「全世界アプリの売上92%がフリーミアム、有料市場は縮小」AppAnnieが語るアプリストア9つのトレンド。D2CRアプリセミナー

2014年10月08日 |
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本日はD2CRさん主催「iPhone 6発売記念!アプリビジネス・マーケティングの今後予測!」にて登壇された、AppAnnieさんの講演を前後編に分けてお届けします。

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「日本・グローバルのアプリトレンド」AppAnnie カントリーディレクター 桑水悠治さん

アプリストアの9つのトレンド

トレンド1:GooglePlay市場が2.5倍に大成長。

桑水:
「AppStore」「GooglePlay」「携帯ゲーム機」3つのグローバルでの市場を2013年Q1(1-3月)と2014年Q1(1-3月)で比べたグラフが以下です。GooglePlayが2.5倍に成長、AppStoreが1.7倍に成長、携帯ゲーム機はわずかに減少した。

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トレンド2:AppStore、GooglePlayともに市場が成長。

桑水:
グローバルでのアプリダウンロード数(左)をみるとGooglePlayが急成長、売上(右)で見るとAppStoreもGooglePlayも成長している。

ダウンロード数はGooglePlayが1.6倍リード、マネタイズではiOSが1.8倍リードしている。

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トレンド3:日本のゲームアプリの売上は2倍以上に成長。

桑水:
日本のゲームアプリのダウンロード数(左)をみると、AppStore(青)とGooglePlay(緑)共にゆるやかに伸びている。ゲームアプリの売上(右)はどちらもこの1年で倍以上に成長している。

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トレンド4:グローバルで大きく成長したのは「アプリ内課金」。

桑水:
濃く塗りつぶしてある部分が「アプリ内課金」、薄い色の部分が「有料アプリ(月額課金含む)」の市場。AppStore(青)もGooglePlay(緑)も「アプリ内課金」が大きく成長している。

GooglePlayは「有料アプリ市場」がほとんどボリュームがなく横ばい、iOSは「有料アプリ市場」が若干成長している。

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トレンド5:グローバルで「モバイル&アプリ」の広告市場が伸び。

桑水:
AppAnnieとIDCの共同調査データによると、世界での「PCの広告収益」はあまり伸びていない。

一方「モバイルの広告収益」は大きく伸びていて、特に「モバイルアプリ内の広告収益」の成長率が1.6倍と高い(右から2番目)。

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トレンド6:「フリーミアム」と「広告モデル」が成長、「有料アプリ」市場は縮小。

桑水:
ビジネスモデルとして成長しているのは「フリーミアム(無料+アプリ内課金)」と「広告モデル」。

特に「フリーミアム」は211%も成長して「広告モデル」の市場を上回る程に。一方で「有料アプリ」と「ペイドミアム(有料+アプリ内課金)」の市場は縮小してしまっている。

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トレンド7:全世界のアプリ売上の92%は「フリーミアムモデル」

桑水:
世界の全アプリのビジネスモデルを調べてみると、「フリーミアム」のビジネスモデルが83%、「有料アプリ」が8%、「ペイドミアム」が9%という状況。

そして、これを売上比率で見てみると「フリーミアム」が92%、「有料アプリ」が4%、「ペイドミアム」が4%という結果になる。つまり、アプリのビジネスモデルとして「フリーミアム」が圧倒的に成功している。

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トレンド8:「フリーミアム」に変更して成功したアプリ事例も続々。

桑水:
WhatsApp(※欧米のLINE的存在)は2013年7月よりフリーミアムに変更、Skypeも「Skypeクレジット」をアプリ内から購入できるように変更し成功した。

FIFA14(サッカーゲーム)とReal Racing3(レース)については、もともと「ペイドミアム(有料+アプリ内課金)」で成功していたが、フリーミアムモデルに変更したところ、さらに大きく成功した。

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トレンド9:新iPhoneが発売されると、AppStoreのアプリダウンロード数も伸びる。

桑水:
日本における、「新デバイス発売」と「アプリダウンロード数の推移」月別の推移を調べたもの。青いグラフがアプリのダウンロード数。

新しいiPhoneやiPadが発売するタイミングでダウンロードが伸びていたり、ドコモがiPhoneをスタートした後のタイミングでも伸びている。新デバイス(iPhone,iPad)の発売は、新規アプリダウンロード数と関連性があるということがわかる。

そして、1番伸びているのが2014年の3月。これはデバイスというよりも「新学期シーズン」が要因で、たくさんの人がスマホを買い替えている。

アジアは1月と3月に大きく伸びる傾向にあるが、欧米の場合は11月末のブラックフライデー、12月のクリスマスに影響されて、アプリのダウンロードもすごく伸びる傾向にある。

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ストアのトレンドまとめ

桑水:
・ゲームがアプリ市場をけん引(日本では90%がゲームアプリからの売上)
・グローバルはGooglePlayのダウンロード数が大きい(日本は若干iOSが大きい)
・ゲームは収益の成長スピードが早い、1ダウンロードあたりの売上が伸びている。
・新デバイスが発売されると、アプリストア全体のダウンロード数が伸びる傾向にある。

取材協力:App Annie Japan、株式会社D2CR

編集後記とまとめ

「有料アプリ市場って伸びているの?」と気になっていた人は多いと思うが、明確にデータ上も縮小しているとのこと。特殊なパターンを除いてフリーミアムか広告収益モデルで考えたほうが良いですね。

現在AppAnnieさん(東京オフィス)では積極採用中とのことなので、ご興味有る方はぜひ。マーケティング系でいきたい人は良いキャリアになりそう、給与も良いらしいです。

また、近日公開予定のAppAnnie後編の記事では「アプリダウンロード数が多い国トップ10」「勢いがあるカテゴリ」「海外で成功している日本アプリ企業トップ10」などをお届けします。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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