LINE主催の「LINEを活用したマーケティングセミナー」から講演をハイライトでお届けします。今まで表に出てこなかったLINEゲームの話など、LINEについて理解を深めることができる内容です。
<目次>
1、「世界展開を加速する LINEゲーム」LINE 大塚さん
2、「世界に拡大するマーケティングプラットフォームとしてのLINEの今後の展望」LINE 出澤さん
LINEゲームについて。
LINEゲームのダウンロード数
1年半前に「LINEゲームプロジェクト」をはじめて57タイトルをリリースしている。合計3億6000万ダウンロード。
LINE POP :4,200万DL
LINE Bubble :3,300万DL
LINE ポコパン :3,400万DL
LINEウインドランナー:1,900万DL
LINE Jelly :1,100万DL
LINE HIDDEN CATCH : 900万DL
実は、LINEは世界5位のゲームパブリッシャー
AppAnnieのレポートではゲームパブリッシャーとしてLINEは世界5位、 ゲーム以外では世界1位の収益をあげている。 ※画像:App Annieによる2013年のアプリ市場9つのトレンドより
LINEクッキーランがアジアで爆発
LINEクッキーランがアジアで大人気。タイではずっと売上1位、台湾では2-3位。 クッキーランの月ごとの売上のグラフ、具体的な数字までは言えないが、実はタイだけでも日本の売上ランキングでも相当高い位置にいるレベルの売上がある。タイ&台湾はオススメ。
※2月⇒3月で急増しているのは交通広告・テレビCMなどプロモーション施策の結果。
LINEクッキーランの大ヒットがタイのスマホゲーム市場を2倍以上に拡大するほどに、 いまもクッキーランだけでタイのスマホゲーム市場の半分以上を占めている。
タイの人は「ゲームを遊んでくれるけどお金を払わない」というイメージがあったが、 おもしろいゲームを提供すれば払ってくれることがわかった。
台湾のARPU(ユーザー1人あたりの課金額)は日本と変わらないくらいになっている、単純に人口数が違うだけのようなイメージ。シンガポール、インドネシア、マレーシア、香港などの市場も急成長中。
アジアではクレジットカードは使われない
東南アジアでは誰もクレジットカードでお金を払ってくれない。 LINEでもプリペイドカード含めたWEBストアの開設が成功、大きな決済手段として成長した。
通常タイや台湾でゲームアプリをだすと、AppStoreやGooglePlay上の決済になるが、 LINEゲームの場合、プリペイドなどの決済手段があるのが有利。
LINEゲームとの提携
「LINEゲーム」は自社開発のゲームはほぼない、クッキーラン、ポコパン、ツムツムなどほとんどサードパーティー製。
あまりオープンになっている印象がないと思うが、日本のゲームアプリの開発会社さんと組みたいと考えている。「LINEと一緒にやりたい!」とおもったらぜひお話をいただけたら嬉しい。
取り組み形態&どんなゲームと提携したい?
<取り組み形態>
パブリッシング・・・全世界展開でLINEと提携してゲームをだしていく。
ローカルパブリッシング・・・東南アジアだけLINEと提携してゲームをだすなど。
<提携したいゲーム>
1、ダウンロード無料 ・・・アプリ内のアイテム課金のみ。
2、ソーシャル体験が命・・・LINEでやるからには大事、ヒットしたLINEゲームはバイラルで広まった。
3、iOS&Android同時 ・・・片方だとバイラルがとまってしまう。
4、どんなジャンルでも・・・カジュアルゲーム以外でも歓迎。
LINEとパートナーでの役割分担
・LINE(パブリッシャー)
マーケティング(※)、プロモーション、コンサルティング、運営、LINE連携部分のQA、カスタマーサポート、サーバー設置
・パートナー(デベロッパー)
開発、アップデート、サーバー設計、ゲーム部分のQA
※海外の現地担当と連携。例えば同じ東南アジアでもタイと台湾はぜんぜん違う。タイではポコパンがあまりヒットしていない、理由はポコパンのキャラがタイの人には気持ち悪いと感じる。そういったニーズ調査など。
LINEユーザーは4億5000万人を突破
LINEのユーザーは4億5000万を達成、特に海外のユーザーが増えている。 今年の4月1日に4億人突破のリリースをしたので、70日間で5,000万人増ペース。
スペイン :1,800万人
インド :1,800万人
韓国 :1,400万人
日本 :5,100万人
台湾 :1,700万人
タイ :2,700万人
マレーシア :1,000万人
インドネシア:2,000万人
アメリカ :1,000万人
メキシコ :1,000万人
LINEが海外でやっていること
日経さんの記事で「コロンブス作戦」と名づけていただいたが、LINEが最初にスペインで流行って、次は隣のフランスやイタリアではなく、海を越え同じスペイン語圏である南米でヒット。海外では地道な施策や空中戦もふくめて地道に一生懸命やっている。
スタンプのローカライズ
単純な言語翻訳は当然やるけれどスタンプを海外によって絵柄を変えていたり、 右上はインドネシアの「ラマダン」という宗教行事の期間にあわせてつくったスタンプ。
ブラジルでは「ムーンがナヨナヨして気持ち悪い」と不評だったため、 筋肉ムキムキのマッチョにして、現地のスラングをスタンプに入れた。 地域特化じゃなくてグローバルに通じるアイコンとして、サッカーの有名なチームとの提携。
システム側の取り組み
社内のサーバーサイドのエンジニアと、アプリのフロントエンジニアで、「LINE遠征隊」というチームを組んで、LINEユーザーが多い地域に1週間くらい行って、通信速度のチェックや、サーバーをどこに置くべきかなど、細かい調査やチューニングをしている。
テレビCMのローカライズ
テレビCMでは一人のタレントさんで共通でつくってしまったほうが制作効率は良いが、そこはあえてこだわって各国でそれぞれ別のストーリーでつくっている。
スペインのCMの出演者は「リアルで付き合っているのではないか」という噂がある2人をあえて同時起用して話題性をつくった。
リアルなタッチポイント
リアルなタッチポイントも重要、台湾でテーマパークもつくっている、伸べ35,000人が来場してくれた。 キャラクターショップを開いてユーザーとの接点を深めている。
実は中国でもユーザー増加中
対外的には大きく公表していないが、中国でも沿岸部を中心にLINEユーザーが拡大している、 テレビドラマをつかったプロダクトプレイスメントも功を奏して、ユーザー数も大規模に伸びている。
(参考記事:LINEが韓国で仕掛けた「テレビドラマをつかった宣伝手法」がすごい)
グローバル企業との連携
グローバル企業との連携、テレフォニカと提携して欧州中南米でプリインストールなど、キャリアさんや端末メーカーとの協業もおこなっている。
編集後記
LINEゲームってけっこうオープンに提携先探しているんだね、厳選してLINE側から一本釣りしているイメージだった。
タイでランキング上位までいければ、日本のランキング上位とも遜色ないくらい稼げるっていうのは驚き。アジア(台湾・タイ・香港・ベトナム)とかは、日本テイストのアプリが受けているように感じるし、チャンスあるとおもうなあ。
ムーンをむきむきマッチョにしたら受けたとか、ポコパンのキャラはタイでは気持ち悪がられるとか、この辺の国ごとのセンスはいまいちわからない…。やっぱ現地人の声を聴かないとずれるのだろう。