今回は、脳トレアプリ「BrainWars」と、育成ゲーム「生きろ!マンボウ」でおなじみの2社の対談記事をお送りします。ゲーム企画、海外展開のポイント、エンジニア採用のコツなど。
※株式会社トランスリミットCEO 高場大樹さん、株式会社SELECT BUTTON CEO 中畑虎也さん
<目次>
1:「BrainWars」は日本人が一番はまってる。
2:海外で成功した育成ゲームは「たまごっち」
3:現地語に近づけるため、2段階で翻訳した。
4:アメリカでは「マンボウは子供向け」と言われる。
5:「かわいい」を理解するには蓄積が必要だ。
6:「BrainWars」はなぜ生まれたのか。
7:「Brain Wars」は男女に好かれるデザインでつくった。
8:「自分が一番つくりたいもの」をつくるのが良い。
9:「イノベーター」はパクリゲームがでたら成功
10:「マンボウ」が台湾でヒットしなかった理由
11:カジュアルゲームはアドネットワークではペイしない。
12:良いエンジニアを採用するコツ。
13:上司とゲームを楽しむ「接待モンスト」
1、「BrainWars」は日本人が一番はまっている。
中畑:「BrainWars」の調子は最近どうですか?
高場:この前、1,200万ダウンロードを達成しました。今も変わらず、ユーザーの95%は海外です。最近は1日に2万ダウンロードペースくらいで伸びている感じです。
中畑:日本人がつくったアプリなのに、なんで日本でグッと伸びないんですかね。
高場:なんででしょうね、単純に「海外のマーケットがでかい」という話かなと。ただ、おもしろいのは、日本のユーザーは5%しかいないんですけど、実は日本人が一番はまってる。
「BrainWars」って、負けても負けても立ち上がる、不屈の精神がないと続けられない、いわば「ドMかドSしかはまらないゲーム」なんです。
そんな中、日本人って忍耐強い人が多いのか、苦手なゲームもぜんぶ練習して、得意なゲームに変えちゃうんです。ランキング上位も、日本人が独占したりして。
「のめり込み度」を見ると、アジア(日本・中国・韓国・台湾)が強くて。一方で欧米は「強みを伸ばす」みたいな遊び方をする。これは国ごとの学校教育の影響もあるかもしれない。
※日本のマンガは「苦労して強くなる」、アメリカのマンガは「最初から強い」のも似たような話かもしれない。(イラストはイメージです)
2、海外で成功した育成ゲームは「たまごっち」
中畑:「アジアのほうが忍耐強い」というのは、たしかにあるかもしれないです。育成ゲームでも、海外ユーザーは成長を早めてあげないと、すぐ飽きちゃう。
「生きろ!マンボウ」も、韓国と日本の継続率が非常に高くて、アメリカはその半分近くなんです。
高場:海外で売れた「育成ゲーム」って何があるんですか?
中畑:「たまごっち」は海外でめちゃ売れました。最近オンライン英会話をやっているんですけど、フィリピン人の先生も「たまごっち」をみんな知ってる。
「マンボウ」が海外で紹介される時も、「たまごっちみたいなゲーム」って言われます。
ちなみにオンライン英会話は受講料が1回100円なんですけど、レッスン中に「これ、僕のつくったアプリです」と話すと、先生に1ダウンロードしてもらえます。
「受講料+1ダウンロードで100円」と考えると、めちゃめちゃ安いのでオススメです。笑
3、現地語に近づけるために、2段階で翻訳した。
高場:いま「マンボウ」のダウンロード数は、どのくらいなんですか?
中畑:いま、「マンボウ」は600万ダウンロード弱というところです。日本が140万ダウンロード、韓国が380万ダウンロード、残りがその他という感じです。
高場:韓国で「マンボウ」が流行ったのは、狙ってたんですか?
中畑:もともと、日本語で出したときに、韓国からもダウンロードされていたんです。なので「翻訳したらいけるかな?」と思って。それで、出してみたらヒットしました。
高場:「韓国語への翻訳」は、どのようにやったんですか?「Brain Wars」の場合は、日本語のわかる外国人の友だちにお願いして、やってもらっているんですよ。
中畑:「マンボウ」の場合はちょっと特殊で、「キター!」みたいな、ネット特有の2ちゃん用語を、たくさん使っているアプリなんですね。
なので、普通に翻訳しちゃうと、直訳としては正しくても、けっこうお堅い感じになってしまう。という背景もあり、2段階で翻訳をしてもらいました。
まず、最初に粗く韓国語に翻訳してもらって「堅い直訳」をつくってもらう。そして今度はそれを韓国の若い人にお願いして、「現地のネット用語」っぽい言葉に変えてもらいました。
そうすると、自然な若者言葉のような感じに翻訳できました。
※「LOL」というのは、英語で(笑)みたいな意味の言葉。
4、アメリカでは「マンボウは子供向け」と言われる。
中畑:最近、台湾ゲームショウとGDC(アメリカのイベント)に行って、改めて「アジアの感覚は日本と似てるな」と思いました。逆に、日本とアメリカの感覚は離れている。
なので、SELECT BUTTONとしては「自分たちが得意な日本的デザインでつくって、アジアで人気がでる」という方向性でいこうと考えています。そこが一番戦いやすいし、収益性も高いはずだと。
高場:どうして「ポケモン」とかは、そのままアメリカでもヒットしたんですかね?
中畑:ひとつあるのは「今までない遊び」を、いちばん最初に提案したゲームっていうのは広がりやすいということ。
例えば「ポケモン」って友だちとポータブル機で交換や対戦をするはじめてのゲームだし、「BrainWars」は脳トレでユーザー同士が対戦する、最初のアプリだった。
デザイン面はわからないですけど、少なくとも日本と海外で「好き嫌い」が全然違いますよね。
高場:そうですね。日本のデザインを普通にもってくと、こども向けだと思われちゃう。僕がサイバーエージェントアメリカで、アメーバピグをやってるときも、同じ問題がありました。
日本の感覚でつくったら日本でしか流行らないし、アメリカの感覚に無理にあわせようとすると、「ひねくれたアメリカのゲーム」が出来てしまうんです。
中畑:僕らから海外のゲームを見ると「リアルなおっさん、きもい…」とか思うことがありますけど、逆に、海外の人からは「日本のゲームはロリ」って思われてる。
「マンボウ」も海外の人に見せると「For kids?(子供むけだね?)」って、いっつも言われるんですよ。
※日本とアメリカの「かわいい」の違い。「リカちゃん」と「バービー」のようなおもちゃにも表れているように感じる。
5、「かわいい」を理解するには蓄積が必要だ。
中畑:そうそう、こないだクオンの水野さんに聞いた話で、おもしろかったのが、「何をかわいいと思うか」には蓄積が必要だという話。
日本は昔から「かわいい」の文化があって、20~30年熟成してようやく、「かわいい」が進化して「きもかわいい」が生まれた。例えば「ゆるキャラ」とかがそうです。
タイではハローキティちゃんが人気だけど、まだ「かわいい」が熟成中の段階。タイ人が日本のゆるキャラを見たら「よくわからない」で終わっちゃう。
一方、台湾では「かわいい」が成熟している。小さいころから、日本のマンガ・アニメ・ゲームに親しみや憧れがあるから、「日本的なかわいい」がそのまま伝わるんですね。
そして、アメリカ人の大部分は「アメリカらしいかわいい(クール)」ばかり見て育つから、「日本のかわいい」を見ても、良さがわからなくて、「こんなの絶対無理!」っていわれちゃう。
そういう「かわいいに対する経験値」が国によって違うんだと思います。
※日本と台湾は「かわいい先進国」である。(イラストはイメージです)
6、「BrainWars」はなぜ生まれたのか。
中畑:「BrainWars」は、もともとどんな風に企画したんですか?
高場:まず環境として、世界にはスマホが30億台近く普及していて。いわば「アプリストアに公開するだけで、世界中のユーザーに使ってもらえる」という状況ですよね。
現に「キャンデイクラッシュ」や「クラッシュ・オブ・クラン」は5億ダウンロードされ、「Angry Birds」に至っては20億ダウンロードもされている。
そういう「グローバル市場」があるのに、狙わないのはもったいないなと。とはいえ「ただ、つくったものを出す」だけで、受け入れられるわけはない。
僕は前職のサイバーエージェントにいた時、アメリカ向けにゲームを流行らせようとしたんだけど、もう全部失敗に終わってしまったんですよ。
それが、ほんとうに悔しくて。今度は必ずアメリカをとりたいと思っている。
そのときの失敗で、国によって文化が違うのがわかったので、今度は「文化の壁を超えられるゲーム」をつくろうと思ったんです。それで出てきたのが「脳トレ」というテーマ。
結果的に、約1年で1,200万ダウンロードまでいくことが出来たのは、いま振り返ると、はじめから世界を意識できていたからかなと思います。
7、「Brain Wars」は男女に好かれるデザインでつくった。
中畑:Brain Warsが「海外でうけるために意識したこと」って何ですか?
高場:「好みが分かれないデザイン」でつくろうと徹底的に意識しました。
具体的には、全体的にフラットデザインにしたり。iOSもAndroidもそうですが、スマホ自体がフラットデザインなので、基本的にどの国にも受け入れられるデザインなんです。
他には、アイコンの「脳みそ」もモチーフ系のデザインにしたり、「キャラクター」を入れると好みが出てしまうので、キャラは使わないようにしたり。
特に「色づかい」は気をつかいましたね。全体的に「淡い色合い」を使って、男性にも女性にも好かれるようにしています。
一番メインにしている色は「グリーン」です。なぜなら「グリーン」というのは、男女の好みがない「中性的な色」だから。
そして、「脳トレ」で対戦するときは「自分がグリーン」で「相手がピンク」になっている。これは赤信号と青信号の色と一緒で、「ポジティブ」と「ネガティブ」を表しているんです。
ピンクが伸びてきたら「危険が迫ってる」、グリーンが伸びていたら「勝ってる」と、直感的にわかるようになっています。
8、「自分が一番つくりたいもの」をつくるのが良い。
高場:ゲームをつくるときは、どうやって企画を考えていますか?
中畑:一番は「自分が遊びたくなるもの」をつくっています。なので「ターゲットは自分自身」ですね。
僕、すごいミーハーなんですよ。映画もマンガもベストセラーが好き。ドラマも半沢直樹が好き。だから「自分が好きなもの」をつくれば「みんなが好きなゲーム」ができるはずだというところもあります。。
やっぱり「自分の興味があるテーマ」のほうが体重がのるじゃないですか。なので、自分が好きなジャンル、自分が興味があるものをベースに考えています。
高場:なるほど。やっぱ、自分が一番つくりたいものをつくるべきだよね。
9、「イノベーター」はパクリゲームがでてきたら成功。
高場:じゃあ「市場規模」とかは、あまり考えない?
中畑:そうですね、「そこにユーザーがいそうか?」というのはアイデア段階では考えません。出来上がったあとにチェックはします。
あと「市場規模とゲームづくり」の話は、ゲームバンクさんの説明会で聞いた話がわかりやすかった。
まずマッピングとして、縦軸に「ハードコア」「ミッドコア」「カジュアル」があって、横軸に「イノベーター」「フォロワー」というのがあって。ゲームバンクさんは「ハードコア×イノベーター」のポジションを狙う、という話だった。
例えば、「クラッシュ・オブ・クラン」がイノベーターだとすると、フォロワーのポジションは「ブーム・ビーチ」「進撃の巨人」のゲームみたいな感じ。
「フォロワー」のポジションを狙うのなら、市場規模から考えて「これ流行ってるから、すぐコピーして広告を投入して勝とうとか、人気IPを使ってちょっとアレンジしよう」みたいな攻め方で良い。
ところが、「イノベーター」のような、先駆者になろうと思ったら「何もないところ」からゲームをつくっていく必要がある。
だから「市場規模」から計算しても、ぜったい生まれてこなくて。制作者の「こういうのがあったら、おもしろいんじゃないか」という、妄想のような世界からはじまる。
その資料には「イノベーターになれば、その市場の約6割がとれる」と書いてありました。例えば、クラクラ・パズドラ・モンストみたいなゲームが「イノベーター」ですよね。
なので「イノベーター」を狙う場合は「パクリゲームがたくさん出てくること」が、成功している証拠なんだなと。僕はそれを聞いて、「なるほど」とすごく腑に落ちた。
※あくまで一例です。
10、「マンボウ」が台湾でヒットしなかった理由。
高場:最近は「マンボウ」のダウンロード数はどのくらいあるんですか?
中畑:最近は、新規ダウンロードが1日5,000~6,000です。やっぱり「カジュアルゲームの寿命は2週間」と言われている通りで、アクティブユーザーは下がり続けています。
いまは、下がり止まって、新規ユーザーと離脱ユーザーで相殺している感じです。
韓国でヒットした後、台湾でプロモーションをかけて、20万ダウンロードくらいまでいったんですけど、そこから爆発はしませんでした。「広告費は回収できたかな」くらい。
高場:韓国と日本は、2ちゃん文化があったからうまく拡散したんですかね?
中畑:それは少しあるかもしれないですね。台湾にはあまり2ちゃん的な文化がなくて。
韓国はネットの雰囲気がすごく日本に近いんです。韓国のマンボウのWikiにも「2ちゃんのノリでできたゲーム」みたいに書かれているくらい。
あ、今度「マンボウ」は、アメリカの子どものYoutuberにお願いして、キッズ向けプロモーションにチャレンジしてみます。「たまごっちみたいなゲームだよ」という見せ方で。
アメリカに関しても「Reddit」とかヲタク文化が強い層もいるので、そこに刺さるのかどうかも気になるところです。
11、カジュアルゲームはアドネットワークではペイしない。
高場:広告を打つときって、どうやって計算しているんですか?
中畑:具体的にはいえないのですが、1ダウンロードあたりの収益をベースに判断してます。例えば、リワード広告は絶対20円以下じゃないと打ちません。
アドネットワークは、1ダウンロードの獲得単価を200円でやってみたんですけど、ぜんぜんペイしませんでした。カジュアルゲームでアドネットワーク出稿はやっちゃダメだなと。
高場:「Brain Wars」では、広告を1回も打ったことないんですよ。ちょっと試してみようかな。ブーストで20円くらいのやつを、5万件ぐらいやってみるのとかってどう?
中畑:一回ランキングの上位に上がったことあるのであれば、やめておいた方が良いですよ。というか、いま収益的には、この人数は食べれてるんですよね?
高場:一応食べれてます、「ギリギリ黒字」というイメージ(スタッフは20名)。収益については日本が1/3、アメリカが1/3、残り1/3はその他という感じ。やっぱり、日本の収益性は圧倒的に高いです。
ただ、せっかく資金調達したお金があるので、うまく使いながら拡大していきたいなと。
中畑:最近「Brain Wars」、動画広告の表示を増やしてませんでした?
高場:ちょっと増やしましたね。「3回見るとハートが1個回復する」みたいな感じで、動画広告を見るとインセンティブがもらえるようにしました。
BrainWarsで使っている動画広告は、収益性は日本とアメリカは1再生0.8~1円くらいで、他の国は1再生0.2円とか。
いまのところ「AdColony」が一番収益性が良いです。「UnityAds」も期待しているのですが、まだそれほど出ていません。
そういえば、広告のことを教えてくれたのって、中畑くんだった。
もともと僕、広告はあまり得意じゃなくて。初期の「Brain Wars」では、バナー広告しか入れてなったんですよ。そしたら全然収益にならなくて、「うわ、課金伸ばさなきゃ」って思ってた。
そんなとき、中畑くんが「インタースティシャル広告(全画面広告)が良い」って教えてくれて。それで、試しに入れてみたら黒字になったっていう。笑
中畑:普通にユーザーがたくさんいたので、もったいないなと思って。でも、この人数がいて黒字化できるっていうのは、すごいですよね。
12、良いエンジニアを採用するコツ。
中畑:トランスリミットさんは、エンジニアをたくさん採用していますよね。人を採るときって何を見るんですか?
高場:エンジニア経験者については「技術がどれくらいできるか」と「純粋にその人と一緒に働きたいか」このふたつをみていますね。
ただ「優秀なエンジニア」をすぐ採れるほど採用って簡単じゃない。「お金を払ったら採用できる」というわけでもないですしね。なので「経験のない人」も採用しています。
エンジニア経験がない人については「技術的な素養があるかどうか」を見ています。具体的には「技術のことがどれだけ好きか」と「探究心がどれだけあるか」この2つがやっぱ重要。
良いエンジニアの人には、みんな「探求心」があるんです。それに加えて「技術が好き」ということであれば、1~2年後には必ず良いエンジニアになれると考えています。
中畑:「エンジニアを採用するコツ」って、なにかあるんですか?
高場:最近「いいエンジニアを採るコツ」を見つけました。良いエンジニアであるほど、「技術のわからない上司」がいることでモチベーションが下がる。
つまり、良いエンジニアにとっては、自分のパフォーマンスが出せなかったり、やりたいことがやれないのが、すごく不満。
なので「いいエンジニアを採用するコツ」としては、「技術オンチな上司」がいない、エンジニアとして働くのに、最高に楽しい環境をつくることです。
トランスリミットのメンバーは、エンジニア中心の会社なので、技術への理解がないメンバーはいません。これからも、エンジニアはバンバン採用していきたいですね。
13、上司とゲームを楽しむ「接待モンスト」
中畑:このまえ驚いたのは、農協で働いている友だちに「どんなアプリで遊んでるの?」と聞いてみたら、「上司とモンスト遊んでいるよ」と言っていたこと。
まず「農協のモンスト部屋」みたいな専用のLINEグループがあって、「今から協力プレイするひとー!」って募集して、遊ぶ人を集めるんですって。
ただ、モンストって4人までしか遊べないから、ときには「課長来たから、俺抜けるわ」と、気を遣って課長を入れてあげたりもする。
そして、上司に若い子がゲームを教えてあげたり、「さすが課長!」って接待みたいな感じで持ち上げたりもして。笑
そういう、コミュニケーションは、非常に人間らしくておもしろいです。
「ゲームがコミュニケーションになる」というのは、20歳も50歳もみんなスマホを持っているからこそ、成立するようになった。「ゲーム機の時代」じゃできなかったことですよね。
マンボウをつくってみても感じたのが「なんだかんだ、人間とのコミュニケーションが一番楽しい」ということ。
例えば、マンボウが死んで「突然の死!!」ってツイートするのは、「周りのみんなをクスっと笑わせたい」みたいな、人とのコミュニケーション欲求があったりするんだなと。
いま、そういう「コミュニケーションのきっかけ」になるゲームが求められている気がしていて。「Brain Wars」や「マンボウ」も、それにうまく当てはまったのかなと感じます。
※「接待モンスト」のイメージイラスト。
取材協力:株式会社トランスリミット、株式会社SELECT BUTTON