GooglePlayは競争激化!メタップスが教えるAndroidアプリの広告コスト最小化戦略-D2CRアプリセミナー

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9/26に東京(汐留)で開催された、
D2CRさん主催のセミナー「Androidアプリマーケティング最前線!LINEフリーコインの現状など!」に参加してきました。

d2crseminor_201309

本記事では第二部の「競争激化のGoogle Play向け 広告コスト最小化戦略」について、
参考になったポイントをまとめたいと思います。

第一部のLINE出澤さんの講演は以下の記事にて、
時速30,000DL!Androidリワード「LINEフリーコイン」効果事例とLINEユーザーデータまとめ

第二部「競争激化のGoogle Play向け 広告コスト最小化戦略」株式会社メタップス代表 佐藤航陽さん

メタップスについて

現在世界に6拠点、2つ追加予定。
東京に本社があるが売上は海外がほとんど、グローバルで稼いでいる変わった会社。

提供サービス

メタップス・・・アプリ収益化プラットフォーム、SDK提供していてグローバルで4億DL。
spike・・・手数料無料の決済サービス。

最近のGooglePlayについて

GooglePlayは「超」がつくほど競争激化。

億単位で稼いでいるデベロッパーと、
数10〜数100万円のデベロッパーと二極化が進んでいる。
アプリを閉じてしまっているデベロッパーも出てきている。

昨日の段階でのGooglePlay売上トップ50アプリ。
顔ぶれが固定化されている。

プラットフォーマー

LINE、GREEなど自社でゲーム展開・莫大なトラフィックをもっている企業。

早期参入企業

コロプラなど、早期タイミングで参入しノウハウをつかんだ企業。

GooglePlay売上トップ50アプリのうち、
実はプラットフォーマーと早期参入企業で、50%くらいを占めている。

googleplay_pfsoukisannnyu

最近多いのが以下。

IP・版権元

プロ野球、幽遊白書、ガンダムなどのアニメ。
最近増えてきている。

googleplay_ip

オンラインゲーム・コンシューマーゲーム企業

3Dゲームなど、モバイルゲームをはるかに超えるクオリティ。
開発コストも1億円超え、エンジニアも20名程。

googleplay_onlinegame

外資系アプリ

見落としがちだが外資系も増えている。
欧米で2ケタ億DL売っているデベロッパーが英語圏のユーザーを取りきり、
ローカライズが面倒で後回しにしていた東アジアを、大きく予算をとって攻めてきている。

googleplay_gaishi

メモ:無料アプリといえども大手企業・強力なコンテンツを持つ企業が多く参入してきているフェーズに。

GooglePlayプロモーションの課題

GooglePlayランキング難易度上昇

GooglePlayランキング上昇の難易度が上昇している。

全体としてプロモーションの方法が増えてきている。
LINE、Facebook、GREEなど規模の大きいプロモーション媒体も増えている。

多くのアプリがプロモーションをかけた結果、
ランキング上昇に必要なDL数がかなり上がっている。
1年前の3倍以上のDL数が必要になっている。

プロモーション方法の差別化が困難に

ランキングを上げて自然流入を獲得し、
その後、ノンインセンティブ広告、CPC広告を組み合わせて、
費用対効果をあわせていくという、鉄板のプロモーション方法が普及し、
「どれだけ資金をつっこんだか」という勝負になりつつある。

「単発のプロモーションで成功した失敗した」という時代は終わった。

人気の新着ランキングを見ると、
複数のアプリをもっている企業が多い。

実際、人気の新着50位以内に
2個以上のアプリが同時にランクインしている企業が5社以上。
7割以上が50万〜100万DL以上のアプリ群をもっている中規模以上のデベロッパー。

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彼らは単発のプロモーションで成功したというよりは、
自社の資産を利用してランキングを上げやすくしている傾向がある。

一方で、小規模デベロッパーが上位から消えてしまっている。
今までは個人デベロッパーが面白いアイディアでヒットし何10万〜何100万DL獲得、
ということもあったが、2013年になってからはあまりない。

プラットフォーム戦略

今後は、各デベロッパー・SAPとも、
長期的なプラットフォーム戦略が求められる。

GooglePlayのユーザーはGoogleのユーザーなので、
会員登録をさせたりすることがハードルが高くプラットフォームがつくりにくい。

好調企業の特徴

・ユーザーを資産化している。
・広告コストを最小化している。
・流入導線を常に持っている。

好調な企業はGooglePlay上で、
擬似的にプラットフォームを作ってユーザーを資産化するような動きをしている。

初期段階ではプロモーションコストをかけたとしても、
徐々にコストを下げて最終的にお金をかけずに、
新作のタイトルにユーザーを流し込める状況をつくっている。

ゲームに関しては、
放っておくとARPUが上がってユーザーが減っていく。
新しいユーザーが入ってくる導線を常につくっておくことが重要。

自社アプリ間のクロスプロモーション

ユーザーを滞留させ資産化

・トラフィック用のアプリと収益を稼ぐアプリを分けている。
・新作がでるたび、ユーザーを会員のように移動させる。

自社アプリ間のクロスプロモーション、
アプリを10個以上もっている企業だと緻密に設計しているが、
2〜3個のデベロッパーはあまり意識していない。

メリットが非常に大きい。
アプリごとにプロモーションコストをかけることに比べてコスト半減できる。

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トラフィックが集まるアプリでユーザーを稼いで、
ユーザーを流し込みプロモーションしている。

最近は、マネタイズアプリをつくっている企業でも、
ソーシャルゲームとミニゲーム、ソーシャルゲームとエンタメなどのように、
トラフィックを集めるアプリをつくっている。

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最近は「マネタイズが出来る」というのは分かっているため、
どちらかというと「どれだけトラフィックを安く集められるか」という勝負になってきている。

メモ:コロプラの「Kuma the Bear」シリーズなどはわかりやすい。
「Kuma the Bear」ブランドのライトゲームをガンガンだして、「魔法使いと黒猫のウィズ」のような本命アプリに送客している。

参考:コロプラのスマートフォン向けアプリが累計3,000万ダウンロードを突破!

他社アプリ間クロスプロモーション

他社アプリ間でのクロスプロモーション。
日本ではあまり一般的ではないが、すごくメリットがある。
競合にならないアプリとユーザーを回しあう。

他社相互層客のメリット

・ユーザーには寿命があり、複数社で擬似的なプラットフォームがつくれる。
・他社間でユーザー交換することで常に新規ユーザーを取り込む導線をつくる。

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一見ユーザーが減ってしまうと思うかもしれないが、
ユーザーには寿命があるので、結局は運命的に離脱する。

(例えばゲームをクリアしてしまって、
次にやることがないユーザーは離脱してしまう。)

それであればユーザーを別のアプリに送ってあげて、
かわりに新しいユーザーを1人もらったほうが得。

北米だとトップデベロッパー同士がユーザーを回しあっている、
ここ半年で日本でもかなり普及してくるのでは。

他社アプリ間クロスプロモーションで常に新規ユーザーを入れることが出来れば、
GooglePlayで「人気の新着」での表示が終わった後でも、
「人気の無料」「カテゴリランキング」でも一定の順位を保っていられるというメリットもある。

補足:GooglePlayではリリースから1か月経過まで「人気の新着」ランキングに入る権利がある。リリース1か月以内に「人気の新着」でランキングを上げ、DLを稼げるかがひとつの勝負。

Exchanger

Exchangerは広告を表示した回数に応じて、
他のアプリにも自分のアプリが露出されるというサービス。

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露出した回数にあわせて自分のアプリが他のアプリに露出されるため、
クリックされなくても、露出=集客につながる。

アプリがDLされればお金も入る。
集客と収益化どちらも同時に行うことが出来る仕組み。

収益事例

180万回表示した場合、
広告収入としては約48万円。

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180万回表示したことで、他のアプリで自分のアプリが180万回表示される。
180万回表示されると通常、約1,500DLノンインセンティブでユーザーが獲得できる。

ノンインセンティブでユーザーの獲得単価は1件、300〜500円くらい。
300円で換算すると広告価値としては45万円(1500DL×300円)の価値。

結果的に180万回表示して、
約100万円くらいの価値になる。

ecpmでいうと500〜600円と良い結果がでている。

クリエイティブの最適化

クライアントに一番きかれるのが
「アイコンはどうしたらいいですか?」

アイコンというのは大体プロデューサーの勘でつくったものなので、
本当に効果が良いのかわからない。

metaps_iconabtest

経験上、「アイコンを金のフレームに入れるとどうなるか?」
「女性をいれるとどうなるか?」というデータ・ノウハウはあるが、アプリによって結論が全然違う。

例えば、カジュアルゲームのアイコンを金フレームにしても効果がない。
逆にコアゲームのアイコンに、ピンクやオレンジをつかってもあまり効果がない。

exchangerではアイコンを複数登録しておくと、勝手にABテストをする機能がある。
アイコンひとつでも予想以上の効果の違いがある。
アイコンだけでCVRで3.6倍の差が出てくる事例も。

補足:
既にご覧になった方も多いかもしれないが、メタップス佐藤さんのブログにて公開されているアイコン効果事例。本当にバカにできない。
appicontest01

appicontest02

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引用:「45万回のアイコンABテストにみる、ダウンロードされやすいアイコンの特徴とは?」

 

アイコンで広告価値が2,000万円以上の差に。

3.6倍は大したことないと思うかもしれないが、
プロモーションプランをシミュレーションしてみると、

初月に1000万円投資し、
ブーストして「人気の新着」でトップ10以内に上げて運よく5位に着地した場合、
アイコンでCVRで3.6倍の差があると、

アイコンA(5位)自然流入30,000DL
アイコンB(5位)自然流入10万8000DL

という結果になる。

自然流入1DL300円で広告価値換算すると、
アイコンA・・・広告価値900万円
アイコンB・・・広告価値は3200万円以上。

アイコンひとつで
プロモーションの費用対効果って2000万円以上差がついてしまう。

実際に、プロモーションを請け負っていても、
「タイミングも順位も同じなのに自然流入数が違う。なぜ?」ということがあるが、
アイコンのクリエイティブの差なのかなと感じている。

メモ:アイコンの効果は目に見えない分見落としがちだが、機会損失が発生しているかもしれないという考えは常に頭に入れておきたいところ。

まとめ:激戦のGooglePlayを勝ち抜くための戦略3つ。

・自社回遊。ユーザーをどれだけ資産化できるか、会員のように扱えるか。
・ユーザーは枯れてしまう。コストを極力安く、ユーザーを外から獲得できるか。
・クリエイティブの最適化。広告効果が数倍に変わる。

イメージは湖、

image_mizuumi

ユーザー ⇒魚。
湖    ⇒自社のアプリ。自社回遊で魚に泳いでもらう。
川    ⇒他社間回遊。他社とのクロスプロモーションで魚を一定量呼んでくる。
水の透明さ⇒アイコン等のクリエイティブ。どれだけ魚がきてくれるかと連動している。

QAコーナー

自社アプリ間の回遊が難しいため、他社回遊に興味があるのだが、日本以外アジアでも同じことがいえる?

他社回遊は北米では一般的だが、アジアはまだ浸透していない。
ちなみに、マーケティング的には日本がアジアで一番進んでいる。
今後半年〜一年でスタンダードにはなってくると思う。

日本が一番進んでいるということは、アジア(台湾、シンガポール、香港など)では今まで日本で行われていたプロモーションが通用する?

そうですね。
アジアに関しては、LINEのような大きいプラットフォームが今までなかったため、
プロモーション予算はあったとしても、投資ができない市場だったし、
自社回遊・他社回遊という概念自体もないので、動きようがなかった。

日本市場の10か月前くらいが、
台湾・香港・シンガポール市場というイメージ。

アジアのユーザーは課金に勢いがある。
ようやくアジアも、マーケティングの環境的に追いついてきたように感じる。

Exchangerについてはアプリ相互送客時のアプリのジャンルはマッチングされる?

今の段階でセグメント・ターゲティング分け機能はない。

exchanger導入アプリとしてはツール・エンターテイメント・非ゲーム系が多いため、
ゲームアプリの方はジャンル・ユーザー層が、かぶらなくて良いかもしれない。

今後については、どのようにユーザー層がぶらないようにするか考えている。
随時アップデートを予定している。

聞いてみて感想:

バカに出来ないアイコンのクリエイティブ。通常は検証しづらいが、大きく結果に差が出ていることが実証されている。こういうのはデータで検証しないと結果が予想できない。AndroidアプリだけではあるがExchangerのようにアイコンクリエイティブのABテストを手軽にデータ検証できる手段というのは貴重では。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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