世界2,500万ダウンロード、マンガ・ノベルアプリ「comico」さんをお迎えして、アプリ施策&広告マネタイズの対談をお送りします。
※本記事は株式会社アイモバイル・株式会社ADFULLYより、依頼を受けて執筆したPR記事です。
※(左から)株式会社アイモバイル 重高大輔さん、NHN comico株式会社 畔上明子さん、浜野美穂子さん、株式会社ADFULLY 小室喬志さん
1、comicoについて
重高:NHN comicoさんの、事業内容について教えてください。
浜野:事業としては「comico」「comico PLUS」の運営を行っています。社員は77名、開発と編集のスタッフは同じくらいいます。
重高:「comico」について教えていただけますか?
浜野:スマホ特化のマンガ・ノベルアプリです。ユーザー数としては、世界累計で2,500万ダウンロード、日本では1,500万ダウンロードに到達しています。
縦型スクロール・フルカラーで読める、オリジナル作品が強みです。サービス開始当初から人気なのは「ReLIFE」、最近だと「掃除の妖精におまかせ! ~とにかくアツく掃除しろ~」という作品も人気があります。
畔上:あとは、コメント欄のコミュニケーションも特色です。作家さんもコメントをみることで「このキャラクターが人気なんだな」と気付けたりするそうです。
2、comicoの「マンガ投稿」の仕組み
重高:掲載しているマンガは、どのように集まっているのでしょうか。
浜野:基本的には、ユーザー投稿の「チャレンジ」という枠から、どんどんマンガが集まっていますね。
そして、そこから人気になると「ベストチャレンジ」という枠に昇格、さらに人気がでると「公式作品」に昇格するシステムになっています。
comicoの「公式作家」になると、原稿料として週に5万円が支払われるようになり、人気に応じたインセンティブ制度も適用されます。
3、comicoのユーザーについて
重高:comicoは「どんなユーザー」につかわれていますか。
浜野:大学生、高校生、社会人なりたての方。そういった属性がボリュームゾーンです。男女比でいうと6:4と、女性がすこし多いですね。
学生ユーザーさんが多いため、夏休みや春休みには新規ユーザーが増えやすいですね。
一番アクティブになる時間は、マンガが更新される「夜の22:50」です。その時間になると待機してリロードし続けている、熱心なユーザーの方もいると聞いています。
畔上:あと、comicoの「ユーザー属性」を自社調査したら、いわゆる「オタクの人」というよりも「流行に敏感な人」が多かったんです。
意外と「旅行」とか「コスメ」が好きだったり。昔に比べると「マンガ読んでるとオタク」みたいな感覚は、薄まっているのかもしれないですね。
4、マーケティングの施策や工夫
1、「一時ダウンロード機能」をつけたらアクティブユーザー増に
浜野:マンガの「一時ダウンロード機能」をつけたところ、アクティブユーザーに良い影響がありました。
もともと、comicoでは「月末にアクティブユーザーが減る」という現象が起きていて、当初はこれの原因がよくわかっていませんでした。
そこから、あるときに「通信制限が原因だ」と分かり、実際に大学生のユーザーに話を聞いても「通信制限でマンガが読めなくなる」という意見は多く聞かれました。
自分たちのような、社会人で会社に「常にWi-Fi がとんでいる」という状況だと、なかなか気づきにくいことですよね。
2、クリック率が上がる「作品紹介バナー」
浜野:作品を紹介する「アプリ内バナー」のクリエイティブも、どういう見せ方をすれば、クリック率が高くなるのかといろいろ試しています。
運用を重ねる中でわかってきたこととしては、「女の子は顔を赤らめている」と反応が良いとかですかね。
あとは、恋愛系のマンガはいちゃついているほうがいいけど、やりすぎてしまうと「いちゃいちゃのインフレ」が起きてしまうので…バランスが大事です。笑
※バナーのデザインを変えるだけで、クリック率は大きく変わる
3、課金セグメントで「ユーザーへの訴求」を分ける
浜野:課金セグメントによって、細かくコンテンツ内のバナーを、出し分けるようにしています。
たとえば、課金していない方には「はじめて課金する方へ」と出したり、課金してくれている方には「割引でお得に読めます」と出したりしています。
4、離れたマンガ読者の復活施策
浜野:何かしらの理由で「その作品から離れてしまった人」には、もう一度その作品を読んでもらえるように、呼びかけをしています。
たとえば、以前はその作品を読んでいたけど、最近は読んでいない人に「2人の関係はココまで進んでいるよ、もう一度読んでみない?」と伝えてみたり。
そういった、アプリのなかの「一部ユーザー限定」のバナー施策なども、いろいろ試していますね。
※アプリ内での「一部ユーザー限定」のバナー例
5、アニメ化して起こった良い影響
浜野:「ReLIFE」など、作品をアニメ化・映画化してよかったのは、アプリにも数字が跳ね返ってくることです。
同じテレビであっても、テレビCMの放映時とはまた違った、「新しいユーザー層」が入ってきているなというのも感じました。
5、comicoのアプリマネタイズ
重高:comicoのマネタイズについて教えていただけますか?
浜野:まず、マネタイズの中心は「コンテンツへの課金」です。そして、もうひとつの柱として「広告(純広告とアドネットワーク)」があります。
重高:純広告のなかでは、どういったものが人気ですか。
浜野:comicoの作家さんに「広告マンガ」を描いてもらう、タイアップマンガは引き合いが強いですね。
たとえば、これは「夢王国と眠れる100人の王子様」という乙女ゲームの、タイアップマンガです。
comico作品のキャラが、「乙女ゲームを体験する」という内容になっていて、そのマンガを「番外編」として配信しているんですね。
そうすると、本編のほうに「番外編おもしろかったよ」というコメントが増えたりして、ファンの間で広めてもらえたりもします。
6、動画リワードのつかい方
重高:アドネットワークはどのようにつかっていますか?
浜野:動画リワードを中心につかっています。仕組みとしては、動画広告をみてもらうことで「チケットやアプリ内ポイントが無料でもらえる」ようになっています。
なお、ユーザーさんが「チケットが欲しくなる状況」としては、大きく2つあるかなと考えていて。
まず、ひとつは「続きが読みたい!」というニーズ、もうひとつは「前回の話ってどうだったっけ?」という読み返しのニーズです。
こうしたタイミングで、うまく動画をみてもらえるように、動画リワードを配置するようにしています。
重高:実際に「動画リワードを入れたとき」は、ユーザーさんの反応はどうでしたか?
浜野:チケットが配布されるまで待たずに、マンガが読めるということで、動画リワードへの抵抗はほとんどなかったです。
はじめて、広告入れたときは怖かったですけどね。どういった反応があるのか。でも「広告がうっとうしい」というご意見は少なかったです。
実際にユーザーの方にお話を伺うと、むしろ「無料で1話分が読めるなら、全然いいですよ」と言われたり、ポジティブに受け入れられた印象でした。
また、最近ではユーザーに「動画リワード」をより使っていただきたく、このようなページを作成して利用率を高める施策も行っています。
※2017年3月から「アドネットワーク」をつかった広告マネタイズを開始。
重高:動画リワードを入れてから、アプリの収益額に影響はありましたか?
浜野:当初、こちらが想定していた以上の数字で、社内がざわざわするくらいのインパクトがありました。
はじめ、動画リワードは「一部ユーザーだけ」にしていたのですが、様子をみながら広げていった結果、今では全ユーザーに表示しています。
全ユーザーに動画リワードを出したところ、再生数は増えても課金率には影響がありませんでしたね。
※少しずつ様子見しながら広げていった。動画リワードの視聴数制限も「1作品1日5回」まで拡張した。
7、SSPを入れるメリット
重高:comicoさんでは、SSP(アドフリくん)をつかわれていますが、実際に導入してみてどうですか?
浜野:「アドフリくん」の良いところは、シミュレーションの細かさだったり、質問してもすぐに返ってくる安心感ですかね。
あとは、わたしたちも「広告マネタイズの知見」があまりなかったので、広告運用ノウハウを惜しみなく提供してもらえるのもありがたいです。
重高:他に、SSPを入れてみて「ここはメリットだな」と感じるところはありますか。
浜野:ひとつのツールで「データ管理」できるところは、手間が省けて助かっています。個別に管理していると工数がかかるので。
どこかの広告がクラッシュしたときも、とりあえず「アドフリくん」に連絡しておけば、各社さんに聞いておいてもらえますし。
畔上:わたしも「SSPをつかってよかったな」と思っています。広告運用って、わたしたち2人が兼任でやっているので、手が足りなくなりがちなんです。
重高:SSP(アドフリくん)としては、comicoさんの広告運用で、気をつけたところはありますか?
小室:comicoさんの場合、広告の在庫が切れてしまって、「無料チケット」がもらえなくなると、ユーザー満足度が下がってしまうんですね。
しかも、アプリの規模がすごく大きいので、かなりの広範囲に影響がでてしまう。なので、それは絶対に避けないといけませんでした。
浜野:そうですね。在庫がきれちゃうのが一番怖かった。ユーザーさんも「動画をみたらチケットがもらえる」と期待しているわけですし。
小室:そういう中で、いかに収益性(eCPM)を高く保ちながら、配信ボリュームを確保するかが、運用のポイントになっていたんです。
そういう意味では「maio」さんにも、かなり助けてもらいました。
浜野:「maio」は安定して収益性が高かったし、それを維持できる配信ボリュームもあったので、とても心強かったです。
いまでも、動画リワードを5〜6社つかっている中での、「エース」として活躍してくれています。
動画アドネットワーク「maio」
https://maio.jp/
アプリ特化型のSSP「アドフリくん」
https://adfurikun.jp/adfurikun/
取材協力:NHN comico株式会社、株式会社アイモバイル、株式会社ADFULLY
広告企画:アプリマーケティング研究所