国連から表彰されても引退なの?個人アプリ開発の世界は残酷だ。-リオ・リーバスさんインタビュー

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本日はリオ・リーバスさんという個人アプリ開発者さんの活動を、紹介させていただきたいと思います。

リオさんは実績としては『MagicReader』という「顔の動きだけでページがめくれるアプリ」が国連で表彰されたり、『FusionCalc』というメモつき電卓アプリが、KDDI社の社内アプリとして導入されたりと、輝かしい成績を残されています。

これを見ると、「めちゃくちゃ儲かってるんでしょ?」

そう思ってしまいますが、実は12月末までに結果が出なければ個人開発者(アプリ業界)引退という状況の開発者さんです。

今回、個人開発者の世界の実態や今までの知見などを伺うべく、リオ・リーバスさん(日本生まれハワイ育ちとのこと!)にインタビューにご協力いただきました。

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12月中に『FusionCalc2』で結果が出なければ引退とのことですが、今の状況を教えてください。

『FusionCalc2』のダウンロード数については現時点で7万DLをこえたところです。決して悪い数字ではありませんが、既に勢いも落ちてしまってきているので、現実的にはこのままでは厳しいものを感じます。

アプリを出す度にこのくらいのダウンロードを得る事ができれば開発者を続けていく事は可能でしょうが、このアプリに全てを賭けて全身全霊で作ったので、結果としては弱いです。

目標のダウンロード数は何段階かに分けていますが、今のところは最初の目標の10万にも達していません。

ちなみにこの7万DLのうち、6万8千ダウンロードが日本という状況です。つまり世界の他の国ではほとんど知られていません。そういう意味では日本以外の国で少しでも話題になれば、まだまだチャンスはいくらでもあるとも考えられますね。

『FusionCalc2』とはどんなアプリでしょうか?簡単に教えてください。

FusionCalc2』はタッチパネルの特性を活かした電卓アプリです。

一般的な電卓であれば、記憶しておきたい数字はメモリ機能を使って保存したり、紙にメモしておいたりする必要がありますが、『FusionCalc2』では指で数字を引っ張るだけで、画面内の好きな所にペタっと貼付けておけます。

もう一度使いたい時は再度数字を引っ張って別の計算で使用する事もできます。電卓の使い方をガラっと変える便利なアプリです。

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『FusionCalc2』の場合スマホよりタブレットのほうが使いやすそうですが、スマホとタブレットの比率はどうでしょうか?

もともと初代『FusionCalc』はiPad専用アプリとしてリリースしたくらいなので、タブレットでこそ100%の力を発揮するアプリなのは間違いないと思います。

しかし、当時はどうしてもiPadの普及率がiPhoneやiPod touchと比べると劣っていたため、iPhone版の方に力を入れざるを得なくなってしまいました。

今ではiPadもだいぶ普及して収益の3割くらいはiPad版の『FusionCalc』が占めている状態です。『FusionCalc2』も最初はiPhone版に力を注ぎ、今はiPad対応の作業に取りかかっている段階です。

仮に引退した場合は、アプリ関係の会社への就職などを考えられているということでしょうか?

はっきりは決めていませんが、恐らくアプリ関係の仕事につく事はないと思います。

アプリ開発はもともと自分の作品を形にする為の手段としてはじめた事なので、個人開発者を辞めた時点でアプリという世界にこだわる理由はなくなってしまうんですよ。

「この5年間で身につけた技術やノウハウを活かさないのは勿体ない」という考え方もあると思うんですけど、僕はどうせ新しい道を踏み出すならまったく別の世界で新しい知識や技術を身につける事に時間を費やしたいと思ってます。

人間が一生のうちに新しい事にチャレンジできる時間ってそんなに多くはないですから、その時間を無駄にする方が勿体ないと思ってしまうんですよ。

個人でアプリ開発で食べていきたいと考えている人がたくさんいると思います。今まで5年間アプリ開発をやってきて、やはり厳しい世界でしょうか?

アプリ開発をはじめて5年になりますが流行りのマーケットだからこそ市場の変化が激しく、その流れについて行くだけでもかなり大変です。最低限、気力と体力と、失敗しても後悔しないだけの覚悟は必要だと思います。

勿論、はじめていきなりヒットに恵まれるような事だってあるでしょうし、「本当に良いアプリ」は評価される可能性が大きい世界だとも思うので、やらないよりかはチャレンジした方がいいと思います。

個人開発者で生計を立てるのは難易度が高いことでしょうか?

食べていけるだけであれば、そんなに難しい事ではないと思います。

現に僕もこの3年間、主にアプリの収益で食べてこれましたし、それなりに生活が出来ている開発者も少なくはないと思います。ただ、フリーランスとしてアプリ開発一本で通そうとした場合、その場しのぎの稼ぎだけでは将来が心配ですよね。

月に20〜30万円という数字だけを見ると、十分食べてはいける収益ですけど、それが一生続くという保証がないのが一番怖いところです。

歴史の浅い市場ですから、次の5年でどうなってしまうかの予想は難しいですし、自分のアプリがいつまでも使われ続けるかどうかも分かりません。

そういう意味でもやはり理想は短期間でヒットを生んで、一杯稼ぐ事だと思います。ヒットに恵まれる開発者は本当に一握りで、全体の1%もいないんじゃないでしょうか。

ただ、本業ではなく副収入として考えた場合はそこまでシビアに考えなくてもいいと思います。

無料アプリで10万ダウンロードくらいの小〜中ヒット作になれば、月に10万〜20万円くらいの副収入がしばらくは続くはずなので、仮に趣味で作ったものでそれくらい稼げるようになったら悪い話ではないですよね。

今までリリースしたアプリで一番ヒットしたものは?

過去作(http://www.appannie.com/apps/ios/publisher/studio-loupe/)で唯一ヒットと呼べるものは『FusionCalc』シリーズです。収益の95%くらいは『FusionCalc』が占めています。

ただ、FusionCalcは総計50万ダウンロード以上あるシリーズですが、実際に収益に繋がるダウンロードは半分の25万ダウンロードくらいなんです。

どういう事かというと、この数年で何度かに渡り、「有料版の期間限定無料セール」を行ってきているのですが、そういう時のダウンロードが一番大きいんですよね。

有料版には広告もありませんし、「有料版の期間限定無料セール」でDL数が伸びたとしても、直接は収益に繋がりません。ただ、無料化による宣伝効果も馬鹿にならないので、無意味とも言えません。

そもそも個人開発者は自分のアプリの宣伝手段に限界がありますから、自分のアプリを使っているユーザー数が多い方が絶対的に有利なのは間違いありません。

自分のアプリから他の自分のアプリへと繋げる方がお金をかけて広告を打つより遥かにコンバージョン率が高めなので、新作を出した時などに流入しやすくなります。そういう意味では自分のアプリのユーザー数を増やす事に力を注ぐのも一つの戦略です。

アプリをつくった後に、広めていくために行っていることを教えてください。

普段は地道にメディアへのレビュー依頼を送ったり、ソーシャルネットワークで出来る限りの宣伝活動を行うくらいで、滅多にお金をかける事はありません。

これまでにプロモーションでまとまったお金をかけたのは2つ、初代iPadがアメリカで先行発売された時に渡米して「2台のiPadをプレゼントする」というキャンペーンに20万円ほどかけたこと。

そして今回、アメリカでのプロモーションに総計40万円をかけました。詳細

今回のアプリで最後という覚悟を決めたからこそ悔いが残らないように思い切ってみましたが、結構リスクの高いチャレンジではあります。アプリで40万円を回収するのはそうそう簡単な事ではないですから。

収益が月に20万円前後とのことですが、アプリごとの収益比率はどうでしょうか?

95%が『FusionCalc』シリーズからの収益で、その他のアプリは本当に微々たる収益にしかなっていません。

コンスタントに収益を生み出すには、いつまでも売れ続ける有料アプリを作るか、多くダウンロードされた無料アプリの広告収益に頼るしかないと思いますが、成功率が高いのは無料の方ではないでしょうか。

アプリが常にダウンロードされ続ける為には、ランキング上位をキープする必要がありますが、次から次と新しいアプリが入ってくるApp Storeの中でランキング上位にしぶとく食い付く事は容易な事ではありません。

有料アプリの場合、一時的に爆発的にダウンロードされたとしても、ランキングが落ちてしまったら一日数ダウンロードとかになってしまい、収益の安定性はありません。

無料アプリの場合、一瞬でもランキング上位に食い込んである程度のダウンロード数を確保してしまえば、その後に完全にランキングから消えたとしても、一定数のユーザーが使い続けてくれる限りは収益が安定します。

初代『FusionCalc』は最初のヒットから3年以上経ちますが、無料版の広告収益は今でもほぼ一定していて、この3年はほとんどこの電卓だけの収益で生活してきたようなものです。反対に、有料版の方は今ではほとんど売れていません。

ただ、これがゲームだったら3年もの間ずっと安定した収益を生み続けられたかどうかは不明です。ツール系アプリはゲームなどと違って飽きたら別のゲームを探すというものではないので、持続性が高いと思います。

ゲームよりはツール系アプリを多く作られていますが、何か理由はあるのでしょうか?

これは、その時その時、自分が必要と感じたり面白いと思ったアイディアを形にしていっただけなんですよ。初期の頃は「自分が面白いと思えるゲームアプリ」が少なかったので結構ゲームを作っていました。

『FusionCalc』のアイディアが生まれたのも、お金が無い時代に結婚式の資金のやりくりする為によく電卓を使っていて、その時に感じた不便さが閃きの切っ掛けでした。

Timestamp Memo」というアプリは「妻の出産の時の陣痛の間隔」を瞬時に記録できるメモアプリが欲しかった事から生まれました。

Re-Notify」というアプリは子供の保育園に2日連続でオムツを補充する事を忘れて、タスクを終えるまではいつまでもしつこく繰り返し通知してくれるアプリを作りました。

コラボ作品の「MagicReader」も風邪で寝込んでしまった時に、体が本当にだるくてベッドでずっと電子書籍を読んでいたんですけど、指でページをめくるのも辛くて、目の動きだけでページがめくれたら楽だろうなというところから始まり、世の中には手が使えない人もいて、そういう人達に手を使わずにページがめくれる電子書籍リーダーがあったら役に立つんじゃないだろうかと思った事が切っ掛けでした。

(*結局、開発当時のハードの性能では、目の動きは厳しかったため、顔の動きという事になりました)

ツール系アプリだと「無料だけ」「有料だけ」よりも「両方だす」という方法がベストでしょうか?

考え方や売り方は様々だと思いますが、僕は無料と有料を分けるスタイルで定着しました。

無料(広告付き)に、アプリ内課金で広告を外すというモデルも、別アプリにならないので管理は楽でしょうし、ユーザーにとっても別アプリをダウンロードしなくて良い利点があると思いますが、残念ながら現状ではメリットだけとは言いがたいのです。

例えば、広告があるだけでまずアップルにApp Storeで紹介してもらえる可能性がグンと下がりますこのところ無料で広告付きのアプリが紹介されているのをまったく見なくなりましたよね?『FusionCalc』も有料版はApp Storeで紹介された事がありますが、無料版は紹介されていません。

偶然かもしれませんが、無料版よりも有料版を積極的に紹介する傾向は強いと思います。有料のアプリが売れた方がAppleにとっての利益にもなりますし、当然と言えば当然ですよね。

こういう事も踏まえて、有料版と無料版は別アプリとして分けるようにしています。
あとは、有料と無料と2つの別のアプリであれば、ストアでの露出度も増えるので、少しでも多くの人の目に触れる可能性が上がります。その分手間は増えますので、判断はそれぞれだと思いますけど。

無料版の何%くらいが有料版を買ってくれるのでしょうか?

『FusionCalc』の場合だと大体5%くらいで、その他のアプリだと1%未満だったりします。
アプリによりけりだと思います。どちらにしても90%以上が無料のユーザーですね。

有料アプリでAppStoreランキング上位に入るとどのくらいの収益になるのでしょうか?

有料だと総合20位が最高だったはずです。3年以上前の事なので、今の総合20位のダウンロード数とはだいぶ違うかもしれませんね。

その月は50万円台の収益があった事を覚えていますが、その次の月には20〜30万円台までガクっと落ちました。2ヶ月もするとほとんど売れなくなるといった感じですね。

これから有料ツールアプリをつくろうとしている人へアドバイスお願いします。

カレンダーや電卓のようなツール系の定番アプリは競争率も激しいですけど、一回気に入ってもらえれば長く使ってもらえるので、他とは違うオリジナリティで勝負できる自信があれば狙い所ではあると思います。ただ、やはり定番というだけあって強敵も多いです。

どんなアプリでも同じですが、まだ誰も作っていないようなアイディアなら勝算は高いと思います。ツール系は、本当に生活が変わるような便利なものであれば、少しばかり高くても買ってもらえるので、あまり安くし過ぎない方がいいかもしれませんね。

コラボユニットで『Magic reader』というアプリをだしていますが、そのアプリは国連に表彰されたそうですね、経緯をお話いただけますか?

World Summit Award Mobile(WSA)という国連が主催する賞なのですが、最初に各国でカテゴリ別に代表アプリを集めていました。

たまたま日本からのアプリが募集されているのをコラボで一緒にアプリを作った「いたのくまんぼう」さんが見つけて、応募してみようという事になったんです。(当時のブログにもその様子が

まずは日本からのアプリとして(いくつかのひとつに)選ばれて、そのあとの審査で日本からのアプリで残ったのは『MagicReader』だけになりました。

最後は世界で435作品あったノミネート作品から40作品に絞られアラブ首長国連邦の首都アブダビでの授賞式に招待される事になりました。

結局、僕は授賞式には参加しませんでしたが、いたのさんが代表して賞を受け取りに行きました。
今世界でも最もバブリーな場所の一つなので、なかなか凄いイベントだったみたいですよ!

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(写真:やっと、国連WSA授賞式が終わった!より)

国連で表彰されたというのはかなりスゴイことだと思います。ここから連鎖して広がったことなどはありましたか?

直接どれだけの影響・連鎖があったかというのはなかなか難しいところではありますね〜。

間違いなくプラスの効果はあったと思いますが、目に見えるような形で分かるような影響や連鎖というのは特に思いつかないです・・・。

『FusionCalc』はKDDIの社内用アプリにも採択されたそうですが、この話はどういう経緯で決まったのでしょうか?

もともと、KDDIの社内でプライベートで使われている社員の方が結構いたみたいで、社内用iPadに電卓アプリを導入しようという話が出た時に推薦されたという流れと聞きました。(KDDI導入の詳細

最初はメールを頂き、何度かメールのやり取りをしてから、実際に本社の方へ伺ってお話をし、社内導入が決定したという感じです。

KDDIさんは『FusionCalc』のどこに惹かれたのでしょうか?

やはりお客さんに対して料金の説明などをする際、色々な計算結果の数字を一つの画面の中で残しておけるので、商品やプランなどの説明がしやすいという所に目をつけて頂いたようです。

噂によると(正式ではないものの)ソフトバンクショップの店員さんなども『FusionCalc』を使ってお客さんにプランの説明をしているそうで、ビジネスの場でも活躍しているというのは本当に嬉しい事です。

法人向けのニッチな有料アプリをつくるという戦略はありでしょうか?(建築事務所向けに「建築の設計図を簡単にかけるアプリをつくる」とか)

戦略としてはアリだと思いますし、そうして生計を立てている開発者もいるんじゃないかと思います。ただ、法人とやり取りをする時、こちらも法人である事を求められるケースも少なくないので、個人開発者としてどこまでやっていけるかは分からないです。

実際、KDDIさん以外の会社からも『FusionCalc』の導入のお話を頂いた事がありましたが、こちらが個人という事が分かると話がなくなってしまいました。

そういう意味で、企業との何らかの繋がりがない状態で積極的に法人向けアプリを販売していく事はそう簡単ではないと思います。

ご自身でブログを書かれていますし、奥さんのブログも広報的な意味合いを持っていると思いますが、ブログで情報発信することでのメリットはありますか?

ブログは個人開発者として自分の力で出来る数少ない宣伝活動なので、とても重要と感じています。ブログを通して取材の依頼がきた事も数えきれないほどありますし、iPhone系メディアの方達との繋がりも出来ました。

AppBankさん主催の勉強会でお話をさせて頂いた事もありますが、その時もブログで書いているような内容をお願いされたくらいなので、ブログを続けてきた事には大きな意味があります。

爆発的な宣伝効力を持っているわけではありませんが、いつどこで誰が見るか分からないので、やらないよりかはやった方が間違いなく得という事だけは確かです。

アプリ開発者はブログを書いていくべきでしょうか?またブログ運営のアドバイスお願いします。

開発者がブログを書くという事は、それだけ開発時間を削るわけですから、なかなか難しい判断だとは思います。ちょっとやそっと頑張ったところですぐに目に見える結果が出るものでもありませんから、無理をしてまで続けるのは大きな負担になりかねないです。

書く事が嫌いじゃなければ、そして負担と感じないのであれば不定期でいいので試してみると良いと思います。

あと、他の誰かが書いた事だからと言って同じ事を書いてはいけないルールもないので、「自分が面白いと思う話題」や「役に立つと思う情報」などを自分なりの言葉で発信していけば良いと思います。

リオさんほど、実績(KDDI採用、国連表彰など)という意味では活躍されている個人開発者はあまりいないと思います。そんな開発者でも引退を強いられるほどなのかと思うとすごく厳しい世界だなと思います。

僕の場合は実績のネームバリューの大きさの割にはそこまでの成果がついてこなかった一例に過ぎません。はっきり言ってマネタイズ面での才能がなかったか、運が悪かったとしか言いようがありません。

そこまでの実積がなくてもアプリを大ヒットさせて成功している開発者も大勢いますから、僕の結果が全てではないという事は理解して欲しいと思います。これから頑張りたいと考えている方達には希望を持って頑張って欲しいので。

言い方は悪いですが、言ってみれば「ただの個人開発者」が引退するということで、ネット上で盛り上がっているというのは、ブログやソーシャルメディアが普及する前だと考えられないことだと思いますし、スゴイことだと感じます。今のご自身の状況をどう感じていますか?

それはもうビックリしています。

アプリ開発を5年間続けてきて、それなりに知名度のあるアプリを出せた事や、ブログやSNSなどで地道に活動を続けてきた結果、応援してくれる人達が増えてこういう状況を生み出したという事なんだと思いますが、

引退宣言をした時は、自分自身に対して後に引けない覚悟を固める手段の一つとしか考えていませんでしたし、こうやって取り上げられるような事に繋がるとは思っていませんでした。

そういう意味でも、どんな些細な事でも発信し続ける事の意味は大きいんだなと改めて感じました。

Q、引退=敗北・不幸ではないと思いますが、私はここまで実力のある開発者さんに引退してほしくないと考えています。結論がでるまで半月くらいですがぜひ頑張ってください、応援しています。最後に意気込みをお願いします。

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ありがとうございます!僕も最後の最後までは奇跡を信じて頑張るつもりです!これまでも何度も起死回生を繰り返してきましたから、今回もなんとかなるんじゃないかという気持ちもあります(笑)

ただ、全ての力を出し切っても駄目なら、それはそれで一つの結果として受け入れるしかありませんよね。生きているうちに認められないアーティストだって山ほどいるわけですから、「こんなに頑張ってきたのに成功しないのは不公平だ」なんて言っても仕方ないですよね。

自分のやれるだけの事はやったので、あとはなるようになれって気持ちです。駄目だったら駄目で新しい事にチャレンジできると前向きに考えていますし、それはそれでワクワクしています!

これからどこで何をするかはともかく、アプリ開発者じゃなくなっても、この世を去るわけではないので、何かしら新しい事に挑戦したり、面白いと思ってもらえるものを世に発信し続けていくだろうと思います。結果はどうあれ、これからも一人のアーティストとして応援し続けて頂けたら幸いです。

おわりに

ありがとうございました!

この記事を通して企画時からテーマにしたいと考えていたことは3つ、
1、リオさんの活動を応援したい(世の中の人に知ってもらいたい)と思った。
2、個人開発者のシビアな世界に対しての理解がより深まると思った。
3、個人だろうが無名だろうが情報発信することの大切さを伝えたかった。

特に3番はとても大切で記事中で「ブログは誰が見ているかわからない」と言っていた通りで、ブログでの情報発信、プレスリリース、レビュー申請は「取り上げてもらえるかどうか」ももちろん大事ですが、「メディアや他人に自分の存在や活動を知ってもらえること」もとても大事なことだと気付かせてくれます。

今回インタビューをしようと思ったきっかけは、Twitterで流れてきた、リオさんの奥さんが書いているブログ(http://www.appmama.net/)を拝見したことがきっかけです。
こういった形で情報発信していなかったら誰もきづかないです。

注目されるとか応援されるっていうのは、別に「有名人だから」とか「実力があるから」とかそういうことだけじゃないと思います、

秋元康さんのAKB48の戦略! 秋元康の仕事術という本を読んだことがあるのですが、
その中で秋元康はAKBの魅力を「高校野球みたいなもの」と表現していました。
「全力で泥臭く頑張るメンバーと、それを心から応援するファン」という構図が本質なんだみたいな話です。

ちなみに、2013年AKB48総選挙で最下位(?)の子でも、64位:11602 中西優香 (SKE48 S)と10000票以上入っています。

選挙権ってCDについてくるんですよね?
10,000票×1,000円=1,000万円以上の金額が動いている(違ったらごめんなさい)と考えると、マーケティング的な視点でも半端ないなと感じます。

つまり人が頑張ってる姿ってすごいパワーがあるということを言いたかったのです。なので自分の活動は、ブログでもFacebookでもプレスリリースでもなんでもどんどん情報発信していくと良いかもしれないですよ。

最後に『FusionCalc2』も気になった方は(iOSのみです)DLしてみてください。(無料版/有料版[12/20から500⇒300円になるとのこと])

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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