「君の目的はボクを殺すこと3」のふんどしパレードさんに、広告出稿でアプリの売上を伸ばした事例をお聞きしました。
※本記事は株式会社アイモバイルより、依頼を受けて執筆したPR記事です。
※(左から)株式会社アイモバイル 重高大輔さん、ふんどしパレード株式会社 北迫宏一郎さん、山田裕希さん(聞き手:アイモバイル重高さん)
ゲームを「放置させない設計」が収益性を伸ばした。
「君の目的はボクを殺すこと3(ボク殺3)」について教えてください。
山田:
2015年に公開した「君の目的はボクを殺すこと」の続編アプリです。普通に「2」を出してもおもしろくないなと考えて、いきなり「3」を出してしまいました。
2016年12月にリリースして、ダウンロード数としては、44万ダウンロードされている(iOS 25万:Android 19万)という状況です。
前作と比べて「変わったところ」としては、どんなところがありますか?
北迫:
今作は、放置ゲームでありながらも、あえて「放置させない設計」でつくりました。
ゲームをプレイしている間には、常に「やることがたくさんある」という状態にして、アプリを開きっぱなしで遊んでもらえるようにしています。
具体的には、タップする度に「タマちゃん」が出てくる、短時間でスキルが回復する、魔神はアプリを立ち上げてないと倒せない、などです。
こうした工夫もあってか、前作に比べて「広告の収益性」もかなり高くなっています。意外とここの違いは大きいような気がしています。
2人でゲームを運用していくための工夫。
前作と比べて「ボク殺3」には、いろんな要素も追加されていますよね。
北迫:
そうですね。前作よりもソーシャルゲームに近いつくりになっていて、毎月ランキングイベントをやったり、やりこみ要素も入れたりしています。
ただ、2人だけで開発も運営もやっているので、どうやったら極力コストをかけずに運用を続けられるか、というのはかなり考えました。
具体的にはどういうところを工夫したのでしょう?
北迫:
まず、個別のイベントごとに「ストーリー」と「敵キャラ」をつくろうと考えていたのですが、それは諦めて、イベントの回数を増やすことを優先しました。
それから、ランキング方式で「ユーザー同士で競い合う」など、ユーザー間でモチベーションを維持できるような仕組みを取り入れました。
こうした工夫のおかげで、月に3回イベントをやることができています。
なるほど。
北迫:
それから、キャラクター図鑑に「レビュー機能」をつけて、アプリ上でユーザーが情報交換できるようにもしました。これのメリットは2つあります。
ひとつは「ガチャを回すモチベーション」につながること。たとえば「これを序盤でとると楽」というレビューを見て、ガチャを回してくれるような感じ。
もうひとつは「ユーザーの反応」がわかること。運営サイドから見ても「このキャラはこう使われているのか」と参考にすることができる。
※戦力強化になる「キャラ(下僕)」のレビューを、アプリ内から書き込めるようにした。
月の売上が6倍まで伸びた「動画広告プロモーション」の裏側
「ボク殺3」では広告出稿にもチャレンジされていますが、調子のほうはどうでしょうか?
北迫:
動画広告をつかったプロモーション(広告出稿)は大成功しましたね。大げさですけど「これで未来が変わった」と言えるくらいうまくいった。
普通はゲームアプリって「リリース直後がピーク」という感じで、どんどん売上が下がっていきますよね。当初の「ボク殺3」も正にそうだったんですけど。
でも、広告出稿をはじめてから、ずっと良い売上を維持できるようになった。むしろ、売上がずっと右肩上がりになって、とにかく安定するようになった。
動画プロモーションによる、売上への効果を「言える範囲」で教えていただけますか?
北迫:
先月の売上でいうと、広告出稿をはじめる前月の6倍の売上になっています。
これまでは「半年後のアプリの売上」なんて考えたくなかったですけど、いまは「このくらいはなんとかなりそう」と予測もつくようになっています。
もう少しでリリースから1年たちますが、まだまだ運営を続けていけそうです。
動画広告のプロモーションから、どれくらいのダウンロード数が獲得できていますか。
北迫:
これまで、maioでの広告出稿だけでも、16万ダウンロードを獲得できています。
いまでは、他社さんの動画プロモーションにも広げていますが、メインはmaioをつかっていて、広告費もそれなりにつかっています。
きっかけは、maioさん側から「カジュアルゲームだと、1ダウンロード数十円~百数十円で取れます」と教えてもらったことでした。
試しにやってみたところ、1ダウンロードあたり百数十円で獲得ができて、予想以上に獲得ボリュームも出たため、一気に出稿を強めることにしました。
動画広告クリエイティブについては、maioさんに無料で作成いただいたのですが、クオリティも高くて満足しています。
※「月30万程度の広告予算」があれば、動画はmaioで無料作成してくれる。
広告コストを回収できていて「費用対効果も合っている」ということですよね?
北迫:
はい。1ユーザーの獲得コストを、1ユーザーの収益が上回っているので、広告出稿すればするほど利益が出るようになっています。
※maio全体でみると、カジュアルゲームは「1ダウンロードあたり数十円〜百数十円くらい」の広告コストで獲得できている。
ほかに、広告出稿をしてみて、気づいたことはありますか?
北迫:
広告出稿してから「ストアからの自然流入」が確実に増えました。数字でいうと2倍くらいにはなっていますね。これは意外なメリットでした。
おそらく、安定的にダウンロード数が増えたことで、カテゴリランキングなどが上がって、ユーザーが入ってくるようになったのかなと。
山田:
もうひとつ意外だったのは、広告出稿をしたら「1ダウンロードあたりの収益が下がる」と予想していたけど、実際はそうならなかったことです。
どうやら、自然に流入したユーザーと、広告から流入したユーザーでは、ほとんど収益性に差がなかったようでした。
重高:
ちなみに「ボク殺3」のデータを見ると、広告から流入したユーザーは、maioの動画リワードの再生数が、1.2倍ほど高くなっていました。
おそらく、広告出稿で入ってきたユーザーが「動画慣れしていた」ということなのかなと。
うまくいった5つのアプリマネタイズ施策
1、動画リワード収益は「宝箱+ルーレット型」が73%を占める。
山田:
今作では、広告収益の半分を「動画リワード」が占めているのですが、とくにうまくいったのが「宝箱+ルーレット型」です。
具体的には、たまに出てくる宝箱を「動画リワード」をみることで、開けられるようにしました。ルーレットで「獲得アイテムの量」も変化するようになっています。
この「宝箱+ルーレット型」が、動画リワードの収益の73%を占めています。
ちなみに、動画広告を3社入れている中では、公平な条件で2回検証したところ、どちらもmaioの収益性が一番良かったですね。
たぶん、カジュアルゲームやネタゲームの広告が多いから、相性がよかったのかなと。そのため、いまでもmaioは一番優先して表示しています。
※「動画リワード」は全5箇所に設置している。
2、「新キャラ追加」を続けたことが売上の要に。
北迫:
課金周りでうまくいったのは「新キャラの追加」をずっと続けたこと。月に3〜4体ずつ追加しているのですが、それが売上の要になっています。
すこし意外なことに、ユーザーの動きを見ていると「新キャラが入った」というだけでもガチャを回してくれる人が多かったんですね。
そういう意味では、新キャラをつくるときには「ガチャ映えする」デザインであること、アニメーションをつけて「キャラの魅力を高める」ことも意識しています。
3、ガチャで「引きの良くないユーザー」の救済策を用意した。
北迫:
ガチャを回しているのに「レア度の高いキャラが手に入らない」というユーザーへの救済策として、ガチャレベルという仕組みを入れました。
これは、ガチャを引くとレベルが上がっていき、特定レベルに到達したときにガチャを引くと、「レア度の高いキャラ」が保証される、というシステムです。
課金モチベーションが維持されやすくなるといいな、という気持ちで入れました。
4、コアユーザー向けの「課金アイテム」も売上に貢献した。
北迫:
中国のゲームを参考にして、30日間有効になる「月額会員型のアイテム」を用意したところ、熱量の高いユーザーが買ってくれました。
データで見ても、「月額会員型のアイテム」を買ってくれたユーザーは、それ以外のユーザーと比べて、圧倒的に継続率がよかったんですよ。
それから、ルビーの詰め合わせと「広告の非表示」をセットにした、動画広告破壊パック(9,800円)も、売上的にかなり好調でした。
5、レビュー率が2割アップした「恩着せレビュー文言」
山田:
ゲームの途中で、魔神が「レビューを書いてくれないか」といってくるときの、文言をABテストしてみたところ、こんな結果がでました。
単純に「レビューを書いてくれないか?」と聞くよりも、あざとく「レビューのお願い」をした文言のほうが、約20%も反応率が高かった。
具体的には、「プレゼントしたメジェド(仲間キャラ)は活躍しているかい?」と、恩を着せるような言い回しでお願いをしました。
魔神のキャラにもマッチしたのだと思いますが、人間は恩を着せられると「お返ししたくなる」ものなのかもしれません。
今後の展開について
これからの「ボク殺3」の展開について教えてください。
北迫:
これから4ヶ国語にローカライズして、海外にも配信していく予定です。実は、前作の「ボク殺」も海外でそれなりにダウンロードされていて。
前作のダウンロード数(130万)の内訳でいうと、日本が50万ダウンロード、海外が80万ダウンロード、という比率になっています。
実は翻訳した当初は、1日に5ダウンロードしかされなくて、「英語圏はダメか…」とか思っていたのですが、結果的にはそんなことなかった。
それで、今作でも4ヶ国語にローカライズ(中国語 簡体字・繁体字・英語・韓国語)していこうと。
海外でダウンロード数が伸びると、収益的にもプラスになるのでしょうか?
北迫:
そうですね。前作の海外収益は「日本の半分くらい」にはなっていて、翻訳して良かったなと思えるくらいには収益にもつながりました。
ただ、1ユーザーの収益性でみると、海外はどこも「日本の1/3〜1/4程度」になってしまうので、やっぱり日本の収益性はダントツに高いです。
山田:
あと、今作では「翻訳の質」を上げるために、翻訳者も慎重に選ぼうと考えています。
まず、何人かの翻訳者の人たちに「例文の翻訳」をやってもらって、それを別のネイティブの人に判定してもらって、「一番よかった人」にお願いしてみようと。
多言語への翻訳だと、自分たちでニュアンスまで検証できないので、そういった形で質を担保できないかなと考えているところです。
最後に告知などあればお願いします。
山田:
もし「君の目的はボクを殺すこと」シリーズと、メディアミックス展開いただける会社さんがいらっしゃれば、気軽にお声がけいただけると嬉しいです。
たとえば、個人的には「WEBマンガ」や「5分枠アニメ」などで展開できると、おもしろいのではないかなと考えていたりします。
北迫:
ツイッター上で、二次創作の「ファンアート」を描いてくれたり、魔神同士の恋愛を楽しんでくれている方も、結構いらっしゃるんですよね。
想像していたよりも、ファンの皆さんに「君の目的はボクを殺すこと」を愛してもらえていると感じるので、その世界観を広げる取り組みができたらいいですね。
新しいLINEスタンプがついにリリースしたよ( ˙ᵕ˙ )
ボクの不思議なダンスを見ておくれよ。ククク……https://t.co/Pgr1GKI7dn pic.twitter.com/nNdGxnmdt6— 君の目的はボクを殺すこと3【公式】 (@GameKimiboku) July 14, 2017
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取材協力:ふんどしパレード株式会社、株式会社アイモバイル
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