キャンペーンをやることで数千くらい動画が集まる。たとえば「STAY HOT いいぞもっとやれ。」「メイクでヘンシン!」「悩みハジけろ!」など。

MixChannel内の動画広告については、中高生にも「手が届きそうなモノ」の効果が高い。たとえば「980円の水着」「100円のお菓子」など。

「見せ方」もすごく大事。とあるカラコンの広告では、当初クリック率が0.6〜0.8%だったが、「制服にカラコン」というクリエイティブにしたところ、1.5〜2%(約2倍)に跳ね上がった

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取材協力:株式会社メタップス、株式会社Donuts

MixChannel
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編集後記

この勉強会では、メタップスさんによる「インスタ分析データ」のお話もあったのですが、そちらはイラストでまとめてみました。

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最後に余談ですが、最近読んだ「CMを科学する」という本に、こんな話が載っていました。「日本人は動画で感情が動きやすいが(海外の3倍)、シェアする率はすごく低い」

日本人は周りを気にして、シェアを躊躇してしまうそうです。これはなんとなくわかる気がしますね。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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