AppLovinさん主催のセミナー「世界で稼ぐハイパーカジュアルゲーム」の講演レポートをお届けします。
※本記事はAppLovin株式会社より、依頼を受けて執筆したPR記事です。
1、「111%」に学ぶカジュアルゲームのグローバル戦略
※韓国のインディーデベロッパー「111%」HyukJung Kangさん
「111%」について
「111%」は2015年に設立した韓国の会社です。78アプリをつくってきていて、アクティブユーザーは180万人(DAU)に到達しています。
会社のスタッフは30人ほど。社内には8つチームがあり、エンジニアとデザイナーが「2人で1チーム」となってゲームをつくっています。
代表作は「BBTAN」というゲームで、世界5,000万ダウンロードを記録しています。とはいえ、ヒットするのは10アプリに1つくらいです。
主に「ハイパーカジュアル」と呼ばれる、シンプルなゲームを世界に向けてつくっています。1アプリの開発期間は1ヶ月半くらいです。
なぜグローバルでアプリを公開すべきなのか?
まず、世界でアプリを公開すべきなのは、その方が売上を伸ばせるからです。こちらの表は「111%」のアプリのユーザーと売上を国別に出したものです。
もしも「111%」が韓国の国内だけでゲームを公開していたら、現在の売上の「たった15%」しかあげられなかったことになりますよね。
ただし、「世界に目を向けること」ってたしかに大事なのですが、同時に「どこの国に力を入れるか」という選択も実は重要なんです。
例えば、日本のように「ユーザー比率」は1%以下だけど、「アプリの売上比率」でみると4%を占めている国があったりするから。
逆に、トルコのように「ユーザー比率」は14%と多いのだけど、「アプリの売上比率」でみるとすごく少ない国もあったりしますね。
※韓国だけでアプリを公開していたら、売上規模は「現在の15%」になっていた。
国によっても「アプリの収益性」は大きく変わる
また、こちらの表は「111%」のアプリをもとに、各国ユーザーの収益性(LTV)を分析したものです。
データの見方としては、アメリカのユーザーの収益性(LTV)を1としたときに、「ほかの国ではどのくらいなのか」を数値で表しています。
結果は「アメリカ、日本、オーストラリア」などでは高い収益性がでていました。国によって収益性が大きく変わるということです。
全世界にアプリを公開して「ユーザー獲得」をしていくなら、このように「収益性の高い国を選ぶ」という作業が重要になってきます。
「111%」アプリの収益データ
111%のゲームアプリでは「広告マネタイズ」が売上の主力になっています。
売上比率でみると、アプリ内課金の31%に対して、広告マネタイズは69%と、おおよそ2倍くらい収益比率に違いがでていますね。
また、僕たちとしては、世界を狙うのに最適なジャンルは、確実に「ハイパーカジュアルだ」と考えているんです。
理由としては「プロジェクト期間が短く、アプリの翻訳も簡単」という特徴があって、リスクを抑えつつ短期間で成功を狙うことができるからです。
ステップ1「まずはゲームの分析をする」
ここからは、グローバルでユーザーを獲得するための「4つのステップ」を紹介したいと思います。ひとつの方法として参考いただければうれしいです。
まず、一つめは「ゲームの本質的な分析」です。
karl!(カール)という、侍が手裏剣をなぎ払うゲームでは、デザイン的に「アジアの雰囲気」を押し出して、日本や韓国や台湾で受け入れられるようにしました。
ユーザーは「より強い剣」を求めてゲームを進め、その過程で広告(動画リワードやインタースティシャル)をみることで売上が発生します。
もちろん、分析すれば成功するわけではないのですが、少しでも成功確率を上げるためには、ゲームとユーザーのことを知っておく必要があります。
ステップ2「世界に向けて少額予算でマーケティング」
ゲームをしっかりつくったら、次に「どこの国で広告出稿すべきか」を選定していきます。
そのために、僕たちがやっているのは「収益性の高い上位50国」に向けて、短期間だけ広告を出稿してみて感触を確かめる方法です。
その結果をもとに、国別でインストールコスト(CPI)と収益性(LTV)を比較します。するとそのゲームと相性が良さそうな国が大体わかります。
具体的に「Turretz(タレッツ)」という、レトロ風ゲームの例で説明したいと思います。レトロゲームは世界中で人気がありますよね。
このときは「Facebook広告」をつかって、1日に2万円(200ドル)の予算で、世界をターゲットに3日間だけ広告を出稿しました。
すると、アメリカ、日本、オーストラリア、ドイツで良い手応えがありました。具体的には、広告のクリック率とアプリのインストール率が高かった。
とくに、iOSアプリに関しては「1日後の継続率(リテンション)」が65%もでていました。これはとても良い数字ですよね。
※アプリのインストールコストは「おおよそ1インストール40〜50円」で獲得しているそう
ステップ3「どの広告ネットワークでユーザー獲得すべきか」
そして「広告を出稿すべき国」がわかったら、次にその国のユーザーを「一番安く獲得できる方法」を探していきます。
Turretz(タレッツ)のときは、いろいろな広告を試した結果、「AppLovin」が一番良いパフォーマンスを出してくれました。
ほかの広告に比べて、広告の費用対効果(ROAS)も15%ほど高く、インストールコスト(CPI)も20%抑えることができたんです。
その後、AppLovinに広告予算をかなり寄せたところ、最終的にアメリカAppStoreで「ゲーム総合ランキング」の80位にランクインしました。
僕たちのアプリは、これまでアメリカで上位になったことはなかったんですけど、プロモーションのおかげでうまく結果を出すことができました。
ステップ4「広告を最適化して予算を増やす」
最後にやるべきことは「広告の最適化」です。これは広告を分析して売上を伸ばしていく作業です。
このときに見るべきところは2つあります。一つめは「指標(KPI)を設定すること」です。
アプリの売上を伸ばしていくためには、カジュアルゲームの場合「広告の費用対効果」や「ユーザーの継続率」が指標になると思います。
もうすこしコアなゲームの場合は、ユーザーの継続率だけではなく、レベルの到達率やゲームの勝率なども指標にする必要があると思います。
もうひとつは「広告出稿して売上を回収すること」です。アプリの収益性が広告コストを上回るのなら、どんどん予算を増やして問題ありません。
ただ、同じ広告を出し続けていると、広告効果は下がってくるので、コストを収益性が下回ったときには予算を減らさないといけません。
僕たちは、収益性(LTV)がインストールコスト(CPI)より低い場合、インストールコストを固定して、デイリーの予算を増やす戦法を取っています。
どうしても時間が経ってくると、広告の反応率がだんだん鈍ってきたり、ゲームの収益性(LTV)が下がってくることがあるんですね。
赤字額が限界に達した場合は、広告を中止したり予算を大きく減らして、収益のほうを優先して発生させることが必要になってきます
ひとつ重要なポイントとしては、予算を少しずつ減少させる方法は、ハイパーカジュアルよりもRPGにあっている戦法かなと考えています。
ハイパーカジュアルは、当日のインストール数によって、売上が急激に変動するジャンルなので、予算をゆっくり減少させると、コストが回収できないかもしれません。
QAコーナー
質問1「ハイパーカジュアルの収益性について」
質問2「広告出稿から費用対効果を合わせるコツ」
質問3「ゲームのユーザー数が伸びている国」
質問4「アプリを翻訳するときのコツ」
2、「Ubisoft」が語るユーザー獲得とデータ分析
※Ubisoft の Saikala Sultinovaさん
Ubisoftについて
Ubisoftのサイカラです。Ubisoftは世界中に拠点があるのですが、日本の大阪にも拠点があります。
最近では、モバイルビジネスも伸びてきていて、モバイルスタジオを買収しています。ハイパーカジュアルで知られるKetchappもそのうちのひとつになります。
わたしの専門はゲームアプリのユーザー獲得です。本日はUbisoftの「グローバルでのユーザー獲得戦略」についてお話ししたいと思います。
利用しているアドネットワーク
ユーザー獲得につかっている「アドネットワーク」は30近くあります。現在「ユーザー獲得予算」のほとんどを動画広告に使っていますね。
また、アドネットワークは常に進化しているので、ユーザー獲得の最前線にいるために、新しいアドネットワークもテストするよう心がけています。
モバイルゲームの「国別の収益性一覧」
Ubisoftでは「収益性の高さ」をもとに、各国をグループ分けしていて(ティア1〜3まである)、それを「ユーザー獲得」に活用するようにしています。
例えば「ティア1」の国は、収益性がほかの国より高いのですが、その分ユーザー獲得単価も高いという特徴があったりもします。
アプリのデータを「どう分析しているか?」
アプリのデータを「どう分析しているのか」を簡単に説明したいと思います。
まず、動画ネットワーク、ソーシャルネットワーク、検索ネットワークと、ユーザー獲得の経路で分けてパフォーマンスを計測しています。
中でも、獲得ユーザーが「アプリを起動しているか」をみるために、1日後の継続率はチェックしていますね。継続率は重要な指標です。
また、獲得ユーザーが「どれくらい広告を見ているか」も計測していて、それをマネタイズのアイディアの参考にしたりもしています。
ひとつ、売上を伸ばすコツとしては「良いゲーム」が開発できたら、プロモーションでアクセルを踏むのを恐れないことだと思います。
やっぱり、最終的に何が大事かっていうと「そもそものゲーム自体」なんですよ。良いゲームというのは毎回つくれるわけではないんです。
だから、もし「いいゲーム」をつくれたとしたら、プロモーションには積極的にチャレンジすべきだと考えています。
QAコーナー
質問1「世界中からどうアプリを集めているのか」
質問2「ゲームのユーザー数が伸びている国」
※【追記(6/5 20:30)】質問3は講演者さまの事情により削除しました。
質問4「予想以上にヒットするアプリはあるのか」
※「Knife Hit」はゲームアプリのダウンロード数で世界2位(2018年1Q、SensorTower調べ)
質問5「SearchAdsとゲームの相性」
質問6「AppLovinをつかったプロモーション」
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【ハイパーカジュアルのマネタイズ記事】
1日に3〜5万円だったアプリ収益が「プロモーションで大化け」数百万円を稼げるように。AppLovinが語る「ハイパーカジュアル」の可能性と成功のコツ
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取材協力:AppLovin株式会社、111%、Ubisoft
広告企画:アプリマーケティング研究所