「ユーザーの86%がアプリストア経由」ファッションアプリ「iQON」がECサイトに月1,000人の会員登録を送り込める理由。

2014年10月01日 |
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本日は「スマホ✕EC勉強会」(メタップス社主催)にて開催された、iQON運営の株式会社VASILY CEO金山裕樹さんの講演をお届けします。

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iQONを始めたきっかけ

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※株式会社VASILY CEO金山裕樹さん(VASILY HP参照)

金山:
僕がiQONをやろうと思ったのは2007年です。当時ヤフーに勤めていて、YahooFashionやX BRANDなどのウェブサイトの立ち上げをやっていました。

その時に気づいたことがあるんです。それは、どうやら「ネットの中にはファッションのコンテンツが全然無い」ということ。

例えば、楽天さん、ZOZOさんなどのファッションを売るサイトはすごく増えていた。けれども「どんな服を買ったらイケてるの?」という情報を発信しているサイトがなかった。

それを見て、僕はヤバイ未来を想像したんです。それは、このままだとみんなファッションに興味がなくなって、女の子がオシャレじゃなくなっちゃうんじゃないかと・・・。

想像してみてください、オシャレでキラキラしている女の子100人 VS 割烹着の女の子100人、どっちに囲まれたら嬉しいかっていうと、特殊なケースを除いた場合は前者だと思うんです。

「これはヤバイ・・・!」って本気で思ったんですよ。それ以来僕は、ネットの中にファッションの情報をたくさん増やしていく仕事をしていこうと決めた。

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※こうして生まれた「iQON」は女性特化のファッションコーディネートアプリ。

iQONスタートから4年、100万会員を達成。

金山:
iQONをスタートしたのは2010年ですが、実は4年かかってやっと会員が100万人を超えました。広告は1円も使っていなくて、いわゆるグロースハックで改善を重ねてきました。

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ユーザーからのアプリの評価も高い。

金山:
おかげさまでユーザー様からも、とても良い評価を頂いていて、比較対象として適切かわからないのですが、ZOZOさんの「WEAR」と比較しても、ストアの☆5のレビュー数でこのくらいの差があります。

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iQONのユーザー属性

金山:
iQONのユーザーは、年齢は18-34歳(F1層)が中心です、10代が40%、20代が40%、30代以上が20%。職業では大学生、主婦、会社員の方が多いです。

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iQONユーザーの特徴

金山:
こちらのグラフは、ユーザーのアンケートからあぶり出された特徴です。面白いのが、特徴2の「ファッション誌を読んでますか?」という部分。実は、63%のiQONユーザーがファッション誌を読んでいない、それでもiQONにアクセスしている。

昔はファッションに興味がある女性であれば、みんなファッション雑誌を読んでいたんですよね。ファッション情報を知る経路が、いよいよネットになってきているのかなと感じています。

そして特徴3の「19時から23時が利用のピーク」という部分。土日のアクセスは平日の120%ぐらいにアップします。さらに、台風になると150%ぐらいになるんです。

ここから利用シーンが想像できますよね。仕事や学校が終わって、家でテレビをつけてご飯を食べながら、テレビを片目にLINEをやっている。LINEで何往復かして「既読」にならない瞬間にホームボタンを押す。

facebookっていう気分でもないし、じゃあちょっとiQON見てみようかな、という感じの使われ方がすごく多いのかなと想定しています。

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iQONのビジネスモデル

金山:
iQONのビジネスモデルは主に三つです。一つはアフィリエイト、iQON経由で商品が売れた時に成果報酬でお金を頂きます。二つ目は広告、バナーだったりタイアップ型の広告を展開しています。

三つ目は課金、ユーザーさんから直接お金を頂いています。売上比率でいうと、アフィリエイトと広告が半々くらいで、課金(4月から開始)はこれからといった感じです。

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※収益源は3つ(図は編集部作成)

21世紀はサーチ(検索)の時代じゃない。

金山:
電通さんの「AISAS」をお借りして説明します、iQONではサーチのS以外で広告商品を用意しているのですが、なぜかというとモバイルではあまりサーチ(検索)ってしないからです。

本質的に何が変わったというと、デバイスの違いが大きいと考えています。20世紀はPCの時代で、21世紀はモバイルの時代。PCは前のめりで欲しい情報を得る、スマホは後ろのめりでなんとなく情報を眺める。

例えば、20世紀に一番成功したネットの会社っておそらくGoogle、サーチの会社ですね。21世紀はどこかというとfacebookだと思うんです、faceobookではサーチはしない。

iQONは特にそうで、僕らはユーザーにサーチさせたくないとさえ考えています。やっぱりファッションって「言葉による検索」では探せないんです。ZOZOさんで「Tシャツ」「黒」「1万円」「mens」って検索すると、数百もの商品が出てきて逆に選べないですよね。

「言葉による検索」で見つかりにくいものを発見するためには、僕らはひたすら絵をみせるしかないと考えています。精度高く絵を見せて、その中からピックアップしてもらう。ここをテクノロジーの力を使って追及していきたいと思っています。

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iQONにやってくるのはネットに擦れていない女性ユーザー。

金山:
面白いデータとして、提携しているECサイトさんの(iQON経由での)新規会員登録率を取得させていただいているのですが、新規購入の数がとても多いです。

サイトさんによってはアイテム(商品)をiQONに連携しているだけで、毎月4桁の新規会員がiQON経由で増えていっています。

どうしてそんなに良い数字が出ているかというと、iQONのユーザーの86%がアプリストアからきているというところに相関があると考えています。

まずiQONのユーザー候補になる女性の方は、アプリストアを思っている以上になんとなく開く。そして「何か面白いアプリないかな?」と思うわけですが、アプリ名なんてLINEくらいしか知らない。

そういう時に「ファッション」ってなんとなく打つ人が恐らく多い。iQONは「ファッション」で1位にいるので、それで使いはじめてくれる人がめちゃめちゃ多い。

つまり、これまでECで買ったことがなくて、ましてやPCも触ったことがない、初めてスマホを持った女の子、言ってしまえばネットにすれてないユーザーがたくさん入ってきている。そう考えるとASO(アプリストアの検索最適化)ってすごい大事。

逆に悲しいのは、「iQON」っていうブランド名(アプリ名)が認知されていないんです。オープンな調査をすると、実は認知率が5%しかないんですね。恐らくユーザーの多くは「iQON」を使っているけど、名前を知らずに使っているというパターンが多い。

ちなみに、次に流入経路として多いのがソーシャルです、twitter、facebookが10%ちょっと。あとは口コミ。検索エンジン経由はほとんどないです。

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※ほとんどのユーザーはアプリストア経由だという(図は編集部作成)

アプリ経由で店舗へ電話、O2Oの芽も出ている。

金山:
それと今「O2O」にすごく可能性を感じています。というのもiQONには提携ブランドさんのリアルのショップを探す機能があるのですが、一日に10,000単位のユーザーに見られていて、一日150件以上は実際にお店に電話がかけられている。

そして、面白いのがiQONのユーザーさんに「EC利用」に関してアンケートを取ってみたところ、「80%は一回もネットで物を買ったことがない」という結果になったこと。

つまり、iQONのユーザーさんって、スマホアプリのユーザーなのにネットで物を買わない。そして、彼女たちには「リアルショップを探す機能」が受けている。

ただ、この電話のところはトラッキングができず、マネタイズも出来ていないので、経営者としては最悪な感じなんです。もし実店舗でのトラッキング技術を、お持ちの会社さんがいらっしゃればお声がけいただけたら嬉しいです。

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※iQON上のブランドページ⇒ショップリスト(店舗のエリア検索)⇒電話がかけられる。

取材協力:株式会社VASILY

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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