ツイッターで「偽装リア充」として生きる女子大生に話を聞きました。どうして幸せを偽装してしまうのか…??
普段「よくつかっているアプリ」を教えてください。
女子大生:
ツイッターをつかっています。でも、ツイッターのわたしは「現実のわたし」とはまったく違うんです。
まず、本名じゃない名前でやっているし、知らない人とばかりつながって、アイコンも跡形もないほどに盛られたプリクラをつかってます。
なんでしょう、もうほんと恥ずかしい話、自分を「ネットアイドル化」しているというか、もう一人の自分を演じている、みたいな感じです。
※ツイッターで「リア充なもう一人の自分」を演じている。そのアカウントは5,000フォロワーいるそう。
どういう投稿をしているんですか。
女子大生:
いろんな「リア充な自撮り」を投稿していますね。一人でいても「自撮り棒」と「ちっちゃい三脚」さえ持ち歩けば、どこでも写真がとれちゃうので。
たとえば、歩いていて「いい感じの公園」を見つけたら、一人でブランコに乗ってみて、遠くから三脚で録画しておくんですよ。笑
そうやって動画でとっておけば、あとでスクショして「二人であそんでる風」の写真にできますから。
※動画で撮っておいて、後からスクショで切り出すと(顔は「加工アプリ」で盛る)
え、そういう感じですか。すごいですね。
女子大生:
あと、かわいい「コラボカフェ」が大好きで、全然一人でも行くんですけど。メニューをいっぱい頼むんです。机がいっぱいになるぐらい。
それで、三脚を机の向こう側に置いて、自分を料理越しに撮ると、これも完璧に「二人で来た」みたいな感じになる。
やっぱり、一人で食べてるよりは「誰かと食べてる風」のほうがいいかなあって、せっかくならリア充だと思われたいというか。
そのくらい、ホントに「SNSにのめり込んでる」というか、いい写真をとることが全てになっています。
なるほど。
女子大生:
あとは「花やしき」っていう遊園地に、一人で行ったこともあって。その、ちょっと「休憩スペース」がいい感じだったんですよね。
そのとき、自分がジュースを飲んでいて。2つジュースあったら「誰かと来た」みたいになると思って、もうひとつジュース買ってきたんですね。
それで、ジュース2つおいて写真とったら、すんごいむなしい気持ちになっちゃって。結局、黙ってジュースを自分で2つ飲んだだけっていう。笑
でも「花やしき」はいいところでしたよ。入場料も1,000円くらいで入れて、写真映えもする。写真とりにいってよかったなって。
※友達とディズニーなどに「普通にあそびにいく」こともあるそうです。
最終的には何が目的なんですか? ツイッターで「いいね」されるとうれしいってことですか。
女子大生:
そうですね、反応してもらえたときが一番うれしくて。ツイッターで「楽しそう〜」とリプライが来たりすると、良かったなあって思います。
あとは、たまに自分の名前でエゴサーチして、「○○ちゃんいいな」とか「かわいいな」とか言われてると、それはもう一番気持ちがいいというか。
むしろ、逆に「いいね」が少ないと写真を消しちゃいます。全然反応がないと「失敗したな」という気持ちになって、悲しくなってしまうので。
ちょっと「みんなをダマしてる」みたいな感覚はあったりするんですか。
女子大生:
それはありますね。「わたし、嘘をついているな」って感じです。「本当は全然違うんだけどな」って思いながら、自撮りをアップしています。
でも、そういう盛った写真であっても、不思議と「かわいい」って言われるとうれしいんですよ。
一番「むなしくなる瞬間」ってどんなときですか。
女子大生:
やっぱり、あれですね。ツイッターに写真をあげたら「本当のリア充」に囲まれてしまったときです。
自分があげた「自撮り」の前後に、カップル写真とかノロケのツイートが流れてきて、タイムラインで挟まれてしまうことがあって。
そういうときに、なんか結局一人ぼっちだな、って自覚するというか。わたしだけ一人で頑張って、自撮りあげていて、さびしいなって思えてくる。
※真のリア充にオセロのように挟まれると、一気にむなしくなってしまうそう。
話を聞いていて、現実では幸せじゃなくても、ツイッターで幸せなら、それは幸せという気もしてきました。
女子大生:
いや、たまに思います。べつにネット上で幸せだったら、いいんじゃないかって。そっちも一つの現実だと思うので。うん、わたしもそう思いますね。
そう、ツイッターは楽しくてずっとやってるので、基本的には幸せなんですよ。幸せになるためにやってる、みたいな感じですね。
アイコンをプリクラにするのは「一番、盛れるから」ってことなんですか。
女子大生:
そうなんですよ。プリクラはもう全然レベルが違いますから。輪郭も目の大きさも全部かわるし、ホントにかわいく写れるっていう。
あと、プリクラだと「リア充感」がでます。友達と一緒に撮ってる風だから。プリクラも一人で撮りにいったんですけどね…アイコンにするために。笑
ただ、プリクラって切り抜いちゃえば、「隣に人がいるかどうか」ってわからないから。問題ないんです。
アイコンは「SNOWで撮る」だとダメなんでしょうか。
女子大生:
SNOWだと、いかにも「自撮りでかわいくしようとしてる感」がでちゃうから、それよりはプリクラのほうがいいんです。
プリクラの場合だと「友達に付き合ってプリ撮ったら、しょうがなくかわいく写っちゃった」みたいな感じになる。そこが良いんですよ。笑
そういう「ニュアンス」があるんですね。
女子大生:
そうですね。あとは、おもしろい「写真加工アプリ」はすごい探して回っています。
それは、なぜかというと「こんな加工をしたよ〜」って、自撮りをのせる言い訳になるんですよね。いやらしい感じにならないというか。
なので、自撮りをのせるために、そういう「おもしろい加工アプリ」をみつけて、つかったりもします。
そういえば「インスタ」はつかわないんですか?
女子大生:
つかっていますけど、こっちはツイッターとはちがって「リアルな自分」として投稿していて。
あの、インスタってフェイスブックと、ちょっと繋がっているところがあって。嫌でも「中学の友達」とかが入ってくるじゃないですか。
はい、そうですね。
わたし、中学の頃すごく友達少なくて、イケてなかったんですけど、大学に入ってからそこそこサークルとかで、うまくやれるようになって。
だから、自然と中学の友達の目にも入っていくので、「いま、わたしこんな感じだぞ」っていうのを、黙ってアピールする場になってますね。
インスタに飲み会の写真とかのせて「わたし、リア充になったぞ!」みたいな。高揚感じゃないですけど、ちょっと「フフ〜ン」っていう感じで。笑
インスタで「ハッシュタグ検索」やったりしますか。
女子大生:
やりますね。この前も「としまえん」で並んでたとき、前の人が「自撮り大会」をしてたので、後ろのほうからピースして、さりげなく写り込んで。
それで、インスタで「#としまえん」とかで調べると、その写真を発見できるんですよ。これ、ホントに意外とみつかったりします。笑
それで、写真をみながら「こんな人いたなぁ」とか「わたし写ってるじゃん」とか。ただ確認しておしまいなんですけど。そういうあそびはよくやります。
まとめ
・ツイッターで「もう一人の自分」を演じて幸せを感じている
・自撮り棒と三脚さえあれば「偽装リア充」な写真がとれる
・エゴサーチして「かわいい」と言われてると一番気持ちいい
・むなしくなるのは「本物のリア充」に挟まれてしまったとき
・ネット上で幸せなら、それもまた「ひとつの幸せ」である
・プリクラの「仕方なく可愛く写った感」はアイコンにしやすい
・自撮りを載せる「言い訳」として、加工アプリを探してつかう
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