「前日に100位圏外のアプリはブーストが効きにくい」メタップスが語るAppStoreのブーストプロモーション仮説と検証。

2015年01月21日 |
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12月に開催されたメタップスさん主催「マネタイズモデルの異なる人気アプリ成功秘話を、一挙公開」から一部講演をお届けします。ブースト広告の話題をメインに、割と今回はあっさりめにまとめています。

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<目次>
1、アプリ市場と最新マーケティング戦略について。by メタップス
2、お弁当宅配サービス「bento.jp」の企画・運営。by ベントー・ドット・ジェーピー

1、メタップスさんの講演からピックアップ

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ブーストプロモーションについて

原:
ブーストプロモーション※はいまだに健在です、10〜15万ダウンロード程度のユーザーを集めたいという時には有効な一手。(※集中的にアプリをダウンロードしてもらうことで、AppStoreやGooglePlayでのランキングを上げる手法)

ランキング上位の顔ぶれが変わってきている。

原:
ここからが本題で、実はAppStoreのランキングロジックが「どうも様子がおかしいぞ」という風になってきています。まず、2014年10月上旬と11月初旬のランキングの比較をみてみます。

10月(左側)は知名度が低いアプリもたくさんあって、明らかに広告出稿で上がってきているアプリが多い。一方で11月(右側)はAppleやFacebookなどの有名アプリばかりがランクインしています。

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これまでのブーストプロモーション

原:
今までのブーストプロモーションは、19時に5位以内にランクインするために「16時〜19時に集中的に50,000ダウンロードを稼ぐ」というような方法が主流でした。

※AppStoreでは「19時頃にランキングを見ている人が一番多い」と言われている。

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11月以降ブーストが効きにくくなった?

原:
ところが11月以降、この方法では10位以内にも入れないケースが増えてきました。

そこで弊社で2つの仮説を立て、その2つの仮説への対策をした上でブーストを実施したところ、合計5万ダウンロードのブーストで、22時に1位を獲得することができました。

仮説1:「前日に100位圏外のアプリ」はブーストが効きにくい?

対策1:前日に80〜100位までランキングを上げておいた上で、当日ブーストをうつ。

仮説2:ランキングのアルゴリズムに「1時間あたりのダウンロード数上限」がついた?

対策2:1時間で一気にブーストせずに、1時間ごとに分散してブーストをうっていく。

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最近はこの2点に注意すること。

原:
実は11月末〜12月にかけて、この方法でもランキングが上昇しないケースが出てきているのですが、最近の傾向としては以下の2点に注意していただければと考えています。

1つめが「本ブースト開始までにランキングを100位以内に上げておく」ということ。いきなりトップ10までブーストをかけようとしても、順位が上がらないケースが多い。

2点目が「16〜17時を避け、17時から出稿を開始する」です。なぜか「16〜17時のダウンロード数」がランキングへの影響が薄いようで、17時から開始するとうまくいくケースが多い。

結論としては、「13時頃に10,000ダウンロード程度の出稿を行い、17時から本格的にプロモーションを開始する」という方法が、一番成功の確率が高いようです。

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ランキング上位にいられる時間が長くなっている。

原:
もう1つ最近(11月上旬〜)の傾向としては「ランキング上位で順位をキープできる期間が、長くなっている」ということです。

今まではランキング上位にいられる時間は「24時間」くらいだったのですが、11月上旬以降は2倍の「48時間」ほど順位をキープできるケースが増えている。

つまり「ランキング上位に滞在できる時間」が長くなったことで、ブーストプロモーションによる「自然流入ユーザーの獲得単価」は下がり、「獲得できるユーザーボリューム」は増えていて、ここはある意味チャンスでもあります。

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2、「bento.jp」さんの講演からピックアップ

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「bento.jp」とは?

・「bento.jp」は、2タップで、20分以内に、500円でお弁当を届けるサービス(平均10分で配達)
・現在は渋谷と六本木などの一部エリア限定。

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お弁当の販売個数について

・販売個数の伸びも順調、直近で3倍くらいになっている。
・ランチタイムにプッシュ通知をうっている。
・友だち紹介インセンティブも行っている。

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コラボのPR効果について

通常のお弁当販売をしつつも、他社とのコラボでキャンペーンメニューを販売している。(「クックパッドさんのメニューをお弁当にして届ける」「お店とコラボしてシュークリーム、コーヒーを届ける」など)

コラボ商材で興味を持ったお客様がお弁当の購入につながることで、結果として週次の販売数が順調に伸びる形になった。

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お弁当はどのように届けているか?

基本お弁当は、自転車で宅配している。8か月ほど続けてきた結果「注文がどのあたりで多く発生するか?」というデータが蓄積され、スタート時の自転車の配置も最適化され、効率がどんどん上がっている。

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会場からの質問

「お弁当」は、自転車に事前に積んでいるのでしょうか?

小林:そうですね、自転車1台につきお弁当を15〜20個積んでいます。お弁当の在庫がなくなると、補給部隊のバイクが補充しにいっています。

お弁当は自社でつくっているのか、500円という価格で利益は確保できるのか?

小林:お弁当は自社では製造していなく、複数社から仕入れています。価格については、定価は800円で、いまはキャンペーン的に500円でやっています。

500円では利益はでないのですが、宅配コストはリリース当初の1/6にまで圧縮できています。そのため、「中長期には利益を出せる目処は立ってきている」と考えています。

注文を受けてから「どの配達員が配送するか」というのはアルゴリズムで自動で振り分けているんですか?

小林:正確にいうと「半自動」です。ロジックで「この人が配達すべき」というところまで出して、最後に人の目を入れています。

というのも、最初は完全自動でやっていたのですが、例えば「同じ住所でも、入力時の表記ゆれによって、同じ住所だと認識できない」などの問題が発生したためです。

お弁当の在庫管理についてです、在庫があまらないように何か工夫していることがあれば教えてください。

小林:在庫はあえて残るようにしています。コンビニさんがよくいうお話で「いつも売り切れのお店は『今日もまた売り切れかな』とお客さんに認識されてしまう」という話がある。

まだまだ始まったばかりのサービスなので、できるだけ売り切れがおきないように、多めに仕入れています。

取材協力:株式会社メタップス、株式会社ベントー・ドット・ジェーピー

編集後記

ブースト広告はまだまだ効果はあるだろうけど、あまりに頼りすぎると後々困りそう。個人的にはGoogleのSEO(リンク売買)と一緒で、アルゴリズムでだんだん調整され下火になっていきそうだとは感じる。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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