個人開発アプリが国連からも表彰!コラボアプリがAppStore1位を獲得するまで-ライヴエイドアプリセミナー

2013年10月22日 |
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東京(新宿)で開催された、ライヴエイドさん主催のセミナー「コラボから生まれたAppStore総合1位とは?」の講演まとめです。

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第一部「ある個人開発者がAppStore総合1位を獲得するまで!」いたのくまんぼうさん

いたのくまんぼうさんの自己紹介

いたのくまんぼう“という名前で個人でアプリ開発を行っている。元々コンシューマーゲームをつくっていた。

・「江頭ジャマだカメラ」がAppStore無料総合1位を獲得。
・AppStore1位獲得までの経緯。
・様々なチャンスを生かすために意識してきたこと。

個人開発者がどのように芸能人を題材にしたアプリを開発し、1位獲得するにいたったのか。

個人開発アプリが国連で表彰!

最初は、ある開発者とのコラボから始まった。リオ・リーバスさんという個人開発者と意気投合し、「GimmiQ」というユニットを結成。

ブックリーダーアプリ「MagicReader」をリリースした。

MagicReader

iPadに触れなくても顔を左右に振ることでページをめくることが出来るアプリ。手の不自由な人でも電子書籍を読むことが出来たり、楽器をひきながら楽譜をめくったり、料理しながらレシピを見れる。

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「MagicReader」リリース4日目に、フジテレビのニュースジャパンでGoogleGlassと一緒に紹介された。(詳細:4月6日フジテレビ「ニュースJapan」でMagicReaderが取り上げられました。

さらに2012年の暮れ、国連からメールがきて、アラブ首長国連邦での授賞式「world summit award」で国連から表彰された。個人開発者でもこんなチャンスが訪れることもある。

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ニコニコ生放送に出演&アプリつくることに

この授賞式の帰り道、アブダビ空港で飛行機を待っているとき無料wifiを発見。

Twitterを見ていたところ、「アンジャッシュ児島の今夜はイジらないで!」という番組(ニコニコ生放送)で、出演してくれるアプリ開発者を募集していた。

すぐにTwitterでリプライして、帰国後、番組に出ることに。

国連授賞式のことをお話させていただき、番組でアプリをつくろうという流れになり、その番組から生まれたのが「コジマジャマだカメラ」

コジマジャマだカメラ

コジマジャマだカメラ」とは、アンジャッシュ児島さんが見切れて写ってくるカメラアプリ。

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誰を撮影しても児島さんの顔になってしまって、顔がまったく写らないというコンセプト。「MagicReader」でもつかっている顔認識の技術を採用、ネットで話題になった。

番組出演が次のつながりに!

「コジマジャマだカメラ」を見た昔からの知人が、「MJ GARAGE」という会社を紹介してくれた。

「MJ GARAGE」は江頭さんのアプリをいくつか作っていて、「コジマジャマだカメラ」からスピンオフする形で「江頭ジャマだカメラ」の制作が決まった。リリース数日でAppStore無料総合1位を獲得した。

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コラボしよう

どのアプリにもある共通点は「コラボして生まれたアプリ」。人と人とのつながりが新たな可能性を作る。

積極的にコラボしよう!

・「企画を作る、絵を描く、プログラムを組む、アプリを宣伝する」全て1人でクオリティ高く出来る人は少ない。
・もっと気軽にバンドのように。
・互いの「強み」を持ち寄る。
・アプリ界は超人オリンピック。おもしろいいろんな才能持った人がいる。
・ジャンプの漫画的な展開で仲間を増やそう。ライバルでもあり仲間でもある。

注意しなくてはいけないこと。

・人に「頼る」ということではない。
・「強み」のギブアンドテイクが成り立つように。
・「才能」の等価交換。
・何か一つでもいい、自分の「強み」を。
・自分の「簡単」は他の人には簡単ではないかもしれない。

自分の強みを見つけて、それをアピールする必要がある。

縁と運を引き寄せるためにセルフプロデューシングのすすめ

強みを持っていても知られなければ「居ない」と同じ。ホテル業界の言葉で、「チャンスも利益も人が運んできてくれる」という言葉がある。

・「強み」を持っていても自分のことを知ってもらえなければ縁はつながらない。
・「チャンスも利益も人が運んでくる」
・自分の価値をアピールすることを恐れない!
・セルフプロデュースをしよう!

人に覚えてもらう、認識してもらうための工夫

具体的にどういうことをすればいいのか?

・100人集まる勉強会で見分けがつくか?
・アプリは知っていても制作者は知らないということはよくある。
・アプリのアイコンをプリントしたTシャツを着る
・ツイッターアイコンを自分の顔にしている。

iPhone界では、まだ「上半身裸キャラ」「オネエキャラ」が空いている。

自分ブランドを作る

・自分自身がコンテンツになる。Twitter・ブログなどで積極的に情報発信。
・わかりやすいイメージを作る。
・アウトプットし続けるとブランドになる。
・難しく聞こえるが、ブランドとは約束である。

ユーザーから見て「あの人のつくったゲームおもしろい」と思ってもらったら、それは約束でありブランド。

ブランディング例:
「棒人間アプリ」だったら、あの開発者。アプリタイトルに「俺の○○」とシリーズ通してつける。アイコンの右下に必ずウサギマークをつける。

自分を偽る必要はない。自分の得意、長所をアピールしていく。

個人開発者孤独ではない。個人開発者だからといって一人で戦う必要はない。コラボだけではなく情報交換したり、ともに戦っていくことがこれからのAppStoreで戦っていく上で必要。

ジャマカムで工夫したこと

アプリの拡散力をあげるため、ネットで拡散しやすくするために以下のことを工夫した。

写真にアプリ名を入れる(左上にタイトルがつく)

ツイート文を最初から楽しげに

アプリ内からツイートされたときには、ハッシュタグやアプリ名を埋め込むことも出来るが、

アプリ外で共有されたりブログで写真が使われたりしたときにも、どのアプリで撮った写真なのかがわかるように写真にアプリ名をいれている。

「ゆびさすんじゃねーよ」「きもいー」などの楽しげなコメントは、最初からメッセージをたくさんアプリ内に入れておいて、ランダムで付加している。

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よくゲームアプリで「タイトルとスコアだけつぶやかせているもの」があるが、それをみた人は「そのアプリが面白いのか?」がわからない。

レアアイテムを出やすく

ツイートするモチベーションのひとつになるように、レア、スーパーレアを用意している。実際にツイッターをみると、「レアゲット!」とつぶやいてくれる人も結構いる。

質問コーナー

コラボ時の収益はどうしている?

書面でまとめるのは重要。企業とアプリを作る時は契約書をつくって交わしている。

個人間でも二人で話し合って決めたことを書面化する、「収益何%で分けるか?」「どのくらいの期間で収益をわけるか?」

一生分け続けるのは非現実なので1年間なのか2年なのか、その後はどちらかが100%引き継ぐのか。万が一不慮の事故でなくなった場合は家族に引き継がれるのか。

知名度のある開発者とコラボするときは、「自分の収益は要らないかわりに、外にアプリの話だすときは必ず自分の名前を並べてだしてほしい」なども考えられる。

第二部「AppStore総合1位をお金をかけずに獲得した方法!」エムジェイガレイジ株式会社 代表取締役 石切山さん

エムジェイガレイジについて

MJ GARAGEという会社。今年2月設立。ヘッドハンティング等人材系ビジネスを手掛けている人材のレイスの子会社。10タイトルで1位を獲得。

事業:スマホアプリ、ソーシャルゲーム企画・制作・開発
コンセプト:「一味違う、何かが違う」

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1位になった10アプリの共通点

・広告出稿なし
・ブースト一切やってなし

ブーストを試したこともあるが、やはり無理やり順位を上げても1位はとれない気がする。「プレスリリース配信」「レビュー依頼」を丁寧に行っている。

意識していること4つ

・Yahooトップニュースを意識。
・プレスリリースはスーパーのチラシを意識。
・Twitterでネタにされることを意識。
・アプリの中にコネタを仕込むことを意識。

Yahooトップニュースを意識

「このアプリヤフーに載らないかな?」と思いながらいつも企画している。

プロ野球チームの選手の時計。

背番号の数字が時間になっている。選手の背番号を知らないと時間がわからない。「ファンしかわからない時計」「ただいまの時計、青木時宮本分」みたいなヤフーニュースのタイトルを想像した。

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うまい棒をつくろう

畑に種をまいてうまい棒をつくるアプリヤフートップに「うまい棒が育つ畑」という記事が並ぶのを夢見てつくった。

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江頭にょきにょき

江頭さんが卵から孵化する。江頭時計が有料1位を獲得した時は、「江頭時計アプリ2:50モード」と実際にyahooに掲載された。yahooニュース掲載がきっかけで有料1位になった。

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プレスリリースはスーパーのチラシを意識。

アプリつくったあとに、プレスリリースを作るのは面倒だが重要。江頭カメラのプレスリリースの一部固いプレスが多いので、開いた時にひきよせられるような工夫をしている。

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補足:
yahooニュースに取り上げられるには「Yahooにニュースを配信しているニュースサイト」にプレスリリースを送る必要がある。(Yahooは独自で記事を書いている訳ではなく、他社からのニュースを掲載している)なお、「ニュース提供社 – Yahoo!ニュース」というページに一覧が掲載されています。

一日にYahooに提供されるニュースは3000本以上で、その中の大体50〜60本がYahooトップに掲載される。詳細は以下の2冊によくまとまっています。

アプリの中にコネタを仕込む、Twitterでネタにされることを意識

ツイッターでネタになりそう、拡散されそうな要素を入れる。

mjgarage_koneta

スプラッシュ画像に、「ぜったいに真似をしないでください」とあえて入れたりする。こういったコネタもレビューサイトに取り上げていただけるきっかけになる。

アプリをダウンロードしている途中、アイコン上にダウンロード中の線が伸びる位置をアイコンの目線の位置に合わせると、「指名手配みたい」とツイッターで突っ込まれたりする。

まとめ

・人に伝えたくなる、人に見せたくなるネタ、コネタを仕込む。
-タイトル、キャッチコピー、企画、SE、演出、アイコン等。

・企画をどうやって考えるか?
-ヴィレッジバンガード、ドンキホーテ、東急ハンズ、トイざらスなどに行く。店員が書いたポップなんかも勉強になる。プレスに活用したりする。

・勉強会、交流会に参加する。
-以前は有料アプリしかつくったことなかった。勉強会で無料アプリの情報を聞いてつくってみようと思ったのがうまい棒

・まずやってみる。
-“先入観は罪、固定観念は悪” ※野村克也氏のお言葉。まずやってみるのが成功の近道。

質問コーナー

コラボタイトルが多岐にわたっているが、どういうきっかけで?

ケースバイケース。うまい棒は元々付き合いがあって、先方の担当者と食事中に思いついたアイディアを手書きの絵で、「こんなゲームつくりたい」と相談し承諾を得た。

あるアプリは大代表から電話をかけて、「こういうアプリをつくりたい」でつくった。

ヤクルトスワローズのアプリは、テレビ朝日のクイズ番組でとりあげてもらい、その次の日に、別のある球団とも同様のアプリを制作させていただくことになった。

1位を獲得してから、高順位を維持するための工夫は?

石切山:
バージョンアップを適度に行う。レビューが荒れてきたなと思ったら機能追加+バグ修正してバージョンアップ。

いたの:
ジャマダカメラもバージョンアップしやすいように作っている。ポーズ素材を少しずつ残してバージョンアップがいつでも出来るように。いつでもレビュー荒れても大丈夫。笑

アプリを消されない工夫もしている。ジャマダカメラではポーズのコレクションをするとポイントがたまっていくのだが、「ポイントがたまると次のバージョンアップで良いことがありますよ」と告知している。

「とりあえず消しちゃおう」とユーザーに思われないようにしている。

江頭さんとは実際に会ってアプリ制作している?

石切山:
江頭さんのアプリはこれまでに8本作らせていただいていることもあり、定期的にお会いし、撮影・収録をさせていただいている。すごい紳士で良い方。

「フランスのテレビ」など、江頭語録は常に増えていくので随時追加している。

広告置き方は?自社広告は有効か?広告会社の選び方は?

いたの:
ジャマダカメラの広告置き方、ニコニコ生放送みたいに、画面の下に流れるコメント欄をつけている。

使っているアプリのシーンにあわせて「お、写真とったんだー」などコメントが出るようにしている。同様にアイコン広告(自社広告)もそこに流れるようにしている。クリック率もそこそこ高い。

それをみた広告会社から問い合わせがあって、広告枠を買ってくれた。新しい出し方をすると、そういった声がかかる可能性もある。

石切山:

自社広告は有効。例えばAIDを使うと簡単にアプリ全面広告だせる。別の自社アプリに江頭カメラの自社広告出したら、結構流入があった。ターゲットが全然違ったら意味がないので、相性が良ければいいと思う。

広告会社の選び方については相性があると思う。あるアプリで広告会社Aで成功したから、次のアプリで広告会社Bで成功するとは限らないというデータが出ている。

DLあたりの売上が低いなと思ったらすぐ変えている。SSPも利用し配分等も調整している。

1位獲得時のダウンロード数と売上は?

いたの:
ダウンロード数は30万DL。

売上は具体的には非公開だが、無料アプリの収益は一般的に「1ダウンロード10円」になるというのを聞くが、カメラアプリはそれより少し低いので、そこを工夫しないといけない。

ヤフートップのったのはプレスリリースから?

石切山:

プレスリリースから送った。コネもない。レビューサイトに掲載されたからといってDL数が爆発的に伸びることはない。弊社の場合は、レビューサイト以外にもプレスリリースを出している。

例えば、DIMEに出すと、周りまわってAPPDIMEにのることもある。アプリ専門サイトではないところへのアプローチも有効で記事になるとやはり効果はある。

個人で開発していくにあたって必要なのは?

いたの:
「つくりたいもの」がなければ、個人で始めてもどこに進んでいいかわからなくなる。

個人開発は厳しい世界だし甘くない。生き残っていくために、続けていけるだけのモチベーションを保てるくらいの、「つくりたいもの」があることが大事。

苦しい時もあったけれど、支えてくれる妻のおかげで乗り越えられている。

江頭さんやうまい棒を、アプリで起用する時の権利料はいくら?

石切山:

具体的な料率はお話できない。他社様も含め、交渉次第だと思う。普通に「おたくの○○を使わせていただきたいのですが・・・」と相談したら「契約金で300万です」と言われてしまうこともあるらしい。

多額の契約金、前払い金が発生するような案件は弊社では取り扱っていない。

win-winを考えることが大事。例えば、江頭さんのアプリが1位になったときはテレビ業界でも話題になったらしく、江頭さんのマネージャーさんにもいろんな方から話があったらしい。

そんな結果、実績もあって、継続的にお仕事をさせてもらえていると思う。

野球チームの時計アプリに関しても、「ファンサービスにもなる」というところを評価していただいた。お金以外のメリットを考えて提案するようにしている。

テレビ取り上げられると効果ある?

いたの:

3年前くらいの話だが、王様のブランチで有料アプリ(170円)が紹介された。一日20万円くらいの売上が1週間くらい続いた。

石切山:

某番組で紹介されたことがあるが、大きな影響はなかった。当然、ゴールデン枠の番組だと効果がある。アプリ紹介番組の効果は、そこそこ。番組とアプリの相性、アプリのパワーにもよると思う。

yahooトップに取り上げられたときは、有料100円のアプリが、1日で(二桁万DLには届かないものの)数万DL。ツイッターが一番のメディアだとおもうので、そこでネタになることが重要。

プレスリリースはどのように行っている?

石切山:

PRTIMES、value-press等の配信サービスを使っている。デフォルトの配信リストに手を加えてカスタマイズし、独自リストを活用している。

アプリレビューサイトはリリースするたびには毎回送っていなく、「これは載せてほしい!」というアプリだけ送るようにしている。

SNSで効果的なのは?

いたの:
爆発力はツイッター。使っているのはTwitter、Facebook、ブログ。

夜8〜10時がツイッターのゴールデンタイム。ブログ更新の告知はその時間に行い、朝の通勤時間にも「昨日の記事です」とつぶやいている。

Twitter、Facebookは即効性、ブログは蓄積型。両方の特性を考えて使うのが良い。

コラボにあたって相手に求めることは?

いたの:
自分より優れたところがパートナーでないとwin-winの関係が成り立たないと思う。逆に自分より、全てにおいて優れている人とも成り立たない。お互いに認め合うところがないといけない。

石切山:
スピード感やテンポが一緒かどうかを大事にしている。

取材協力:ライヴエイド株式会社

「iPhone界では、まだ「上半身裸キャラ」「オネエキャラ」が空いている」
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※イラストはイメージです。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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