GoogleGlassのアプリの可能性などについて、「ウェアラブル女子」のあすみんさんにお話を伺いました。堅苦しい専門家ではない一般女性の意見として参考になるのではと思います。
※「ウェアラブル女子」のあすみんさん。
GoogleGlassを使って、ぶっちゃけどう思った?
簡単に自己紹介をお願いします。
あすみん:
こんにちは、あすみんと言います。GoogleGlassについてのブログ記事などを書いたりしていて、「Glassッ娘」とか「ウェアラブル女子」とも呼ばれています。
Glassはまだ日本では公式に販売開始されていませんが、知人経由で入手して愛用しています。
もはや職場でGlassをつけていない日は「今日はあれ(Glass)付けてないんですか?」と言われるくらいです。笑
GoogleGlassを使ってみて「一番快適だった機能」ってなんでしょうか?
あすみん:
Glassの存在意義は「視界に情報を付与できる」というところです。どんな作業をしていても、少し顔を上げるだけで時刻が視界に飛び込んでくるのはとても快適です。
でも、案外一番使っているのは「カメラ機能」ですかね。ウインクしたり、目の近くのボタンを押すだけで写真が撮れるのはすごく良いですね!
街を歩いているときに「いいな〜」って思った風景をなんとな〜く撮ったり、イベントでプレゼンを聴いている時に、残しておきたいスライドをカメラで撮ったり。
あと、Googleカレンダーに登録した直近の予定をすぐ見たり、Gmailも届いた瞬間に見られるのも便利かな、Googleのサービスはキレイに統合されていて使いやすいですね。
「GoogleGlass」で不便だと思うところは?
あすみん:
スマホと違って、操作性が良くないところはイライラしますね。
基本的には、半透明の小さな画面を見ながらツルの部分をスワイプして操作するので(一応ボイスコマンドもありますが)、スマホみたいに色んなアプリを素早く切り替えて使うことが出来ないんです。
でも、「そもそもGlassってそういうものなのかな?」とも感じます。高速に操作できるというよりも、見た目的に「いかに装着しても変じゃないか」という方向に進化していくんじゃないかなと。
電池ってどのくらい持つんでしょうか、熱くなったりしますか?
あすみん:
ヘビーな使い方をしなければ、バッテリーは一日くらいは持ちますね。ムービーを撮影したりするとバッテリーはモリモリ減りますし、発熱もします。
あと、発熱すると右のこめかみだけ熱いんです。これがけっこう変な感覚で、どちらかというとストレスですね。笑
それと思うのが、Glassってできれば充電なんてしたくないです・・・ウェアラブルなデバイスほど充電の煩わしさが目立つ感覚があります。
GoogleGlassを使ってみて、変化した感覚はありますか?
あすみん:
もうGlassをつけるのに慣れてしまうと、つけていない時は「なんで視界に時計が表示されないの〜!」って歯痒い感じになります。
(Glassの画面は通常時は消灯していて、見上げるように顔を少し上に向けると画面が点灯する)
それくらい「常に視界に情報を表示できる」というのは大きな変化でした。
女性がスマートグラスを使うようになるには?
女性が当たり前にスマートグラスを使うようになるには、何が必要だとおもいますか?
あすみん:
やっぱり、女性が使うにはデザインですね。たとえ電源が入ってなかったとしても、身に付けていたいと思えるモノかが大事だと思います。
現状のGlassは全体的にメカっぽい。目元が隠れると受け入れづらいというか・・・ファッションアイテムになってないと使わないと思うんです。
極端に言うと、機能性や利便性は割とどうでもよくて、「見た目の魅力」「自分をよりよく見せられるものなのか」が重要だと思います。
あとみんなが一緒のデバイスをつけてるのも変なので、カラーバリエーションがたくさんあるとか、ちょっとしたデコレーションができるといいなという気がします。
デザインの問題を抜きにして考えると、グラスは普及すると思いますか?
あすみん:
けっこうビミョーですよね?わざわざスマホがあるのに、スマートグラスを使うかなあとは思うんです。今のところ「スマホでも出来る機能の一部が、Glassでも使える」ということでしかないですし。
もっと一般に普及するためには、スマホと違ったカタチで「親しいヒトとゆるやかにつながれるデバイス」にならないといけないと思います。
Glassはハンズフリーの一人称視点で動画を撮れたりするので、そういうところでコミュニケーションやつながりが生まれたら、おもしろいなと思います。
そういう意味ではAppleWatchは、例えば簡単なお絵かきチャットみたいなことができたりして、ガジェット好きじゃないヒトでも「なんとなく欲しい!」と思えるものだった。
魅力的な使い方が見つかれば、一気に認知度も上がるのではないでしょうか。
一般向けのグラスが発売した時、いくらなら買いたいですか?(いくらなら売れると思うか)
あすみん:
うーん、3万円くらいでしょうか・・・。スマートウォッチもそれくらいの価格帯ですしね、現実的にはその値段は厳しいかもしれませんが。
たぶん数年くらいしか使わないと思うし、壊れる可能性もあることを考えると、それ以上の価格帯だとちょっと躊躇すると思いますよね。
GoogleGlassアプリの可能性。
グラスのアプリってどうやって落とすんですか?
あすみん:
スマホに「MyGlass」という専用アプリを入れて、そこからGlass用のアプリ(Glassware)をインストールするんです。
今はアプリの数がまだ少ないので、アプリ一覧のカードがずらっと表示されていますが、将来的にはランキングやカテゴリなど、スマホのアプリストアのようになっていくのではないでしょうか。
※「MyGlass」というアプリをつかってスマホから操作する。Glassは入力には向かないということだろう。ちなみにiPhoneアプリもある。
今でているアプリでおもしろかったものはありますか?
あすみん:
「Word Lends」という外国語で書かれた文字を見ると、自動で翻訳されて表示されるアプリは魔法みたいで「すごい!」って思いました。(※日本語には未対応)
あと、「Star Chart」という星座をみるアプリも良かったです。星座の表示が頭の動きにぴったりくっついてくるので楽しい。
GoogleGlassは視界いっぱいにARを表示できるわけではないですが、スマホと比べると「かざす」というアクションがなくなる分、だいぶ体験に違いがあると思います。
Word Lends(目で見たものが自動で翻訳されるアプリ。スマホアプリ版もある)
Star Chart(空を見上げると、星座を認識して表示してくれるアプリ)
どんなGoogleGlassアプリがあったら使ってみたいですか?
あすみん:
「カラオケの歌詞を表示するアプリ」があったら面白いかもしれないです。
いまのカラオケって、スクリーンに歌詞を大きく表示していて、そこにみんなの視線が集中してしまうじゃないですか。それがあまり好きじゃないんです。
Glassをつかって「歌っている人」だけが歌詞を見られたら、周りの人はもっと「歌っている人」に注目したり、今までと違う楽しみ方ができるかも。
なるほど、他にはありますか?
あすみん:
もうひとつは、プレゼンをするときに使うアプリですかね。「残り時間」を確認して話すペースを調節したり、話すトピックを確認したり、スライドが操作できるようなもの。
あとは業務用のアプリでしょうか。やっぱり「Glass at Work」などをみてもわかるように、「医師がカルテを見るアプリ」など業務分野でのタスク支援については、可能性を秘めていると思います。
※Augmedixという会社では、医師向けの患者のプロフィールやカルテが確認できるアプリを開発している。参照:Augmedix – Montage
Glassは日本でどのように定着するか?
GoogleGlassは欧米の生活をベースにつくられているかと思いますが、「日本の文化には合わないな」と感じるところはありますか?
あすみん:
「正面にカメラがついていること」だと思います。目元にカメラがあると少し威圧的な印象を与えるので、そこは日本では受け入れにくいかもしれません。
あと、「声で操作する」というのも日本の文化に合わないかなと思います。やっぱりはずかしいですよね、一人で部屋にいる時くらいじゃないと使いにくい。
「声でテキスト入力してメッセージを送信する機能」もあるのですが、それも使わなそうだなあと感じています。
GoogleGlassで「ゲーム」ってやるようになると思いますか?
あすみん:
私はGlassではゲームはしたくないですね。ただ、イングレスのような位置情報が主軸になるゲームはGlassにとても合っていると思います。
今までのゲームの延長ではなくて、デバイスにあわせた体験が必要なんだと思います。「スマホとGlassの両方を使って進めていくゲーム」があっても面白いかもしれないですね。
「電車の中で動画を見るのが捗る」など、グラスだからできることって何かありますか。歩きながらネットサーフィンはできるんでしょうか?
あすみん:
移動していようが何をしていようが、「通知が来た瞬間にその内容を知ることができる」ということはGlassしかできない体験です。
ただ、外で移動中に操作はあまりしないんです、けっこう見た目が怪しい感じなるので。笑
「キッチンでレンジを待っている時間に、なんとなくニュース映像を見る」とかであれば、あり得ると思いますね。
もちろん移動中にブラウザも開けますが、注意がそっちに奪われてしまうので、たぶんそのうちクルマに轢かれるのではと思います・・・。笑
なので、ネットサーフィンはマッチしないと思いますね。Glassのブラウザ閲覧のヘルプページにも、「GoogleGlassは”micro-interactions※”のためにデザインされているデバイスです」と書いてありますね!
(※「一瞬で通知をちょっとだけ確認したり、時刻をチェックしたり」という使い方)
※一応ブラウザも見ることが出来る。ツルの部分を操作してスクロールやズームも可能。
最後に告知などあればお願いします!
あすみん:
もし私に興味を持ってくださった方は、ぜひブログのほうも見てみてください!Twitterもフォローしてくださると嬉しいデス〜!(∩´∀`)∩
Twitter: @an_asumin
Blog: http://asumism.hatenablog.com
編集後記
デザインもそうだと思いますが、スマホでいうソーシャル・LINEのように、「Glassで何ができるか?」キラーコンテンツがでてくるのかも普及のカギかなと感じます。
まとめると以下はポイントかなと感じたのでメモ。
・Glassが「ファッションアイテム」にならないと女性に普及しない。
・Glassは「チラ見デバイス」である。(基本ブラウザやゲームに向かない)
・Glassは入力には向かない。(音声通知が定着するか?)
・「常に通知を確認できる」というのは、思っている以上に便利。
・スマホアプリの延長ではないアプリのほうが面白いものが出来そう。