4/16に開催された、D2CR社主催のセミナー「アプリビジネス支援”グロースハック”サービス最前線!」に参加してきました。
本記事ではこちらのセミナーに登壇された、Jibe Mobileさんの講演で参考になったポイントをまとめたいと思います。
ユーザーは一日平均2時間以上アプリをつかっている。
ユーザーがスマホを見てる時間は、1日平均2時間半といわれている、2時間半のうち86%(2時間9分)の時間は、ユーザーはアプリをつかっている。
ユーザーを活性化させる点で、プッシュ通知は優れているため、プッシュ通知を送りたいからWEBサイトではなく、ネイティブアプリをつくろうという会社も増えている。
(※アプリのアクセス解析などを提供しているFlurryが発表したデータ)
アプリでは「プッシュ通知」が与える影響は大きい。
Urban Airship(※シリコンバレーのPUSH通知サービス)の利用者の、過去6ヶ月間の5億プッシュ通知の統計を元にしたデータによると、
プッシュ通知の許諾をONにしているユーザーのほうが、リテンション率(アプリを継続して使ってくれる)が明確に高い。
アプリでは時間がたつほどにリテンションが減っていくが、アプリを使いはじめてから6ヶ月時点では大きな差になる、
▼6ヶ月時のリテンション(継続率)
プッシュ通知ONのユーザー:25%
プッシュ通知OFFのユーザー:13%
数値からみるPUSH通知の5つの真実
真実1:プッシュ通知自体には嫌悪感無し
1万人にアンケートをとった結果、80%のユーザーが「プッシュ通知を受けとっても良い」と回答。
真実2:アンインストールされる危険もある
23%のユーザーはプッシュ通知でアプリをアンインストールした経験がある。アンインストールされるきっかけにもなりうる。
若ければ若いほどプッシュ通知への抵抗はすくない傾向、男性の場合は年齢あがるほど嫌がる傾向にある。
顕著なのは40代の女性がやさしいこと。理由としては、主婦はお得な情報を求めている傾向があり、通知やお知らせに寛容。「クーポンをうけとってもいい」というユーザー層とも重なる。
真実3:プッシュ通知の許諾は35~50%
アプリを初回起動したときに、プッシュ通知が許諾される確率は35~50%。ジャンルは「メディア」がもっとも承認率が高い、ゲームは比較的低い。
・ギャンブル(ポーカーとか):平均46%
・メディア(ニュースとか):平均50%
・エンタメ(ソーシャルとか含む):平均45%
・リテール(フリマとか):平均46%
・ゲーム:平均35%
・スポーツ:平均48%
真実4-1:プッシュ通知ONのユーザーは、たくさん起動してくれる。
プッシュ通知をONしているユーザーはたくさん起動してくれる傾向にある、毎月のアプリの起動回数を、アプリのジャンル別に平均したデータ。
・リテール
プッシュON 13回起動/月
プッシュOFF 9回起動/月
・エンタメ
プッシュON 10回起動/月
プッシュOFF 8回起動/月
・メディア
プッシュON 23回起動/月
プッシュOFF 22回起動/月
・ギャンブル
プッシュON 22回起動/月
プッシュOFF 16回起動/月
・スポーツ
プッシュON 13回起動/月
プッシュOFF 11回起動/月
・ゲーム
プッシュON 27回起動/月
プッシュOFF 20回起動/月
真実4-2:プッシュ通知は、継続率UPに影響をあたえる。
プッシュがONでもOFFでも、もっともアプリの起動率に差がないジャンルが「メディア」。通知がきてもこなくてもアプリの起動回数はほぼ一緒だが、実は継続率に影響をあたえている。
<メディアアプリの6ヶ月後の継続率>
・ニュース
プッシュ通知ON:平均50%
プッシュ通知OFF:平均31%
・ゲーム
プッシュ通知ON:平均14%
プッシュ通知OFF:平均9%
つまり、プッシュ通知は起動回数を上げるだけでなくて、ユーザーがアプリを長く使ってくれるためにも有効ということ。
真実5:再起率と配信数は無関係
「何回くらいプッシュ通知を送れば良いですか?」と聞かれるが、実は統計データ上では、回数はあまり関係なくて、何を配信しているかが重要。
(「プッシュ通知をいっぱい送っても、ユーザーの継続率に変化がないよね」の図)
青:許諾をONにしているユーザー
赤:許諾をOFFにしているユーザー
※横軸がプッシュ通知の平均回数
※縦軸が2ヶ月間の継続利用率
PUSH通知における5つの大きな間違い
間違い1:一斉配信ばかりの通知
全ユーザーに同じものを一斉に配信してしまうのは良くない。一斉配信が何回もくると、だんだん飽きてきていやがられる。
良い例は「キャンディクラッシュ」、次の、クエストが開始したときに通知を受け取れるようになっている。
間違い2:ユーザをとりあえずプッシュで呼び戻せ!
ソーシャルゲームなどで「助けにきて!」「牧場がやばい!」と何回も送ると迷惑になりやすい。良い例としては、netflix(ビデオをオンデマンドで見れるサービス)のアプリ。
ドラマのシーズン1を見終わったユーザーに「シーズン2がはじまりましたよ」と、ユーザーが何をみていたかをもとにセグメントして通知をしている。ユーザーに有益な情報を配信すれば、喜ばれるプッシュ通知になる。
間違い3:タイミングを考えないで配信する。
まず、ユーザーの寝ている時間などはさける。良い例は「NHK紅白」のアプリ。出演者の時間の数分前にプッシュ通知してくれる。郷ひろみが見たかったら、郷ひろみに事前にチェックを入れておく。
サービスによってはプッシュ通知が遅延するケースもあるので、ピンポイントな時間での配信が必要な場合は、事前に検証したほうがいい。
間違い4:通知とランディングページが無関係。
「プッシュ通知の内容」と「開いたページ」がマッチしていないのは良くないよくあるのが、プッシュ通知を押すとアプリのトップ画面に遷移して、目的ページにたどりつけないケース。
間違い5:プッシュ通知の表現は変えられない。
プッシュ通知は「音」も変えることができる。Androidであれば通知の表示の仕方をカスタマイズすることも可。
参考事例
事例1:プッシュ通知の許諾のとりかたを工夫する。
iOSの場合、強制的に最初にプッシュ通知のONかOFFかの選択がでるが、チュートリアル中にユーザーに許諾をONにしてもらえるように導いたり、アプリのコンテンツの一部にプッシュ機能を組み込むことで、許諾率を上げられる。
スポーツニュースのアプリ、「NBAの、カリフォリニアパンサーズの、ゲームスコア」のニュースだけ受け取る、というような詳細な設定ができるようにしている。
事例2:「お知らせページ」をつくってプッシュ通知した情報をまとめておく。
アプリが気に入っていても、プッシュ通知をうけとりたくないユーザーもいる。「お知らせ」ページを用意して通知情報をまとめておくと、プッシュOFFにしているユーザーにも、情報の伝達ができる。
(※画像は「MUSE & Co.」より)
まとめ
5つの真実
1、プッシュ通知自体には嫌悪感があるわけではない。
2、アンインストールされるリスクを考慮する。
3、プッシュ通知の許諾率は35~50%
4、うまく使えば、高ロイヤリティユーザーへと成長させられる。
5、再起動率とプッシュ配信数は無関係
5つの間違い
1、一斉配信ばかりの通知はNG。
2、ユーザを無理にプッシュで呼び戻すこと。
3、タイミングを考えない配信。
4、通知内容とランディング(飛び先ページ)が無関係。
5、プッシュ通知の表現は通知だけ。
プッシュ通知サービス「リブパス」
シリコンバレーのプッシュ通知「Urban Airship」をベースに、日本向けに「リブパス」というサービスを4/22にリリースした。
特徴
・料金は月額2万円~
・3つのアプリなどに一気にプッシュ配信できる。
・プッシュ通知を押すと「動画再生」なども可。
・GPSでの位置情報やセグメント別の配信。
・プッシュ通知の開封率などの分析画面も有。
※なお、D2CR経由で申し込むと、初期費用と初月費用が無料になるとのこと。
https://seminar.d2c.co.jp/d2cr/contact/index.html
取材協力:株式会社D2CR、Jibe Mobile株式会社
「プッシュ通知をONにするユーザーは優良なユーザー」ということではなく、プッシュ通知がONになっていれば、アプリのことを忘れられたりする可能性を減らせるので、結果的にアプリの継続率があがるということ。