日経MJ新聞を読んでいて、
ひとつ面白いアプリビジネスを見かけたので紹介したいと思います。
東京千代田区の企業、株式会社エーピーコミュニケーションズさんでは、
「診断系アプリを利用した、WEBサイトへの集客を支援するサービス」
を行っているそうです。
内容としては、その会社に合わせて「診断アプリ」を作成し、
企業のWEBサイトにアクセスを流す、というサービスです。
言葉で書いてもわかりづらいと思うので、
キャプチャ画像を使ってで説明します。
例えば、
「結婚相手相性診断」というアプリ。
ちなみに、DL数は8万ダウンロードだそうです。
見た目は普通の診断系アプリで、
4択の質問にタップで回答していきます。
10問の質問に回答すると、
診断結果ページが表示されます。(下図の真ん中が「診断結果ページ」)
「詳細」(オレンジ矢印のところ)を押すと、
診断結果を文字で見ることができて、
「他にもこんなコンテンツがあります」(赤矢印のところ)ところを押すと、
企業の有料コンテンツに誘導されます。
ビジネスモデルとしては、
サイトへの誘導数や購入率などに応じた、
完全成果報酬制(初期費用なし)をとっているとのこと。
つまり、赤枠矢印部分のアクセスが収益につながる。
アクセスを誘導したら1PVで○円ください、
誘導したユーザーが課金や買い物したら○%ください。
みたいな感じですね。
アプリ導入企業からすると、
初期投資なしで実施できるので、GOサインは出やすいことと、
診断アプリを経由することで、
ユーザーはそもそも診断アプリをDLしているわけですから、
ニーズのあるユーザーを捕まえてこれるという点は非常に良いと思いました。
計画は5億円!しかし真似ても簡単に儲かる話ではないとおもう
なお、日経MJ新聞の記事によると、
エーピーコミュニケーションズさんの事例では、
アプリからサイトへの移行率は9割を超える。
1人の診断回数は5回程度。現在、不動産会社の参加も決まっていて、
1年で300社との契約、5億円の売上を見込む。
とのことです。
個人的には、事業レベルで売上があがるかというと、
そこまで簡単ではないと思います。
エーピーコミュニケーションズさんの計画をみても、
300社で5億円の売り上げをあげるとなると、
1社から平均170万円の収益ですね。(あくまで平均)
成果報酬で170万円の収益をあげるというのは、かなり大変ですよ。
例えば、アフィリエイトサイトを運営している人はわかると思いますが、
アフィリエイトで累計100万円以上稼いでいる人でも、10%もいないと思います。
成果報酬の仕組みだと、
おそらくアプリを低コストでたくさん、
型にはめこむような要領でつくらないと収益にならないでしょう。
ビジネスとして成り立たせるとしたら、
ランサーズなどのクラウドソーシングサイトで、
診断系アプリのテキストライティングを安く募集している仕事がありますが、
このような形でアプリを低コストで量産して、企業に売り込んでいくという感じでしょうか。
・アプリのアイデア・コンテンツ作成依頼-ランサーズ
・診断アプリのテキストライティング-ランサーズ
たぶんこういうのに近い方法でやらないと、
コスト自体も回収するのが難しい気がしています。
(もちろん、エーピーコミュニケーションズさんはどのようにしているか知りません)
ただ、不動産や、化粧品、健康食品、クレカ、保険など客単価の高いビジネスであれば、
成果報酬時の跳ね返ってくるリターンも大きいと思いますので、
業種絞ってうまくやるのであれば可能性がありそうです。
個人開発で無料アプリモデルで、なかなかうまく言っていなくて、
知り合いに、通販サイトなどの経営者がいる、という方は、
こんなビジネスモデルも試してみていいかもしれません。
もしくは、
・成果報酬でアプリを持つことを体験させて、別のアプリを有料でつくってもらう。
・アプリできっかけをつくって、HP制作、システム開発などのニーズがあれば提案する。
のような二次的な営業が成立しそうな会社さんは、
最初に販売する商材(ドアノックツール)としては、良いかもしれませんね。
真似したら簡単に儲かるとかが書きたい訳ではなく、
自社アプリを開発する以外にも、別のマネタイズの可能性もあるということを書きたかったので、
ぜひその点で参考にしていただければと思います。