「学習塾は高すぎる」「家計を圧迫しているのは子供の塾代」スマホ塾アプリ「アオイゼミ」が生まれたワケ。

2014年08月05日 |
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本日はスマホ塾アプリ(WEB&アプリで展開)を運営している「アオイゼミ」のインタビュー記事をお送りします、中学・高校生向けの塾を展開されているので、「中学生×スマホ」の話とかは聞いていて興味深かったです。

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※写真はアオイゼミ代表の石井さん。熱そう。

アオイゼミについて

アオイゼミについて教えていただけますか?

石井:
アオイゼミは、スマホやタブレットで見られる中学生向けのオンライン塾です(最近高校講座もスタートした)。はじめたのは2012年の6月です(アプリは2013年の8月)。スタッフは22名(アルバイト込)でやっています。

特徴としては学習教材などのコンテンツを全て内製していて、半分が教材開発のスタッフで半分がエンジニアというイメージですね。

大体1日にライブ授業で3,000人位が受講してくれていて、会員数は完全非公開ですがまだ数十万単位ではないというレベルです。

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社内で動画授業を撮影しているということですよね?

石井:
はい、社内にスタジオがあってそこで撮影しています。

授業は電子ホワイトボードにテキストデータを反映させているんです。電子ホワイトボードは普通に売っているものです、1台70万円くらい。

リアルタイム授業は、1授業何分くらいなの?

石井:
トータルで40分ですが、15分と25分で休憩をはさんで分けてます。

ただ、学校の授業って板書の時間が多いんですね、アオイゼミでは電子ホワイトボードでの板書時間の短縮のおかげでだいたい「通常の授業の3倍速い」って言われてるんです。なので15分で学校の1授業分くらい進められる。

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※電子ホワイトボード。簡単にいうとデカイiPad。画像の投映などはもちろん、書き込みもできる。

アオイゼミをやる前って石井さんは何されてたんですか?

石井:
元々、新卒でリクルートに入り1年半働いたあとに、ソニー生命で生命保険の営業マンをやっていました。

どうして、そこから教育にいったんですか?

石井:
ソニー生命って、家計状況をかなり詳しくヒアリングしてから、保険を提案する会社なんです。それで話を聞いてると、どこの世帯も子どもが中学3年の時に家計がバーストしていた。

なぜかというと子供の塾費が原因だったんです、文科省のデータだと塾代って年間で平均27万円、某大手予備校さんとかは年間40万円かかる。

僕は北海道の支店にいたのですが、北海道って「30歳で年収400万いってたら勝ち組」という世界なので、30万円近い塾代を払うのって無茶に近いんですよ。

それを見たときに「ネット時代なのに、なんで教育だけこんな高いままなの?」って思ったのがそもそものきっかけですね。

「日本の教育制度がどうこう」とかは全く興味が無くて、学習塾という看板を掲げている以上、いかにお子さんが志望校に合格するお手伝いができるか、それを安く提供できるかというのがミッションです。

講師の方ってどうやって集めたんですか。

石井:
最初は知り合い経由で学生講師を集めていたのですけど、今は駿台とか大手予備校から引っ張ってきて、社員として採用しています。

中学生向けの学習塾の先生は、約70%が普通の大学生と言われているので、そういう意味では普通の塾と比べてレベルは高いと思います。

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※アオイゼミアプリ内の講師紹介ページ。

中学生ユーザーの行動など

今の中学生の子たちをみていて感じることはありますか?

石井:
あー、基本的に中学生ってググらないですよねホントに、人に聞く。だからnanapiさんのアンサーとかってやっぱすごいんですよ。ほんとにああいう感じで、中学生は人に聞きますからね。

あと奇妙なのは、画像の使い方がスタンプ的。アオイゼミのタイムライン見てても「えっ何これ?」みたいなのが普通にあるんです。

例えば、謎の画像をタイムラインに投稿するんですよ。普通はFaceBookに「ここ行きました」とかのコメントと一緒に、写真を投稿するじゃないですか。

中学生の場合そうではなくて、キラキラ系の画像で川辺に女子二人が肩並べて座っていて、「ずっ友だよ」みたいな謎のポエム的な文字が書いてある画像を、自分のコメントと一緒に脈略もなく投稿するんですよね。

スタンプ感覚なのかな・・・?そんな感じで画像を投稿するのは女子に多いですね。

予想外なアオイゼミの使われ方ってありますか?

石井:
一番おもしろかったのは、70歳くらいのおじいちゃんが入塾してくれたこと。「若いころは学校にいけなくて・・・御塾の授業で一般教養をつけつつボケ防止に努めます」みたいな。笑

もちろん社会人は使ってはダメという訳ではないですし、すごく嬉しいですけどね。

私は高校の時に「東進ハイスクール」に通っていた、あそこって個別のブースでDVDの授業を見て勉強する、で実際やってみると「あ、別にこれでいいじゃん」って思った。

石井:
そうですね。自分も高校生の時にビデオ学習をやってみて抵抗はありませんでした。

ただ、ビデオ学習って大体継続できないんです。「いつでも学べる=ずっと勉強しない」ということにも近くて。

やっぱり動画で流すだけだったら絶対やらないだろうなと思ってて、だから継続できる仕組みづくりはすごい考えてますね。

その話でいうとアオイゼミは「コミュニティ機能」みたいなのがついてますよね?

石井:
はい、SNSとセットになっています。タイムライン機能を今年の2月くらいに実装したんですけど。

割と生徒と先生の距離も近くて、先生が「こんな風に勉強しようね」って書くと、下にたくさん生徒からのコメントがつくような熱量の高い勉強コミュニティができている。

もしくは「期末試験が近くてやばい!」とか、アオイゼミ上の生徒同士でコミュニケーションをし合うとか。

ただ、安全性を担保するために、ダイレクトメッセージ機能はつけてないんですけどね。「LINEのIDを書きこんだら速攻BANする」というくらい徹底しています。

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※先生と生徒間でのコミュニティも出来ている。オンラインの塾だからといって無機質なサービスではない。

ユーザーの地域の偏りとかってありますか。

石井:
うちは万遍なくですね。人口分布のグラフとニアイコールです。スマホ時代になって都心と地方のタイムラグが縮小されてるのはすごい感じてますね。

端末も子どもたちが所有しているスマホで見てくれています、iPodTouch比率も高いですね。

動画が見られる時間のピークはありますか?

石井:
当然、(学校が終わってからの)夕方以降が多いというのはあります。土日にまとめて見てる子も多いですね。

あと、毎日ライブ授業をやっているのですが、やっぱりリアルタイムだからこそ体験できることってあるんですよ。講師と生徒(縦軸)、生徒間同士(横軸)でコミュニケーションがあるのがおもしろい。

講師の授業に生徒がリアルタイムにコメントを返すとか、ニコ生みたいな感じですよね。あとは生徒の質問に対して頭の良い生徒が教えてあげるとか。

ユーザー(生徒)のプロフィール画像とニックネームも表示されるので、「あっ、この生徒また勉強をしているんだな」と思えるような塾コミュニティもできています。ここは続けるモチベーションにもなるだろうし、かなり面白いなって。

値段設定やサービスの改善について。

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※社内ミーティングの様子。みんなmac。

アプリを改善していくにあたって「中学生の気持ち」って想像しづらいじゃないですか。ユーザーインタビューとかってするんですか?

石井:
この間、ホームルームっていうのを始めてみたんですよ。ニコ生みたいな感じでライブ配信して、リアルタイムで生徒と会話をしてみた。

「ぶっちゃけ最近アオイゼミどう?」「勉強に関係ないコメントってうざくない?」と聞いてみたり、逆に「タイムラインに流れる画像のサイズでかい」と意見いただいたり。

子どもだからということもあって正直に言ってくれる子も多くて、とても参考になりました。

月額900円の価格設定はどうでしたか?

石井:
この前、ある英単語学習アプリのレビュー欄が炎上していたんですね。そのアプリは有料で月300円だったのですが「金払わないと遊べないのかよ!」みたいな辛辣なコメントがたくさんついて。クオリティは非常に高いと思うんですが・・・。

僕も他人事じゃないので、複雑な気持ちで見ていたのですが、やっぱり「参考書と比べてね」という見せ方だと、アプリで月額課金制だと高いとなってしまう。

その点で、アオイゼミは「塾と比べてね」とスマホ塾としての見せ方をしているので、価格に関しては反発は起きていないですね。結局見せ方の問題だなあと。あとずっと無料でも利用できるというのもあるのでしょうが。

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※リアルタイム授業は無料。月額900円で動画見放題になる。ただ、無料ユーザーにもチケットが配られるので、それを使えば過去動画も視聴可。

韓国で「この子はこれが優れています」って親に分析を教える知育ゲームのアプリがあるんですけど、そういう親との連携って何か考えてますか?

石井:
ちょうど今度、保護者用のアプリをリリースするんです。要は「子どもがアオイゼミで何時間勉強したか?」とかを見られるアプリ。

例えば、1週間連続ログインしたら「お宅の息子さん1週間連続ログインしてます、すごいですね」と通知したり。

Benesseさんはやはり僕らも参考にしていて、彼らの何がうまいかって「親御さんを巻き込んでいること」なんですよ。進研ゼミの漫画で「お母さんこれやりたいんだ!」「でも辞めちゃったでしょ?」「あの時とは違うんだ俺は!」みたいなくだりってあるじゃないですか。

あれと一緒で、「いかに子供にその気になってもらって、親への稟議を上げさせるか」っていうのがやっぱりマネタイズに関してはポイントだと思いますね。

これからやっていく予定のことはありますか?

石井:
アオイゼミではゲーム要素をまだ全然取り入れてないので、ゲーミフィケーションを強化していきたいと考えています。

やっぱり教育に足りないのって、ソーシャル要素とゲーム要素なんですよね。言って見れば学校の定期試験ってすごいアナログなソーシャルゲームですし、演出だけおもしろくできればうまくいくとおもっています。

具体的には、クイズマジックアカデミーと同じで、レベル別にレイヤーを分けて「今まで7級クラスの30位だったけど、12位に上がったよ!」とできたら面白いはず。ゲーミフィケーションは絶対いけると思っていますよ。

取材協力:アオイゼミ

アオイゼミ
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編集後記

進研ゼミの”子から親への稟議”の話は納得ですね、子どもの時を思い出してみるとそうだなって思う。「お母さんこれ買って!」をどれだけ強い熱量で言わせるかが勝負ってことか。

中学生の謎の「ずっ友だよ」画像の使い方も気になるなあ、画像添付=スタンプみたいな感覚になっているのかな?

アオイゼミはなんてことない先生からの投稿などにも生徒からのコメントが返ってきたり、コミュニティができているのが熱いなあと思いました、他のサービスの話も聞いてみたいですね。

ちょうど昨日、1.2億円の資金調達もされたようで、今後の拡大に期待ですね。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。有料マガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。【配信提携】LINEニュース【過去連載】週アスPLUS、マックピープル。アプリの取材申請はコチラのページから。
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