※本記事はnoteにて公開した記事を転載したものです(公開日:2023年2月20日)数値などは取材当時のものです。
https://markelabo.com/n/n8a4b71e1f8e5
Duolingoさんの「TikTok活用術」について取材しました。前編の日本展開の裏側やABテストのお話はこちらから。
※DuolingoのZaria Parvez(ザリア)さん
DuolingoさんのTikTokについて教えてください。
Zaria:
語学アプリ「Duolingo」のTikTokアカウントは、現在600万フォロワーを突破していて、視聴回数は1.8億回に到達しています。(2023年2月時点)
採用活動につかっていた、デュオというキャラクターの着ぐるみを着てTikTokに投稿したところ、多くの人に動画を見てもらえました。
このアカウントは、私がほぼ1人で運用していて、iPhoneで撮影しています。着ぐるみの中には、社員の誰かに入ってもらっていますね。
※フォロワーが多い国TOP3は「アメリカ、ブラジル、イギリス」
TikTokでの「動画づくり」で意識しているポイントは?
Zaria:
コンテンツに「エンタメ性」があるか(楽しいと思えるか)と、ブランドが大事にしているメッセージに合っているかは意識します。
やっぱり、私たち自身も爆笑してしまう動画が撮れたときは、視聴者の反応もとても良いですし、視聴回数が伸びるんですよね。
感覚的には「TikTokは友達と話すような感じ」で投稿しています。Facebookはおばあちゃんと話す感じ、インスタはお母さんと話す感じです。
TikTokは「Z世代が中心」というのもあり、製品を押し付けるのではなくて、みんなを喜ばせるようにしたのも成功のポイントでした。
嬉しい発見としては「勉強しましょう」ではなくて、ただ「おもしろい」とメッセージに共感してもらうことでも、効果があるとわかったこと。
つまり、学習という側面をあまり強調しなくても、TikTokの動画に共感してもらえれば、ポジティブに捉えてもらえたわけです。
※当初5万フォロワー(2021.9)→ 100万フォロワー(2021.10)→ 600万フォロワーに(2023.2)
そういう意味では「アプリはつかってないけど、このアカウントは大好き」というコメントが増えることも、私たちにとっては成功です。
直接的なユーザーではないけど「ブランドを知っている」という認知度も、象徴的なブランドを構築する手助けをしてくれます。
※最初に大きく伸びたTikTokの動画
TikTokの運用で「ここは大事にしてる」というポイントがあれば教えてください。
Zaria:
TikTok戦略の最大の柱は、コミュニティマネジメントとコメント対応です。例えば、動画を投稿したら15分間はコメントの返信をします。
おもしろいことが返せそうなコメント、笑ってもらえそうなことを返せそうなコメントに返信して、コメント欄の会話を盛り上げるんです。
この方法は非常に効果的で、ユーザーへの返信を続けると、コメント欄における会話が増えるため「視聴回数の初速」を伸ばすことにもつながります。TikTokのアルゴリズムにも動画が拾われやすくなるとも考えていますね。
コメント欄は「世間からの反応を見る場所」でもあります。そこに耳を傾けると次のコンテンツをつくるヒントも得られるんですね。
少し攻めた動画を投稿したときにも、コメント欄の反応を見ておくことが、リスクを軽減することなどにもつながります。
TikTokの運用による「成果」はどう検証しますか?
Zaria:
アプリのはじめに「どこで知りましたか?」というアンケートを表示して、社内では数値の変化をきちんと検証しているんですよ。
実際に、TikTokの動画の「視聴回数の大きさ」と、Duolingoの「アプリのダウンロード数」には、相関関係があることがわかっています。
視聴回数が伸びると「あっ今日もレッスンしなきゃ!」と、Duolingoを思い出してアプリを起動してくれる、リマインド効果も生まれます。
ほかにインパクトがあったのは、TikTokからの採用応募者が増えたことや、口コミ数やSNSでの言及数が増えたことです。
【取材協力】
Duolingo:https://ja.duolingo.com/
TikTokアカウント:https://www.tiktok.com/@duolingo
※続きのマニアックな事例は5つほど、note購読者向けにまとめています。TikTokの運用で「よく見る2つの指標」、成果を上げるための動画の長さやメッセージのポイント、日本での「PR施策の成果」を高めるポイント、などご興味あればご覧ください。
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