「青鬼2」「私のヒモ男」など開発のGOODROIDさんと、動画アドネットワーク「maio」を運営するアイモバイルさんによる、対談記事をお送りします。
※本記事は株式会社アイモバイルより、依頼を受けて執筆したPR記事です。
【追記(3/13 23:30)】GOODROIDさまの都合により、記事内容を一部修正しました。
※(左から)株式会社アイモバイル 廣瀬 裕利さん、早瀬 優希さん、株式会社GOODROID 松田和彬さん、財前 涼さん
「青鬼2」について
廣瀬:いまヒットしている「青鬼2」について教えていただけますか?
松田:もともとPCゲームで人気だった「青鬼」の、続編としてつくったのが「青鬼2」です。
本作は、UUUM株式会社さんとの共同プロジェクトで、アプリの開発を弊社が行い、パブリッシングをUUUMさんが担当しています。
開発期間としては3ヶ月ほど。弊社内の「青鬼」の大ファンメンバーで、とにかく原作リスペクトしながら、開発を進めていきました。
2016年12月にリリースして、現在200万ダウンロードを突破しています。
※「青鬼2」ホラー+脱出ゲームのようなゲームシステム(AppStore/GooglePlay)
廣瀬:GOODROIDさんとしては、「ホラーゲーム」というジャンルは、はじめてだったかと思いますが、大変だったことはありますか?
松田:ホラーゲームでは「演出」がキモになってくるので、「怖い」と感情が揺さぶられる瞬間をつくるところが、やはり一番苦労しました。
廣瀬:「ホラーゲームを怖くするコツ」って何かあるのでしょうか。
松田:ひとつ、人に恐怖を与えるコツは「あえて説明しない」だと思いました。人って「説明できないこと」が起こると、不気味さを感じるから。
たとえば、何の脈絡もなく部屋が暗くなったり、変な音が聞こえたりするのって、ホラー演出のテッパンだったりするじゃないですか。
だから、あえて「説明」をしないで、合理性を排除するんですね。そうすると、プレイヤーの不安が「えっ、なんで…?」と掻き立てられる。
財前:たしかに「実は○○(キャラ名)が黒幕で…」と、はじめから説明が入っているような、ホラーゲームって怖くないですよね。
実況動画と「ホラー」は相性が良い
廣瀬:「青鬼2」はリリース直後から、ずっとランキング上位にいたと思うのですが、どのようにユーザーが増えていったのでしょう?
松田:やっぱり一番は、続編を待ち望んでいた多くの原作ファンが、「実況動画」をあげてくれたからですね。
「青鬼2」を見ていても、実況動画と「ホラー」は相性が良いと思いました。「人がびっくりする」ってキラーコンテンツだなと。おもしろくて拡散しやすいし、時代にあっている。
廣瀬:なるほど。原作ファンの実況者の人たちが、広めてくれたんですね。
松田:そうですね。流入イメージとしては、実況動画を見て興味を持ったユーザーがダウンロードして、ストアのランキングが上がって、ユーザーがツイッターなどで拡散して、といったサイクルになっています。
いまの時代って、ゲームに「人が人を呼ぶ仕組み」を入れられるかが勝負になっていて。どうしたら広めてもらえるか、いつも真剣に考えていますね。
財前:今回、ほかにはツイッターでシェアしてもらえるよう、「捕まった青鬼」によって、ゲームオーバー画面が変わるようにしました。
「青鬼2」のマネタイズデータ
廣瀬:アプリの「マネタイズ面」ではどうでしょうか?
松田:売上比率としては、ほぼ広告での売上です。内訳としては「動画リワード」が25%程度、「バナーとインタースティシャル」が75%程度ですね。
とくに広告の入れ方としては、セーブやロードのときに広告を入れたのが、うまくいった理由なのかなと考えています。
※無課金で遊べることを重視したため、ほとんどが広告売上に。
廣瀬:「青鬼2」は、インタースティシャル(フルスクリーン)から、かなり売上がでていますよね。
松田:そうですね。インタースティシャル(フルスクリーン)は、アイモバイルさんをつかっているのですが、タップすると一回「確認のポップアップ」をはさんでいるのが、とても良心的かなと。
そういう、ユーザーに「誤タップさせない設計」が、個人的には気に入っていますね。
「動画リワードと攻略サイト」をうまく活用した
早瀬:脱出ゲームの「動画リワード」は、どのように入れるのがポイントでしょうか?
松田:やはり、ヒントの部分に入れるのが、一番自然じゃないかと思います。
このとき、何パターンか「ヒント」を用意することで、もっとヒントが欲しい人には、動画広告を2回3回みてもらえるよう工夫するのがポイントかと思います。
それから、脱出ゲームに限らずなのですが、動画リワードとガチャ要素は、相性がとても良い傾向にあります。
早瀬:なるほど。
松田:あと脱出ゲームでは、やはり「攻略サイト」の運営も非常に重要だと考えています。
脱出ゲームを離脱する要因として、「謎が分からなくて離脱する」というユーザーが、一番多いんじゃないかと思っていて。
そのため、すこしでも「ユーザーの離脱を減らしたい」という狙いで、「青鬼2」の攻略サイトも運営しています。
早瀬:「青鬼2」において、動画リワード各社を「データ比較」するとどうですか?
松田:正直にいうと、一番収益性(CPM)が高いのは「他社の動画リワード」なのですが、売上額と表示回数でトップなのが「maio」となっています。
「maio」をつかった感想としては、「めっちゃ安定している」ですね。広告の在庫も多くて、売上のカサを底上げしてくれている。
実際に「青鬼2」では、SSPを通じて8社「動画リワード」を入れていますが、表示回数の50%以上を「maio」が占めています。
早瀬:たしかに、それはよく言われますね。収益性(CPM)は一番じゃないこともあるけど、安定したCPMで広告が出続ける。これは「maio」の特徴かなと。
松田:とにかく「動画リワード」が登場して、マネタイズはしやすくなりました。うちのカジュアルゲームをみても、どれも売上の25〜40%は「動画リワード」が占めています。
※GOODROID社の放置ゲーム「私のヒモ男」売上データ。
1、アイディアを出すときは「ハードルを低くする」
早瀬:グッドロイドさんでは、どんどん「ヒットアプリ」を出されていますが、どういう風にアプリをつくられているんですか?
松田:アプリ開発するときの、手順としては「アイディアを見つける」「それをブラッシュアップする」という流れで進めています。
まず、はじめにアイディアを出すところでは「なるべくハードルを低くする」ことが重要だと考えていて。
早瀬:それは、どうしてなんですか?
松田:「良いアイディア」って、誰がもっているかわからないからです。企画が本職ではないエンジニアやデザイナーから、ポロっと「斬新なアイディア」が出てくることもよくあって。
意外と、ピンポイントで「アイディアを発掘する」ってむずかしいので、入り口のハードルを下げて、いろんな意見が出るようにしています。
それから「完璧なプラン」ばかり並んでいたら、発言しづらいじゃないですか。だから、99%は「ウンコのようなアイディア」でも良いんです。笑
※チャットなどを活用して、自由にアイディアを出し合っている。
2、ヒット率が高いのは「まずつくってみる」こと
松田:あと、一番ヒット率が高いのは「まずつくってみる」だと思っていて。なぜなら「つくりたいものをつくっているとき」って、一番おもしろいものが生まれやすいから。
そういえば「青鬼2」のときも、なんか財前が「マルチプレイモード」を勝手にテストでつくっていて。
財前:ありましたね。
松田:でも、実際にやってみたら「あれ?」って思ったんです。もしかして「脱出ゲームを複数人でプレイする」って、おもしろいんじゃないかって。
たとえば、ニコ生で「みんなで脱出ゲームを攻略する」みたいな、新しいあそび方が生まれそうだ、とか。
それで、こういう「原石」が見つかったら、そこからチームで「つかってもらえるモノ」にブラッシュアップしていく、という流れでやっています。
※実際にリリースする予定はたっていません。
3、「モックでの検証」は必ず入れること。
早瀬:そこからの開発は、どのように進めていくのでしょうか。
松田:開発フェーズとしては「モック・α版・β版・RC版」の4つに分けていて、それぞれスケジュールを決めて進めています。
やっぱり「モック」で検証するフェーズは必要なんです。頭の中で「おもしろいはず」と思っても、動かしてみたら全然だったりするから。
財前:「青鬼2」でいうと、最初に「操作方法」をモックで考えました。もともとPCの「方向キー」で操作していたのを、スマホでどうするのか。
松田:もちろん、画面に「十字キーを固定で置く」も試したのですが、ゲーム画面が小さくなるのと、見た目も古臭くなってしまって。
財前:あと、ツイッターに「スクショ」をシェアしたとき、十字キーだけドーンとでてしまって、何のゲームかわからなかったのも、十字キー固定のデメリットでした。
4、「締め切りは創造の母」締め切りは必ず設置。
松田:あと、モノづくりって「締め切りをおく」のが重要で。なんていうんだろう…ほんとに「締め切りは創造の母」なんですよ。
財前:たしかに。「青鬼2」のときもそうでしたよね。
松田:いや、ほんとにそう。実はβ版の「青鬼2」って、むっちゃクソゲーだった。当初、ただの「カギを探し回るゲーム」になってしまって…。
もう「リカバリー不能」な状態に近かった。このままだと「予定していたスケジュールでは、クオリティが達しないかもしれません」という状況でした。
早瀬:そうだったんですか。
松田:そう。でも、そこからは「締め切り」に助けられて。最後は職種なんて関係なく、みんなで必死に「謎解き」も考えて、ギリギリなんとかなりました。
とにかく、モノづくりにおいて「締め切り」ってすげえ重要。なので、アプリをつくるときも「マイルストーン」をおいて、スケジュールを区切っておくと。
もちろん、無理に「締め切り」を守ろうとして、満足できないクオリティのものを、ユーザーに提供することは絶対あってはいけないことです。
そのため「本当に厳しい場合」には、各マイルストーンにおいて、「締め切りの引き直し」をすることも、とても大事だと考えています。
5、「売り上げ目標」はつくらない。
松田:法人でアプリつくっていると、「売上目標きついんでしょ?」と、まるで売上史上主義のように言われることがあるんですけど、実はうちは1本1本のアプリに対して、売上目標って一切ない。
たしかに「売上目標をマネジメントにつかう」って、ひとつの手ではあるんですけど、「モノづくり」の組織においては、どうなのかなと思っていて。
早瀬:どういうことでしょうか?
松田:というのも、売上目標を立てて「絶対、おいくら万円いけよ」とやってしまうと、たぶん「本質的じゃないこと」をしてしまうんじゃないかと。
たとえば、売上が足りなくなったら、必要以上に広告を入れまくったり、必要以上に課金要素を強めすぎたり。ユーザーのことなんて忘れて。
だから、「ユーザーファースト」を徹底するためにも、うちは売上目標はあえて立てないようにしています。
今後の「青鬼2」について
廣瀬:今後「青鬼2」については、またアップデートもされていくのでしょうか?
松田:そうですね。これから「追加コンテンツ」も配信していく予定です。やっぱりアップデートをすると、アクティブユーザーも復活します。
このまえ、追加で「美香編」を配信したときは、アクティブユーザーが2倍以上になっていました。
これから複数回のアップデートを通して、「青鬼2」の物語はクライマックスへと向かっていきますので、楽しみにしていてください。
動画アドネットワーク「maio」
https://maio.jp/
※アイモバイルでは「フルスクリーン広告」や「ネイティブ広告」なども提供しています。
取材協力:株式会社アイモバイル、株式会社GOODROID
広告企画:アプリマーケティング研究所