9/11に東京で開催された、
ガイアックスさん主催のセミナーに参加してきました。
本記事ではタップジョイさんの講演について、
参考になったポイントをまとめたいと思います。
タップジョイについて
通常ユーザーは課金しないとアプリ内の仮想通貨が買えないが、
アプリのユーザーが広告主が求めるアクションを実行することで、
ユーザーから見ると無料で手に入れることができるというリワード広告の仕組みを提供している。
タップジョイ:http://www.tapjoy.com/
2007年に北米で創業、サンフランシスコ本社。
日本法人は去年4月開始、スタッフ9名。
北米ではトップパブリッシャーの大半で使ってもらっている状況。
北米の市場について
スマホ市場
飽和しているように思うかもしれないが、実はそんなことはない。
アメリカでは、2013年に普及率43%でまだまだ伸びる余地がある。
2016年には1.92億人がスマホをもつ。
タブレット市場
アメリカではタブレットもスマホと同じくらいの市場規模がある。
タブレットユーザー2016年に1.54億人。
モバイル広告市場
ナショクラのスマホ広告予算が増えて、ブランディング広告増える。
2013年 4200億円
2014年 6300億円(予測)
海外プロモーション
海外デベロッパーのプロモーション方法としては、日本とほぼ一緒。
広告出稿の傾向
CPI広告はブーストキャンペーンがやりつくされてダウントレンドに。
最近のトレンドとしては、
広告出稿で獲得したユーザーの継続率・LTVをしっかり計測するケースが高まっている。
最初のボスを倒すとか、チュートリアル完了の地点を、
成果対象にするような案件が増えている。
単純なCPIからビデオ広告や、CPE広告(チュートリアル完了みたいなもの)に変わりつつある
ビデオ(動画)広告
最近では、(広告主側から)ビデオ広告の評判が良い。
ビデオ広告・・・
ビデオをみておもしろいとおもったユーザーが、
アプリをDLするノンインセンティブ型の広告。
課金地点
ビュー課金モデル。
動画を最後までみると、
ユーザー⇒仮想通貨・ポイントもらえる。
アプリ(媒体)⇒報酬が入る。
広告主としての広告効果について
広告主からすると、
動画1ビューあたりの課金で2〜5セント(2〜5円くらい)で出稿が出来、
動画を見終わったユーザーの1〜7%程がアプリをDLする。
ユーザー獲得単価は、1DLあたり2ドル以下(200円以下)で獲得可能。
中には60円くらいで獲得できている例も。
また、動画をみてアプリをダウンロードしたユーザーの15〜40%は、
2週間〜1ヶ月後も継続的にアプリをつかっている。(もちろんアプリが良くないとだめ)
安い単価で良質なユーザーが獲得できるケースが増えていて、
海外では動画広告が盛り上がり始めている。
動画素材について
広告主としては効果を高めるために、
動画素材が重要になる。
ゲームの世界観をつたえるよりも、
実際のゲームプレイ画面などを紹介した動画のほうがDL率は高い。
これは、アプリのプロモーション動画つくるときも一緒でしょう。
アプリの実際のプレイ画面をメインで使うようにしようということですね。
最近の傾向について
広告主側で効果計測が当たり前になってきているので、
「効果のでない媒体への出向は避けたい」という感じになっている。
アドネットワークでは当たり前になっている、
セグメント・ターゲティング機能が
リワード型の広告でも強化されている。
タップジョイでもAppstoreやGoogleplayのカテゴリ等で、
ターゲティングできる。
例えば、自分のアプリがカジュアルゲームだったら、
カジュアルゲームの媒体(アプリ)に広告配信する、
特定のキャリア、端末、言語などをターゲットにするなど。
携帯電話、マクド、スタバであれば、
特定エリアに限定したエリアターゲティングも相性が良い。
アプリをDLしたユーザーをリターゲティングして、
レベル3まであそばせるみたいな、リターゲティング機能もある。
リワードつかったマネタイズ
一般的にリワードで成功している運用パターン。
基本アプリの中にタップジョイのオファーウォールをいれて、
もしくはリワード広告をいれて、広告売上をあげる。
課金の売上が100上がっていたとすると、
その上に広告売上が+20〜50%くらいが成功ケース。
広告売上の一部をペイアウト(払い出し)する人もいるが、
広告出稿として使って、新規ユーザーを獲得しDAUをあげる。
DAUあげると課金売上があがって、広告収益をあげる。そのサイクルをまわす。
収益の上げ方
リワードで広告収益を稼ぐには、
リワードのビュー数をいかに稼ぐかが重要。
オファーへの誘導を工夫することで売上変わってくる。
リワードをつかうユーザーは、
基本的に、課金することのない非課金ユーザー。
「課金ユーザーが無課金に流れる可能性があるのでは?」という相談があるが、
課金ユーザーは課金ユーザーでありつづける。
ショップの中だけにオファーウォールがあると
課金ユーザーの目にしか触れない。
非課金ユーザーの目に触れるところにも導線を置く。
・コインが足りないときにリワードに誘導する
・トップやメイン画面にも導線をつくる
リワードは「媒体がユーザーに何ポイント還元するか?」
という設定が可能。
ソシャゲのガチャは相性がわるい一回300円〜500円かかるから。
リワードの広告アクション3〜4回やらないといけない。
小額課金(50〜100円)の単価のアイテムと相性が良い。
広告予算が動画にまわってきているので、
動画専用のアドユニットを実装することで収益が上がる可能性が高い。
動画への導線
「動画をみてポイントを獲得する」
「ビデオをみてコンティニュー」⇒仮想通貨が必要ない
まとめ
広告主サイド(広告を出稿する側)の話と、媒体サイド(広告を実装するアプリ側)の話が、
一緒に語られているのでちょっとわかりづらいかもしれません。
あとリワードの仕組み自体も、
まだまだ当たり前に実装されているレベルではないと思うので、
いまいちわからないという方もいるかも。
改めて出来るだけわかりやすく説明します。
リワードはユーザーがお金を払わずに、
アプリ内通貨を手に入れられて、アプリ側としても収益化できるという仕組みです。
アプリをつかうユーザーには、課金ユーザー・非課金ユーザーがいますよね。
非課金ユーザーはお金をはらわないわけで、本来収益化出来ないわけですが、
リワードの仕組みを使えば、非課金ユーザーを収益に変えることができる、と。
お金の流れとしては以下のイメージ。
広告主が「1DLしてくれたら200円払ってもいいぜ!」みたいなのがまずあって、
その200円の予算が全体に分配されるような感じ。
そして、講演で述べられていたのは、
リワードには、動画型広告、ターゲティング広告などの新しい形態も出てきている。
こういう広告には大企業が予算を使うので、
アプリ開発者としては非常にマネタイズのチャンスだということ。
また、ターゲティング広告や広告計測が進化してくると、
例えば、広告の誤タップを誘発するような実装をしていると、
「このアプリは広告クリックは出るけど、効果が悪い!」
と敬遠されてしまうということが起きうる。
なので、アプリ開発者としては、
今までは、広告の表示”量”を考えていればよかった訳ですが、
今後は”質”や”ユーザー層”も大事になってくるでしょう。
一言で言うと、
リワードをうまく使うことで非課金ユーザーも収益に変えられるので、
プラスαでの収益化が出来るよ!
そんな大枠のお話でした。
LTVというのはライフタイムバリューの略で、
「ひとりのお客さんからどのくらい利益が上がるのか?」という意味の、マーケティング用語。
例えば、ランドセルのLTVはせいぜい5万円とかですよね(1回しか買わないから)
携帯電話のLTVは月々5,000円×2年継続すると、12万円ということになります。
健康食品・化粧品などの継続して使うものは、一回の支払いが少なくてもLTVが高くなります。