開発者「誰にも相手されへんと思った」人類には早すぎるババア育成アプリ「100万歳のババア」予想外の50万ダウンロード達成。

2015年04月16日 |
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今回は育成アプリ「100万歳のババア」の開発者「yamabus」さんにお話を伺いました。なぜ彼は、このようなとんでもない作品を、世に解き放つに至ったのか?

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※カフェで取材に応じるyamabus(ヤマバス)さん。

「100万歳のババア」について

「yamabus(ヤマバス)」について教えていただけますか?

yamabus:
「yamabus」という名前で、個人制作の3Dアニメや3Dアプリを公開しています。もう15年くらい3Dの仕事をしていまして、半分は趣味のような感じですね。

昼間はゲームの会社で働いていますので、個人としては平日の夜22時〜2時間と、休日に活動しています。

どうして「アプリをだしてみよう」と考えたんでしょうか?

yamabus:
元々、hamonさんという個人開発者と組んで「ボブスレーアルティメイタム」「スキージャンプアルティメイタム」などのアプリの、3D部分をつくっていたんですね。

すると、やっているうちに「プログラムの勉強も兼ねて、自分でもアプリつくってみようかな」と思ってきまして。

そこで、hamonさんに「どんなアプリをつくったら良いと思う?」と相談してみたんですよ。そしたら、「ババアの時代がね、来ますよ」と言われて。笑

たしかに「美少女アプリ」であふれている中、「ババアのアプリで勝負する」っておもしろいし、めちゃくちゃだなと思ったので、それでいくことにしました。

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そうして、生まれたのが「100万歳のババア」なんですね。

yamabus:
はい、ヒットしていたアプリ「100万のタマゴ」のアイディアをアレンジして、「フル3Dのババア」と組み合わせたのが、ババアを若返らせるゲーム「100万歳のババア」です。

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※「肩たたき」をしたり、「美顔ローラー」でコロコロして、ババアを若返らせていくアプリ。一人でやっていると「人生ムダにしてる感」が味わえるのが特徴。

つくるときに大変だったのは、やっぱり3Dのグラフィックですか?

yamabus:
いえ、大変だったのはプログラミングですね、やっぱり初めてだったので。3Dはあのくらいのババアであれば「ZBrush」というソフトで、割とカンタンにつくれるんです。

ただ、アプリの開発期間は、なんだかんだ半年ぐらいかかりましたね。プログラミングに苦戦しつつ、のびのびとやっていたので。ちなみに、AppStoreの審査は一発で通りました。

「100万歳のババア」のダウンロード数はどのくらいですか?

yamabus:
2014年の9月にリリースして、ダウンロード数は50万ダウンロードくらいです(ユーザーはほぼ日本)。OS比率としては、だいたいiOS30万、Android20万という感じです。

感想としては「予想以上にダウンロードされたな」というのが正直なところ。どちらかというと練習のつもりでしたし「誰にも相手されへんかな」とさえ思っていたので。

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一番はじめは、どこから火がついたんですか?

yamabus:
最初はぜんぜんダメだったんですよ、1日700円くらいの収益しかなくて。

ところが、そこから何が起きたのかは分からないのですが、ネットで火がついて、最高でAppStoreランキングの総合4位まで伸びました。

きっかけとしては、ニュースサイトの記事が、ツイッターですごく拡散されたからみたいですね。5,000リツイートされた記事もあったそうで。

ユーザーのリアクションで「意外だったこと」はありますか?

yamabus:
女子高生からの反応は意外でしたね。「いろんな色のババア」を友達同士でスマホの待受にしていたり、画像をツイートしていたり。笑

あと「どこまで進んだか」を学校で競っている人が多いようで、Android版を先にアップデートしたら「友達に抜かれるから、iOS版も早くしてくれ」というメールが割ときました。

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※進化するとババアの色や姿が変わっていくので、「ゲームの進行状況」を学校で見せ合ったりしていると(イラストはイメージ)

マネタイズ(広告収益)はどうでしょうか?

yamabus:
広告収益については、バナー広告とリワード広告が半々という感じです。1ダウンロードあたりの収益性でいうと10〜20円の間くらい。

ちなみに、iOSユーザーが2倍くらい多いのに、Androidの方が売上は高かったんですよね。iOSは「ドン!」と伸びましたが、そのまま一気に冷めていきました。

ただ元々「月1万円くらいの、飲み代になれば良いな」という気持ちだったので、予想よりはずっと良い結果でした。嫁にも「どんどんアプリつくれ」と言われています。笑

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「リワード広告」が半分も占めているのは、すごいですね。

yamabus:
そうかもしれないですね。リワード広告は「Tapjoy」を使っていたのですが、担当の人に驚かれるくらいでした。

「リワード広告をつかえば、思いきりゲームが進む」というバランスにしたのが良かったのかもしれません。ババアの年齢が50万歳くらい若返るものがあったり。

リワード広告は途中から入れたんですけど、最初から入れておけば良かったですね。

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他に「リリース時に戻れるとしたら、変えたいこと」ってありますか?

yamabus:
「バランス調整」ですかね。実は、最初に出したときに、レビューに「ゲームが長過ぎる」という★1評価がたくさんついて、平均2.5ぐらいまで下がってしまったことがあって。

その後、アップデートの際に「ゲームの進行」が早く進むように改善したのですが、当初は「ババアがなかなか若返らない」ということに、ユーザーが飽きていたんですね。

そこは「ババアの変身のタイミング」をもっと増やすとか、「クリアまでの時間を短くする」とかしておけば良かった。

「純愛ババア学園 〜転校生は100万歳〜」について

最近リリースされた「純愛ババア学園」も強烈ですが、調子はどうでしょうか?

yamabus:
いまリリースから3週間くらいですが、ぼちぼちですね。実は一番盛り上がったのは「リリース前」のタイミングでした。

というのも、「事前登録」を開始したときに盛り上がりすぎて、リリース時にはちょっと勢いが落ち着いてしまった感があって。

もしかしたら、リリースのタイミングまで、情報を出さないほうがダウンロード数は伸びていたかもしれない。そこはある意味、勉強になりましたね。

もうひとつ個人的に思ったのは、「純愛ババア学園」ってわりとガッツリした恋愛ゲームなのですけど、「スマホのユーザー層は、もっと簡単なのが好きなのかな」とも感じました。

放置、育成系の「タップするだけ」とか、「ねこあつめ」みたいに「見るだけ」みたいなゲームシステムのほうが、もしかしたら良かったかもしれない。

あと、開発中でおもしろかったのは、シナリオライターの人に「年をとった美少女と、恋愛するシナリオを書いて下さい」と頼んだら、すごく困っていたこと。笑

「ババアと恋愛するゲーム」と言ったら断られるかなとおもったのですが、それを明かした時には笑ってくれていました。

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「ババア学園」のPV動画も、お一人でつくったんでしょうか?

yamabus:
そうですね。「ババア学園」のPV映像は、1日2時間の作業で、2〜3週間くらいで完成させました。

再生回数も30万まで伸びて、Youtubeの「コメント欄」にも世界中からコメントがきていたりと、つくった甲斐がありましたね。とくに、なぜか台湾人に人気があるみたい。

このPV動画って、普通に外注するとしたら、いくらくらいかかるんでしょう?

yamabus:
うーん、外注しようとしたら、数百万円くらいはかかるかもしれません。


※「純愛ババア学園 〜転校生は100万歳〜」のPV。

まとめ。「個人アプリは、無茶が出来るのが楽しい」

「個人アプリ開発」の楽しさって、なんだと思いますか?

yamabus:
「会社だと絶対通らない企画」がだせることでしょうか。会社だと「無難に勝てるアプリ」しかだせないじゃないですか。そういう「無茶」ができるところは、すごく楽しいですね。

あとは、結果がダイレクトにはね返ってくるところも楽しいです。自分がつくったアプリの広告収入が、銀行口座に振り込まれているのを見ると、気持ちが盛り上がります。

最近は、プレステ4のゲームに使われているような「高性能な3Dソフト」も安く使えますし、そういう意味では、個人開発の環境も恵まれているなと感じます。

「これからアプリ始めたい」という人が相談に来たら、何てアドバイスしますか?

yamabus:
何か「自分の特技」を前面に押し出して、アプリをつくると良いのではないでしょうか。絵に自信があるのであれば、絵を描くとか。

例えば「100万歳のババア」でいうと、「本格的な3Dをつかったカジュアルゲーム」ってあまりないので、良い意味で「浮く」んですよね。

アプリって毎日山ほどリリースされていますし、「特技を活かしてつくる」というスタンスで作らないと、 差別化するのは難しいように感じます。

最後に、告知やメッセージなどお願いします。

yamabus:
「100万歳のババア」で、アイドルやキャラクターとコラボできたら嬉しいです。「老けてしまったアイドルを元の姿に戻す」みたいな感じとか。笑

これは無理だとは思いますけど、「100万歳のきゃりーぱみゅぱみゅ」とか「100万歳のレディガガ」とか、そういう企画が出来たらおもしろいかなと。

もし何か一緒にできそうなお話などがあれば、ご連絡いただけたら嬉しいです。

取材協力:yamabus

100万歳のババア(iOSAndroid
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編集後記

「100万歳のババア」において「ここが良かったのかな」という部分を、マンガにしてみました。

1、周りとくらべて「異質なもの」を放り込み目立った。
2、大手企業ができないような「無茶苦茶な企画」で突撃して差別化した。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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